つり目の生活
mo

▽2021/04/18(Sun)
愛ある欠陥品
17日、ついに念願のタトゥーを入れてきた

19の頃から彫りたいと言い、このサイトにも綴ったけど一年前に彫ろうとしてて、一度虎さんに止められて潰えた願いだったのだけど。

一年越しに、やっぱり諦めきれないと言ったら、案外すんなりと受け入れてくれた。

ので、初タトゥーを入れてきた。

一年前、同じスタジオで虎と竹を組み合わせたものを考案していて、それはまた今度入れてもらうことにして、今回は梟と月を彫ってもらうことにした。
月はワンポイントとして、梟は上腕の殆どを使う。今日はとりあえず、梟のデザインのカウンセリングと、月だけ施術してもらうことになった。

少し無愛想なスタッフと、色々ああでもないこうでもないと言いながらカウンセリングを進めてもらい、月は10分にも満たないカウンセリングだったけど、納得がいくデザインと技術で感動した。

でも、その担当のスタッフは来月には独立するために居なくなってしまうという。
同じくらいの技術力を持つスタッフに担当してもらえるといいのだが、、、

少し緊張しながらいざブースでベッドに横になり、袖を捲って腕を出す。
ヂィーーーという重低音のタトゥーマシンの音が店中に響く。
ちなみに、私が待っている時間もずっと誰かの彫られている音が聴こえていて、初めての人はその音だけで少し怖くなる人も居るかもしれない。
正直な所、私は少し怖気付いた

その音を聴いていると、本当にこれから彫るのか、後悔しないか、激痛なのではないかとか、色々な未知への恐怖が襲いかかってくるのだけど、少なくとも後悔に関してはこの一年、何なら計八年ほど思い煩ってきたのだ。やらぬ後悔よりやる後悔、この先もずっと入れないまま欲するだけよりずっといい事を知っている

だから、腹を括ってカウンセリングを続けた。

決まったデザインの紙を、入れたいサイズのものを選び、それを腕に貼り付けて線が写るような仕組み。
その線を元に、彫り師が彫っていくような感じだった。

「行きますね」

一言、声を掛けられ、一刀目が入る(一刀目と言うべきか分からないけど)

針が入った瞬間の痛みは分からず、「?」と思った次の瞬間に、なるほどこれが俗に言う「筋彫りの痛み」と言うやつか、と思うような痛みが走った。

けど、それは想像よりも遥かに弱い痛みで、けどネットでよく見る「錆びた、切れないカッターで切られているような感じ」という表現は正しくそれだと思った。本当にそうとしか言いようが無い種類の痛みなのだ。注射とも、単純に切られているともまた違う、尖ってはいる何かで強くガリガリと引っ掻かれているような痛み。ただ、度合いとしては私の場合は想像よりも弱かったため、これをどれくらいの痛さだ、と説明するには難しい。

でも、一度筋彫りが終わってしまうと、その後のぼかしの痛さは殆ど無いに等しい。
否、無いと言うには少々言い過ぎな部分があるかも知れないが、筋彫りに比べると遥かに優しい痛みだと私は感じた。
こちらもネットでよく書かれている表現同様、「日焼けした所をヤスリで強く擦られているような痛み」そのままだ。
若しくは炎症を起こした皮膚を、乾いたタオルで擦られていると言ってもいいかもしれない。
要はそんな感じの痛みだ。

ちなみに彫った場所は左前腕の関節に近い部分なので、内側ゆえ外側の痛みよりは強いかも知れないが、体全体の中では痛みが少ない部位ではあるので、だから余裕だったのかもしれない。

サイズは煙草の箱くらいのサイズ。それより少し小さいくらい、


彫り師さんの集中力を削がない程度の会話を楽しみながら、痛みに慣れてくるとうとうとできるくらいなので、痛さが怖くてなかなか踏み切れない人は、そこまでじゃないから安心してほしい。耐え難い痛みではないです、勿論部位によるけれど

胸から手首まで和彫りがビッシリの虎さん曰く、脇付近(特に内側)はめちゃくちゃ痛いらしい、ちなみに私もその近くまでは梟のサイズ予定なので、少し恐怖しております 笑


施術自体は多分30分くらい、それよりもかからなかったかもしれない。

ささっと精算して、「梟のデザインが出来たらLINEでお送りします」と伝えられ、今日の施術の術後に関する注意事項が記載された紙を貰い、店を後にした。

すぐに最寄りを出て、地元に帰る。
コンビニで公共料金を払い、虎さんの煙草とミルクティーを買って帰宅した。

そして、デザインを見せた。寝惚け気味の彼だったが、デザインを見て悪くは無い反応を見せてくれた。

そこで、彼が彫った時の話なども聞けて、そう言えばこの人は彫ることにおいても先輩だったな、と笑った。

これで、二人とも温泉入れないね、と笑う。

私がずっと彫りたかったのには、彼のコンプレックスの意味も入っている。
単純に彫りたい気持ちもあったが、それに加えて、以前彼は「俺の刺青を受け入れてくれる人も居ないし」という言葉を吐いている。

私はずっと覚えている、
入れたことを後悔する恋人の言葉も、それがコンプレックスになった時もあることを

確かに、現在まだ日本では、タトゥーは勿論、和彫りなどはより受け入れてもらいにくい。
だったら、私は敢えてその受け入れてもらいにくいリスクを背負いたかった。

余りにも、自分に自信が無いと言うのなら、そしてそれが刺青にもあるのなら、私自身が同じリスクを背負いたかったし、自分もまた受け入れてもらいにくい状況下に自分を置くことで、彼に安心して欲しかったのだ。

これでまた私の需要が下がるポイントができたので、貴方は安心して下さいと

勿論、タトゥーや刺青がフェチの人も居るだろうけど、それでも一般的な分母で見たらまだまだ少ないわけで。

特に結婚などを考えた場合、伴侶となりうる人が刺青やタトゥーを入れてることで倦厭してしまう人も居るだろう。
それによる婚約破棄の話も無くはない

そのリスクを、敢えて私は背負いたかった。


だからどうしても入れたかったし、私はそこまでの覚悟があることもわかって欲しかった。
勿論、梟はかなりのサイズでそれだけでも見た目はかなり厳つくなるし、いずれは竹と虎を梟と同じサイズで右腕にも入れるつもりなので、より私の需要は下がっていく。

逆を言えば、私もまた、どんどん彼でなければ私を受け入れてくれる人が居ない状況を自分で作っている。
それでいいと思う

勿論、全く別れないことを信じているだけの阿呆ではないので、そうなってしまった時はそうなってしまったなりに上手く生きていくとは思うが、少なくとも覚悟が無ければこんなリスクは背負えない。

ただ、可愛い〜!で入れただけではないことをわかって欲しい。

全てのタトゥーに意味を込めて彫っていくつもりだ。


ちなみにその後、私は漫画を読み、彼はゲームをやっていて、ふと思い立ったので彼の足に私のペディキュアと同じネイルを塗ってみた。

全部お揃いだね〜と笑う


そうして毎日が続いていくことを信じて、今日も幸せに生きています、

これから一生付き合っていく月と竹の葉、宜しく哀愁



category:未分類
タグ: