I just love it


「んぅ♡あ、ぁ"♡♡も、やっ♡♡う、あっ♡♡い、く…♡♡」

「…はっ、あぁ」

「っあ♡う、ぁぅ、っふ……♡♡」

腹の中を我が物顔で蹂躙していたものが、最後の仕上げと言わんばかりに一際奥を突いて。ぎゅうう♡と収縮してしまう粘膜に伝わる、切なげな震え。
それと連動するように、握られ擦られて色んなものに塗れてとっくの昔に限界を迎えていたアルカディアのちんぽも、どろりとした白濁を吐き出す。
中とこっち、どちらで先にイったのか。同時かもしれない。ただただ気持ちよくて、全身にふわあと広がり収拾のつかない多幸感に身を任せる。

「は……気持ちよかった?」

耳元で囁く、クラウディオの少し掠れた甘い声にアルカディアは小さく頷いた。吐息で狭い空間が微かに揺れるだけで、絶頂の余韻がきゅんきゅんと長引く。

「あ♡っはあ、はっ♡ん…♡」

「それは何より…抜くぞ」

「ん"んっ♡」

アルカディアの腹に散った精液をウェットティッシュで拭き、手元のゴムを包んでゴミ箱へ捨てるクラウディオ。
ぐたぁと寝転んだアルカディアの側にすぐ戻ってきて、よしよしと頭を撫でられる。クラウディオにこうやって甘やかされると、否が応でもふわふわして眠くなってきてしまう。

「もう寝る?それともシャワー浴びるか?」

「……眠い」

「じゃあ寝ようか、シャワーは明日だな」

「……ん」

射精後の倦怠感のまま眠りにつくのは、とても怠惰で贅沢だ。だけどそんな心地よい感覚の中に不意に顔を出した一つの疑問。
アルカディアはぬるま湯に浸かったようなとろんとした感覚のまま、すぐ側にある男の顔をじっと見る。アルカディアの目はきっと半分閉じかかっているだろうけれど、視線に気づいたクラウディオは優しく微笑んだ。

「……どうした?」

「ん〜…」

それを口にするのに少し勇気が必要で、アルカディアはふいと顔を逸らして枕に埋める。

クラウディオはたびたびアルカディアに好きだと言ってくれる。
10年という長い年月を経て再び再会出来たあとは、今までみたいに好き放題身体をいじられて、恥ずかしいことも言わされて焦らされて、やることはやっている。最初は少し緊張気味だったアルカディアも、今ではクラウディオに全身を預けるようになった。
しかしまだ、そんな生活の中でもやっていないことがひとつ。


キスをしてない。


再び枕から顔を上げ、クラウディオをちらりと見遣る。肘をついてアルカディアを見下ろすクラウディオの顔は、目は、蕩けそうな程に優しい。
なんでキスしないの、なんて真正面から聞くなんて出来なかった。
眠気と、苛立ちに似ているけれど種類の少し違うざわつきが混ざってもやもやする。

なんだか面白くない、困らせてやりたい。
そんな悪戯心が芽生えたのは、悪いことだろうか。

「…しばらくセックスしない」

「……?何故?」

「…やり、すぎ…だし」

事実、二人は最近ほぼ毎日セックスをしている。しかもアルカディアは毎回あの手この手を使って弄ばれて、寸止めされてぐちゃぐちゃにされているのだ。
いや、やりたくないわけじゃない。死ぬほど気持ちがいいし、もうこの快感を知らなかった頃には戻れないだろう。

ただアルカディアは、クラウディオに、何故そんなこと言うのかとか、そんなの嫌だとか、少し反省するとか、そういうことを言って欲しくて​​──

「分かった。じゃあしばらくしない」

「……へ」

何気ない会話の流れかのようにさらりと答えられ、アルカディアは思わずポカンとしてしまう。そんな彼を、クラウディオは笑って見返した。

「お前が言い出したんだろう。前言撤回する?」

「う…あの……す………ないっ」

「ふふ、どっちだ?」

「しないっ!」

「はいはい、わかったよ。ほらもう寝ろ。おやすみ」

抱き寄せられ、布団がばさりと口元まで上がってくる。常夜灯も消され、暗がりの中でクラウディオの顔はよく見えない。
こんなにあっさり承諾されるなんて。どうして嫌だと言ってくれないのか、なんて言えるはずもない。

先程まで身体を満たしていた眠気は、丸ごとどこかへ吹き飛んでいってしまって。
いつもなら彼の温もりであっさり夢の世界へ落ちてしまうのに、アルカディアはしばらく寝付けなかった。



そしてあれから1ヶ月が経った。

二人は本当に、セックスをしていない。
あんなにねちっこく、アルカディアが泣くまで責め立てておいて。クラウディオの切り替えの早さというか潔さにはもう脱帽だ。男だし性欲は当然あるだろうが、衝動とかそういうものはクラウディオには無いのだろうか、とアルカディアは頭を抱える。
我慢できないとか、ムラムラして仕方ないとか、そういうのは確かに彼には似合わなそうではあるが。

