※学パロ
ようやく暖かくなってきた太陽の光がちょうど良く入る窓際の席で、うとうとしながら授業に参加していた。眠いせいで板書を取るのも精一杯で、周りの様子には気がつかなかった。
「太子、そのページを呼んでくれ」
先生に言われてかた、と音を立てて椅子から立ち上がったのは隣の席にいる太子。どうやら彼もうとうとしていたらしく、眠そうな顔をしている。慌てたようにページをぱらぱらめくっている。
「名前! ページどこ?」
コソコソと小さく尋ねてきた。わたしより眠かったのだろう。ページがわからないくらいうとうとしていたとは知らなかった。くすりと笑ってからわたしは教えた。
「92ページだよ」
「ありがとう」
それから太子は本当にさっきまで眠かったのかと疑うほど、はっきりと読み始めた。ちょうどいい音量でわたしはまたうとうとし始めたのだった。
「………、名前!」
「え……あ、えっと……」
「おまえ寝てたの?」
「みたいだね」
太子に呼ばれて起こされた時には、日が傾き始めていた。六限からうとうとしたまま爆睡していたようだ。
「なんでまだいたの」
「生徒会で仕事してたんだ」
「いつもしてないのに?」
にやりと悪戯っこのように笑って言うと、太子は少し目線を泳がせた。仕事をしないのは今に始まったことじゃないことを知っているので、太子は困ったような顔をしたのだ。
「名前がまだ寝てたら、困ると思ったからクラスに立ち寄ってみたんだよ…そしたらまだ寝てるし」
「だって、あんまり」
言おうとして止めた。その後に言いそうになった言葉に驚いて、思わず引っ込めた。
だって「太子の音読で眠くなった」なんて、何を言い出そうとしていたんだわたし。訳わかんないじゃないか。
「あんまりって?」
「何でもないから気にしないで! ね!」
「気になる……」
何が何でも聞き出そうとする体制に彼がなる前にわたしは素早く鞄に筆記用具などを詰め込んで出ようとした。
だけど、それは叶わなくて。
「いや、なに」
「何のためにわざわざ私が、起こしにきたと思ってるんだ」
「は? 親切心じゃないの?」
「………はあ」
「なんでため息!? ちょ、酷くない」
「名前と一緒に帰りたいんだ!」
「じゃあ、帰ろう」
太子がまだぶつぶつ言いながら教室を出て、わたしもそれに倣って教室を出た。
2011/03/22