ピンポン、とチャイムが響く
頼んでおいた荷物が届いたのだろう
しかし、今日はどうしたのだろうか
配送業者には玄関先に置いておくように、と手配してるはずだが……
トラブルか?と思い返事をして玄関へ向かう
ドアスコープを覗くとそこには宅配便の制服を着た男が立っていた
見た所、今まで配送していた人物とは別のようだ
先代からちゃんと伝達されていないのだろうか
伝えておかないと
はい、と扉を開けた

「E荘園便です。ご注文いただいた商品のお届けに参りました」
「あぁ、ご苦労様」

聞いたことのない声、背は高くガタイの良い青年だった
帽子を深く被っていて顔はよく見えない

「サイン、お願いします」

そう言ってペンを差し出す
渡されたペンでサラサラと名前を書く

「そうだ、私のところへ配達するときは……」
「玄関先に置いておけ、でしょう?」

なんだ、聞いているんじゃないか

「今日から僕が配達することになったので、挨拶です」

そんなことを言われるだなんて
今までにない変わった子だ、そう思った

「挨拶、ね。ならもう少し顔が見えるように努めたまえ」

そう言って彼の帽子を奪い取る
ちょっとした意地悪をしたくなったのだ

「わぉ……」

彼の顔を見た瞬間ドクンと心臓が跳ねた
癖がついたような跳ね方をした前髪
キリッとした眉に少しだけタレ気味な目
鼻筋が通っており、薄く、乾燥気味の唇
誰がどう見てもイケメンと言われる顔
しかし左目の周りには大きな火傷があった
なんて格好いいんだろうか

「返してください」

少し怒り気味だったので素直に返した

「君、いいね。今度モデルになっておくれ」

私は写真家なんだ、そう言って名刺を差し出す
しかし彼は名刺を受け取ってはくれなかった

「嫌味、ですか?これを見てそんなこと……」
「火傷のことかい?そんなもの問題ないよ」

君が生きてくた証、今の君を作っているのはそれがあってこそ
嫌なら化粧でどうにでもできるけど私は火傷があるからこそ君は美しい
などと長くつらつらと語り出すジョゼフ
半分以上なにを言っているのは理解はできないが自分を一切貶すようなことを言っていないのはわかる

「ふふっ、そんな風に言われたのは初めてだ……」

笑った
また心臓が跳ねるのを感じるジョゼフ

あぁ、私は……

「ねぇ、これからもチャイムを鳴らしてはくれないかい?」
「ぇ、でも……」
「いいんだ。私が君と会いたいと思ったのだから」

また彼に名刺を差し出すジョゼフ
しかし先ほどと理由は違っていた

「もしよければ、私と友達になっておくれ」
「は……?ぇ、と、友達……?」
「そう。友達」

このまま終わりたくなかった
向こうからすれば面倒なやつだとは承知の上だ
でも、今度は受け取ってくれると信じた

「モデルの話、考えておきます」

僕でよければ、と微笑みながら名刺を受け取るノートン
まだ仕事があるのでとトラックへ戻る彼を見送りながら小さくガッツポーズをした

「これが一目惚れってやつか……」

ノートン、ノートン・キャンベル

絶対にものにしてみせる
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