「うっ、ん…っ!」
頭の中が、ぐるぐるする。
「やっ、だ…あっ、」
頭が熱くて、ガンガンする。
「やだ…やだ、あ…さ、ふぁい、ぁさ…」
ウィスタリアが後ろから自身の体を抱いて乳首を弄るサファイアに抗議しても、返ってくるのは「かわいい」という言葉だけ。さっきから尻に何か当たっている気がする。
「あ、ぁ…ぅっ」
「ウィスタリア」
背後のサファイアに気を取られていたウィスタリアは、突然の前からの刺激に声が漏れた。
視線を前に戻すとそこには右手でウィスタリアの性器を握ったいい笑顔のアッシュがこちらを見上げていた。
「あ、しゅ…」
「ほら、口あけろ」
アッシュはウィスタリアのその薄い唇に自身のの唇を押し当て、口の中の唾液をかきだすように舌を動かした。いつも優しいアッシュからは想像できないくらい乱暴なそのキスに苦しみながらも、キスの最中にアッシュの喉が上下するのを見て、自分の唾液を飲まれていることにウィスタリアはたまらなく興奮した。
「お前さんのキスエロいなぁ」
俺もキスしてぇから場所変わってくれよ、と軽い口調でサファイアが続けると、アッシュはまだ嫌です、と返す。
こんなトークをしていても2人は手を止めることはなく、ウィスタリアの体に刺激を与え続ける。
胡座をかいたサファイアの膝の上にウィスタリアが乗り、サファイアは後ろからウィスタリアに触れる。そんなウィスタリアの目の前にアッシュが座り、アッシュは前からウィスタリアに触れる。
なんで、なんでなんで。なんで今こんなんなったんだっけ。なんでこんな恥ずかしいこと、2人にされてるんだろう。
頭がぼーっとしてうまく考えられなかった。
「ウィスタリア、もう少し前でろ」
「ふ、わっ!?」
ウィスタリアがぐるぐると考え事をしている間に二人の話が進んだらしく、突然アッシュに腰を引っ張られて前に出される。ちょうどさっきまで座っていたサファイアの足の上に背中が乗った状態だ。
「うわ、あの、サファイアさ、せ、背中に当たって、る…」
「うわって言うなよ、うわって」
背中にじっとりとなま暖かいものがぴっとりとくっついていて気持ちが悪い。
「じゃあこっち向こうか。背中には当たらない」
ウィスタリアが嫌がる様子を見せると、再びアッシュがウィスタリアの腰を持ち強引に回転させた。
仰向けからうつぶせに変わったということは…
「あ、たんない、けど…」
近い、なんて思っていたら後ろから腰を持たれ膝をたたされ、更に顔が下がってサファイアの立ち上がっている性器に近づくことになった。どれくらい近いかというと吐息が余裕でそれにかかってしまうくらい。
見ていられなくてウィスタリアが視線を上に移すと、ひどい顔をしたサファイアがこちらを見下ろしていた。
見たこともない表情だ。普段の明るく優しい雰囲気が無くなってしまったみたいに。
──欲情
その言葉しかあてはまらないと思った。
荒い吐息に、ギラギラした目で、サファイアはじっとウィスタリアを見続けていた。
サファイアが自分に欲情している。
どくん、と心臓が跳ね、何も言えずに思わず視線をそらすと、背後のアッシュが動き出した。
骨ばった手で、背中をするりと上から下へと滑らせると、腰から太ももを慈しむように優しく円を描くように撫で、腰や足のそこかしこをちゅう、と優しく唇で軽く吸い始める。
腰の真ん中あたりを吸うと、今度は太ももの端の方を、次は反対の太股を、というように、ゆっくりと愛撫をし始めた。
そして、吸われる度にウィスタリアの身体はあまく痺れた。
「ん、ん…」
その優しい気持ちよさになんだかウィスタリアまでおかしくなってきて、高ぶる気持ちに任せるまま、サファイアの性器に恐る恐る口を寄せた。
サファイアの驚くような声が頭上で聞こえたが、無視を決め込んだ。
アッシュがいま自分の体に落としているキスみたいに先端部分をちゅうっと吸ってみると、サファイアの吐息ともにそれがびくんと反応した。
「ウィスタリア、…」
ウィスタリアは男にフェラなんてしたいとも思ったことなんかなかったし、今だって別にしたくなんかないけれど。
先端を口に含むくらいだったらしてもいいかな、なんて、興奮してるサファイアの声を聞いていたら、そう思った。
「ん、は…ぅ」
舌をあてながらサファイアの顔を見上げると、彼は喉を大きく鳴らした。
「んっ…!」
「ウィスタリア、少し我慢、できるか?」
アッシュはかすれた声でそう言って、ぬるぬるしたなにかをウィスタリアの下半身にたっぷりと塗っていった。
ウィスタリアの身体は初めてのローションに対しての緊張と冷たさに強ばってしまって力を抜くことができなかった。
「すぐに暖かくなる、」
「あっ!?」
アッシュの中指がぬるぬると、ウィスタリアの肛門を何度もなぞる。
今すぐにでも穴の中に入りたくて入りたくて仕方ないみたいに、なぞってなぞって、そして、アッシュが「はあ、」と熱い息を吐いたと同時に、ついにウィスタリアの中に指がつぷりと入ってきた。
「あ、はいっ…、や、あっしゅ、やだ、やだ」