正直、先にアルカディアの方が音を上げそうになっている。
仕事の書類を確認するクラウディオの指を見ているだけで、なんだか腹の辺りがむずつく。

最初のうちはなんだかんだ言ってやるんだろうとタカを括っていたアルカディアだが、本当に何もされなくて健全に添い寝するだけの夜を過ごした後からは、もう。
さすがに一緒に居る時はセーブできているが、今や日中クラウディオが仕事で居ない時は、我慢出来なくて一人でするようになってしまった。しかもクラウディオの声や姿、肌を撫でる指を思い出して。
──勿論、腹の中を犯されるあのどうしようもない感覚も。

「…風呂、お前はどうする?」

「んー…先、はいっていいよ」

「ん、わかった」

アルカディアの頭をくしゃりと撫でて、浴室へ向かったクラウディオの後ろ姿を見送りながら、アルカディアは考える。

どうしてあんなに平然としてるんだ。
本当に俺のこと好き?
飽きた?
いやでも今まで通りだし。喋ってて気まずいとかそういうのもない。
でもしばらくっていつまで?とかは訊かれない。セックスしない期間は終わりって俺が言えばまたセックスするの?でもそんなこと、もう今の空気感の中でどう切り出せばいいのか分からない。

ぐるぐると結論の出ない思考。
こんなこと思うのは我儘だって分かってる。自分の気持ちは言わないくせに、俺のこともう好きじゃないの?とか何様だよと。
しないって言ったのは自分で、クラウディオはそれにただ応えてくれてるだけなのに。

「……ん」

静かに悶々とし続けていたアルカディアの目の前で、ピカピカと何かが光る。くい、と首を曲げてそちらを伺うと、机に置かれていたクラウディオの端末の画面が目に入った。
見ちゃ駄目だ、と目を逸らす前に、頭は短い文章の意味を理解してしまう。

『土曜日に前回と同じホテルでお待ちしております』

女性の名前。
クラウディオの口からも聞いたことがない、知らない人間。


誰だ。前回って何。ホテルって何。
何かあった人?
もしくは "今まさに何かが起きている"人?


「……っ」

それ以上のメッセージはもう来なかった。
こんなにもずきずきと胸が痛むのは何故なのか。
10年も会わなかったのだ。クラウディオは魅力的だから、言い寄ってくる人なんてたくさんいるだろう。その中から彼が惹かれた人が居たのかもしれない。
それでも自分を傍に置いてくれているのは何故?慈悲?

クラウディオは自分以外の誰かと関係を持ったりしない、なんて心の隅で分かっているのに。今の心理状態ではマイナスなことばかり考えてしまう。

いつもならクラウディオを置いて先に眠ったりなんてしないのに。どう顔を合わせていいのかわからなくて、アルカディアは風呂を諦めて真っ直ぐ寝室に向かうと頭から布団を被った。



「(…なんで来ちゃうんだろ…)」

あれからなんとなくクラウディオのことを避けてしまっている。それなのにアルカディアの足は毎日、彼の会社に向かってしまう。でも彼に会う勇気なんてなくて、こうして人気のない裏手で膝を抱えて座り込んでいた。 同じ家で暮らしている以上、どうしても顔を合わせる場面はあるがのらりくらりと躱している。
クラウディオは朝早く出て夜に帰ってくるから、リビングで寝たフリなんかしていると優しい彼は起こさないで居てくれる。
一緒に居る時間が少ないから食事も睡眠もしない。心理的な要因が大きいだろうが、少し疲れている気もする。

「(…レイスの家、聞いておけばよかった)」

レイスも忙しいのだろうか、しばらく会えていないが彼ならきっと何も聞かずに「なら一緒に遊ぼう」なんて言ってくれるんだろう。そもそも端末を家に置いてきてしまったので、連絡のしようもないのだが。
抱えた膝に顔を埋めて小さくため息をついた時だった。

「……アルカディア」

「…っ、え」

「何してるんだ、こんなところで」

「あ、え…」

聞き慣れた低い声にびくりと体が揺れた。
ぎりぎりと右向きに首を傾けた先には、少し不機嫌そうな表情のクラウディオが立っている。
ああ、色々とあからさま過ぎて、クラウディオだってそりゃあ怒るだろう。

「何度も電話したが」

「あ、の…ごめ…ちょっと、気分、悪く、て」

「…大丈夫か?」

「…だい、じょうぶ」

「気付かずに悪かったな。お前の態度がおかしいのもそれが原因か?」

「…変じゃないよ」

「……」

「変じゃない。もう帰る……」

ゆっくり立ち上がると退路を塞ぐように立つクラウディオの横を、腕に当たるか当たらないかギリギリのところですり抜けようとしたが、来るかもと予想していたのとは桁違いの力で手首を掴まれる。
痛みに顔を顰めて振り返ると、クラウディオは眉間に皺を寄せてこちらを真っ直ぐ見ていた。

「行かせると思うか?様子のおかしい恋人を放り出せるような神経はしてない」

​​──恋人。

二人は付き合っている。この関係はまだ有効だったか?もうなんでもいい。
クラウディオは自分を好きだと言う。でも最近は聞いてないかも、言われてないかも。本当に自分のこと好きなのかどうか、もはや自信も何もない。自信ってなんだ、ばかじゃないのか。自惚れるな。
やっと会えた、と思ったのに。10年も。大嫌いな一人ぼっちを耐え抜いたのに。


もう遅い?


