I wanted to
spoil him
「……アルカディア、足辛くないか?」
「ぜんぜん。クラウディオも首とかいたくない?」
「いや私は大丈夫だ」
そう?、と返して太ももの上に乗せられた柔らかいローズグレイを手のひらで撫でる。さらさらとした髪質は最近仲良しの野良猫に近く、気付かれぬ程度にくすりと笑みを零した。
少し前まではまだ僅かに秋らしさを残していた空気も、今朝になって一気に容赦の無い真冬のそれへと変わってまった。朝早くから仕事に行くクラウディオを玄関まで見送り、それから自分は頼まれていた仕事の手伝いを家でこなしていた。
夕方には再び街で合流してスーパーで買い出しをして帰路についた。冷蔵庫に食材を並べていきながらやや赤くなっている彼の手を見て、これはそろそろ出番だろうとすぐに物置の戸を開け、クラウディオがいない間こっそり注文していたふわふわの毛布たちを引っ張り出し。目を丸くしたクラウディオに笑いかけながらセッティングをして____結局それはクラウディオに手伝われて、ソファーの上に電気毛布が鎮座した。
たまにはクラウディオの疲れを癒してやりたい。相棒として、それから、恋人としても。一緒に毛布に身を潜りこませたあとにふと膝枕を提案したのもそんな理由だった。
『……膝枕?』
『あ、…でも俺の太ももだと寝心地悪いかも』
ごめん、と撤回しようとしたところでクラウディオは小さく呻きに近い声を零し、少し考えるような顔をした後、素直にぽすりと頭を預けてきた。そうして現在。何度もこちらを気遣いつつ身を委ねてくれている辺り、リラックスしてくれてはいる様子だ。その姿を見ていると、胸の底からじんわりと暖まっていくような感覚を覚える。実際、腰から下は毛布のおかげですっかり暖かいのだが。
「……暖かいな」
「うん…出れなくなるね」
それからしばらく、互いに特に何かを話すわけでもないまま静かな時間が流れる。あまりに静かだから、眠ってしまったのだろうかと視線を下げて様子を伺う。するとぱちりと目が合って。こちらをずっと見つめていたらしいクラウディオの瞳は、数時間前の射抜くような鋭い輝きを放っていたそれとは違って柔らかく穏やかな色を湛えており、少し眠気もありそうに見える。
「くらでぃお、眠い?少しくらい寝てもいいよ。ご飯、俺が作っておくけど」
「はは、なんだ、今日は色々とやってくれるな」
「む……たまには俺も甘やかしたいの。普段甘やかされてるし、頼ってばっかだし…」
「別に、私がしたくてやってることなんだがな」
「でも……、あ、それと」
「うん?」
ふっと頬を緩めてもう一度その頭を撫でながら、口を開く。
「素直に甘えてくれてる時のくらうでぃお、可愛いし」
「……お前な」
じとりとした視線を向けて眉を寄せたクラウディオの髪を変わらず指で梳きながら、愛おしさに目を細める。かわいいな、と思う。当然クラウディオの容姿や性格や生き様、どれをとってもかっこいい≠ニいう言葉が誰より似合う男だが、それはそうとしても自分だけに見せてくれる無防備なところはやはり可愛らしいと感じてしまうのだ。普段はあまり言わないが。
そのままじっと見つめ続けているとやがて諦めたように息を吐いて、不意にごろりと体の向きを変えるとそのまま手を伸ばし、頬にかかった髪を耳にかけてくれる。その指先が存外優しく触れてきて、思わずぴくりと肩を揺らしてしまった。それからふと何かを思い付いたような顔をしてもぞもぞと毛布から這い出て。
「アルカディア、ちょっとそっち行っていいか?」
「ん……?うん」
クラウディオは上体を起こして自分の後ろに回って座り込み、体を挟むようにして再び両足を毛布の中にしまいこんだ。腹の前に腕を回され、背中に感じるぽかぽかとしたあたたかい体温に思わず笑みを浮かべる。
「もっと暖かくなった」
「だろう」
