渡された資料に目を通す
そこにはいつもと違ったルールが書かれている

「片思い戦、ねぇ……」

どこかで聞いたと言うルールを元に1部のサバイバー達が作ったらしい
荘園主からの許可を得たらしくこうしてお誘いがかかったという訳だ
所詮お遊び
このゲームには賞金はない
どうしたものか
一通り読んだ資料を机に投げる
それより先の試合で疲れていたことを思い出し背筋を伸ばした
軋む体を解しているとノック音がする

「どうぞ」
「やぁ」
「どうしたんですか?」
「君が来てくれないのなら私から出向くしかないだろう?」
「相変わらずですね」

ノートンの事に関しては行動力がある彼
自惚れだと言われるかも知れないが彼は本当に自分が好きなんだなと嬉しくなる
ストレッチをしていたことに気遣ってくれたようで彼はさっきまで自分が座っていた椅子に腰掛けた

「なんだい?これ」

先程の資料を見つけたらしい彼が目を通す

「なにって、この資料貰ってないの?」

全員に配った、と言っていた気がしたが……

「知らないよ」
「なんでだろう」
「なんでもなにも、そもそも私は参加出来ないじゃないか」
「……ぁ、そっか」

この遊びで使うルールは協力狩り
彼は協力狩りに参加する権利がない
つまりこの遊びにも参加することが出来ないのだ

「ここでも私は除け者か」
「悪気はないんだと思うよ」

むしろ気を使ったのだろう

「わかっているよ。だから尚更腹が立つ」
「仕方がないでしょう?」
「……君は参加するのかい」

笑っていた彼に影が落ちた
そんな気がする

「どうしようか、と」
「そう……行くなら楽しんでおいで」
「そんな捨てられた子犬みたいな顔で言われても」
「そんな顔してない」

どうやら拗ねているようだ
素直に行かない、と言ってあげれば良かったのだろう

「私のことはいいんだよ。君がやりたいかどうかなんだから」
「じゃあ行きません」
「……どうして?」
「僕にはもう貴方がいますから」

彼の手をとる
いつも彼がするように手の甲にキスをした

「そんなのどこで覚えたの」
「貴方からです」
「……そうだね」

ふふっ、とジョゼフが笑う
機嫌が直ったようで彼から影が消えた

「じゃあみんなが遊んでいる間、私たちはデートをしようじゃないか」
「場所は?」
「この部屋で」
「いいですよ」

椅子に座る彼の上に跨り今度は頬に口付ける
それに答えるようにジョゼフもノートンの頬へキスをした

「楽しみです」
「うん、私もだよ」
「……今日は泊まっていきませんか」
「ふふ、じゃあお言葉に甘えて」

ジョゼフはノートンを抱えるように抱きしめた
嬉しそうなジョゼフを見ているとこちらまで嬉しくなる
彼に擦り付くように体を預けると彼も嬉しそうに笑った
僕も大概彼が好きだな、と自覚する
そんな日だった

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