青
ステージは聖心病院
自分以外の仲間は皆荘園に戻された
暗号機は4つ解読済み
ハッチは出現しているはず
先程遠くで写真を撮る音がした
相手は写真家
心音がしないということは今は鏡像世界で探されているのだろう
幸い自分の鏡像は見つかっていないようだ
今の自分はダメージが残っている
この状態で彼に出会ったら終わりだ
「早くハッチを見つけないと……」
カラスが寄らないように気をつけながら進む
そろそろ鏡像世界が崩壊する
ハッチはまだ見つからない
あそこにあるはず、と走り続けるノートン
「やぁ、待っていたよ。探鉱者くん」
鏡像世界が崩壊する少し前
写真家が目の前に現れ彼のサーベルがノートンの背中に突き刺さる
奇襲狙いでハッチの近くを張っていたようだ
一瞬だけ、試合中の現実世界では見ることのできない色鮮やかな彼が見えた気がした
「ぐ、ぁ……っ!」
「惜しかったねぇ……君の探しているものはこの先にあるよ」
ほら、とサーベルで指す先にハッチがあった
わかっていて風船に括ることもせず人のことを眺めるジョゼフ
投降待ちだろう
そっちがその気なら……とノートンはハッチへ向かって這いずる
「そんなになってまで自分だけは生き残りたいと思うのか……なんて浅ましい」
這いずるノートンを見て侮蔑の言葉を並べる
「そんな土まみれになって、汚らしい。見るのも嫌だからさっさと投降してくれないかい?」
「っ……なら、見なければいい……っ!僕は、あそこからっ……で、る……!」
「それを私が許すとでも?」
肩にジョゼフのサーベルが刺さる
「がッ!!〜〜〜〜〜ッ!!」
「あぁ汚い」
「ぐぅ……、はっ、自分、は綺麗だとでも……、っ……?」
「もちろん。貴様等と一緒にしないでくれ」
睨んでやろうと上を向く
そこには光のない暗闇があった
先ほど一瞬だけ見えた青がチラつく
空よりも青く、透き通るような……
そういえば、すごく綺麗だった
自分とはまるで正反対で
そんな綺麗な彼に蔑まれ、興奮する自分がいた
「……っ!」
顔に熱が集まるのを感じる
今は黒く何も映さない瞳
それでもあの青が忘れられない
あぁ、綺麗だ
つい手を伸ばすノートン
それをジョゼフは心底嫌そうな顔で手を払いのけた
「触らないでよ」
きたない
「……ぁ、ぐ、……っ」
「はぁ……もういいよ、さようなら」
ジョゼフがそう言うとアナウンスが流れる
ハンターが投降しました
試合が終わった
遠くなる意識
ぼやける視界でノートンはずっと写真家を見ていた
あぁ、僕はあれがほしい
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