密着しているからか、クラウディオの息が首元にかかって少しくすぐったい。思わず背中を丸めるが、じゃれつくように肩口に頭を擦り付けられてしまった。本人は口にはしないが、ここ最近の多忙さはかなり効いているのだろう。お疲れ様、という気持ちを込めてまた髪を撫でようとして、不意に「アルカディア」と耳のすぐ傍で囁かれた低音に身じろぐ。
「…なに?」
「あー……もうこんな時間か」
「うん…そろそろご飯作らないとだね。俺も寝そうになる」
「……んー…まだ少し寒い」
「…?、なら後ろよりも隣に来たほう、が、」
言いかけて、するりと脇腹を撫でられる感覚に息を詰まらせる。ぼんやりしているうちに服の中に侵入していたらしい温い手のひらがゆっくりと肌の上を滑っていき、振り返ってその元凶をじとりと睨んだ。
「クラウディオ…」
「珍しく暖かいな、お前の体」
「それは、くらでぃおの方が……ん、だめ、さすがに、ここではしない…」
「分かってる、少し触るだけ」
分かってない、と反論するのを気にも留めず、さわさわと腰骨やへその周りに触れてくる指先に徐々に擽ったさが溜まる。その手つきは明らかに情事の時のそれで。なぜ今スイッチが入ったのかと困惑するが、逃げようにもクラウディオの体と足が絡まっていて立ち上がれない。
「っくら…でぃお…やめて、それ…」
「ん?撫でてるだけだろう、嫌か?」
「いや、というか………っ!」
はあ、と耳元に熱い息を吐き出されてぞくりと痺れが走る。反射的に肩を跳ねさせると、小さな笑い声と同時に放られていた左耳を手のひらでそろりと撫でられた。
「みみ、冷たいな」
「っ、待って、……っん…!」
人差し指と親指が耳のふちを挟んで、耳朶まで擦るようにしながら優しく揉み込まれる。何度か往復すると今度は包み込むようにして全体を覆われ、くるくると手のひらで円を描くように撫でるそれに、心地良いようなじんわりと炙られるような感覚を覚える。
「耳をマッサージすると…全身の血行が良くなって、体がリラックスするらしいぞ」
「ん、ぇ……?でも、ぁ……っ」
「だからほぐしてやろうと思ったんだが…はは、そんな顔するな」
どんな顔をしているかなど知りもしなかったが、クラウディオの言う表情とはおそらく欲を孕んでいるであろうそれに違いない。鼓膜に直接吹き込まれる掠れた低音にすら反応して肩を震わせてしまう。
「私のこと甘やかしてくれるんだろ、なら少しだけ私の好きにさせてくれ」
「ん…ちょっと、まっ…ぁ、っう」
ぴと、と耳たぶに唇を寄せられてやわく食むように動かされれば、思わず声が漏れ出て。抑える隙もなく、ちゅ、と何度も耳元で繰り返される甘い音に思考までも蕩かされていく。
「……ふ、耳きもちいい?」
「くら、でぃお、そこ、ばっかり、は……っあ、」
遮るようにかぷかぷと甘噛みされ、時折耳たぶを舌先がちろりとくすぐって、体を走る微弱な電流のような刺激に堪えようと腹に力を入れてみるも、思い出したかのように手が肌の上をそろそろと這い回って、意図せずとも身体がひくりと震えてしまう。いつの間にかすっかり火照った身体は、クラウディオに弄ばれるまま快楽を拾い上げていく。
「ふ、っん………ぁ」
「……暖かいな、ほら…撫でられてると、じわじわきもちいいのが溜まってくるだろ?」
「ぅ、ん……ん、っふ、」
囁かれる言葉に無意識にこくりと首を縦に振ってしまう。だめだ、完全に乗せられてしまっている。しかもこれは、だいぶ前に教え込まれたあれ≠フ流れだ。たちが悪い。何がって、それをされるとどうやっても身体が勝手に反応するのを止められなくなるから。
腹の上を撫でつけていた手はゆっくりと下がって、太ももの内側をすりすりと往復し始めるそれに体の奥が疼きだして、足をすり合わせたい衝動に襲われる。しかし毛布の中で足を絡められてしまっているためにそれも叶わず、もどかしさに息が上がる。
「こうされると、腹の中がじくじくするな、なあアルカディア」
「っ、ぅ……っ」
「前ももう固くなってきたか?熱いのぐるぐるして辛いだろ、一回抜いておこうか。ほら……下からごしごし扱き上げて、アルカディアが弱い先もぐりぐり押して」
「やっ、ぁ、あ……っ」
「きもちいいのが一気に登ってきて…いく、って、体びくびくさせて……」
「ひ、ぅ……あっ、ぃっ、ひゃ、ぁ……っ♡」
止めさせる間もなく、低く響く声で暗示のように言葉を紡がれると、まるで本当にそうされているかのような錯覚に陥ってしまって、びくびくと震えながら言われたことを無意識に反復する。あ、これは、だめなやつだ、きもちいいのが、くる。
「___けど、まだ我慢、な?」
「……っ!?ぁ、なんれ……ぇっ」
「まだイくなよ、アルカディアは偉いからちゃんと我慢できるだろ?」
絶頂に向かいかけていた体に突然ブレーキをかけられ、行き場を失った熱にぎくりと身が強ばる。絶頂寸前で堰き止められた苦しさに息を荒らげてクラウディオの腕を掴むと、宥めるような手つきで腰を撫でられた。それも気持ちいいから余計につらい。ぐずるような声が漏れ出る。
「ん、ちゃんと我慢できていい子だな。じゃあほら、口開けて」
「あ……っ?」
言われるままに口を薄く開くと、目の前に伸ばされていたクラウディオの手が近付いて、人差し指が口の中に入り込んできた。軽く歯列をなぞられて、指の腹で舌を撫でつけるように擦られると、ぞくぞくとした快感が背筋を駆け上がって脳髄まで甘く痺れさせる。
「んっ、ん……!ふ、んぅっ……」
「口の中もきもちいいな……。下も同じようにこうやって指入れられて掻き回されるの、想像できるだろ」
「……っ!は、ぁっ、」
「お前の弱いとこ擦って、ぐっぐって押し上げて……」
クラウディオの指がくるりと上を向いて、上顎をすりすりと擦って、じゅわりと奥から唾液が溢れた。口の端から零れたそれを掬われてまた口の中へと戻される。
「人差し指と中指で挟んで揺らされるのも好きだな」
「っ、ふぁ、あ……♡」
2本の指で舌を挟まれ、くにゅくにゅと捏ね回すように動かされれば、判断力の落ちた頭が過剰に快感を覚えて、腹の奥がきゅうと疼いた。それを見計らったようにクラウディオの手が再び腹の上を優しく撫で始め、また体の力が抜けていく。
「はは、きもちいいなあ……頭ふわふわしてきて、腹の中に熱くてきもちいいのがいっぱい溜まって、ぞわぞわしてくるな」
「っ、あ、ぁ、ぅう……っ♡」
「けど、奥の方……この辺り、私のでとんとんって突かれてぐりぐり腰回されて、ぎゅーって押された方がもっと好きだよな?」
「〜〜〜っ…♡」
臍の下あたりを軽く押し込まれ、そのまま円を描くようにしてゆっくり撫でつけられる。クラウディオに教え込まれた快楽の記憶を呼び起こされると同時にじわじわときもちいいのが溜まってきて、顔を伏せてはふはふと息を吐く。あつい。自分の息も、からだの中も。クラウディオが追うように背中に覆い被さって耳元に唇を寄せてくると、「ぁ」と媚びるような甘ったるい声が零れてしまって。
「そこ、ぃや、ら……っ」
「ん?あぁ、また舐められるの期待した?」
「っあ、ちが……っひ、んぅ……!♡」
遮るようにぬるりと差し込まれた濡れた感覚に思わず身を捩るも、逃げられないよう抱きすくめられてしまう。ぴちゃ、ぐちゅ、れる…♡と水音が直接鼓膜を震わせて、脳内を直接犯されているような感覚に理性も正気もどろりと溶けていく。
「は、ぁ、あ……んん……っ!♡」
「やらしい音で頭いっぱいになって、お腹も疼いて……きもちいいな、アルカディア」
「ぁ、あ……っや、ぅ、♡」
「やじゃなくて、きもちいい、だろ、ほら」
「っあ、きも、ひ……っ♡」
「ふふ、いいこ」
口の中を弄られたせいで舌も痺れて上手くまわらない。満足げな笑い声と共に褒めるように頭を撫でられて、それからぐっと体重がかけられる。硬いものが服越しに腰に押し付けられているのに気づいてしまった瞬間、びくんと体が跳ねた。
「……アルカディアのナカ、あつくて、うねってる。私の太いので擦り上げたらすぐイってしまうな……このあたり、浅いとこからゆっくり…前立腺もしつこく擦って…そうしたらやだやだいくってぐずりだすからな、お前」
「ひ……っ!言わな、ぁ、あ……っ♡」
「好きなとこたくさんごしごしされて、きもちよくなってるとこに…一気に奥まで突き上げられて、」
「っ……!!♡も、やだ、くらぃお、っひ、ぅ」
クラウディオの言葉に無意識に腰を揺らしてしまって止められない。気持ちいいところを全部擦られて、一番奥まで激しく揺さぶられて。記憶に染み付いたその快感を思い出した途端、脳天まで甘い痺れが駆け抜けて、がくん、がくんと体が跳ねる。
ちがう、まだいれられてないのに、でも、きもちいい。頭がまわらない。耳の中をじゅるじゅる舐められるのもきもちいい。イけそうなのにイけなくて、きもちいいのだけがどんどん積もっていく。
「っあ、ぁ、もぉ、いきたっ、いけない、くらでぃお、くらぃおぉ、つら、ぃ♡いかせ、…て…っ♡♡」
「あぁ…じゃあ久しぶりにアレやるか?私が今からみっつ数えたら、一番きもちいいのが来てイきっぱなしになる。分かった?」
「ふ、ぇ……?わか、った……っ、あ……♡」
「ん、いいこ。ほら、腹の中意識しろ……ゆっくり息吸って、吐いて」
「ぁ…う…、すう…ふ、う……はあ……」
理解の追いつかないまま、言われる通りに深く息を吸うと、クラウディオの手が腹の上を優しく撫で始めた。同時に左耳を隠していた髪をさらりと耳にかけられ、内側の窪みに沿うようにしてねっとりと舌を這わされて、その動作ひとつひとつにからだが疼くから、どうしようもない。
「そう、きもちいいな……さーん」
「っは、ぁ、んん……ッ♡」
「全身敏感になって、つま先ぴんとさせて……辛い?でも止めてやらないぞ。おかしくなるくらいアルカディアの弱いとこぜーんぶいじめて…はは、早くイきたい?……にーい」
「っ、ぅ、んうぅ……っ!!♡♡」
「一番奥、こうやって私のでいっぱい突かれて、ぐりぐり捏ね回されて、ぎゅーって押し潰されて、ほら、もう来てしまうな……♡いーち、」
「あ、あっ♡♡だめ、…くる、きちゃ、あ……ッ♡♡」
クラウディオがカウントダウンするのに合わせて身体の奥底が熱くなって、勝手にガクガクと震えて止まらなくなる。
くる。こわい。いきたい。きちゃう。
本当に気のおかしくなりそうな感覚に身悶えていると身体をしっかりと抱き寄せられ、それから、ふっと笑うような気配がして。
「……ぜーろ、イっていいぞ」
「っ!あ、ぁ……〜〜〜ッ!!♡♡♡」
低く囁かれた言葉の意味を理解した瞬間、視界が真っ白に染まって全身に強烈な快感が広がる。がくがくと震えながらそれに耐えるが、腹の奥で渦巻く熱はまだ出口を求めて暴れ回っていて、絶頂の波が引いていかない。
「っ、は、はー…はぁ…♡ゃ、とまら、な……あつ、い……っ♡♡」
「脳でイくとなかなか降りてこれないなあお前……はは、そうだな、きもちいいのとまらないなぁ、身体中にじわじわ広がって……ほら、またイく、イく、イく……」
「へぁ、あ!♡♡い、っ、いっひゃ、ぁ♡♡♡」
耳元で甘く囁かれながらぐっぐっと同じリズムで腹を押され続ければ、本当に何度も何度も小さな絶頂が襲ってきて、刷り込まれたように「いく」と呟きながらまた達する。きもちいい。ずっときもちいいのが続いて、頭の中で甘いかたまりがぱちんとはぜている。息を整える暇もなく、ぴく、ぴくんと身体が跳ねた。
「は、ふ……♡っは、ぁ……〜っ♡♡」
「……はは、本当にやらしいな…かわいい、可愛いな、すきだ、アルカディア」
「ん、ぁ……♡♡」
クラウディオの声すらも今の自分には媚薬のようなもので、甘えるみたいに喘いでしまう。
きもちいい。すき。もっとさわりたい、さわってほしい。
たまらなくなって顔を後ろに向ければ、ひどく愛おしそうに、それでいて熱に浮かされたような表情で自分を見つめるクラウディオと視線が合って。それだけでまた軽くイってしまうような感覚を覚えながら、熱い手をふるふるとクラウディオの首元へ伸ばして引き寄せて、逆らうことなく近付けられた唇にそのまま自分の口をぐっと押し付ける。
