気がつくとオレは最近、彼女を見てしまっている。どうかしてる。幼なじみと漫画とアニメは興味を持てたが、他のことには全く興味を持てなかった。そんなことはよく自分でも分かってたし、理解してるつもりだった。それなのに、最近のオレはおかしい。彼女を見ていると何だか幸せで、彼女が笑うとさらに嬉しくて幸せな気持ちになる。もっと彼女に近づいてみたい。どんな人なのか理解したい。そういった感情がここしばらくオレの心の中の大多数を占めていた。正直なところどうしたらいいのか分からない。
 オレのこんな姿を見た悠太は嬉しそうにはにかんで、頑張りなよと言った。
 一体、何を頑張ればいいのだろうか。オレにはさっぱり理解できなかった。
 今日もクラスで見かける彼女をオレは目で追っている。
「浅羽くんは文化祭どうするかきめた?」
「決めてない」
「そっかー」
 珍しく彼女は考え込んでいるみたいだった。なんで言わないのだろう。普段の自分なら考えないようなことを考えていた。しばらくしたあと、ようやく彼女は口を開いた。
「迷惑じゃなかったらなんだけど、一緒に文化祭まわらない?」
「!」
 とんでもない爆弾が投下された。ほんと、この辺り一帯が消し飛ぶかも。俺にとってはそれくらい威力のある凄まじいものだった。いつもと変わらないテンションで言う彼女。
 ホント、俺どうしちゃったの。

2014/02/15