オレの下で息を切らせてやーらしい声出してんのは、あの有名な精霊の王様。
「は、ぁ…、ッ!…ッあ、…っ」
すっかりこいつのケツん中はオレの形を覚えてて。獣らしく後ろから突っ込んでやれば、まだまだ足りないと貪欲に腰を振ってくる。
こいつって意外に欲には素直だよなァと笑ってしまった。
「アル様〜?…どんなもんよ?」
「ん、ッんぁ、は…ッ、ぁ…う、」
もう既に二回ほど腹の中に吐き出させてもらった精液が、抽挿の度に派手な水音を立てて尻の狭間を濡らしていく。引き抜こうとしただけで腫れぼったくなった孔の縁がにゅくにゅくと頬張るみたいに根元付近を締め付けてきて、視覚的にも体感的にも、正直すげぇクる。
何回、何十回こうやってオスの気を惹いてきたんだろうな、この王サマは。
あんまりイき過ぎるとコッチが先に体力を切らしてしまうから、少しだけ気持ち良さの枠から意識を外して。小刻みにびくつくしなやかな腰に指を這わせる。
それだけでも気持ち良いのか、中の肉壁をうねらせながら枕に沈んでいた銀髪が跳ねる。小さく低い唸り声が聞こえて、爪を立て過ぎて毛羽立った繊維状のシーツを掻き毟りながらアルが肩越しに睨んできた。涙をまぶしたうるうるの目じゃあ迫力無いってのに、ワザと煽ってんのか。
どっちにしたって、オレの悪戯心は喜んでしまうから。遠慮も何もしないで、シーツを握りしめるこれまた意外に刺青の入った手の甲にベロッと舌の中心を宛てがって唾液を撫で付けた。
「ッてめ…いきなり、舐めんじゃね…、っ!♡ぁ…ッ、っひ、♡♡」
毎度毎度アレは嫌だ、コレはするなとかワガママ三昧。どれもこれも嫌がってないくせに、気持ち良くてたまらないくせに、と内側で吐き捨てる。
だってほら、指舐めただけで、こんなに幸せそうな声を出すんだから。
「んー…指、弱ぇなぁ、お前」
「はっぁ、ッ…!♡や、めろっ…ッんぃ、あっぁう、あッ♡」
「あ、舐めるより噛まれる方が好きか?」
「ひッ!?♡ッすきじゃ、ッな、ぁ…ッッ♡ぃあっあッぁあ゛ッ、!♡♡」
パンッ、と一回だけ強かに腹の奥を打ち付けると、拒否の声も途切れて潰えた。
その衝撃で力の緩んだ拳を広げて逃さない様に自身の手と絡めて、親指から順番に甘く噛み付いていく。
その途端きゅううぅっと嬉しがるみたいに内膜が収縮して、ズクンと下腹部に重い一撃を喰らってしまう。いくらか予測していたとはいえ、相変わらず絶妙な窮屈さで雄の輪郭を戒めた媚肉の感覚に、前歯で挟み込んでいた彼の薬指を思わず噛み込んでしまった。
次の瞬間、ぱたぱたと雨が降るみたいにシーツが濡れたのが見えた。
あぁ、こいつ、もう溜め込んでたモンは全部吐き出したらしい。
不意打ちの決定打で確実にイッたはずなのに残り滓みたいな白濁しか吐けず、抉られてる中の方まで伝わった振動で極めてしまったアルは、形だけの拒絶とは裏腹に高く高く腰を上げて。健気に震える睾丸や性器までの道程だけじゃなく、傾斜となった背筋の窪みにまで逆流していたオレの精液を滴らせながら、根元だけじゃ飽き足らず下生えまでも呑み込もうとするみたいに下半身を擦り付けてくる。
コレって、狙ってシてるとしたら相当罪深いっつーか、すげぇスキルだなァ、なんてどっか遠い部分で思う。
詰めていた息を整える為に口を開けば、咥えていた指がぽとりと腕と共に力無くベッドに落ちる。
何だか褒めてやりたくて、啼いて悦ぶツボを刺激した口先でイイコな指先にキスしてやった。ついでに方々に飛び散った白濁の液体を塗り付けると、新しい情欲を植え付けられる。ほんのり紅色が薄付く白い肌は自分の肌に吸い付いてくるみたいで、汗ばんだ事によって時々引っかかる肌と肌の摩擦が、ゾワゾワと快楽を連れてきてくれた。
抑えきれない嬌声を閉じ込める様に枕へ頭を沈めて、腰から下だけが子種を望む様にゆらゆらと不安定に揺れていて。
平伏すって言葉が似合いの、そんな姿を、オレがアルにさせている。例えばソレが、快楽に従っただけの一時的なモノでも。
今この瞬間にこいつを蹂躙しているのは、誰でも無いオレだ。
ゾクゾクゾクッ、と総毛立った背筋を駆け上がっていく悦感が脳髄の奥を焼いた。
四肢から何から脱力しきって油断している背中を見下ろして、べろりと上唇を舐めたのはほとんど無意識で。
ごちゅッ!!
