後日談




「あの後の主君の様子はどうだった?」

「さすが擬似的とはいえ彼の神域だと言っておくよ。部屋に入った瞬間完全に出ていったからね。……瘴気がだよ?」

「そうか。ならいいんだ。……しかしあの時間に執務とはな。あのしっかりとした主君がまさか期日に追われていたというのか?」

「いや、聞いた話によれば寝付けなかったみたいだ。それで書類整理がてら先に作成できる書類を済ませようとしていたらしいよ。」

「なるほど……。数珠丸は何か言っていたか?」

「もう少し神域を強化した方がいいのかもしれませんね、と言っていたよ。あとは、なるべく目を離さないように心がけるつもりだってさ。」

「四六時中見られているのは主君も疲れてしまうだろうから程々にしなければいけないが、……そうだな。丑三つ時と逢魔ヶ刻に特に気を張るべきだと俺は思う。」

「おや?それは誰からの助言だい?」

「主からだ。例の鶴丸国永が主君を引き戻しているのに1度立ちったらしい。その時刻が逢魔ヶ刻だ。」

「それで今回が丑三つ時、か……。キミが引き戻す方法を知っていたのは主くんに聞いていたおかげかな?」

「ああ。ただ正式な手順を知らなかったから結局青江が来なければどうなっていたことやら……。」

「声をかけて呼び戻すのは正解だけど、あの状態のままだと不安定だから固定してあげなきゃいけないんだ。……魂の居場所を、ね。」

「そうか、覚えておこう。では、俺は主君の事を主に報告してくる。」

「ああ、頼んだよ。さあて、僕は兄さんと主の様子でも見に行こうかな。」
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