04

皆既月食当日。

王位継承の儀が取り行われる会場は、御伽話に出てくる舞踏会の会場そのものだった。
会場に入るものはドレスを着用して、赤い絨毯に、大きな階段。その奥には、また大きな扉。蘭達は、この会場に入った途端また目を輝かせていた。俺だってこんな場所へ来ることは滅多にない…だから楽しみたいけど、犯人が分かってしまった以上は、事件を解決へと導かないといけない。


『ご来場くださった皆さま、大変お持たせ致しました。これよりチサ皇女さまのご登場です。』


そうアナウンスが流れると会場内の照明が、チサ皇女を照らす照明のみとなった。護衛騎士にエスコートされながら大きな階段に中央で止まり綺麗に一礼をした。護衛騎士がチサ皇女から手を離して、跪いた。

「皆さま、お集まり頂きありがとうございます。私が、王位を受け継ぐものに値するかを我が国と交流の深い日本国民に守っていただけることを嬉しく思います。我が国では、代々王族は宝石を十六の迎えた年の満月の夜に宝石を授かります。その瞬間をお見守りください」

お願いしますっと小さな声で言うと照明が全部消え、会場には、月の薄青い光のみになると、彼女のドレスは月明かりに照らされてキラキラと輝き出した。そして、ゆっくりと顔を上げると彼女の眼元もドレスのように輝いて見えた…その時、ガシャっとガラスの割れる音が会場後方から響いた。

音へ視線をむえた時一瞬で、階段中央にいたチサ皇女の姿が消えた。



「今宵の月のように、姫さまのお目は青く美しい宝石ですね?お約束どり姫さまは頂戴致します」

チサ皇女を抱き抱えながら、月へ見えていくKIDに叫ぶすかできなかった。騒めき出す会場を沈めたのはあの工藤新一に皇女さまの罪を止めるように依頼してきた伯爵さまだった。

「みなさん、ご安心ください。皇女さまはこの私めが必ずお連れ致します!すぐにお連れ致しますので。しばしそのままでお待ちくださいませ」

そう言って伯爵は会場の外へ出た。俺たちもそれを追うように出ると会場を沈めた人とは思えない怒鳴り声が廊下に響いた。

「は?持ち場にいない?!どうゆうことだ!」
「わかりません…考えられるのは、姫の体調がすぐれない時のみの緊急事態の作を取られたのではないでしょうか」
「あの呑気な無能な姫!余計な仕事を増やしやがって!!」

「何かありましたか?」と日本の警察が集まり出した。
「…問題ない」と伯爵はあの場を沈めた時の様に冷静にそう答えた。ここにいるのが一般の女子高校生と普通の小学生五人なら見過ごしてくれただろうけど、ここにいるのは嫌って程事件に巻き込まれてきた俺たちだ。伯爵が足速しにこの場から離れていくのを追いかけた。


ーーーーーー

『ウワォ凄い!空飛んでる!』
「…姫?」
「何?ってかみて、月が綺麗だよ」
「……ソウデスネ…」
「夜風って気持ちいい」

攫われた自覚を全くないチサ皇女様は、俺に抱え込まれながらハンググライダーで飛ぶ皆既月食の月夜を堪能していた。
伯爵は、この姫を無能と言っていた。残念ながら、彼女には一番似合わない。「あそこで、お願い出来る?」と目的地を見つけた彼女は今での無邪気な笑顔とは思えないほど冷たい表情で言った。

「承知いたしました。チサ皇女様」
9654;︎#NEA land君に奪われた瞳