遊ばせていた腰の所為で半ばまで抜けそうになっていた肉塊で真上から刺すみたいに腰を押し込むと、途中で引っ掛かったゴリゴリした凝りも無視して奥の方まで亀頭を突き抜けさせた。
一気に強張った身体が、ひゅくっと上手に息を吸えなかった喉の音が、手の甲へ血管を浮かせながら枕に縋り付くコトしかできない王サマが可愛くって可愛くって、可哀想で、もっと見たいって、そればっかり考えながら何度もケツをぶっ叩くみたいに腰を振り立てた。
「あ゛ッ!?♡っな、にッ…!あ゛ーー…ッッ!!♡♡ひ、ぅ…!ぅあ、イッ、っから、ぁあッあァ…!!♡♡」
「あぁ?もっとちゃんと喋んねーと、聞いてやる気も起きねーぞ、アル様よ」
ばちゅッ!ばぢゅん!と力任せに胎内を突き上げれば逃げようとするのは予想の範疇で、眼下でがくがく震える膝を支えることもできずにブレている腰骨に短く切り揃えた爪を立てた。
彼の中を解す時に文句を言われたくないし、怪我をさせたいわけでも無いから、ソレはセックスをする時の準備のひとつでしか無かったけど。思った以上に掛かりの浅い感触に舌打ちした。
もっとしっかり爪を食い込ませれば、もっともっと深く奥の底の方までブチ込めるかもしれないのに。
頭の横側でドクドクと響く鼓動の音が、耳の内側へ跳ねてくる自分の髪先が邪魔くさかったけど。夜の影に紛れていた銀髪の狭間、覗く宝石みてーな青い瞳からぽろぽろ転げ落ちる涙が見えて。蓄積していた小さな苛立ちが吹っ飛ぶぐらいの快感を覚えた。
最高の獲物を頬張った瞬間、口の中に溢れていく血肉の躍動感に感動する野生の動物みたいに。
オレは本能的な優越感を痛感していた。
「、ッ…っはッ、…なあ、ずーっとイッてんの?自分ばっかり?」
「あ、ぁ゛ッ…!♡イ …イ゛ッて゛る、って、言ってんっ、ッ!♡ッう、い…っ♡も…ッもぉ、いっ…とま、れッ…抜け…!」
声を掛けるために、弾ませた呼吸を落としながら目の前の背中の中心へ鼻先を埋めて、何でか良い匂いだと感じさせる汗を舐めながら目一杯身体を張り付ける。腰を落とさせる事も許したくなくて、びしょびしょの下腹部へ両腕を回して、密着を強いながらだらだら涎を垂れ流している先っぽを手慰みに揉み込んで弄れば。語気の荒い、それでも一人じゃ立つ事もできない様な弱々しい声が命令してきた。
オレが従っても、従わなくても。自分がツラいだけだって今は気付かねーのか。いや、気付けねーのか。
こいつって変なとこでバカだなァ。
あぁでも、こんなやらしいコトしてる時だけ頭が弱いって、メチャクチャ可愛くねぇかな?