「…っ」

「…どうした」

「わ、かんなっ……」

途端ぼろぼろとアルカディアの瞳から涙が落ちた。掴まれていない方の腕で、袖口で顔を拭う。クラウディオの優しい声に、涙は次から次へと溢れてきてどうにも止められない。

「……とりあえず帰ろうか」

「っ…ふ…ぅ」

宥めるようにクラウディオが優しく頭を撫でてくれる。地面が視界の中でぷるぷると丸く揺れる。喉の奥が熱くて痛くて、頭はもっと痛い。手首も痛い。

「……逃げな…から、離し、て」

「ああ…悪い、痛かったな」

ようやっと離された手首がずきずきと疼く。
沈黙が気まずい。何か言わなきゃと思うほど言葉は出ない。
クラウディオも何も言わないが、しばらくして不意にすっと歩き出す。アルカディアは出来る限り顔を隠して俯きながら、とりあえずその後ろを着いていくしかなかった。



「…かお、洗って、くる」

「ああ」

車内では一言も言葉を交わさなかった。家に着いて、玄関から廊下を通って、やっと絞り出せた言葉は情けなく語尾が震えて。顔は見れなかったが、きっと気付かれただろう。

洗面所の鏡で見た自分の顔の、目の赤さに少し笑ってしまった。行為中に生理的なもので、とかじゃなく本気で泣いたのなんてあの日以来かもしれない。
戻りたくなかったがこのまま家を飛び出すわけにもいかない。重い足取りで踏み入れた寝室の、ベッドに腰掛けるクラウディオは、フッと顔を上げてアルカディアを見た。

「……おいで」

隣のスペースをぽんぽんと叩く手。
数瞬の間の後、アルカディアは観念してそこを目指す。身体が触れることが今はすごく怖くて、少しだけ距離を空けて座った。
感じが悪いかと思ったが抱き寄せられることもなく、クラウディオは静かに腕を組んでいる。

「…思うことがあるなら言ってくれないか」

「……」

「なにかしたなら謝る」

「そ…、じゃ、ない」

「……じゃあ、何?」

「おれっ、が……」

ちゃんと話さなきゃと、思うのに。思考は散らばってこんがらがって頭の中に留まらず、コップの水が溢れるように漏れ出ていく。

「っおれが、何年も、待たせた、から…だから…他の人のところ、行っちゃっても、飽きられても仕方ないって…っでも、離れなきゃいけない…と思ったら、つら、く…なって、俺、」

「待て」

「……へ」

取り留めのない言葉の羅列を遮る、低い声。
怒ってる?いやそれとも違う。

「他の人ってなんだ」

「…え、あ、端末、見えて、この前……前と同じ、ホテルって……ごめ…」

「……あぁ…なるほど」

クラウディオが内ポケットから端末を取り出す。さっさっと何回か指が滑った後、眼前に突きつけられるメッセージ画面。

「え…なに…」

「見ろ」

「やだ…見たく、ない」

「いいから見ろ、大丈夫」

逸らしていた目線を反射で上げてしまい、否が応でも目に入る文字列。
あの時見た文章と、その前のやり取り。

「あぇ……」

「仕事関係だ。この前打ち合わせをホテルでしたんでな、その続きの話だ。まぁ、確かにお前からしたらややこしかったな」

「……しごと…」

端末をぽいとベッドへ放り投げ、スプリングを軋ませて立ち上がり、アルカディアの前に立つクラウディオ。
急な動きに驚きつつ、見上げたクラウディオの顔は…さっきまでとは打って変わって、楽しさと何か良くないものを滲ませたような笑顔だった。

「悪い、勘違いさせたな」

「っ……」

「それと」

少しかがんだクラウディオの手が、アルカディアの顎を掬い上げる。
じっと見つめてくる目はもう笑っていなくて、何故だかそこから視線を外せない。また泣いてしまいそうな気分になって、みぞおちがじくりと痛む。

「私が何回、お前を迎えに行こうとしたと思ってるんだ。途中から数えるのを辞めたくらいだぞ」

「く…ら…」

「お前以外の誰かに私が惹かれることはない」

「……っ」

「だから、今思ってることを言ってくれ」

「…くら…でぃお」


「……お願い」


お願い。
いつもアルカディアにばかり強請らせて懇願させて、めちゃくちゃに翻弄して、澄ました顔で笑っているクラウディオが。
そんな顔で、こんなこと。


「…好き」

「私も好きだよ」

「……っずっと、してないの、もうやだ、したい」

「奇遇だな?私もだ」

「…キス、してもい​​──」

言い切る前に押し付けられる唇。余裕もなく、順序を踏むようなそれもなく割り入ってくる舌。熱い。息継ぎも上手くできず、あちこち噛まれたり吸われたりするのに耐えるので精一杯だ。

