「ねぇ剣」
「なんだい血影」
「いつあの子と正式に番うんだい?」

仕事に飽きたのか机に突っ伏し血影が言う
何かと思えば、と積まれた書類に淡々とサインを書いていた血の剣が答える

「どうしようね……そもそもあの子にその気があればの話だけど」
「え?流浪は君と番うつもりないの?」
「さてね」

血の剣は彼を番にしたい
ただし流浪の方はわからないのだ
彼が血の剣と居ることは日常でありそこに恋愛感情があるかどうかは本人すら知らないかもしれない

「あの子にそのつもりがないなら私は現状維持でいいよ」
「あんなに絶対に番にするんだーって言ってたのに?」
「何年前の話をしてるんだ」
「私はあの子も君のことが好きだと思うけどね」
「だと嬉しいんだけど」
「もう!真面目に答えてよ」

仕事をしながら返される返事に苛立ちを覚えた血影の頬が膨れる
本気で心配してるのに、と書類越しに睨みつけた

「わかっているよ。でもあの子の気持ちが大事だろう?」
「そりゃそうだけどー……」

血の剣が言えば良い返事が来るに決まっている
流浪はどう思っているんだろう

「うーん……」
「血影、そろそろちゃんと仕事を……」
「剣、ちょっと外すね」
「は?」

仕事はあとでちゃんとするから、と部屋を出ていってしまった
何をしに行ったか大体の予想はつく

「まったく……困った子だ」

血影が置いていった書類を自分の机に置く
今日も帰りが遅くなりそうだ

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