プレゼントを選ぶというのは難しいですね。特に意中の女性に対しては。
うんうんと悩んでいれば、妹には気持ち悪いと辛辣な言葉をいただいてしまった。
丸井君にも姓さんの好みを聞いてみたが、昔の情報しかないとのこと。その時は花や淡いピンク色が好きだったらしい。
あまり親しい仲というわけではないために、余計にプレゼントに悩みます。
アクセサリーやぬいぐるみは以ての外として、ハンカチや文房具あたりでしょうか。形に残るものはどうなのでしょう。
幸村君のようにお花などがいいのでしょうか。
「どう思いますか、金魚さん」
「うーん、ハンカチもよいですが、お花がいいと思います!」
身近な別の女性の意見として、クラスメイトの金魚ちゃんに尋ねてみた。
生物部から代表として来賓用玄関の金魚のお世話をしているから金魚ちゃん。彼女はいつも通り金魚たちに餌を与えながら答えてくれた。
彼女は形になるものは気にならない。けれど、あまり高価なものはお返しに困ると貴重なご意見をいただいた。
幸村君の彼女さんも花と答えました。よくも知らない男性から形になるものは気持ち悪いと。
実際、あまり面識のない幸村君から初めていただいた物は花でしたね。今やその首に光るネックレスが二人の関係の証明ですね。
花は、幸村君に聞くのが一番ですね。開花時期や花言葉もひっくるめて誰よりも詳しいはずです。
「ペンステモンとかどうかな」
うーんと少し悩んだあと、幸村君は花の名前を言った。全く耳にしたことのない話ですね。
携帯電話で花の画像を見せてもらう。あまり見たことがない花。いや、私が目に入れていないだけなのかもしれない。
「あまり切花として売っていないから、うちに手折りに来なよ」
「いえそれは」
「もうこの時期鉢でも売ってないよ」
それに日本ではあまりメジャーじゃないみたいと付け足して、諦めるか幸村君を頼るしか選択肢がないようだ。
幸村君の次の言葉にペンステモンを贈る決意をした。
彼女の誕生日とは関係ない花のようだけれど、花言葉がとても魅力的でした。
例え姓さんが花に添えられた真意を知らなくても、贈りたい可愛らしい花です。
花束だけでは少し寂しいかと思い、何かもう一つと本屋へ足を運んだ。
洋書の書架で自分のための本を選んでいる時に、ふと平積みしているイギリスの花の図鑑に目が留まった。写真ではなく水彩画で描かれている。
美しい本です。柔らかいタッチがなんだか姓さんのようで、例え英語がわからなくても眺めるだけでも楽しい図鑑だ。
値段も手頃だったので、自分のものにも目星をつけてレジへ向かった。
姓さんに贈る図鑑をラッピングしてもらい、本屋を後にする。
喜んでいただけるでしょうか。彼女は遠慮するでしょうね。
たった数回しか顔を合わせていませんし。余計なお世話な気もします。
私の想いを乗せてしまうので、中々重いかもしれません。
それに、誕生日であることは人づてに聞いた話であるため、怪訝に思われるかも。