夕飯も風呂も済ませて、後は寝るだけという状態で二人は寝室で穏やかな時間を過ごしていた。
クラウディオがアルカディアを後ろから抱き抱えるような体勢でベッドの上で密着している。アルカディアが手に持っているタブレット端末には、ディスクーシャの生態映像が映っていて、クラウディオからは見えないがきっとアルカディアは目を輝かせながら見ていることだろう。
身長はそう大きく変わらないはずなのに、クラウディオの体にすっぽりと収まっているアルカディアをぎゅっと抱き締めながら、この男の細さに少し驚いてしまう。出会った頃に比べて筋肉量は増えた方だと思うのだが、それでもまだ足りないとでもいうのか。この細い体のどこからあんなパワーが出てくるのか素直に疑問を抱いてしまう。
「…楽しいか?」
「……うん。可愛い」
彼が愛してやまない兄弟と同じ魔獣というだけあって、声が少し弾んでいるように聞こえる。
そんな彼が可愛くて、クラウディオは眼前のふわふわの頭を優しく撫でた。すると、嬉しかったのか甘えるように後頭部をすり寄せてくるものだから余計に愛おしさが募ってしまう。
自身と同じ匂いのするウェーブがかった赤い髪を梳くように撫で続ければ、もっととねだるように体重をかけてくる。
アルカディアは長い間映像を見続けており、クラウディオはほんの少しだけ退屈を感じ始めていた。だが、ここで自分から構って欲しいなどと言えば、それはそれで負けな気がしてしまう。
しかしこのままではきっといつまでも映像を見続けることだろう。
何か良い方法は無いだろうかと考えて、思いついた案を実行するべく、するりとアルカディアの腹の当たりを撫で始める。
突然の行動にぴくりと体が揺れたものの、抵抗することなく大人しくされるがままになっている彼に気をよくしたクラウディオは手をそのまま上へと移動させていく。そして辿り着いた胸元を掌全体で包み込むようにして揉みしだいた。
「んっ……」
小さく漏れ出た吐息と共に捻った体を追いかけ、乳首をかりかりと引っ掻く。そのままくにくにと指先で押し潰せば、段々と芯を持ち始めてきたそこを摘んで引っ張り上げる。
「ぁ……ぅ……」
「どうした?」
「あっ…い、いま…触らない、で」
「何故だ?こんなにも硬くなってるというのに」
「ひっ!」
ぎゅうっと強めに摘むと、アルカディアの体はびくんとはねる。その反応に満足しつつ耳元で囁けば、彼は肩越しに振り返り潤んだ瞳でこちらを睨んできた。
「い、いま…これ、見てるの」
「もう充分長い間見ただろ」
「そ、だけどぉ……ひ…あ、だめ、だってば…」
「退屈だ」
抗議の声を上げようとする彼の乳首を強めに押し込めば、途端に甘い声を上げる。それに気を良くしたクラウディオはそのまま両手を使って両方の突起を刺激し始めた。こりこりと硬さを増していくそれを爪で弾き、時折ぐいっと押し込んでやる。その度に体を震わせながらも必死に耐えるアルカディアの姿は実に官能的で、クラウディオはその痴態に夢中になっていた。
「やっ……おねがぃ、だから、まってぇ……♡」
「待たない。お前が悪い」
「なん、で、…きゃぅ!?♡」
抗議を無視して、片方の手でズボンの中に手を滑り込ませると下着の上から陰茎に触れた。既に緩く勃ち上がり始めているそれの先端部分をぐりぐりと刺激してやれば、アルカディアは腰を引いて逃げようとし始める。だが、背後から抱え込まれているせいで逃げることは叶わず、むしろ尻を突き出すような体勢になってしまいより一層強い快感に襲われることとなった。