「んっ……んぅ♡っは、ん……あ♡」

「……ふ、可愛い」

「ん"っ♡っぁ、んぅ、♡ぇ♡」

たっぷり何分か口内を貪られ、いつの間にかベッドに押し倒されていたアルカディアはもう、長いキスが終わる頃には全身クタクタだった。

「っふ、は……♡も、いい…っ」

「いいだろ。好きなんだから」

「〜〜〜っ」

シレッと言われた言葉にアルカディアの体がびくりと跳ねた。
なんだか急に恥ずかしくてたまらなくなって、腕で顔を覆い隠す。

「……なんで…ずっと、キス、しなかったの」

「会ってからどうもキスに怯えてたみたいだったからな。お前の緊張が無くなるまで耐えてたんだ」

「あぇ……おれ…のせい、?」

「……はは。想像してなかった?」

楽しそうに笑うクラウディオ。そんなにアルカディアのことを考えて、律儀に待っていてくれていたなんて。

「…ごめ…」

「謝るほどのことじゃないよ」

「…でも、…わ」

言葉を続けようとすれば腕をひょいと掴まれ、ベッドに押さえつけられる。
下唇をきゅ、と噛んで舌で濡らす仕草が、えろい。そしてこの仄暗い熱を感じる目はもう、普通に話している時の目じゃない。
ここしばらくは見られなかったクラウディオの、雄の顔。

「我慢させられた分いっぱい楽しませてくれるな?」

「あ……ぅ」

「ずっとしてないのもうやだって、かわいく言ってくれたの正直かなり来たよ。お前は本当におねだりが上手い」

「そ、んな、つもり、じゃ」

「へえ。じゃあやめるか?」

見え透いた挑発。そう言われるとやめるとは言えないアルカディアのことを、クラウディオはどこまでも知り尽くしている。

「やめ、ない、したい……ん、ぅ♡」

「っふ……前言撤回しない?」

「しな、ぃ♡ん、む♡♡」

言葉は深いキスに呑み込まれる。
なんで今まであんなに緊張していたんだろう、もっと早くしたかった、したいと言えばよかった。本当に自分は馬鹿だ。
でも、もういい。難しいことは後回しで。



「…尻尾みたいでかわいいなあ?これ」

「っあ、あ、だめ♡突かな、いっ、で♡♡ひっ、響く…の…っ♡♡」

「どこに響くんだ?ちゃんと言ってくれ」

「ゃ、め!ぅう"♡♡ぜんりつ、せんっ♡♡くらでぃお、に…教えてもらった♡♡とこっ♡♡」

「ああそうだな私が教えた。これ丁度当たるような形になっててな、気持ちよくなって腹の中うねったら、余計に食い込んでくるらしい。私は使ったことないが」

爽やかな笑顔で言い放つクラウディオ。そりゃクラウディオみたいなサドは自分にこれを使うことはないだろう…いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。
アルカディアの尻に捩じ込まれた無機質なそれの根元に、何かがこつんと触れる。その途端、

「ぅあ、あ……っぁ"?!♡♡っひ、ぅ"♡♡」

「バイブ機能無いやつもあったんだが、あるのにして良かったな。何段階か変えられるけどどれが好き?」

「っ?!ゃ、だ♡♡も、しらなっ♡わかんな、い"……っ♡♡ 」

「分かんない?ならとりあえず一番弱いのにしておこうか」

ヴヴヴヴと細かな振動が、腹を中心に全身に伝わる。腹筋が勝手にびくびくと痙攣して、そのたびに前立腺をとつ、とつ♡と軽く押すように突起が食い込む。
指で弄られるのとはまた違う感触。アルカディアの反応を見ながら強弱の加減なんてしてくれない機械的なもの。とろとろに解された穴に、やらしいことを囁きながら突っ込まれたことを考えると、余計にじわじわと快感が増していく。
が、絶頂に届くような決定的なものではない。

