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「七夕?」
「うん、こういう話があるんだって」
彼とのティータイム中に話は始まった
彼が聞いた話では今日は七夕という日らしい
恋人に夢中になり仕事をしなくなってしまったふたりは離れ離れにされた
しかし今日だけは会うことが許された日なんだとか
「ところがふたりの間には大きな川があるんだってさ」
「Milkywayみたいなものですか?」
「まさにそれ。日本では天の河って言うらしいよ」
天に架かる川だって、と手のひらに指で書く
少し擽ったくてふふ、と笑うとその手を自分の頬へ持っていく
「ジョゼフ……?」
「……雨が降るとね、その川は氾濫してしまうから、その年は会えないんだって」
「じゃあ……」
窓の外は雨が降ってる
今年は会えないのだろうか
「私たちは、そうなりたくないな」
「僕は有り得ませんが貴方は有り得ますね」
「私は愛を大事にしたいからね」
きっとふたりもそうだったのでないか、と彼は言う
確かにどちらも大切だが片方を疎かにするのも違う気がする
「じゃあ、貴方の分も僕が働きましょう」
「その分君を愛したらいいのかい?」
「えぇ、思う存分」
「……ふふ、うん。そうしよう」
まだカップには彼の入れた紅茶が残っている
それでも彼の手を取らない理由にはならなかった
ベッドへ誘導され彼が覆いかぶさる
見上げればニコリと笑う顔に目を奪われ頬が熱くなる
そこへ軽く触れるだけの口付けを落としまた笑う
この人から目が離せない
ああは言ったがふたりに同情した
夢中になるなと言う方が難しい
でも自分たちは彼らではない
腕をのばし彼を引き寄せ抱きしめる
「積極的だね」
「……これなら離されないから」
「うん、離さないよ」
同情はする
でも僕はそこにはいかない
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