My Lover




慌ただしい戦いの日々が終わってはや1ヶ月。
穏やかな日常に漸く慣れてきた頃。とくに何事もなく日々を終えることに、アルカディアは少しだけ不安があった。
クラウディオとの関係性についてだ。

お互い好き同士である事は間違いないはず。クラウディオはアルカディアを傍に置いてくれているし、以前と変わらない愛情を持って接してくれている。
勿論、アルカディアはこれからもずっと一緒に居るつもりではあるが、クラウディオもそう思ってくれているかは自信があまりなかった。

キスはしてくれる。
でも、触れるだけのような優しいものだけ。以前は噛み付くような、貪るようなものもよくしてくれていたはずだが、それが今は無いのだ。
そして、再会してから一度も交わっていない。アルカディアの体は“あの日”から時間が止まっている。しかし外見は変わらずとも“中身”が以前の、クラウディオが知るアルカディアとは別物になっている。
つまりはそういうことなのだろうか……。
一度考え出すと止まらない。
もしそうだとしたら、どうすればいいのか。
悶々としながら、ベッドの上で一人ごろりと寝返りを打つ。

「うーん……」

アルカディアは自分の胸に手を当てた。
心臓の音を確かめるように。
もう動かなくなって久しい心臓は、生前どんな音を奏でていたのかすら忘れかけていた。

「……」

この体では駄目なのか。やはり以前のアルカディアでなければ駄目なのか。
だが、アルカディアにはもうどうすることも出来ない。
そもそも今の自分が前の自分と同じ存在だと証明する方法もない。確かめようがないのだ。
​​──駄目だ。気分を変えよう。
徐に起き上がったアルカディアはとくに目的もなく家を出た。



「あれ、ルカさん」

ふらふらと街を歩いていれば、聞き慣れた声が背後から聞こえ振り向くとそこにはレイスが立っていた。
買い出し帰りだったのか、手には袋を下げている。

「なにしてんすか?」

「ん〜…散歩?」

「珍しいっすね」

確かにそうだと自分でも思う。こうやって目的もなく街を出歩くことは滅多に無かった。

「あ、よかったらお茶でもしていきません?俺ちょっと小腹空いてきちゃって」

そう言って笑う彼の誘いに乗ると、何度か訪れたことのある喫茶店へ行くことにした。

「…そういえば、ルカさんとクラウディオさんって付き合ってるんすよね?」

レイスの口から放たれた言葉に、アルカディアはコーヒーに入れるための砂糖を取り落とした。
あまりにもタイミングが良すぎる。

「昔…は、まぁ…」

「昔?今は別れちゃったんすか?…そうは見えないけど」

「や、別れては無い…と思う、けど…10年も会ってなかった、から…今はどうなのか、わかんない」

「?別れ話してないなら継続してるっしょ。自然消滅するように見えないし」

レイスは首を傾げながら不思議そうな顔をする。

「だって、一緒に住んでんだし」

「それは、その……えっと……」

「まさか同居解消とか言い出したわけじゃないですよね?」

「ちがくて、なんていうか……」

なんと言えば良いのだろう。まさか再会してから一回もシてないから不安になった、なんて言えるわけもなかった。

「じゃあ何も問題なくないですか?」

「……そ、れは……うん、そうなんだけど……」

「もっと自信持てばいいのに〜。俺クラウディオさんのあんな顔見たことなかったんすよ」

「…あんな顔?」

「幸せそうっていうか、安心しきったような顔?ルカさんのこと心底可愛がってるんだろうな〜って分かる表情っすよあれ。正直あの人あんな顔するんだ、ってすげぇびっくりした」

「……ほんとに?」

「マジマジ。だからそんな不安になることないと思いますよ。ルカさんって意外と心配性なんすね」

アルカディアの新しい一面が知れて嬉しい、なんて言いたげな顔でレイスは笑った。
レイスの言葉を聞いて少しだけ気が楽になる。同時に、なんだか恥ずかしくなってきた気もする。

「なんだったら直接聞いてみりゃいいんすよ!」

注文したものを平らげ喫茶店を後にした時、店の前でレイスがぽんと手を叩いた。

「え。直接…」

「うん、きっとルカさんの望む答え返ってくると思いますよ」

にこやかに笑ったレイスは頑張って、なんて言いながらぶんぶんと手を振って帰って行った。
日は既に傾きかけている。あと数時間もすればクラウディオは帰ってくるだろう。

「(聞いてみようかな…)」

先程レイスに貰った勇気を少し出してみよう、とアルカディアは緊張気味に帰路に着いた。



「ただいま、アルカディア」

「おかえり」

夕飯の準備をしていれば、クラウディオが帰宅した。

「もう出来るよ」

「ああ、ありがとう」

くしゃりと頭を撫でられれば、それだけで顔が赤くなった気がした。
──やっぱり好きだな
料理を口に運ぶクラウディオを見ながらアルカディアは思った。

「……どう?」

「美味いぞ」

「…良かった」

クラウディオほど上手な料理は作れないが、それでも以前よりは格段に上手くなった方だと思う。
他愛のない話をしながら食事を終え、それぞれ風呂を済ませた頃には既に夜も更けていた。