「っこれ、ぃ……いつっ♡まで、やる、のぉ♡♡ んぅ、う♡♡」

「んー……そうだな、満足するまで?」

「まんぞ、くっ、て♡っえ?……」

「自分で取らないように、あとお前が喜ぶと思って」

おもちゃの入っていた紙袋から、また違うものが取り出される。光沢のない黒い輪っかが2つ。と、それよりも少し細長いような輪っかが1つ。所々に金具もちらりと見える。

「……っ」

「何のためのものか分かる?」

「ぅ、あ、え…」

「これでベッドに固定されて、おもちゃ抜きたくても抜けなくて、イきたいのにイけなくて……泣いてお願いしても駄目。そういうの、好きだろ?」

ぎしりと音を立てて、顔の横にクラウディオの肘が来る。首筋に触れる唇にびくんと震えてしまうアルカディアに、吐息だけで笑う。
もう身体も頭も全部、ぞわぞわして。

「…どうしてほしいか、言ってくれ」

「んっ♡んん、ぅ♡♡」

「分かってるだろ?"言った方が気持ちいい"って、これも私が教えたことだ」

クラウディオに教えられたこと。
アルカディアの様々な感覚をたくさん塗り替えて。触ったことのない場所を、感情を、快感を覚え込まされた。分かってる、考えなくても。

「……っ、おれ、の、手♡縛って、動けなく、してっ……♡♡ぁ、の…おもちゃで、気持ち、よくっ、なって……ぅ♡んん"っ♡ 」

「んー?聞こえない、な。おもちゃで気持ちよく、なに?」

「ぁっ♡ぅあ♡気持ち、よくっ…なっ、てる、とこ♡♡見て…て♡♡くらでぃお♡♡とめて…って♡♡おねが…しても、駄目、なの……っ♡♡っひっ♡♡ぅ"、あたま、おかしく、なうっ♡♡まで、ぅあ……っ♡♡」

ぐりぐりとおもちゃの根本を揺さぶられ、断続的な鋭い快感に耐えながらなんとか言葉を繋ぐ。
アルカディアの首元からゆっくりと顔を上げたクラウディオは、笑っていた。

「〜〜〜っ♡♡」

「手出せ、揃えて。震えてるな、怖い?でもアルカディアがしてほしいって、"頭おかしくなるまで"って言ったからな?」

「ぁ♡あ……っ♡♡」

もう手首に、皮膚に触れる指先の感触にすら感じてしまう。やらしいことを言わされて、お願いさせられて。クラウディオの声が、顔が、空気が全部、色を持って変わっていく。

「好きだよアルカディア。何も知らなかったお前が、気持ちいいこと大好きになって…私に身体を作り替えられてるのは、最高に興奮する」

嵌った凹凸は、多分アルカディアもクラウディオも思ってたより強固なもので。
離れるなんて最初から無理だったんだ、と。
今更ながら理解する。

「おれ、も、好き……くらでぃおに、される、こと♡ぜんぶ…だいすきっ、すき♡♡」



どれぐらい時間が経ったのか。
電気は消されておらず明るいままだが、この部屋には壁掛けの時計がない。ヘッドボードに時計は置いてあるものの、今のアルカディアはそれを見られる状況ではない。

「っ、ぅぅ"♡う、あ……んんっ♡♡や、ぁ♡いきた……っ♡♡や…やだ、やだ、も、や♡♡」

「ジタバタしても抜けないよ。あ、でもその方が中動いて気持ちいいか?」

「うぁっぅっ……♡う…なかっ…あ…♡♡あっ♡ あっ♡♡きもちい♡♡」

「気持ちいい?じゃあやめなくていいな」

「ん、ん"ぅ♡♡」

喘ぐアルカディアの隣で、本を読んでいたクラウディオが、ぱたりとページを閉じて覆いかぶさってくる。
にゅる、と分厚く柔らかい舌が、アルカディアの舌の裏をくすぐる。奥に引っ込めてしまいそうになるのをかぷりと噛まれ、引き出されて、ちゅ、ちゅ、と音を立てて軽く吸われる。
気持ちいい。幸せで嬉しくて、でも頭の中心にあるのはどうしようもない欲求だ。イきたい。気持ちいいのにイけない、もどかしい、思い切り突いてほしい、ぐちゃぐちゃに擦って押し上げて、奥で。

「あぅ……ん♡くら、ぃぉ♡すき、すき……♡♡ くらでぃお、欲し、ぃ♡♡いれて、おねが…♡♡」

「かわいい、好きだよ、私も好き。最初はあんなに怖がってたのに、今じゃ大好きになったな」

「好き、くらぃおのしかっ♡すきじゃ、な…♡ぁう♡♡ん、きもちい、とこっ♡♡ぐりぐり、して、ほし……っ♡♡」

「私も挿れたいよ」

おもちゃで広がった穴のふちを、くりゅくりゅとなぞられる感触。ローションと溢れ続ける先走りでべとべとのそこに、ぐぐっ……♡ と指先が入り込もうとする。

「うぁ"っ♡あ、やめ♡てぇ、はいんなっ……♡♡」

「そんなに根本太くないから入るよ。……やらしい」

「〜〜〜っ!!♡」

アルカディアの下半身へ身体をずらしたクラウディオがぼそっと呟く。恥ずかしい、至近距離で見られている、しかも異物が入っているそこをぐいと捲って覗かれている。
逃げたい、嫌だ、やめてと思うのに、羞恥心を押し退けて脳内を満たすのはどうしようもない興奮だ。

