つり目の生活
mo

▽2020/05/28(Thu)
この人には敵わない
やっぱり私の恋人は最高でした

先程、喧嘩ならぬ喧嘩(というか最早一方的に私が不貞腐れた)をしたのですが、基本的にお互い黙るタイプ、かつ私は非常に口下手なので、頭を冷やすべく「散歩に行ってくる」と一言だけ告げて家を飛び出たのですが

一人当てもなく夜道をふらふらと歩き回り、まぁ30分程度で帰ってきたのだけど

外に居る間ずっと頭の中を整理していた


虎さんは基本的に感情的に怒ることはなく(酒が入らなければ)、冷静に黙ってぽつりぽつりと言葉を置いてくれるのだけども
私はこのタイプは初めてなので、本当に凄いなぁと思った。


私は逆に感情的になりやすくて、すぐにカチンと来るタイプではあるのだけど、怒鳴り散らしたり喚き散らしたりする事はあまり無い、だけマシな方かなと思っている……。
強くて利発なタイプではないけれど、メンヘラ寄りの割にはまだ大人しい方かと

それでも、やはりその場ですぐには解決方向に進められるような冷静さを保つのは難しく、喧嘩になると大抵外に出てしまう。
頭を冷やして、自分の悪かった所、どう伝えれば正解だったか、相手の問題点、それの擦り合わせなどをひたすら考えて、まずは余計な怒りの感情を冷ましていく。

いつもなら15分もすれば電話がかかってくるのだけど、しばらく歩いていて、そう言えば電話がかかってこないな、と思い、二択だろうなと考えていた

心配されてるけど、帰ってくると分かってるからとりあえず待っててくれているのか

それとも、私の面倒臭さに嫌気が差して、もう完全に心配すらされなくなったか


常に最悪な方を考える癖があるので、自分としては後者だった時の場合、どうするかも同時進行で考えていた。
別れよう、出て行けと言われれば縋ることはしないだろうし、ただ、もう生活できるまでに荷物が置いてあるので、それを一気に持ち出すのは難しいなぁとか、そういう事を考えていた。
かと言って帰る家もない訳では無いが、別の家に帰りたいとは思わない。
別に浮気相手が居るとかではなくて、自宅とか、実家とかそういうのだけれど。

今の自分にとっては実家にも、自宅にも居場所は無い訳で、
ああもしこれで捨てられたら、もう疲れたし楽になるか、くらいの気持ちでいた


ただただふらふらと歩いていた。道も気まぐれで歩いてきたから此処が何処だか分からない、けど、見覚えのある方向へふらふらしていた。

そうしている内に、頭の中はきっちり整理されて、怒りの感情もとっくに落ち着いて、まぁ、そうだよな
私が悪かったなぁ、でもあの時はああ思ったんだ、それは言おう、とか、次はこんな風に対処しよう、とか
そういう事をただただ考える。感情ではなく、事実だけを見つめて、冷静に考えた。

最初の内は思う訳ですよ。自分が悪いと分かっていても、私だけが悪いのか、とか、恋人だってこんな事言ったし酷い、とか、気持ちを汲み取ってくれたっていいじゃん、とか、何で私ばっかりこんな思いをしなくちゃいけないの、とか。

でも結局それって全部主観でしかなくて、事実だけ見たら百私が悪いんですよ。

恋人の言うことは、何時も本当に正しくて、本当にこの人は私よりも歳下なのかとこういう時いつも疑う。それくらい、よく出来た人だと思う


ああだこうだ言いたいけど言えない私が、捌け口としてSNSに書いてしまう悪い癖があって、それは今日で封印しました。
もう書かない。不満があったら本人に直接言おう、それでまた喧嘩になっても、彼は感情的に私に言う事は無いだろうから




元同居人含め、今まで付き合ってきた男達は皆、喧嘩するとすぐに感情的にぶつけて来た。
もしくは、怒鳴ったりはしないものの、冷静に傷口を抉るような言い方をしてくる人も居た。

怒鳴り声は、かつて父親からの影響で、萎縮してしまって何も言えなくなってしまう。
言い返したら殴られる事もあった。

基本的に、私の言う事に対して、理論で叩き潰してくるか、もしくは物凄い剣幕で黙らせるか。
殴られたら殴り返したりすることもあったけど、その頃には最早喧嘩の内容なんて覚えてないのだ


その点、虎さんは完全に今までの人と違っていた。


冷静に、事実だけを告げて、私が帰ってきたら責める事もなくお帰りと迎え入れてくれた。
しばらく口をきかない大人気ない私を責め立てることなく、ただただ黙って待っていてくれて、ゆっくり後ろから抱き締めてくれて、そこからぽつりぽつりと話をしてくれた

心配したよ、と言われて、ごめん、と素直に謝れるようになったのは、虎さんのお陰だ

謝ることができなかった。
かつての男達は皆黙らせて、意見を叩き潰してきたから、謝るとかではなく従うのみ、だった
全部私が悪いのだと、

会社のトップダウンを基本とするやり方に、私が従順なのもその影響は大いにあると思う
基本的に、男の人は偉い、自分は下で従う身分だと、心の奥底で根付いてしまっているのかもしれない

虎さんのやり方は、基本的に「沈黙は金なり、雄弁は銀なり」で、不平不満を漏らすことがあまりない。
私より遥かに大人だな、と思う

私の話もちゃんと聞いてくれて、その上でここはこうだと思う、お前の考え方はこうだよね、まぁそれも経験だと思うけど、とちゃんとフォローを入れてくれる。私の過程を一度肯定した上で訂正してくれる。文章とかも全部見せているからか、「多分そうだと思ったよ、言わないけど文には書いていたから」と覚えていてくれた上にそれを咀嚼して飲み込んでから、私の背景を汲み取って言葉にしてくれた。

決して怒鳴り散らしたりはせずに、ゆっくり、静かに、冷静に。


怒鳴られて、喚かれて、もしくは抉られるような、責められるような怒り方と真逆の、本当に「話」として成立しているやり方。

そうか、何だかんだで今までの私は考える力が足りてなかったのだなと
怒られる度に言い訳ばかりして、自分を守るのに必死だったんだなと


嗚呼本当に、この人には敵わないと、改めて思った。

彼は私が出会ってきた男の人の中で、一番頭が良い。心底、この人を逃したら私にこれ以上の出会いはもう無いなと、思わされたのでした。



category:未分類
タグ: