性質の悪い男
黒子っち! と体育館のドアが開く。たまたま今日はそこに黒子と火神しかいなく、2人はどちらも無表情で黄瀬を見た。
「何の用ですか?」
「用が無きゃ会いに来ちゃ駄目っスか?」
「……キモッ」
黒子を見るなりそちらに駆け寄っていた黄瀬は、火神のその一言で漸く火神を見た。にこりと笑顔で笑われて、ああ火神っちも久しぶりっスね、なんて言いながら黒子と共に火神の方に歩いてくる。
「今日この後暇だったら黒子っちとデートしようかと思ったんスけど、火神っちも来ていいっスよ?」
「はぁ? なんでオレまで」
「火神君、ボクも黄瀬君と2人より3人の方がいいです」
「ちょ、それヒドい!」
ははは、と体育館に黒子の乾いた笑い声が響いた。
「……黒子?」
火神は黒子を見るも、何でもなかったように黄瀬の方を向いている。
「黄瀬君、ボクらは後片付けしてくるので外で待っていてください」
「了解っス!」
黄瀬が笑顔で去っていた後、黒子はチッと舌打ちをする。
「……黒子?」
「どうかしましたか?」
いやそれはこっちの台詞なんだけど、と火神が聞くも、黒子はやはり無表情で何でもないですと言う。黄瀬がいるとどうにも黒子の様子が少しおかしいと火神でも気付くほどに、黒子の機嫌は悪いようだ。
「ボクに会いに来てると見せかけるところが余計に性質悪いんですよ、黄瀬君」
外で待っているだろう黄瀬に向かって、黒子はそう呟いた。