「みな、で♡やだっ、やだ♡♡ひっ……♡」

「気持ちよくなってるとこ見ててって言われたから見てる。嘘だったのか?」

「う、うそ、じゃな……っぁあ"!♡♡あ!♡♡う、ぅ"♡♡ぅあ"……っ!♡♡」

かちりと小さな音が鳴り、腹の中から響く振動が明らかに強くなった。一定のラインで上下していた快感の波が、ぐんと勢いを持って上り詰めていこうとする。

「ぁ"っ♡あ、い……っ♡く…♡っふ、ぅ"♡あ〜〜〜っ♡♡」

「駄目だぞ。イくな」

「ひっ、ぁ♡むり、むりっ♡♡押さな、でっ♡♡い…う、い"く…っ♡♡」

「我慢しろ」

そう言うならどうしてぐりぐりと押すのか、なんてもう、クラウディオの行動原理は分かり切っている。前立腺をピンポイントで抉る動き。揺さぶられて擦られて、めちゃくちゃに気持ちいい。イけそうなのに、イけるのに。
命令には逆らっちゃいけない。

「……っ、ぁ……っ!♡♡♡っ……ぅ"♡♡」

「ああ、我慢できて偉いな?…こら唇噛むな、弱くするから」

「んむ、ぅ♡ん……♡♡」

優しく口付けられると共に、クラウディオの言った通り振動がまた弱いものに戻る。
イきたかった。弾ける前に霧散させられた快感が切なさと混ざって、頭の中が爆発しそうだ。辛い、苦しい、なんでこんな。酷い。
でも。

「……今どんな顔してる分かってるか?」

「ぅっ……う"♡♡」

「我慢するの辛いってだけの顔じゃないよ。お前は……本当、可愛い」

満足げな笑顔を残してまた、クラウディオの身体が離れていく。
全裸のアルカディアに対しまだ服を着たままのクラウディオの下半身が、布地を押し上げているのがちらりと見えた。自分の姿で興奮している、勃起してるんだと思うと、もう。

「〜〜〜っ、くら、ぃお♡抜いてっ♡くらでぃお、欲し……っ♡♡」

「物欲しげに見ても駄目だ。まだ我慢」

閉じられていた本をまた手に取るクラウディオ。アルカディアになんて興味ないみたいな、冷静な顔。自分のあられもない姿と脳内で対比してしまい、爪先からぞくぞくと震えが走る。
まだって、いつまで。満足するまで?アルカディアが、クラウディオが?

──もうそれも、何もかも、分からない。



「ぁ"……っ、あ……♡ぅ……♡」

「……声、あまり出なくなったな」

「う♡ぁ……くぁ、ぃぉ…」

「ん?どうした」

にっこりと微笑みを浮かべ、アルカディアの隣へ添い寝するように横たわるクラウディオ。
そちらへ首を傾ける動きすら今はかなりの力を要する。ずっと上げたままの腕も、手枷と擦れる手首も、もうほぼ感覚がない。喘ぎ過ぎて枯れつつある喉が、ぐいと捻れて鈍く痛んだ。

「も、ゆるし……て、お"、ねが……♡」

「そろそろ充電切れるかと思ったんたが、なかなか切れないもんだなあ、これ」

話を聞いているのかいないのか、クラウディオはトントンとおもちゃの根本を小突く。微かな動きなのに、今はどんな小さな快感でも拾い上げようと必死なアルカディアの身体。
イきたい。思い切りイきたい、イきたい、お願い。

「ひっ、ぁ♡おねが、ぃ……、も、からだ、おかし……っ♡♡やら、むり"、も、やだぁ♡♡」

「もう限界?」

「んっ♡くらでぃおっ♡くらでぃおが、いい"っ……♡イかせて、ほし……っ♡♡おねが、い…お願いっ♡♡」

「……」

無言のままベルトに手をかけるクラウディオ。
勿体ぶることもなく曝け出された、アルカディアの大好きなそれは、想像通りバキバキに勃って反り返っていた。
 
「はっ、ぅっ……♡♡♡」

「…ふふ…口閉じれてないぞ」

「んっ!んぅ、む♡あ"っ、んぇ♡♡ぅ"〜っ♡♡」

ぐりぐりと潰すように、舌先を指で掴まれる。微かな痛みと痺れが混ざった感覚に思わず涙が滲む。
それと同時に、もはや身体の一部と化していたアルカディアの中に居座っていたものが、ぐっと引き抜かれようとする圧迫感。

っにゅ、ぐ……っ♡♡ ぐぽんっ♡♡♡

「ぁ"、あっっ!♡♡♡」

「ここ、閉じ切らなくなったな」

「ぅ"……、はっ、あっ♡ぁ"、ぅ…そっ、こで♡ しゃべ、なっ…で…ぁ♡♡」

熱くむずつく穴のすぐそばで吐息を感じ、背筋がぞくぞくと震える。中に入っている時はそこまで音も大きくなかったが、抜け出たあとのおもちゃは鈍いバイブ音を部屋中に響かせていた。
かちりと電源を切られて沈黙するそれを、滲む視界の端で捉える。さっきまで自分の中にあって死ぬほど喘がされていたのかと思うと、とてもじゃないが直視できない。