パニックになって、やだやだ、と繰り返し呟くウィスタリアをなだめるようにアッシュは指を進めずに、背中へのキスを再開した。
そんなウィスタリアを見て、サファイアもウィスタリアの頬を優しく撫で始める。
「指、動かすぞ」
ウィスタリアの呼吸が整い始めるとアッシュはまたゆっくりと指を奥の方へと進める。
自分の内部に異物が入っているのが、動いているのが、はっきりと分かって、もうとにかく気持ち悪くて、怖くて、自然と涙がこぼれる。
「やだぁ…なか…気持ち、悪い、…ばかぁ…」
「はあ、可愛いなウィスタリア」
「やだ、やだ…ばか、あっしゅのばか…ばかぁ」
アッシュの言ったとおり、先程まで冷たかったローションはウィスタリアの体温で暖かくなっていた。
アッシュの指は遠慮なくぐちゃぐちゃ音をたてて奥まで入り込んでくる。
そしてその指も、二本、三本と、徐々に増やされていく。
「んあ…ん、んんっ」
「ウィスタリアはこっちの方が気持ちいいんじゃねぇの?」
「あっ!?やっ、さふぁいあさ、あっ、あ、んっ」
サファイアは多少余裕が出てきたウィスタリアを見て、彼の頬を撫でるのをやめて乳首を摘んだり潰したりを繰り返し始めた。
仕返しとばかりに唇をサファイアの性器に押し付けてやれば、サファイアは色っぽい息を漏らす。
サファイアの性器を軽く愛撫していると、尻に入っていた数本の指をゆっくり引き抜かれた。
「ん、ん…っ」
あんなに抜いてほしかったのに、いざ抜かれてしまうと喪失感が襲ってきて穴がきゅんと疼く。
欲しがっている。
身体が、自分の尻の穴が、いやらしく、ほしいとねだっている。
「ここ、寂しい?」
突然耳元で聞こえたアッシュの声。
アッシュがウィスタリアに覆い被さって、欲情した声で囁く。
ウィスタリアのひくひく疼く穴に熱いアッシュのそれをあてがいながら。
「あ、しゅ…」
「ウィスタリア…ほしい?」
「ん…っ」
ウィスタリアの耳についているピアスにアッシュの薄い唇が触れただけで、もう、どうにかなっちゃいそうで、…もうどうにかなってもいいって…。
「あっしゅ、欲し、ぃ……」
目をぎゅっとつむって、小さな声で言った。
ごくん、と、唾液を飲む音がしたがそれがサファイアなのか、アッシュなのか、わからなかった。
「う、」
さらに足されたローションの力を借りて、指とは比べものにならない大きさのアッシュが入ってくる。
ウィスタリアの穴が入ってくるアッシュの熱い性器にしがみついて、ぎゅうぎゅうと締め付ける。
「…すごいな、全部入りそうだ」
「う…そ、あっ、やあっ♡」
「ほら、根本まで」
「うあぁっ!?♡あっ、おく、…♡奥、だめ…♡」
アッシュにいきなりぐんっ、と腰を押し込まれ、一番奥を突かれた。その瞬間、快感がどっとウィスタリアの体を巡り、無意識に背が大きく反った。
「だめ、おく、だめぇ♡やだ、動かすの、やだあ…♡」
「何で嫌なんだ?」
ウィスタリアの言葉も聞かず、アッシュは奥でゆるゆると焦らすように動かしながらウィスタリアへ問いかけた。
「変…へん、になる、からぁ…」
「変になるのか?」
「んあっ♡あっ、き、もちぃっ、のっ…♡」
ゆっくりとした動きだったのに急にがくがく揺さぶられて、ウィスタリアはもう完全にアッシュに遊ばれていた。
後背位のせいでウィスタリアからは見えないけれど、アッシュはそれはそれは楽しそうな顔をしているんだろうなと思った。
「でもウィスタリア、サファイアさんは苦しそうだぞ」
アッシュに囁かれ、ウィスタリアはのろのろと視線を動かす。
ウィスタリアのよだれや、自身の先走りで汚れたサファイアの性器は確かに苦しそうに天井を仰いでいた。
「サファイアさんも気持ちよくしてあげようか」
「おいおい、アッシュ…っ、」
サファイアがアッシュになにか言おうとしていたが、全て言ってしまう前にウィスタリアはサファイアの性器をくわえていた。
はじめに感じていた嫌悪感なんてもうどこかに行ったみたいで、サファイアの膝にしがみついていた手も性器に絡ませて、もうさっきまでの「舐めるだけ」や「唇を当てるだけ」と違って、誰が見ても完璧にフェラチオだった。
「は、ぁん、ん、んぅ…っ♡」
「ウィスタリア…」
アッシュからの刺激のせいで歯が当たってしまいそうで怖くて、ウィスタリアは必死に舌を出した。
サファイアはこんな拙いフェラで気持ちよくなってくれているのだろうか。
後ろに、前に、いっぱいいっぱいになっているとアッシュが熱を持っているウィスタリア自身を握って、突くのに合わせて上下に擦ってきた。
「あ、んっ♡ん、んーっ♡」
「かわいいな、お前さんは…」
「あ、う、…♡あっ、ぅ、いく、あっ、い…く♡」
「いいよウィスタリア、いこうか」
「は、あっ、ぁっ、ん…っ!♡♡」
顔や体に熱い何かがかかったり、おしりに入っていた物が抜ける感覚だったり、いろいろあったような気がするが、ウィスタリアはもうまぶたの重さに勝てなくて、冷たいシーツに身を任せて目を閉じたまま呼吸を整えることにした。