ノートンがこのホワイトサンド精神病院へ入院してから半年ほど経つ
徐々に周りの環境に慣れてきた彼はこの病院で一緒に遊ぶ仲間が出来た
今日は何して遊ぼうか、とみんなであれだこれだと話す毎日

「じゃあ今日の夜、食堂に集合ね!」
「うん」
「おやつは?」
「食堂にいっぱいあるよ!」
「起きていられるかなぁ?」
「くれぐれも他の先生に見つからないように」

どうやら今日は夜に病室を抜け出してなにかするつもりらしい
楽しそうに話す仲間の声をぼーっとする頭で聞いていたノートン

「ノートン!ノートン!」
「ん………な、に……?」
「もう!今日の夜!食堂だよ?わかった?」
「しょく、どう……うん、わかった」

夜に食堂で何をするのかはわからない
しかし来いと言われたなら行こうと返事をする

「具合が悪いんですか?」
「へっ……?」

ぼーっとするノートンのおでこに温かいものが当たる
それはここのみんなをまとめるロールシャッハの手だった

「具合が悪いなら今日のは……」
「だ、大丈夫!……ちょっと眠たかっただけ」
「でも……」
「ノートンお昼いっぱい食べたもんね!」
「僕もご飯食べたから眠い……」
「あ!みんな!もうお昼寝の時間だよ!」
「じゃあ今日はこれで。みんな、夜忘れないように」
「「「「はーい」」」」

病院で決められた昼寝の時間となり解散
みんなは同じ病棟へ
ノートンだけは別の棟へ向かった
1人だけ別の場所
最初は何故なのかずっと気にしていたノートンだが次第に慣れていった
厳重な鍵がかかる部屋の前に立つインターホンを押して中にいる人物へ開けて欲しいと声をかけた

「おかえり、ノートン」
「た、だいま、せんせぇ…」
「うん?どうしたんだい?顔が少し赤いね」
「う、ん……なんか、ぼーっとする……よ……」

中に居たのは彼の担当医であるジョゼフ
医師と言うだけありノートンの変化にすぐ気が付いた

「ふむ……少し、熱があるみたいだね」
「そう、な、の……?」
「少しだけね、はい。このお薬を飲んで寝たらすぐ良くなるよ」
「ん………お薬、やだ……」

いつもなら素直に飲むノートンが今日は嫌だと突っぱねる
自分で飲むのが嫌ならば、とジョゼフは考える

「ほら、飲ませてあげるからこっちへおいで」
「ぅ……いや……」
「ダーメ。はい口を開けて」
「…………あ、」

飲まない、と言う選択肢は無い
諦めて大人しく従うノートン
ジョゼフは水と先程の薬を自分の口に含みノートンへ口付ける

「ん……ぅ、……っ……、う……」

ゴクリとノートンがしっかりと薬を飲み込んだ音がした
ノートンはすぐに開放されると思っていたがジョゼフはそのまま舌を絡ませる

「ぁ、んぇ………んっ…ふ、んん……」

二人しかいない病室にいやらしい音が響く
気持ちいい
ノートンはぼーっとする頭でそう感じていた
気付けば自らの舌をジョゼフの舌へ絡ませていた

「んんっ……は、ん、んんぅ!……せん、しぇ……っぁ、ふ……んぁ……」

息が辛くなったようで、口の端から彼を呼ぶノートン
察したジョゼフは唇を離した
はふはふと肩で息をするノートンの潤んだ瞳がジョゼフを見つめる

「……やっぱりね」
「……な、に…?」
「ううん、何でもないよ。さぁ、布団に入りなさい」
「……動けない……」

先程の口付けで腰が抜けたようだ
仕方ない、とジョゼフはノートンを抱き上げベッドへと横たえる

「せんせ、ありがとう……」
「いいんだよ」

おやすみ、とノートンの頬へ唇を落とす
自分もする、と腕をのばしジョゼフの頬へキスをするノートン
最初は寝付けずに布団の中でモゾモゾと動いていたノートンだが薬が効いてきたのだろう、スヤスヤと寝息が聞こえ始めた
さて、とジョゼフは立ち上がりカルテに今日の日付と「ヒート」と書き込む
意識が朦朧とし少し体温が高い様子からジョゼフはすぐにそうだとわかった
先程の薬は抑制剤と睡眠薬

「しばらく夕飯はここへ運ばせないとな」

ヒート中のノートンに何かあっては困る
この期間中ノートンはこの部屋で軟禁状態にする

「そろそろ、決めないといけないな」

そう呟くジョゼフの声は寝ているノートンに聞こえることは無かった

back
top