「今抜いたらッ、キツいのオレだけじゃねぇっ、て…分かってんだ、ろ!」
「がッ、!?っは、ぅッ…ぃ…れっ、ぅ!!♡♡」
口火を切る勢いに任せて、アルが入ってくるなと普段から嫌がる肉壁のトコまでどちゅんっ、と重く突き上げる。
名前、呼ぼうとしてくれたのかなァ。
いつか顔殴った時と同じような呻き声で、低く潰れた声が何よりもオレの耳には心地良くて。最高にやらしくて、組み敷く肢体に涎を垂らしてしまった。
ハッハッと興奮した犬みたいに、オレもアルも口を開きっぱなしで短く息を切りながら唾液を飲み込めずにいた。
オレ猫科じゃなかったっけ?そんなどうでも良い思考が過ぎって、身体の一部分が言う事を聞かない、血流が巡る下半身にばかり意識が集中している事態に気が付く。頭がぼぉっとしてきた。
終わらせたくない、そんなの叶わないって分かっていながら、終わりが近付いてくる焦りに足の付け根がびりびりしてくる。煮溶かしたみたいに柔らかいのに、精一杯オレのチンコ舐めしゃぶってくるアルの腹ン中は雌と遜色無くてスゲー気持ち良くて、腰が蕩けそうになって。単調な抜き挿しでも悦んで芯を萎えさせない先っぽの小さな口を、爪の先でぐにぐにと押し潰す。
尿道を刺激されるといつも先端から根元まで隙間無く吸い付いてくれる襞が、またこの行為を終わりに近付かせた。
「あっぁ゛、!♡あ…ッ♡♡ぅあッ…ひ、ィあ…ッ♡…、ぅ、っぁ゛ッあぁ、あっ♡♡」
「…〜〜…ッ、は、もームリ…っ、零すな、よ…!」
粘っていたくて、何度も繰り返し精液で溢れ返ってる最奥を掻き混ぜていた先がぐぅっと張り詰めた。
半ば項垂れた性器を捕らえられて、残っていない白濁を穿り返される苦痛に甘く鳴きながら喉を鳴らしている彼の耳には届かないだろうけど。それでも、しっかり呑み込めと告げるのを止められない。
ソレが本能からの行動か、執着の様な物なのか、どっちだろうな、なんて考えた所で閉じた瞼の裏が一瞬明滅して。
「も、や、ァッあ…!♡ああ゛ぁ゛ッあ…ーーッ!!♡ッ、ぉ゛、っあ゛ァッあ…!♡♡」
自分の喉奥でヒドく濁った雄叫びの成り損ないを掻き潰して、アルのとんでもなく媚びた甘ったるい声に耳を伏せながらびゅるるっ、と三回目にしては量の多い精をぐちゃぐちゃの胎内に吐き掛けた。
打ち付け過ぎて痛々しい赤みを乗せた尻朶が歪むぐらいに腰骨を押し付けた侭、彼の下腹を抱き締めながら射精の多幸感に浸って。ビクビクと不規則に鼓動を打ちながら未だ熱液を流し込むブツをしっかりと呑み込んでいる温い肉感に、頭の奥が痺れる。
長く肺の中へ溜め込んでいた息を吐いて、砂袋を詰めたみたいにだるくなった上体を引き起こす。
ずろ…、と漸く萎んだ肉芯を彼の中から引き摺り出す度に、オレの零すなって声を覚えているかの様に膨れた襞肉がきゅむりと窄まる。その光景がたまらなくエロくて、また腰の奥が重くなる感覚を覚えたけど。さすがに今夜はもう無理をさせられない。
それでも名残惜しくて、ゆっくりゆっくり抜き落としたブツを最後まであやしてくれていた従順な襞の縁を指腹で撫でてやる。途端、べしょりと自重を支えきれずに腰を崩したアルにギョッとする。
ぐちゃぐちゃに崩れた前髪を掬ってみると、やっぱりと言うか、気絶するみたいに眠ってしまっていた。荒い呼吸の中でも規則的な寝息の様な音を見付けて、ヤり過ぎたかと少し反省。
「おい、…おーい、まだ寝んなよ、」
オレよりも少ないとはいえそこそこ筋肉量の多い、しかも完全に力の抜けてる身体を抱えて風呂場へ連れていくのは骨が折れる。
自分がしでかした事とはいえ、持ち前の体力をここで発揮しろよと身勝手な言葉を溢したくなる。
仕方ない、明日怒られんのは良しとして…せめて身体の表面だけでも拭いてやらないと。傷痕と精液塗れのシーツはバケツに放り込んでおく事にして、後は。
普段カフカの世話を焼いている光景を思い出して、一休みと座り込んでいた自分の手首に何かが触れる。
頭を傾ければ、刺青だらけの腕が絡み付いていて。意識も何も持っていないベッドの主が、後始末を始めようとしているオレを引き止めていた。
「…、…あぁ〜、…ッとに、仕方ねぇなァ」
分かってる。無意識に側にあった物を掴んでしまっただけだろうって事は理解してる。
でも、身体の内側からも外側からもオレの匂いをさせて、眠りながら腕を懐かせるこの男の罪深さは、とてつもないモンじゃないだろうか。
「王様には敵わねーって、マジで」
汗と涙に濡れた頬を掌でなぞって、包んで、唇を掠めさせる。
身動ぎ一つしないでライオンの舌先を受け入れる黒豹とか、いつ寝首を掻かれるか分かったもんじゃねーな。
お前の牙なんか怖くねぇよと挑発的に笑う顔が想像できて、ククッと笑い声を響かせてしまう。
慢心と傲慢に塗れて、オレの牙に恐怖心なんか抱かない侭で喉を晒せば良いんだ。
そしたら、なぁ。
「安心しろよ、オレは綺麗好きだからよ、」
骨も残さず喰らってやる。