つり目の生活
me

▽2021/04/09(Fri)

最近、ある店舗の休憩時間に癒やされている、

すっかり昼職になって、朝に起きて夜に帰る日々が続いている。お昼ご飯を食べてから、社員用休憩室に向かう。
そこはいつも真っ白い外からの柔らかな光が差し込んでいて、とても明るい。そして、懐かしい白さで染まっている

テレビがついている。平日の真っ昼間に観るテレビは、まるで小学生の頃学校を休んだ時に観るテレビの背徳感そのままで、あまりにも懐かしくて目が眩む。
ああそうだ、こんな白い世界を望んでいたはずだったと、昔何を望んでいたのかをゆっくりと思い出す、

勿論、夜の記憶も流れ込んでくるし、当然夜景や紫色のイメージは燻っているのだけど、それでも確かに、あの頃の私は仕事も学校でさえも考える必要がなかった、三才くらいの頃の記憶が、ゆったりと蘇ってきた。

それはそれは白い世界を望んでいたはずだった。

真っ白なレースのカーテンがたなびく、自然光が差し込む綺麗な白い部屋で、柔軟剤の香りがふわっと香る、洗いたての柔らかいタオルに包まれるような幸せを望んでいたはずだった。
「光」を好む、健全な赤ん坊の頃を思い出している、


そして、いつかは恋人と京都奈良に行ってみたい。着物を着た恋人を見てみたい。
雨が降っていてもいい、京の街を歩く、それはそれは絵になるであろう彼が見たい。

葉と風に吹かれ、一枚の絵になる彼が見たくてたまらない。

そう、これらは、健全な昼の希望。
夜の欲望は、


ただの情欲だ。
和服をはだけさせた彼が見たい。
刺青が色香を増長させる、妖狐のような妖しさを持つ彼に誘われたい。
帯で手首でも縛られて、抵抗できないようにしてほしい、
湯けむりに巻かれて、熱を帯びた身体と、空気の冷たさの対比を感じたい。

旅館の布団に包まれて、次の朝に目覚めた時についた寝癖を愛でていたい


抱かれて、抱かれて、縋るような掴み方しかできないほどまでに、
愛してほしいよ

なんて、はしたないことを想ってしまうのは、なかなか会えない時間が多いからだろうか。
愛しさが、切々と降り積もる雪のように哀しいのです。






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