あまくて、やわらかい。
一度じゃ足りなくて何度も夢中で啄んでいればクラウディオが口をわずかに開けたのが分かって、誘われるように舌を差し込む。さっき自分の口でそうされたように、歯列を撫でてちゅくちゅくと舌を絡ませて。上顎を舐めてみようとするが体勢のせいかうまく届かない。くやしい。次第に息苦しくなって、もどかしさを覚えながら離れようとすると、されるがままになっていたクラウディオが突然後頭部を抱え、ぢゅううっ♡と舌を絡めとって吸いついた。
「ん、んっ♡♡んぅ〜〜……っ♡♡」
「ん……っは、ぁ……っ」
口の中をぬるぬると這って、舌の裏側をくすぐられて、きもちいい。クラウディオとキスをする時に感じる甘さは舌先から脳髄まで心地よく陶酔させていくようで、たまらなく好きだった。痺れるような快感に腰が砕けて、ふにゃふにゃと情けなく力が抜けていく。力の入らない腕をなんとかクラウディオの首へ回すと支えるように抱きかかえられながら体を起こされて。それから足の下に手を差し込まれて毛布の外に出すように誘導される。気が付くと向かい合って抱きつくような形になっていた。先程よりは涼しくなったはずなのに、あつい。
「ん、んぅ……っ♡ふ、ぁ……〜〜♡♡」
「っは……アルカディア…キスきもちいいな」
「ん、ん……っ♡♡」
こくこくと必死で首を縦に振って肯定すると、クラウディオは笑みを浮かべてさらに深く貪りながら、ゆっくりと腰を揺する。まるでしている℃桙フような動きに脳が錯覚を起こして、お腹の中の疼きが止まらなくなる。ズボン越しに足の間を擦るそれは明らかに硬く膨張していて、腰を押し付けてしまいそうになる。
つらい、もう、はやく、はやくほしい。
「ぁ、あ……♡や、あぅ……っ♡♡」
「ん……?どうした?」
「ぁ、くらでぃお、おれ……♡」
「…うん、なに、アルカディア」
はあ、と息を吐きながら視線をゆっくりと上げる。そんなやさしい言い方をしたって、クラウディオだって必死で余裕を保とうとしているのがバレバレだ。後ろから抱き締められていた時は見えなかったが、その顔には大粒の汗が浮かんでいるし、時折辛そうに震えた息を吐き出している。
それでも今日はどうしてもこちらに言わせたい気分らしい。こんなはずかしいことを言わせないでほしい、と思うけれど、その物欲しげな目に見つめられれば絆されてしまうのだから、自分も大概この男に甘いのだろう。そもそも、甘やかしたいと最初に言ってしまったのも自分だから。
だから、そう、これは、しかたのないことなんだ。そうとでも思わないと、こんなはしたない自分への羞恥でどうにかなってしまいそうだから、少しくらいはクラウディオのせいにさせてほしい。
「想像、だけじゃ、たりない……のっ、くらでぃおの、くらでぃおの入れてほしい…♡もう、おなか、せつないの、がまん、できない、っ…♡くらぃおので、おくまで、たくさん、突いてくれないと、おさまらな……っ♡♡」
「っ、」
勝手にぼろりと零れた涙とともに腰を前後にゆらゆらと揺らしながら懇願すれば、クラウディオの顔が一瞬かっと赤く染まった。それから喉仏が上下して、ぎらぎらと獣みたいな目つきになって、身体の奥がきゅんと鳴る。
「……風呂、行くぞ。もうちょっとだけ我慢できるな?」
「っ……でき、る…」
「ん、立つぞ」
言葉のわりに余裕の無い声で囁かれて、期待に体が震えて。こくりと小さくうなずけば腕を引かれて、ふらりと凭れかかるようにして立ち上がる。浴室まではすぐそこだが、足に力が入らなくて上手く立てない。
「アルカディア」
「ぁ…え…?」
「まずは指だけで5回イかせてやるから、覚悟しておけ」
「……っ!♡」
耳元で囁かれた言葉にぶわりと甘い痺れが湧いて、今度こそ膝から力が抜けてしまう。クラウディオに抱えられ、浴室へと連れていかれながら、その瞳に篭った情欲の色にどうしようもなく興奮して、してやられた、と思いつつこの後訪れるであろう快楽への予感にひっそりと頬を緩ませた。