「そろそろ寝ようか」

「…ん」

いつものようにベッドで優しく髪を撫でられる。
だがアルカディアはこのまま眠るつもりはなかった。

「……ねぇ、くらでぃお」

「どうした?」

「……あの、俺…は…」

「…うん?」

「まだ…クラウディオの…恋人で居ていい、の?」

「…何を言っている」

「……だって、ずっと……その……あの……」

以前のように抱かれたいという気持ちはある。だが、それを口に出すことは躊躇われた。以前の自分とは違うのだ。今の自分はもう以前の自分ではない。
もしこの体が駄目なのだとしたら。

「……」

「アルカディア……お前は私のものだ。何処にも行かせない。私から離れることは許さない。…私はそう思ってる」

「でも……」

「アルカディア。私はもう二度と大切なものを手放したりしない。絶対にだ」

ぎゅっと抱き寄せられる。宥めるように頭を優しく撫でられ、おずおずとアルカディアはクラウディオの背中に腕を回した。

「アルカディアは、私が嫌いか?」

「……っ…嫌いなわけ、ない…」

「そうか。それを聞いて安心した」

「……好き、……俺は、ずっと……クラウディオが……大好き……っ」

「ああ、知っている」

「ん……っ」

優しく唇を塞がれ、もう一度ぎゅうと抱き締められた。

「…どうしてあんなことを聞いた?」

「だっ、て……あの、前は……その、してた……けど、今はもう、…」

恐る恐ると言った様子でぽつりぽつりと話すアルカディアを、クラウディオは黙ってじっと見つめながら耳を傾ける。
行為をしなくなったのはルカが居なくなってからだ。あの頃のクラウディオはきっと気を使ってくれていた。けれど今のアルカディアはもうほとんど立ち直れているし、殺さなければならない相手もいなくなった。

「…おれのからだ…、前と違う、から……嫌なのかと……思って……」

「…なるほど、そういうことか」

「……」

「お前が思ってることは全て間違いだ。正直…お前の身を案じていたというか…」

「…?」

「お前が思っているより、私はお前と一緒に居れて嬉しい。…で、だいぶ久しぶりだろう。 歯止めが効かなくなりそうなんだよな…」

ふと今日のレイスの言葉が頭に思い浮かんだ。
幸せそうというか、安心しきった顔をしている​​──。
そして、歯止めが効かなくなりそう、というクラウディオの言葉。ぶわりとアルカディアの顔が真っ赤に染まって行く。

「……ほんと……に……?無理、してない……?」

「してない。我慢はしてるが」

「……よかった……ぁ……」

安堵からかアルカディアの赤い瞳から涙が零れ落ちる。それを指で掬われ、大きな手で頬を包まれた。

「あ、あの、俺ね……俺は…大丈夫、だよ。だから、その……いっぱい、してほしい……です……」

恥ずかしさで消え入りそうな声で言えば、クラウディオは小さく笑った。

「……可愛い奴め」

ちゅ、と軽く口付けられてベッドに押し倒される。そのまま服を脱がされ、首元から鎖骨にかけて舌でなぞるように舐められ噛みつかれれば、それだけでぞくりと甘い痺れが走った。
​​──ああ、やっとだ。
嬉しさと恥ずかしさと期待が入り交じった感情のまま、アルカディアはゆっくりと瞳を閉じた。

「ん、ぅ……」

「痛いか?」

「んーん……」

「10年振りだからな、時間かけてやる」

「ん……でも……」

早く繋がりたい、とばかりに急かすアルカディアに、クラウディオはくすりと笑った。

「もう少し待て。久々なんだ、ちゃんと解さないと辛いだろう?」

「んん…」

焦らすように後孔の縁を撫ぜられ、ひく、と腰が跳ねる。つぷり、とゆっくり挿ってきたローションを纏った中指に、アルカディアは熱い吐息を漏らした。

「は、ぁ……」

「熱いな」

「や、うぅ…………ッ」

愚図るように首を振ったアルカディアに、クラウディオはくつくつと喉の奥で笑いながら、指を動かしていく。きゅうと締まる内壁を拡げるように抜き差ししながら、時折前立腺を押し潰すようにしてやれば、びくびくとアルカディアの体は震えた。
興奮しているからか、久しぶりなのに感度が高まっているようで、あっさりとアルカディアの体は快楽を拾い上げる。

