どうしてこうなった
主人が読む新聞にアイロンをかけることからノートンの一日は始まる
アイロンが終われば次は主人のスケジュールの確認
内容次第でその日の仕事が決まる
主人の身の回りの世話をする毎日
彼に買われてから暫く経つが今どれ位借金が返済できているのだろうか
最初に比べて仕事量も増えた
そろそろまた新しい仕事を押し付けてくるだろうと考えるとついため息が出る
一通りの準備を終わらせ後は主人を起こすだけ
コンコン、とノックをし彼の返事を聞いてから部屋へ入った
「おはようございます、ジョゼフ様」
「あぁ、おはよう」
体を起こし主人がこちらを見ている
いつものようにテーブルへ先程の新聞を置いた
コーヒーを淹れるためにポットへ水を注いでいるとこちらを見ていたジョゼフから声がかかる
「ノートン、こっちへ来なさい」
「……はい」
なんとなく嫌な予感がする
しかし断るわけにもいかない
主人の元へ行くと全身をジロジロと見られるだけで黙ったままだ
これはこれで居心地が悪く耐えられずに声を出す
「あの……なんでしょうか」
「あぁ」
返事はしても相変わらずこちらを見るだけ
どうしたらいいのか
困っていると彼が口を開ける
「もっと近くへ」
「こう、ですか……」
「もっと」
これ以上は彼の上に乗ることになる
それは出来ないともたついていたら腕を捕まれベッドへ引きずり込まれた
「わ、っぷ、なにを……っ!」
「新しい仕事だ」
「はぁ?」
ジョゼフは細身ではあるが力が強い
その手でノートンの顎を掴み己の顔へ引き寄せる
「口を開けろ」
「え、口って、なんっ、んぅ?!ん、んんん!ん〜〜っ!ん、ふ、ぅ、んんっ!」
突然の口付け
流石に抵抗をするがジョゼフの体はビクともしない
それ所か逆に捕まり彼の良い様にされてしまう
小さな隙間から舌をねじ込みノートンの口を犯していく
ぴちゃぴちゃと音を立て深くなる口付けに口の端からヨダレが垂れる
頭がボッーとする
悔しい事に彼のキスは気持ちが良い
必死に抵抗していたノートンの体から力が抜けていく
所詮腰を砕かれたのだ
その事を確認出来て満足したのか口が離される
「ぁ、ん……んんっ」
「いい反応だ」
「は、ぁ……んン……っ、なん、で……」
「お前には今夜私の相手をしてもらう」
この状況で言う相手というのはそういう事だろう
何を考えているのか
「は……?こ、こういうのは、女性を呼べばいいじゃないですか……っ!」
「金がかかるし面倒だ」
「だからって……」
「これは仕事だ」
仕事と言われたら言い返せない
ぐ、と押し黙るが良しとは言いたくない
「夜に部屋に来い」
「……まだやるとは」
「お前に拒否権があると思っているのか」
「……ッ!」
「今日は他の仕事はいい。これで少しでも知識を入れておけ」
そう言って1冊の本を渡される
所謂そういう本だ
「しっかり準備をしておかないと痛いぞ」
「……嫌すぎる」
自分が抱くならまだ、と淡い希望を打ち消してくれる
どうしてこんなことになってしまったのだろうか
「来なかったらお前の部屋に行くからな」
行かなければ、なんて考えはお見通しだと言わんばかりに釘を刺される
逃げ道はない
気の迷いだろう、きっとこの1回だけだ
「……わかりました」
憂鬱な一日は始まったばかり
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