仕事を終え、やっと自宅に着いたジョゼフ
今日は面倒な客の相手をしていつもより帰りが遅くなっていた

「ただいま……」

誰もいないから意味は無いけど、とボヤきながら扉を開ける
疲れて玄関で項垂れていると奥からおかえり、と声がする
顔を上げるとそこには恋人がいた

「あれ……なんで君が……?」
「……?居ると分かっててただいまって言ったんじゃないんですか?」

普段は寮に住んでいるノートン
こんな夜に自分の家にいるのは土日くらいなのだが

「いや……あれは癖というか……それより今日はまだ平日………あ、あぁ、そうかそうか、もう長期休みに入ったんだね」

コクリと頷くのが可愛くてつい頭を撫でる
そういえば冬休みになったら自分の家に居てもいいか、と言われてOKをしていたんだった

「一応夕方に連絡したんだけど……見てなかったんですか?」

そう言われて携帯を確認した
確かに彼から「今日からお世話になります」とメッセージが届いる

「本当だ……忙しくてつい……ごめんね。いらっしゃい」

お邪魔してます、とわざわざ頭を下げるものだからそんな畏まらなくても、と顔を上げさせる
いつも土日に泊まりに来ているから必要なものは揃っている
しかし問題なのは食事だ
来るとわかっていると買っておくのだが今日はそれがない

「しまったなぁ……食べるものを用意してなかったし、今からじゃお店が開いてないよね……」

普段食事を外でとるのが仇となった

「大丈夫です。もう用意できてます」

へ?と気の抜けた声を出してしまった
案内されるがままにリビングへ行くと二人分の食事が用意されていた

「これ……君が……?」

またコクリと頷く
まだ温かいご飯からいい香りがする
ぐぅ、とお腹がなってしまいふふっ、と笑われた

「……そういえばお昼も食べてなかった気が……はは……」

流石に恥ずかしい

「ご飯、食べましょうね」
「はは……うん、着替えてくるよ」

そう言って寝室へと向かうジョゼフに後ろから服出してありますよ、と声がした
準備がいいなぁ
いい奥さんになりそうだ、なんて…言ったら怒られるだろう
用意されていた服へ着替えリビングに戻るジョゼフ
ノートンがどうぞ、と椅子を引く
お疲れでしょう?と気遣ってくれているようだった
二人向かい合って食べる夕飯はなんて美味しいんだろうか
仕事の疲れなど一気に吹き飛んだ
夕飯を済ませてからはゆっくりテレビをみたり、ノートンの宿題を見るなどをした
気付けば0時を超えている

「あぁ、いけない。もうこんな時間か。そろそろ寝ないとね」

自分はまだ風呂に入らなければならないことを思い出し、ノートンに先に寝ているよう伝える

「あの、僕もまだ入ってないので…」
「君はもう休みだろう?起きてからでもいいんだよ?」

好きに使っておくれ、と言うとノートンは少し照れながら言った

「背中……流したくて……」

あぁ、なんていじらしいのだろうか
彼なりの気遣いなのは分かるが自分達は恋仲なのだ
いくら疲れている、夜分だと言っても抑えられるかどうかはわからない

「有難いんだけど……分かってて、言ってる?」

これは保険
手を出してしまうかもしれない
合意ならいいがそうでなければ問題だ
情けない話だが抑えられる余裕はないと思った
ちゃんと確認はした
その上でノートンの答えは……少し頬を染めてコクリ、と頷いた
Yesだ
そういうことがあっても良い、と言うこと

「じゃあ、お願いしようか」

あぁ、朝寝坊しないといいなぁ
そう思いながらもノートンの腰に手を回すジョゼフ
それを受け入れるノートン
二人はバスルームへと姿を消した
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