つり目の生活mo
▽2020/08/29(Sat)
始まりの過去の夏
書く書くと言ってから、結局書くのに時間がかかってしまった
そう、海に行った話を書こうと思ったのです。
感動が薄れる前に、
会社の皆で、がっつり海でBBQしたのだけれど、去年は海ではなかった。
けど、うちの会社は毎年夏と年末に全社員で集まって何かしらの催し物をやる。
そして、私と虎さんの始まりもまた、その夏の催し物がきっかけだった、
虎さんに出会ったのが、一昨年の冬前くらい。初めてヘルプで別店舗に行ったのだけど、そこで出会ったのが虎さんだった。
タッパがあってでかいし、強面な感じで、でも美人だなと思った。普通に格好いいと思ったし、ただお喋りで愛想がいい訳でもないので、ちょっと怖いなとも思った。けど、最初の頃からよくいじってくれたし、ちゃんと優しかった。何だこの人は、好みな感じだなと、当時の自分は思ってはいけないことをその時から思っていた。
でも、あまりヘルプに入ることも多いわけでなかったし、接点なんてほとんど無かったのだけど。
自店舗の副店長が辞める日に、同期と虎さんとで三人で飲みに行ったりするようになってから、少しだけ、本当にたまに三人で集まるようにはなっていた。
そして、去年の夏、8月。
会社のBBQをきっかけに、私達は始まったのだった。
今年の海への道程までに、まだ付き合う前に案内してくれた虎さんのかつての地元の駅があった。
去年の夏、地元を二時間ほどかけて案内してくれた虎さんを思い出す。
普通、何も無い人にわざわざ地元を案内することはない、し、私もわざわざそこまでついて行くこともしない。あの頃からも、もう入れ込んでいたんだろうな、向こうはどうだったかは、分からないけれど。
でも、何も思ってない人にあそこまでのことはしないと思う。
ミンミンジワジワと、セミの鳴き声がけたたましく聴こえるあの夏の日、熱中症になりかけながら、街を歩いた。
誰も居ない山に登って、そこから街を見下ろして、写真を撮った。あの街を、私も一瞬で好きになった
そして、あの日本当は、夕方から祭りがあるらしかった。
でもその日、私は仕事があって、一度家に帰ってちゃんと出勤しなければならなくて、それも帰るべき家があった。
帰らなければならない家があった。
当時、私は既婚者で、家に帰りを待つ人が居た。
バックれちゃえば?と言う彼の言葉にどれだけ従いたかった事だろう。
あの時、全てを捨てて飛び込んでしまいたかった、当時の彼の胸から離れることはとても苦しくて、ずっと一緒に居たかった。ただただ、痛くて痛くて、胸が苦しくて、泣く泣く家に何時間もかけて帰ったのを覚えている
あの山から見下ろした街の光景を、私は忘れることは無いだろう。
今年は、もう一緒だ。ようやく一緒になれたのだ。
一緒に電車に乗って、あの街、あの山を車窓から見た。懐かしいね、と笑いあった。
私達は始まってから約一年、ずっとお互いのものになりたいのになりきれなくて、今年のこの8月にようやく私はただ一人の女になり、彼の胸に飛び込むことができたのだ。
そして、あの広い広い海を、虎さんと見れたことに感謝している。
やっぱりあの地域は、どこか懐かしくて、切なくなる。
そして、過去を思い出しては今の彼が愛おしくて仕方なくなってしまう。たまらなく愛おしくて愛おしくて、絶対に離すものかと思う。
一緒に肉を焼いたり、煙草を吸って、ビーチバレーをやる。海で二人ではしゃいだ。
たった一年の苦労だと思われるかもしれない。けれど、この一年の我慢は、確実に財産なのだ。
あの時、どれほど愛おしくて、切ない気持ちに雁字搦めになっていた事だろう。
そして、もう帰るべき家とは呼べなくなってしまった家に、無理矢理帰らなければならなかったあの苦痛を、愛してもいない人に愛の言葉と労いの言葉を吐かなければならなかった苦痛を、離れたくても離れられない時間があったことも、そしてその時、その分、どれだけ虎さんに逢いたかった気持ちがあったことか。
もう、あんな思いはごめんだ。
愛おしいという気持ちはいつまでもあるけれど、あんな寂しい思いはもうしたくない。
彼は、もう私だけのものだし、私も彼だけのもので、もう完璧に私のことを縛れるのは彼しか居ないことに、この上ない幸せを感じている。
今年もあの夏が、8月がやってきて、それを彼と過ごせたことを、幸せに思う。
一生、墓場の果てまでも一緒に居る男が、私の恋人で良かったです。
これからも宜しくね。
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