「や、ゃら、も、だめ、だ…っ…て♡」
「駄目なのか?なら抵抗してみろ、勝手に続けるぞ」
「ふえ……、あ、やっ……!♡」
胸元への愛撫を続けながら、もう片方の手はアルカディアの性器を擦る。布地ごと握り込み、上下に扱き上げながら先端を親指で何度も虐めてやれば次第にそこは湿り気を帯び始めて、くちゅくちゅと厭らしい音を立て始める。
「ん、んっ……♡ふ、ぅ……ッ♡」
先走りで濡れた下着を脱がせて直接扱いても良かったのだが、クラウディオは敢えて服を着せた状態で愛撫を続けることにした。
「ん、ん……っ♡……あ、あ……だめ……や、ぁ……!♡」
「イキそうか?」
「う……んっ♡」
こくこくと懸命に首を縦に振る姿が愛らしく、絶頂を促すように手の速度を上げた。それと同時に胸元への愛撫も再開すれば、二つの快楽に耐えられなかったのかアルカディアが一際大きく背をしならせる。
「〜〜〜っっ!♡」
びゅるっと勢いよく白濁が飛び出し、クラウディオの掌を汚す。何度かに分けて吐き出されたそれは中々の量で、アルカディアは荒い呼吸を繰り返していた。
「随分溜まっていたようだな」
「……」
揶揄するように言えば、返事の代わりに不満げなじとりとした視線が返ってくる。しかしそれも一瞬のことで、拗ねたようにふいっと顔を背けたアルカディアを見て、クラウディオは面白くなさそうな表情を浮かべた。
「まだ足りないのか?」
「…ばかっ」
「仕方ないな」
「あっ……!」
無言は肯定の意と捉え、クラウディオはタブレット端末に手を伸ばし画面を消してしまった。慌てて振り向いたアルカディアの手から端末を奪うと、彼の手が届かないようにヘッドボードの端に置く。
「…なんで取るのっ」
「どうせ見るなら、私を見る方が楽しいだろう?」
「う……」
微笑みながら言えばアルカディアは言葉を詰まらせ、恥ずかしそうに俯いた。
「そ、そんなこと、ないもん…」
「ほう?」
「だって……これ、見てるの楽しいし」
「私を見てるより?」
「…え」
ぐいっとアルカディアの顎を掴むと強引に唇を合わせる。そして口内に舌を差し入れると上顎を舐め上げた。
「んぅ、う……!」
驚いて縮こまる彼の舌を捕まえて吸い付くと、ゆっくりと絡めていく。その間も片手では胸元を弄ることを忘れず、シャツのボタンを外して直接触ってやった。
「ん、ん、ん……♡」
胸と口を同時に責められ、徐々に力が抜けていくのを感じたところで口を離すと銀色の糸が伝った。
「……ぁ、……ふ、……ぅ……♡」
「ほら、どうした?私を見てくれないのか?」
逃がさないように顎を掴んだまま至近距離で見つめてやる。途端にアルカディアの顔は真っ赤に染まり、うろうろとその赤い瞳が泳いだ。
「……ぅ……だ、め……」
「どうして?」
「……きもち、よく、なる、から……だめ……」
「私を見るだけで気持ちよくなるのか?」
「……っ」
「ん?」
「う……うぅ……っ」
羞恥心から涙目になる彼を追い詰めるように耳元で囁く。その度にぴくっと反応する身体に思わず笑みをこぼせば、アルカディアは悔しそうに睨んできた。
「可愛い」
「かわいく、ないぃ……っ」
「そういうところも可愛いよ」
「っ……」
耳まで赤く染めたアルカディアに軽くキスを落としてから、クラウディオはズボンに手をかける。そのまま一気に引き下ろした。
「ふぁ……!?」
「ちゃんと、見ててくれ」
「あ……う……」
アルカディアの痴態で熱くなったそこを曝け出す。既に勃ち上がっているそれを見せつけるように数回扱いた後、アルカディアの唇を親指でするりと撫でた。
