MEMO

▽2024/04/11(22:37) とおくの春 のこと

何も面白くない自分の話だし後々の自分の羞恥心のために折りたたんでおきます。
Xのアカウントを先月…といっても十日程前のことですけど、削除しました。
その少し前、書くこと自体もうやめようかな、と迷いがあった日が続いていて、最後になるかもしれないと思いながら書き始めたのが今回更新した「とおくの春」でした。

締めくくりになるならと、あえて初めてこのCPで「キスすらせずに今日まできたし死ぬまでしない」話を書きました。
あの話に出てくる二人は、そういう距離感をイメージして書いたんですよね。伝わっているかは分かりませんが…。
だからラストまでデンくんはハグで精一杯だし、アキくんも強く抱きしめ返してはいないイメージで書いています。ただ、情は確かにあった、という手遅れ感が書きたかった。

結局、フィールドを変えてこれからも細々書こうと決めて今日に至るわけで、この話も一度はお蔵入りにしていたのですが、貧乏根性もあり、桜が散る前にアップすることにしました。

なぜか昔から、春になると物哀しい話を書きたくなる。待ち望んでやっと来る春なのに、あっという間に目まぐるしく過ぎていくからでしょうかね?

最初にデンアキで書いた話は、すでに熟れた感じの夜を過ごす二人だったし、初々しい感じの二人を書いたつもりの次作(ラーメン食べに行く話)もラストはキスの嵐で、結局いつものわたしのパターンに落ち着いちゃいました。
その後も基本的には大好きCPには四六時中イチャイチャさせたい腐女子なので、たとえ描写がなくとも「いずれは恋人になる」気持ちでデンアキを書いてきました。

「とおくの春」はそういう自分の中のセオリーを捨てて書いた話なのですが、初めて書いて一つ、自分の中で新たな解釈ができて面白かったことがありました。
それは、「アキくんの死期を知ってるデンアキは一線超えないな」っていう自己解釈です。
自分でも謎すぎるんですけど、デンアキが無邪気にセックスして眠れるのは、死ぬまで、自分が死ぬことをアキくんが黙ってた場合に限るような気がしたんです。(そもそも二人はそういうことしない、とかいう話ではない)
アキくんが自分から死期の話をしそうにないことはもちろん、第三者を通してでもデンくんがアキくんの死期をもしも事前に知っていたら、もっと彼はうんとアキくんに対して優しく(臆病に)なりそうな気がして。

手貸すし繋ぐし、お風呂も一緒に入るけど、セックスどころか手放す相手には気持ちの告白さえ強いないような気がしてしまって、自分の書くデンくん像の中に新しい発見をして新鮮な気持ちになりました。

二部になって、デンくんが家族の存在を神聖視してるって知ってしまったことと、彼が一生懸命家族ごっこしてる自分を心の中で卑下してることを知ってしまったこと、諦め悪いことを口では言うけど、大切なもののためにはちゃんと何だかんだいって身を引くタイプなんだって知ったことが、多分大きく影響してる気がします。
(いや、逆にアキくんとの離別によって身についた部分かもしれないけど……)

アキくんを抱けるほどデンくんが踏み込んだ無邪気さを発揮できるのは(基本、年下攻は年上受に『抱かせてもらってる』ぐらいの甘えが塩梅良いと思ってるので)アキくんがずっとこのまま傍にいてくれるという安心感と甘えた気持ちがあるからなのかも、と思ったら、いっそう、デンアキのしんどさと尊みが濃厚になった気がしましたね。
アキくんが未来の悪魔に「いずれ自分はデンジに殺される」と知らされてなお、一つ屋根の下共に生きていたって事実だけで、わたしはデンアキ最高…!っていつも思ってるんですけど、その秘密を最後まで守りながら、デンくんへの思いだけは秘密にできなかったアキくんってのもすごい美味しいな、とか、抱いてる時だけ不安定になるアキくんに少しずつ不安になるデンくんとか新鮮だな!とか。色々新しい「書きたさ」も見つかって。

不思議なことに、終わろうと思ってたところから、新しい芽がふいてきたんですよね。
「書きたい話」というより「書きたい二人」が新たに見つかって、良い機会だったな、としみじみ思ってます。


そんなこともあり、「とおくの春」はわたしにとって思い入れのある話になりました。


書くのやめようかな、という思いに悩んだときのことはまた今度書き記しておきたい。

雑記

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