「アルカディア」

「え…っあ……?♡」

「……これが欲しかった?」

いつの間にかアルカディアの上を跨ぐようにしたクラウディオが、手を添えているもの。
赤黒く逞しく、血管の浮いた、いつもアルカディアをおかしくさせる──

「欲し、いっ♡いれて、すきっ♡♡くらでぃおの、……っぁ♡♡ 」

「そんなに好き好き言ってもらえて光栄だな。あ、そういえば」

「っは、う♡んぇ、なに…♡」

ぴたりと狙いを定めるかのように、今からめちゃくちゃにされる穴の入り口に触れるちんぽ。期待で腰が揺れるのももう隠せない、なんでもいい、早く。

「もうセックスしないとか言わない?」

「言わな…っ、から♡♡はやく、はや、くっ……♡♡も、がまん…できなっ♡あッ♡」

つぷ。 ぬ……ちゅ♡♡

「私のこと好き?」

「好き、すき!♡好き、ぁ♡欲しい、奥…っ♡♡ ぜんぶっ♡♡めちゃくちゃに、して……♡♡」


ぐっ、ぷ……ずっ♡ ぐぷんっ!!♡♡♡


「……は、ぁ」

「〜〜〜っ♡♡♡」

震える肉壁を抉りながら、一気に潜り込んでくるちんぽ。根元まではいってる、肌と肌が触れ合う。
熱に浮かされたような声。本当に気持ちいいんだと伝わってくる。
嬉しい、好き、俺も気持ちいい

「ぁう♡あ、ん♡♡くらでぃおっ、の……っぅ"あ♡♡うれ、し♡♡」

「あぁ、嬉しいな?ずっとしたかったもんなあ」

「したかった…の♡おなか、せつな、く、なっ…てぇ"♡♡ 」

にゅ、ち"ゅ……ずぱんっ!♡♡ ぐぷんっ!!♡♡
ぐりゅ!ぐっ♡♡ ぐぷっ!!♡♡ ぐぽっ!!♡♡

「んぁ"……っ♡♡あ、っう♡♡っひ、ぅ♡♡い"、くっ♡♡♡」

「っはは。早いな、いいよイって」

「〜〜〜っぅぁあ"?!あ♡♡♡」

腰をぐいと掴み直され、腹の方へ突き上げるように動かれる。おもちゃとは比べ物にならない圧倒的な質量と、生身の肉の熱さ。今更ながらゴムを着けていないことに気付くが、それが更に興奮を煽る。

ぐりゅ♡♡ぐっ、ぐぷ……っ!!♡ぐり♡♡ びくんっ♡♡ びく、ひくっ♡♡

「い"っ、ぁ……ふっ、ぅ"♡♡」

「あー、触ってないから何も出てないな。中イキ、どう?」

「っは、ふ♡ぁ……う♡きも、ちい……♡♡」

「もうこれ無しじゃ駄目だな?」

「ん、ぅん……♡♡」

額を撫でるクラウディオの手がくすぐったい。抱きつきたいのに、拘束された腕ではそれも叶わない。

「くら、いぉ……これ、とってぇ♡」

「ん?駄目」

「へぁ……」

「今日はとことんお前をいじめ倒す日だ。抵抗になってない抵抗されるのも好きだけどな」

「そ、なっ、ぅあ"♡あ、まだ、まって!♡♡」

まだ絶頂の余韻から抜け切らない身体に、ずしんと重い快感が響く。奥にぐぐぅと捩じ込むような数秒間の後、急に始まる容赦のない抽送。

っぐぷん!♡ ずぱんっ、ずぷっ!♡♡
ぬぷぷっ……♡♡ ぐぷ!!♡ ぐぷんっ!!♡♡

「ぁ"……っ!♡♡っひ、ぐっ♡♡あ"♡♡」

「焦らし続けて可哀想なことしたからな?いっぱいイこうな、してなかった分」

「ん"ぅ、ん♡♡う、ぅ♡」

噛み付くみたいにキスされながら、ただただクラウディオの思うままに出し挿れされる。ギリギリまで引き抜いて、ぐぼっ♡♡と勢いをつけて挿入される時の圧が、苦しいはずなのに気が遠くなるほど気持ちいい。
頭の中も、口も体も全部、クラウディオに支配されて。
またイく、イく、むり

「ぅ"あ!♡あ、あ、ひっ♡♡いく♡♡イ"っ…く♡♡」

「っぐ、ぁ……」

「ん"〜〜〜っっ♡♡♡」

もう腹とか足とか色んなところが攣りそうで、全身が馬鹿みたいにびくびくする。でもクラウディオは止まってくれない。止めて、とか、もうやだ、はクラウディオには効かない、分かってる。