「私のことも、可愛がってくれる?」
「う……ぅ……」
「できるか?」
「、ん……」
小さくこくりと頷いたアルカディアはクラウディオの股座にかがみ込むと、おずおずと手を伸ばし躊躇いがちに陰茎に触れ、それから意を決したように亀頭を口に含んだ。
「んむ……っ♡」
「っ……上手だな」
「ふぁ……♡」
褒められたことが嬉しかったのか、アルカディアはそのまま夢中でしゃぶりついた。小さな口に収まり切らない部分は手で扱いて、裏筋を舐めてカリの部分を刺激してくる。
「ん、ふっ♡んぅっ♡」
「は……っ」
時折こちらを見上げては上目遣いで確認してくる様子にぞくりとした感覚を覚えながら、クラウディオは優しく頭を撫でてやる。すると安心したように目を細めてまた行為に集中し始めた。その姿に愛しさを感じながら、クラウディオは腰を動かし始める。
「ん、んぐっ……!♡」
突然のことに驚いたのか、アルカディアが苦しそうな声を上げる。だが構わず喉奥まで突き入れれば、嘔吐くような音が聞こえてきた。
「ん、んっ!んぅ、ん……っ♡」
「く……っ」
苦しいだろうに必死になって舌を動かすアルカディアの健気さに煽られるように、クラウディオは更に激しく動いた。
「ん、んぅ……っ!♡ん゛…ぐ…っ♡」
「は……っ」
「ん、ぷぁ……♡」
一度ずるりと陰茎を口から引き抜くと、アルカディアは肩で息をしながら酸素を取り込む。飲み込み切れなかった唾液が顎を伝い落ちていった。
「大丈夫か?」
「ん……らい、じょぶ……」
「無理はしなくていい」
「でも、もっと、したい……♡」
いつの間にか乗り気になったアルカディアに蕩けた表情のまま強請られてしまえば、断る理由など無かった。再び彼の口内へと挿入し、今度はゆっくりと動かし始める。
「ん、ん……っ♡」
「は……っ」
「ん、…く…♡はぅ…」
「……っ」
「ん、……んぅ……っ♡」
裏筋に舌を這わし、先端部分をちゅっと吸われる。尿道部分にぐりぐりと刺激を与えられれば先走りが溢れ出し、それがまた潤滑油となって快感が増していく。
「は……っ、アルカディア」
「ん、ん……っ♡」
可愛がるように頬を撫でられると、きゅうとアルカディアの後孔が疼く。口の中がまるで性感帯になってしまったかのように、舐める度にびくっと身体が跳ねてしまう。しかしそれでも懸命に舌を動かしていれば、クラウディオの動きが激しくなった。
そろそろ限界が近いのだと察して、アルカディアは一際強く吸い付く。その瞬間勢いよく引き抜かれた陰茎から熱い飛沫を顔に浴びて、アルカディアは思わず咳き込んだ。
「ん、けほっ……」
「悪い、大丈夫か?」
「ん……」
顔を汚したままのアルカディアを心配するようにクラウディオが覗き込むが、当の本人はとろりとした瞳で濡れた頬に陰茎の先端を押し付けクラウディオを見上げた。
「これ、好き……♡」
「……ッ」
陰茎に頬ずりをしながらちゅ、ちゅと何度も軽く口付けてくるその淫靡な姿にごくりと唾を飲み込むと、クラウディオは再び彼の後頭部を掴みその口に陰茎を押し付けた。反射で開いた口内に押し込みそのまま欲望に任せて腰を振る。
「んぅ……っ!?♡ん、んっ♡」
「は……っ」
「ん、んぅっ♡ん、ふ、ぅ……っ♡」
「……っ」
「んぅ……っ♡ぐ……んぅ〜……っ!!♡♡」
「はぁ……っ」
ごつっと喉の奥に亀頭が当たり、そのまま精液を注ぎ込む。その衝撃にアルカディアは身体を痙攣させ、自身の陰茎からも白濁を吐き出した。
