壁の華
今日はハロウィン
赤の教会をハロウィンで飾った会場で開かれる仮装パーティにやってきたノートン
友人達にしつこく誘われて来た故にあまり乗り気ではなかった
先程もらったウェルカムドリンクを片手に1人壁の花と化す
「Bonsoira.こんなに賑やかな場所で1人だなんて、どうしたの?」
そんな彼に話しかけてきた人物がいた
黒い髪に赤い瞳、赤い衣装、貴族らしい風貌
恐らく、仮装パーティーに来ている客の1人だろうと思ったノートン
「いや……友人に誘われて来たのはいいんですけど、実はこういうのは苦手で……」
「ふぅん、まぁ楽しみ方は人それぞれだし」
いいんじゃない?と笑いかける彼はとても綺麗だった
何故かはわからないが彼と話していると楽しい
しばらく2人はお互いの話に花を咲かせた
「おーい、ノートン!帰るぞー!」
遠くからノートンを呼ぶ声がした
「ぁ……もうこんな時間……すみません。ずっと話してしまって……」
「ううん、平気だよ。私も楽しかった」
自分ばかりが話していたような気がして申し訳なくなったが、血影は優しく否定した
「ノートンくん、と言うんだね」
ハッとした
名乗りもせずにいた自分を恨めしく思う
「名乗りもせずにすみません……ノートン、ノートン・キャンベルです」
「気にしなくていいのに。私は血影と言う」
「血、影……あの、」
「あ、ラストネームは名乗れないんだ」
ごめんね、と謝られてしまった
「いえ、不躾でした。すみません」
「大丈夫。それよりほら、お友達が呼んでいるよ」
そうだった、帰らなければ
でもこのまま別れたらもう会えない、そんな気がしたノートン
「あの!また、会えますか……?」
「君が望むなら、いくらでも」
ノートンの手を取りキスをする血影
よく映画などで見ることを自分がされてしまうなんて
血影の容姿では特に様になる
男の自分でも顔を真っ赤にしてしまった
「ふふふ、またここで会おう」
「は、はい……」
じゃあね、と血影も帰る人達の中へ消えていった
その姿をずっと見つめていると後ろから肩を叩かれ、驚いて変な声が出た
「帰るぞって……お前どうした?酒でも飲んだのか?」
顔真っ赤じゃん!と笑う友人
驚いたからだ、と誤魔化して自分達も会場を後にした
back
top