ぐぽ♡ ぐぷっ!にゅ、ぐぷんっ!!♡♡ ずぱんっ!♡ ぱん!♡ ぐっぷ……ぬ"りゅ!♡♡

「っあ!♡あ、そこ、やだ……っ♡♡ゃ、め」

「んー、やめない。気持ちいいの思い出すな?」

「ふぁ……あ♡♡あ、う、はいっちゃ……ぅ"♡♡」

こつこつとノックするような生易しいものではない。無理やりこじ開けて、犯す、凶悪な。
でもそれが、死ぬほど気持ちいい。

「はいっちゃうんじゃなくて、挿れるんだよ」


……っぐぽぉ♡♡


「っぁ……?♡あ、あ"……あ♡♡」

「は、あ……きもちいいな♡」

「あ、んぁっ♡くる、し♡♡揺すら、なっ♡♡ ひぐっ……ぅ♡♡」

「苦しくて気持ちよくなってる顔、かわいいよ」

とちゅ♡ に"ゅ、ぐぷっ♡♡ ぬぽんっ♡♡
ぬぷんっ♡ ぐぷ、ぐぷ!♡♡ ぐりゅっ!♡♡

「ぁ"〜〜〜っ♡あ、奥、いじめなっ、…ぁ"♡♡」

「”奥" じゃなくて、どこ?」

「っひ!♡♡あ、うっ、あ♡♡ごめ、なさっ♡♡けっちょ、ぅ"♡♡結腸、いじめな、でぇ♡♡」

「賢いなアルカディアは、止めないけど」

意識の行っていなかった乳首を、ぎりりと音が鳴りそうなぐらい潰される。おかしくなっている頭では、痛みも瞬時に快感として認識されてしまって。
指が離れた後もじんじんと疼く、それも気持ちいい。もう全部。

「あ"……、そろそろ」

「んっぅ"♡♡っう、ぁ♡♡あ♡♡」

「アルカディア」

少し余裕を無くしたような、眉を顰めたクラウディオの顔が近づいてくる。
耳元で囁かれる、どうしようもなくいやらしい言葉たち。

「そ、な♡♡の、言え、な……ぁ、あっ♡♡」

「言えるよ。ほら、さっきより締め付けてくる」

ぐりっ♡♡ぐりぐりっ、ぐぬ……っぐぷん!!♡♡
どちゅっ!♡♡ぐちゅ、ぐぷっ!!♡♡

「あ、あ、うあっ!♡あっ♡も、だめ…♡だめっ♡」

「好きだよアルカディア。私のことも、気持ちよくしてくれる?」

蕩けるような甘い声。
アルカディアの理性のタガを外す、クラウディオの。

「っあ、あ……♡いっ♡いくっ、……っ♡♡いくっ♡♡メス、イキ…するっ♡あっ♡し、て♡♡ うぁぁ、あ♡♡いぐっ♡ぁあうっ♡イ"、くっ♡♡ 」

「はっ、ぁ……アルカディア」

「おく、出してっ♡おくっ、くらでぃおの♡…で♡♡おれのっ、おなか、けっちょ、ぅ"……汚して♡♡ぜん、ぶ、くらでぃおのに、して…♡♡ おねが、ぃ、すき♡♡すきっ♡」

「……出す、ぞ」

ぐりゅ♡♡ ぐっ、ぐぷ♡ どちゅ!♡♡
っびゅ!♡♡ びゅく!!♡♡ びゅーっ♡♡

びくんっ♡ っきゅうぅ……っ♡♡

「ぁ、あ"……♡うれ、し……ぃ"♡っは、っあ、ぅ♡」

「っふ、はは……かわいい。本当に、好きだ」

「んぅ♡おれも、すき♡すきっ、ちゅー、して」

「ちゅーって殺す気かお前」

はは、と笑いながらも希望通りキスしてくれるクラウディオ。
もう、頭の中までとろとろに蕩けちゃって恥ずかしいことしか言ってない。きっと明日になったらまた思い出して、顔から火が出るような思いをすることになるだろう。

「ん、む♡♡んー、ぅ」

「夢中になってるなあ?…じゃあ続き、しようか」

「っんぇ、あ……あ"!?♡♡」

「まだ今日こっちでイってないもんな?悪いな待たせて」

「え…、ま……ぁ、あ、まって…むり♡まって、はげし♡♡」

半勃ちで先走りに塗れたアルカディアのちんぽを、何の遠慮もなく引っ掴むクラウディオの手。わざとかと思うぐらい、ぐちゅ♡ぐぷ♡と音を立ててしごかれ、あっという間に完勃ちになってしまう。

「無理じゃない、大丈夫。時間はたっぷりある。今日はたくさん気持ちよくなってほしいから、ほら」

「んあ"っ!♡♡あ、まって、くらぃお……っ♡♡あ、うぅ♡♡まってっ…腕…手、外し……っ」

「駄目」

アルカディアの懇願がばっさりと即答される。
本当にこの男は慈悲がない。

「どれだけ私がお前のことを好きで、お前も私のことが好きなのか『理解って』もらわないとな?」

「ひ、ぅ……♡♡」

憎たらしいほど気持ちのいい笑顔。
明日は休み、今日は早上がり。全てクラウディオの思惑通り。これは朝までコースだ。きっとアルカディアの意識は途中で無くなってしまうだろう。

セックスしないなんて、軽い思いつきで言うんじゃなかった。