「んっ…ぐ…♡ん、んぅ……っ♡」
「は…ぁ…っ」
「ん……ぷぁ……っ♡」
ずるりと引き抜いた陰茎をぼんやりと見つめるアルカディアの口を再び塞ぎ、残ったものを全て流し込んでやる。こくりと喉を鳴らしながら飲み干すと、アルカディアはうっとりとした表情で笑った。
「んん…すき…」
「ふふ、そうか」
「うん……」
そのまま倒れ込んできたアルカディアを抱き締めると、彼は甘えるように胸にすり寄ってきた。
「…可愛い」
「んう……」
「お前は本当に可愛いな」
「うぅ……」
「愛しているよ」
「んぅう……」
耳元で囁かれる言葉にアルカディアは恥ずかしがるように小さく呻きながら、ぐりぐりとクラウディオの胸元に頭を擦り付ける。そんな彼に笑みを浮かべつつ、クラウディオはアルカディアをベッドへと押し倒した。
「あっ♡」
「次は私の番だな」
「や……っ♡」
「嫌じゃないだろう?」
「…ひゃ……ぁ……っ♡」
汚れた下着ごとズボンを脱がされ、精液を纏わせた指でくにゅ、と秘部を押されると、ぴくんと反応してしまう。すっかり蕩けているそこは早く欲しいと言うように収縮を繰り返していて、アルカディアの理性を奪っていく。
「こっちはどうして欲しい?」
「ふぇ……」
「言ってくれなければわからないぞ?」
「あ、うぅ……っ♡」
「ほら」
ぐいっと広げられた後孔へ息を吹きかけられ、ぞくりと背筋が震えた。アルカディアが期待に満ちた視線を向けると、クラウディオは意地悪げに笑って言った。
「言わないと、ずっとこのままだが」
「や、やぁ……っ!♡」
「なら、わかるだろう?」
「っ……おね、がい……♡」
「ん?」
「い、いれて……っ♡」
「どこに何を、どうして欲しいんだ?ちゃんと言ってくれ」
「ん、え……?」
「言えないのか?」
「ん……うぅ……♡」
「アルカディア」
「ん、ん……♡」
はやく、はやく、と急かすように秘部が収縮する。その感覚に眉根を寄せながらも、アルカディアは必死になって口を開いた。
「くら、でぃおの…♡ん、ん…おれ、の……おしり…っ♡に…い、い、れて……♡」
「それから?」
「あぅ……♡なか、いっぱい……♡ついて……っ♡」
「いい子だ」
「んっ♡」
ご褒美だとでも言うようにキスをされて、アルカディアの目元は嬉しそうに細められる。しかし次の瞬間には一気に貫かれ、目を見開いていた。
「ぁ〜〜〜ッ!?♡♡」
「は……っ」
「んん…っ!あ、ぅ♡ぃッ♡あぅっ!ひ、…う…っ♡あ゛、ぉ…っ♡♡やっ…あ゛ァ!!♡うぅ゛ッ…ッ♡♡ああ゛、ぁ♡♡」
激しく揺さぶられて、アルカディアは目の前の男にしがみつくことしか出来ない。奥まで突き入れられる度に甘い声を上げ、身体を跳ねさせる。その度に陰茎からは透明な液体が噴き出した。
「あぁ、っ♡はげ、ひっ♡♡あ、ぁ っ♡イっちゃ、ぁ、いくっ♡また、イッちゃ、ぁ♡♡」
「好きなだけ達して良い。私もそろそろ限界だ」
「あ、ぁ……ッ!!あ゛っ、ん゛んっ!!ひっ♡♡♡やっ、んんん゛っ、うぁあ♡♡あ゛…うッ♡♡♡」
びくっと大きく仰け反り絶頂を迎えるアルカディアの後を追うようにしてクラウディオもまた欲を吐き出す。熱を感じてうっとりとするアルカディアの髪を撫でてやりながら、クラウディオは問いかけた。
「まだ足りないか?」
「ん……もっと……♡」
「わかった」
「んっ♡」
口付けられて、アルカディアは幸せそうに微笑む。そのまま快楽の波に身を任せるかのように瞳を閉じると、意識はすぐに闇に溶けていった。