so evil!





「そんなにしがみつかれては、手が動かせん」

「だ…、だって…」

ベッドに入って数十分、アルカディアとクラウディオは裸になってぴったりとくっついていた。正しくは、アルカディアがクラウディオに抱き着いているせいで、クラウディオも動くに動けない状況だと言った方が良いか。
甘いディープキスをしながら服を脱がされ、ベッドへ仰向きに押し倒されたアルカディアは、ここでいつも照れてしまう。『そういう行為』の雰囲気に頭が追い付かず、至近距離で見るクラウディオの格好良さに耐えられないのだ。
そこで、数十分前のアルカディアは思い付いた。変に距離を取るとクラウディオの全身を見てしまうため、いっそ抱き着いてゼロ距離にしてしまった方が、視界からクラウディオの色気が過剰摂取されるのを避けられるのではないか、と。苦肉の策である。
しかし……、これはこれで大変まずかった。はっきり言って、この策は失敗だ。

今、クラウディオはアルカディアの隣に添い寝をするような姿勢で、左ひじを付いて横向きになり、仰向きになっているアルカディアをその体の半分で覆い隠している。
筋肉質なクラウディオの体は、やわやわなアルカディアとは比べ物にならないくらいに硬く、熱い。パンと張った胸筋が、密着すればする程アルカディアの顔に覆い被さってきて、彼の心音を直接聞かせてくる。太い二の腕と厚い胸筋で顔を塞がれ、クラウディオの熱と匂いが世界に蓋をしてしまったようだ。
閉じ込められた、と思った時には、もう遅かった。
愚かなアルカディアの策を笑うかのように頭上でクラウディオがフと肩を揺らしたと思ったら、次々と落とされる柔らかいキスの雨。つむじ、髪、額、まぶた、目尻、頬、鼻先……。惜しみなく注がれる愛を嬉しく思いながらも、くすぐったさから身をよじると、空いた右手で顔を掴まれ、唇が捕らえられた。顎クイなどという生易しいものではなく、アルカディアの頬も顎も全てをその大きな手で鷲掴みにするような、そんな掴み方だ。ガブ、と大口を開けてアルカディアの唇を食べたクラウディオは、そのまま厚い舌を無遠慮に押し込んできた。

「んッ、ふ♡ん♡ん♡ぅ♡……〜〜ッ♡」

隙間なく吸われた口が苦しく、クラウディオの胸を叩くも、当たり前だがビクともしない。酸素が足りなくなってきた頭は朦朧とし、苦しさを快感に変換し始めてしまう。ビク、と時折震える腰に合わせて太ももをもじもじと擦り合わせると、クラウディオが去り際にベロンとアルカディアほ唇を一舐めし、口を離した。

「っ、は…ッ♡あ♡は…♡ん♡ぅ♡」

「可愛いな、キスだけでこんなに息を乱して」

「は…♡…ぁ、♡…ん…っ♡は、ふ…♡」

「下、もう触るぞ」

「ぇ……、ぁッ!♡」

ピクンッ

思わず喉から出た、甲高い声。クラウディオの方を見上げた瞬間に不意打ちで触られてしまったため、彼と目を合わせながら恥ずかしい声を出してしまった。
どんな顔をしてた?大きな声に幻滅されてない?
羞恥と不安で、たまらずアルカディアは顔を伏せて、クラウディオの胸に額を付ける。
すると、擦り合わせていた太ももを優しくこじ開けながら、クラウディオの太い指が割れ目をなぞってきた。フニフニと小陰唇の柔らかさを楽しむように揉まれ、背筋がゾワゾワと震える。

「ぁ、や……ッ♡」

そのもどかしい刺激に、つい腰がゆるゆると動き始めてしまった。まるで自分から良いところに指を誘うような動き方ではないかと思い止まろうとするも、意思に反して腰ははしたなくクラウディオの指を求め、揺れている。そんなアルカディアを見透かすように、クラウディオは時折吐息だけで笑いながら丘を撫で続けた。

「く、くらでぃお…♡それ、やだぁ…♡」

「それって?」

「…っ、いじわる……言わない…で…♡」

「お前が可愛いから」

「ぁ…ッ♡も……♡んんぅ……っ♡」

中心を避ける触り方に、腰が疼く。

「どんな風に触ってほしいか、教えてくれ」

「………ッ」

これは意地悪モードだ、とぼんやり思った。いつなら基本的にアルカディアの考えを先回りして優しく全てを与えてくれるのに。
揶揄うような軽い口調に、妙にドキドキしてしまう。

「ぅ…、ぁ……ぁの……、」

「ああ」

「…………ぅぅ…」

どんな風に、なんて…。
頭の中にはお願いの言葉が浮かんでいるが、そんなこと、言えるはずがない。頑張っていざ口に出そうとするも、恥ずかしさが先に立ってしまう。
唇を噛み、目を泳がせる。きっとこの顔も、クラウディオからは丸見えなのだろう。

