起きて数十分。お互いに目が覚めて脳が活動を開始しつつも、身体はベッドに浸食されているようで起き上がる気配は一向にない。すぐ横で退屈をしているのであろう彼は、シーツへ広がる僕の毛先を掬いあげて、くるくると指で弄んでいる。
「ねえリオ、少しじっとしていてもらえる?」
「いいですよ」
未だ身体を横たえていた彼が、少しだけ擦り寄る様に上体を持ち上げて僕に覆いかぶさる。そのまま首筋から少しずつ唇を落として、鎖骨のところで少し歯を立てられれば、安易な返事をした自身を少し恨んだ。逡巡の間、予想外の痛みに顔を上げれば意地悪く細められた視線と目が合って、見せつけるように柔く食まれて皮膚を吸われる。
「ん、……あの」
「うん、どうかした?」
「それはちょっと、狡いんじゃないですか」
「如何して? 好きって事を目いっぱい伝えてるんだよ」
至極当たり前、と言わんばかりに真っすぐな目を向けられる。言われなくても分かる程愛情を伴ったものだ。視線で焼かれるとするならこう言った類の物なのじゃないかと思う。暫く返答に困っていれば、胸元に顔を落ち着けた彼が、照れているの、なんて揶揄うものだから、ほんの少しの報復を込めて耳朶に柔く牙を立てる。
「あはは、怒った? でもそんなリオも可愛いよ」
「ルディ」
「ん、ごめんごめん」
小さい子が親の機嫌を取るように、甘えたような接吻を落としていく。反面、純な可愛らしさなんてない視線でまたシーツへ縫い付ける。起き上がるのも億劫で、応えるよう背に手を回せば、また機嫌を好くした空気を感じる。
ふたり、シーツの隙間に溺れてしまえば、次に意識をしたころには陽も隠れるような時間なのだろう。そんな休日も嫌いではなくなった。