先日、遅くまで学校に残ってホチキス留めをしたプリントを配った部長会議。


ここに出席している部長は殆ど三年なので、なんとなく連休の学内施設の使い方はわかっている。


長期休暇と違うのは、顧問も祝日でお休みであって、活動が顧問次第ということだ。
それに、練習試合や大会も入っているし、新入部員も加わるので問題がないように細心の注意払わねばいけない。
そのため、一年生は練習に出さない部活もあるらしい。


「では、4月度の部長会議を始めます」


これが今年度最初の部長会議となる。
すっかり生徒会長は立ち直り新しい恋を始めたらしい。

性を覚えた中学生というものは。
同い年ながらもそういったことには冷めていた。


『次、男子硬式テニス部』
「はい」


司会進行を進めていると、いつもと違う声に顔をあげた。


幸村だ。
冬に倒れてから真田が代理で来ていたものだから、少し驚いた。


わたしは出欠を兼ねた部活一覧に印をつける。
まだ陸上部が来ていない。部長は足こそ速いが時間にルーズだ。
ゴールデンウイークに活動申請も出ているのだから、今日は出てもらわないと困るのに。


「男子テニス部、以上です」
『次、女子テニス部』
「はい」


出席した部活の近況報告が終わる。
結局陸上部が来ることなく、部長に直接資料を渡しに行くという手間が増えた。
クラスメイトだからいいんだけどさ。


一時間ほどの会議。
終わればバラバラと席を立ち皆、部活や帰路につく。

聞きこぼしたことは柳に聞くとして、新入部員の数が決まれば予算を組み替えないとなぁ。
副会長って、どの役職よりも何でも屋だな。


「苗字」
『はい』


ぼんやりと考え事をしながら、部長会議に貸してもらった化学室の戸締りをしていると、幸村に声をかけられた。


「蓮二は先に生徒会に戻ったのかな?」
『多分』
「じゃあ、これを渡しておいてくれるかな」


彼の脇に挟まれていた封筒。快く受け取る。


『入院してたんじゃないの?』
「ん?ああ。一時的な退院だよ。7月の手術まで絶対安静」


その割にユニフォームを着て今から部活しますみたいな格好をしてるけど。


じゃあと別れた彼の背中に手を振る。


わたしも生徒会室に戻って、やることやって、柳に幸村からの預かり物を渡さないと。

誰もいないし小走りで廊下や階段を駆ける。


今日は見たいドラマがあるんだ。
何としてでも19時までには家に帰らなくては。