「…んッ♡」

「全くお前は、可愛くてたまらないな」

クラウディオがそう言って、アルカディアのこめかみにキスをした。

「どんな風に、触ってほしい?」

もう一度、同じ質問。溶けるくらい優しい声の後ろに、隠しきれない興奮が透けて見えた。

「…………っ♡」

恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。
でも………。

「……も、もっと…ちゃん、と……触っ、て……♡」

精一杯の、お願い。これが今のアルカディアの限界。
目をギュッと閉じながら、クラウディオの胸に額を押し当てて、聞こえるか聞こえないかという小さな声で呟いた。

「まあ、今日はそれで良しとするか」

ヌプン…ッ

「ッッ!♡♡」

突然割れ目に入ってきた、クラウディオの太い指。愉快そうな彼の声が聞こえたと思った瞬間、膣穴の場所が分かっていたかのように、中指が差し込まれた。
穴の入り口に指を当てたまま、そこでグニグニと揺すられる。どこを責められている訳でもないのに、クラウディオの太い指でされるとそれだけで振動が中にもクリトリスにも伝わり、刺激を待ち望んでいたアルカディアには十分な快感になった。

「ぅ、……ッ♡あ♡っ、あ♡ぅ♡♡」

太ももの内側に力が入り、クラウディオの手をギュッと挟んでしまう。中からどんどんトロリとした愛液が溢れ、グチグチという水音が大きくなっていく。

「気持ち良い?」

「ん……ッ、きもち、い……ぅ…っ♡」

「クリトリスも撫でようか」

「や…っ、待って……!♡♡」

今でこんなに気持ち良いのに、直接触られたら。
クラウディオを制止しようとしたその時、聞こえているはずのアルカディアの声を無視して、彼の太い指が動いた。

ヌル…ン

「ひ、あッ!♡♡」

膣から出た愛液をすくい、下から強く撫で上げられたクリトリス。
ビクッと大袈裟なくらいに背中が跳ねた。

「あ…ッ♡ぅあ♡…ッ♡♡ん♡う♡」

手足の指を固く握り、軽くイってしまった快感をどうにかやり過ごす。ビクビクと震える体を浅い呼吸でなだめていると、よしよしとクラウディオがクリトリスを小さくタップしてきた。

「ぁ……やぁ…、いま…まだ…ぁ…♡」

「悪いが、あまり待てが効かない性分でな」

ヌルと包皮に指がかけられる。
グッと体に力を込め、クリトリスが皮から出そうになるだけでイってしまうのを耐える。しかし​​──
プルン…ッ

「〜〜〜〜ッッッ!!!♡♡♡」

ガクガクガクッと痙攣する足。達した反動で不随意に曲がったひざがクラウディオの股間をかすめ、ペニスの熱さが分かってしまった。愛液まみれになったクリトリスは、外気に晒されているというのに痛みなど微塵も無く、ただ直接的な快感だけを与え続けてくる。

ヌリュ、ヌリュ、クリュ……

「やあぁぁ!♡♡んぁッ♡♡あッ♡あッ♡ぅぁあッ!♡♡やらっ♡くらでぃお♡いっ、て、る…ッ、からぁッ♡♡やめっ♡やッ♡♡あ、ぁッッ♡♡お、おねが…ッ♡あっ、あ♡あ♡ぅ♡ッ♡♡」

剥き出しのクリトリスをヌルヌルと中指で回すように撫でられ、アルカディアは大声で喘ぐことしか出来ない。
包皮から出された衝撃でイキ、その後も愛撫でイキ続ける。終わらない快感の波が怖くなってきたアルカディアは、必死でクラウディオの胸を叩いた。

「くらでぃお…ッ♡も、やらぁ♡きもちいの、とまんな…ッ♡♡ぅ、あっ♡あッ♡こわぃ、…ッ♡♡やぁッ♡ら…め…ッ♡♡」

蕩けた顔を晒しながら、クラウディオを見上げて訴える。アルカディアを見つめる彼の熱のこもった眼差しとかち合い、ゴプリと愛液が溢れた。
一瞬息を詰まらせてしまったその時、ゆっくりとクリトリスから指が離れていった。
やっと解放された震える肩で息を整える。
イキ疲れたアルカディアは、ドッと脱力した体をクラウディオに預けた。

「ん…ッ♡は…ぁ…♡♡ぁ♡ん♡は…ッ♡」

ピト…

「…っ!?♡」

不意に下腹部に当たる、硬く熱いもの。それが何かなど、見なくても……。

「中も解さないとなぁ」

「や…っ、待って…ッ♡」

「今日はやけに待てが多いな」

いくら頼んでも無駄だと言わんばかりの口振り。
クラウディオの太ももがアルカディアの両足の間に差し込まれた。閉じることなど叶わなくなった股から愛液が溢れ、シーツに広がる冷たさがする。
先程あんなにも外イキをしたというのに、足を広げられた途端、アルカディアの膣ははしたなくも期待でキュッと締まった。
恐る恐るクラウディオを見上げると、ドロドロと熱い目がこちらを射ていた。

