※社会人、同棲設定
徹との同棲は2年は経つ。バレー選手として活躍する彼は仕事とバレーの練習、試合で忙しい。だから、何日か会わないなんてよくあることで、しょうがないと割り切っていた。
最初はよくわからなかった練習着だって、さくさく洗濯機で洗っちゃうし、きれい畳んでタンスにしまっておく。必要なものはきっちり用意して出かけるから忘れ物なんてしないし、それこそ連絡1つこないの。
今日は遠征だから、帰ってこない。一人で食べる夕飯は味気ない。あんまり食べる気がおきなくて、少しだけにして。明日の朝、残ったのを食べればいいことだ。
重い腰をあげて、シンクで食器を洗って干し、キッチンの少し汚れた部分を拭いてきれいにする。
ふいに、スマホが鳴った。
ディスプレイを確認すれば、滅多に電話なんかかけない彼の名前が表示されている。
「もしもし、」
「あ、名前ちゃん?」
「どうしたのよ、電話なんてめったにしないくせに」
「何か声聞きたくなくなって」
いつもはほっといてるくせに、どうしてこんな時ばっかり電話なんかしてくるの。
徹の優しい声がすっと心に入り込んで、沁みていく。
「今度の週末休みでね、久しぶりに出かけようか」
「帰ってきてからでも言えるじゃん」
すごい嬉しいのに、全然逆のような言い方をしてしまった。
電話口でクスクス笑う徹の姿が、容易に想像できた。
「寂しいんデショ」
「普通だもん」
「名前ちゃんの行きたいとこ連れて行ってあげるから、待っててよ」
「うん」
「じゃあね」
電話を切る間際に、彼の方の電話口から練習戻れーなんて声が聞こえてきた。休憩中だったの……?そういう時に連絡してくるタチじゃないくせに、何してるのよ。
リビングでしばらく立ち尽くす私がいた。
徹は明日帰ってくる予定だから彼の好きなメニューを用意してお出迎えしよう。
それから、次の週末は久しぶりに出かけて甘やかしてもらうの。
20140324