ソフィアとタツミさん
適合試験を無事に切り抜けいよいよ今日からゴッドイーターだ。探索も兼ねてまずはロビーに行くことにした。足を踏み入れたロビーはなんだか慌ただしかった。どうやらアラガミが出たようだ。私の横をバタバタと何人ものゴッドイーターが走り抜ける。中には怪我をしている人もいた。…話には聞いていたけれど実際見るとつらいわね…。ここにいたら邪魔かと思い避けようとするとドンと誰かにぶつかった。
「わっ…!?」
「ごっ、ごめんなさい…!?」
ぶつかったのはの赤いジャケットを纏った男の人だった。澄んだ綺麗なカフェオレ色の瞳が印象的で、私よりは年上だろうが成人しているかは分からない。極東生まれの人は大体幼く見える傾向がある。この人もそれに当てはまった。
「おい、大丈夫か?もしかしてどこか痛めたか?」
「えっ…!?だ、大丈夫です!なんでもありません…!」
どうやら知らないうちに彼を見つめていたようで、動かない私を見て彼は心配してくれたようだ。急に恥ずかしくなり急いで下を向く。じんわりと頬に熱が集まるのが分かる。耳まで赤くないといいけれど…。
「えっと、見ない顔だな?どこの部隊のやつだ?…まあ、いいか。とりあえずアラガミが暴れてっから行くぞ!」
「ちょっ…!?」
私の返答を聞く前に私の手を掴み神機保管庫に続くエレベーターに乗り込もうとした彼。どうしたらいいのかしら、私、まだ自分の神機を持ったこともないのに…!急いでいて私の言葉を聞かない彼に焦っていると背後から凛とした女性にしては低めの声が聞こえた。その声に私がどれだけ声をかけても歩みを止めなかった彼がいきなり止まった。急に止まられ案の定私は彼の背中にぶつかった。痛い。
「タツミ、その手を離せ。ソイツは今日配属された新人だ。」
「新人!?え、君今日配属されたばっかり?」
「…はい、今日付けでゴットイーターになりました。ソフィアです。」
「俺は防衛班班長のタツミだ。よろしく!勘違いして悪かったな!訓練頑張れよ!」
じゃあなと今度こそ急いで走って行ったタツミさん。彼の温度がまだ残る右手になぜかドキドキしている自分がいた。防衛班、か…。
彼とのファーストコンタクト
「こう考えると私の恋は一目惚れから始まったのね…。」
「(吊り橋効果だったんじゃないだろうか、なんて言えないよな…。)」
「それ、吊り橋効果だったのでは?」
「テオオオオオオオオ!!俺が折角言わなかったことを…!!」
「でも、吊り橋効果ならタツミさんも隊長の事好きになってるんじゃないの?」
「吊り橋効果でもなんでも、今は両思いなのだからなんでもいいの。結果が全てよ。」
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