「……っ♡」

その熱に当てられ、胸が詰まる。
どちらからともなく唇が近付き、深いキスが始まった。

「ん…♡ふ♡……ぅ♡ん…ッ♡」
 
ヌチ…ヌチ……

「んッ♡んん♡♡ぅ…ッ♡ふ…、ぅッ♡」

狭い口内を厚い舌で弄られながら、膣穴に中指と薬指の2本を出し入れされると、どうしようもなく漏れる甘い息。
苦しくなったアルカディアは再びクラウディオの胸を押した。

「う、あ♡はッ♡あ♡あぅ♡あッ♡はっ♡ぁん…ッ♡」

浅いところを往復したり、深いところをグリグリと押したり、中を掻き回したり、バラバラと動かしたり……。膣内に絶え間なく与えられる刺激。
溜まっていく快感に腰が押し上げられ、アルカディアはクラウディオに体をぴったりとくっつけた。

「そんなにしがみつかれては、手を動かせん」

「だ…、だって…ッ」

もう今にもイってしまいそう。
無意識にクラウディオの指を膣壁に押し付けるように腰を上げてしまう。

「中がうねってきたな」

「ッ!♡」

フ、と耳に息を吹きかけられた。

「ふふ、今ので締まった」

「や……っ、言わ、な…で…ッ♡」

「もうイキたい?」

「…ッ、ん……♡う、ん……っ♡♡」

「『うん』じゃ分からん。はっきり言ってくれ」

「な……っ、なん、で…ッ♡♡」

なんで今日はそんなに意地悪なの?
抗議の気持ちを込めてクラウディオを見上げるも、涙を浮かべた目では迫力も何もあったものではないだろう。
その間も動き続ける指は、確実にアルカディアを追い込む場所を責めている。

「ベッドで涙目になるお前が可愛くて仕方ないんだよ。私も男だからな」

「……っ♡♡」

クラウディオのその言葉に、アルカディアの胸がキュンと高鳴った。我ながら単純な女だと思う。

「それで?私としては、このまま焦らすのも興奮するが」

「やっ、やらぁ…♡」

「やだ、か」

クラウディオの言いたいことが伝わってくる。
今日2回目の恥ずかしいお願い。

「ぃ……っ、♡」

「………」

羞恥心と快感とが天秤にかけられる。
ギュッとつむった目から一筋、涙が流れた。

「いか、せて……ッ♡♡」

「喜んで」

満足気に笑うクラウディオの声が聞こえた。それと同時にグリッと押される、アルカディアの一番弱いところ。

「あ゛……ッ!!♡♡」

グチャグチャ、グチャグチャッ

「ぅ、あッ!!♡♡♡あぁッ!♡♡あ、んッ♡♡あっ♡あ、ぅ♡んッッ♡あ゛ッ♡」

激しく擦られるGスポットと、ビチャビチャと音を立てながら溢れる愛液。
待ち構えていた刺激は期待よりもずっと強かった。

「んあぁッ!♡くらぃお…ッ♡はげし…っ♡♡」

「ここ、好きだろう」

「ん…ッ、すきっ、すきぃ…ッ♡ぁ、あ♡ぅ…ッ♡♡ぃ、あ♡あぅぅッ♡いく…っ♡」

「可愛い顔、見せてくれ」

「ぅ、うッ♡♡…ぁう♡んんっ♡きもちぃ…♡いく…ッ♡♡くらいお…ッ♡♡」

クラウディオの胸に爪を立ててしまった、その時​​──。

ズリュウ…ッ

クラウディオが親指でクリトリスを強く押し込んだ。

「あ゛ぅッ!?♡あ゛…ッ♡いっ、……ッく……ッ♡♡ぅ♡う♡……ッ!♡♡ん​、うぅ​──………〜〜〜〜ッッッ!!♡♡♡」

グウウッと仰け反る体。チカチカと点滅する視界。強張った太もも。
中と外から与えられた波に飲まれ、数秒息が止まった。
ハクハクとだらしなく開いた口から、チロチロと動く舌が出てしまいそうになる。
アルカディアが締め付けてしまっていて抜けないクラウディオの指が、自分の膣壁のうねりを教えてくる。

「う……あ…ッ♡はっ♡ぁ♡ぅ♡ん♡ふ…ッ、ぅ♡あっ♡」

息をしようとすると代わりに漏れる喘ぎ声がたまらなく恥ずかしい。
仰け反って戻せない体のせいでクラウディオの熱い眼差しから逃げることが出来ず、涙でぼんやりとした視界越しに目が合ったままだ。

「……ずっと私の指を咥えているな」

「っ、ご……ごめ、なひゃ……ん、んぅッ♡♡」

アルカディアが言い終わるのを待たず、クラウディオが噛み付くようなキスをしてきた。半開きの口は容易に舌の侵入を許し、口内が犯される。
グポ、と無理やり膣穴が広げられ、指を抜かれた。圧迫感から解放されたのも束の間​​──。

グプ、

「ッ!!♡♡」

指とは比べ物にならない熱と質量。
押し付けられたクラウディオのペニスは、ビクンビクンと脈打っていた。

「ぷ、は……ッ♡ぁ♡はぁッ♡」

ギラギラとアルカディアを狙うクラウディオの目。
ヌチャリと開かれた割れ目が、クパ…とよだれを垂らした。