今日は早めに帰るって言ってたから、大学の帰り道にスーパーで買い物して夕食の支度をはじめる。

そろそろかなぁ、って思っていた時にインターホンがなった。
モニターに映る晋助の姿を見ると、急いで玄関のドアを開ける。

「お疲れ様っ!」


ぎゅーっと抱きつけば、いつものタバコと甘ったるい匂い。
晋助こんな香水つけてたっけ?


「なんか甘い」
「あ?」


つっかれた〜と言いながら、リビングに向かう晋助の背中に問いかける。


「なんかいい匂いする!女の人の匂い!なんで?」
「今日の訪問先の女の香水だ。」
「堂々と浮気宣言してるのかと思った」
「んな疲れてんのに、そんなの相手にしてられっかよ。」

ジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩める姿に、ついボーッとしてしまう。
スーツ姿かっこいいな。絶対女の人たくさん言いよってきてそうだもん。


「んだよ」
「な、なんでもない!ごはん食べよ!」
「妬いたのかぁ、名前ちゃんよ」
「違うもん!もうどいて!お腹すいてるんでしょ!」
「先にデザート食べるのも悪かねぇだろうよ」
「んっ」


腕をひかれ、ソファに体が沈んでいく。
いつの間にか香水の匂いよりも甘い雰囲気の中で、美味しくいただかれていた。



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