つり目の生活
me

▽2022/03/17(Thu)

ああ、
不謹慎なのは分かっているけれど。

大きな地震、皆様は大丈夫でしたか?
私は無事です。本棚が危うく倒壊しそうになって、必死に支えていたけど、とりあえず無事に居ます

久方振りにこんな大きな揺れを感じて、東北が震源地のこんな大きな地震、まるで3.11のようだ、と思った。

彼は仕事で、私は今体調不良で会社を休んでいる。
一人と一匹の家の中、揺れが落ち着いてからテレビをつけた。
どのチャンネルでも地震のニュースで、震度六強、東北はもっと強いのかと思うと心がざわつく。
そして、津波注意報が出る。
日本地図が画面に浮かび、来るかもしれない所にラインが引かれている。
3.11の時はこれがほぼ全輪郭になっていたことをふと思い出す。

そして、ふと思い出してしまった。


不謹慎なのは分かっているの。
予め謝っておきますね。


2011年、3月11日。
あの日私はまだ16歳で、三年生の先輩達の卒業式だった。

その一ヶ月前、私は処女を喪失していた。

小中とずっと一緒で、高校は違うけど電車は一緒だった幼馴染が居た。
いつからか、私は幼馴染が好きで、バレンタインを渡そうと思っていた。
けど、そのバレンタインも渡せることなく、失恋した。
そしてその当時流行っていた個人ブログで知り合った男に連絡をして、「私の処女を奪ってください」とお願いをした。

私の初体験は、制服に手錠だった。

男の人に触られるのも、大人のキスも、痛みも、終わったあとに抱かれるのも、全部初めてだった。

その後2回程会って、なかなか生理とかが重なって会えなくて、
ようやく次に会える、と思っていた矢先。

あの3.11が来た。

当時はガラケーの3Gで、安否確認を何度もあの人に送ったけれど全然返って来なくて、何度もメールの問い合わせをしたっけ

地震が起きた瞬間、帰宅部だった私はとっとと帰宅して、カバンを床に下ろしたその瞬間だった。

立てないくらいの揺れと、物が落ちる音、聞いたこともないような地鳴りのような音。
力をどう入れたらいいのか分からない足に鞭打って、私は家の玄関を蹴り飛ばす勢いで開けて、ベランダから世界が揺れているのを見た。

ようやく落ち着いた時には、電気はもう止まっていて、テレビもつかなかった。

夜になって、ロウソクに火をつけて母と祖母と三人で寒いねって話しながら、どうなってしまったんだろうか、と話した。

携帯のワンセグで辛うじて入るニュースを聴きながら、私達は今東北で何が起こってるかを知った。
それでも、こっちもいつ充電ができるか分からないから、携帯の電池は温存させて、理科で作った手作りの手巻き式ラジオを稼働させた。
まさか本当にこんな物が役に立つなんて、あの時は思ってもなかったけど。
これが本当によく役立ってくれた。
電気も着くようになっていたし、ハンドルさえ回せば電池が切れることは無かったから。

断水は数時間で解消されたけど、結局日付を跨ぐまで電気は止まってしまったままだった。

0時を超えて、突然バチンとブレーカーが上がった音がした。
いそいでコタツとテレビをつけて、私達はようやく鮮明なニュースを見ることが出来た。

そして時は同じくして、大量のメールが返ってきた。あの人からの、大丈夫、そっちは大丈夫?と言うたった一通のメールと、それ以外の人からの安否確認。
その時の私は、あの人からのメール以外どうでもよかった。
無事でよかった、ただそれだけを思っていたことを今でも覚えている。

それから、私の住む地域は計画停電とかがあって、ちょっと不便な生活を強いられた。
けど、東北の方達に比べたら随分と恵まれたもので、文句なんて言えないよな、と思いながら過ごしていた。
次に学校に登校して、帰る時に見た夕焼けの景色がやけに鮮やかだった。

3.11以降、私があの人と会うことは無かった。

気付けば夏になっていて、その時私にはこれから四年半付き合うことになる彼氏が出来た。
彼氏にはあの人の存在のことを隠したり話したり、よく分からない説明をして濁していた。

けど、丁度その時、あの人から久々に会わない?というメールが届いた。
私がそれまでずっと待ち続けていたメールで、
それまで全然送ってくれなかったくせに。

元々、好きにならないでね、と言われていたし、当時処女だったから抱かれた男を好きになる、なんていうよくある話。
一方的な片想いだと分かっていたし、都合のいい女でいいやと高校生ながらにして悟っていたから、期待なんてしていなかった。
それでも、たった二回しか会ってないのに、あの人の家の香りが染み付いた制服はしばらく洗えなかったし、あの空間は今でも鮮明に覚えている。

とあるマンションの一室、交通費を貰って、私は制服を脱がされたり脱がされなかったりして、勉強を教えて貰いながらコタツの中で始まるイタズラ。

ブレザーの上着を脱いで、セーターとシャツの中に手をくぐらせて、少しずつ触れられていくくすぐったさとか、焦れったい感じ。

必死にシャーペンを握りながら我慢して、目の前の問題を一問ずつ解いていく。
そのうち我慢できなくなって、崩れ落ちるのをあの人は楽しそうに見て笑っていた。

そんなことも、全部覚えているくらい、好きだった。


それでも、その彼氏のために、彼氏が出来たからもう会わない。連絡先も消すね、ごめん。今までありがとうと伝えて、残念だけど、頑張れ!と言われて、私の初めての人との関係は終わった。

教えてもらった音楽も、歴史も、色んな私がただ生きてるだけだったら絶対知り得なかったことも、全部あの人が教えてくれたもので、それはもうあれから12年経った今でも生きている。

10個上だったあの人は、今年もう38になるのね。

今でもどこかで元気にしているのだろうか。

本当に不謹慎だけど、3.11を思い出す度に、同時にあの頃の私とあの人を思い出してしまう。
人の歴史って何かのワンパーツで色々と蘇ってしまうから厄介だね。

そんなお話






prevnext