「は、あ……♥ん……んっ……!ん……!」

「感じやすい所は変わってないな」

「うう……、っん…だって、……はやく、ほし…い……」

「……あまり煽ってくれるなよ。加減が出来なくなる」

「んんっ……!♥」

ぐっ、と指を増やされ、圧迫感が増した。しかしそれもすぐに慣れ、もっと奥まで欲しいと言わんばかりに肉筒はきゅんと収縮する。

「あ、あっ…ん…、んっ…くらでぃお…♥」

「ん?」

「も、いい、から…っ、くらでぃおの…ほしい…♥」

「…駄目だ」

「なん、で…?は、ぁ…おれ、平気だ…から…ぁ……」

「駄目。…もう少し慣らさないと」

「ん…っ、ん……っ♥」

宥めるように頭を撫でられ、あやされた。だがアルカディアは納得いかないのか、不満げに唇を尖らせる。

「そんな顔しても駄目だ」

「んん…っ」

「ほら、こっちに集中しろ」

「っ……ん、ん……っ」

そう言って口付けられた。ぬるついた舌を絡め合わせながら、2本の指をばらばらと動かされる。

「んっ、んっ…♥んむ…っ」

上顎を擦られる度にぞわぞわが背筋を走り抜けていく。快感で頭がぼんやりとしてきた頃、不意に指を引き抜かれる感覚があった。

「アルカディア…」

「は、…は……♥あ…」

熱っぽく名を呼ばれ、こくりと小さくアルカディアは喉を鳴らした。

「…良い子だ」

「あ……、…ぁ……♥」

耳元で囁かれただけで体が甘く疼いた。後孔の入り口にはぴたりと熱いものが押し当てられている。

「挿れるぞ」

「ん……、……ぁ……〜〜〜ッ!!♥」

ず……ずず……っ♥♥

ずぷ、と音を立てて入ってきた怒張が容赦なく内壁を押し広げてくる。その衝撃と充足感に、アルカディアはぎゅっと目を瞑って耐えた。

「…アルカディア?」

「ふ、ぅ……♥ん…、…へ、いき……」

「そうか。なら、動くぞ」

「ん…んぅ…」

ゆっくりと引き抜かれ、またゆっくりと挿入ってくる。それが繰り返される内に次第に速度が上がり、ぱん、と肌がぶつかる音が響いてきた。

ずっ♥……ぐぷっ……♥

「は、…ぁ……っ♥うぅ〜〜…ッ♥♥ぁ゛ふっ、ひ…♥」

「アルカディア…」

「ん、…ぅ…?♥」

「愛してる」

「………っっ!?♥♥♥♥」

​​──愛してる
ただ一言、耳元でそう囁かれただけでアルカディアの体ががくんと跳ね上がった。きゅううと締め付ける後孔に、クラウディオは苦笑を浮かべる。

「はは、もうイったのか」

「あ、ぁ…♥​​──…ッッ♥♥♥あ゛っ…ぇ?♥あ゛っ♥あ゛っ♥」

わけも分からず絶頂を迎え、ビクビクと体を痙攣させるアルカディアを見下ろしながら、クラウディオは笑みを深めた。

「お前は本当に可愛いな」

「んぁっ♥♥あっ♥まっ、てぇ…!いま、だめ……!♥♥」

どちゅっ!と勢いよく最奥を突き上げられ、アルカディアは再び達した。けれどクラウディオは動きを止めてくれない。

「やっ…♥まって…!くら、……っ!♥♥あ、ひ…!♥♥ひぅっ♥♥あ っ♥♥あっ!♥♥♥♥」

「…アルカディア」

「あ、はぁ、う、うぅ゛う♥♥あ゛​​──っ♥♥あ゛♥♥あ、ッひ♥いっ…♥♥あっ、あ、あッ♥♥ん゛、ぅうっ…♥♥うう゛ぅう…♥♥ッ……♥♥……ッ♥♥」

何度も突き上げられる度に達しているような状態で、思考がどろどろに溶けていく。ただひたすらに気持ち良くて幸せだった。

ずっ……♥♥ずるるっ♥♥

「あ、ぅ゛ッ…♥♥…ッ♥♥ん…ッふ、ぅ…♥♥ッお゛♥んッ♥っ…うぁぁ…♥」

長いストロークでカリ首まで抜かれたと思ったら、一気に根元まで叩きつけられる。激しい抽挿に結合部から泡立ったローションが溢れ出た。

ぐぽっ♥♥ぬ゛ぷぷ……♥♥ぐっっっぽん♥♥♥♥♥

結腸まで貫かれ、あまりの衝撃にアルカディア自身から白濁が吹き上がる。

「あ゛っ…♥♥♥​​──ッ♥​​──ッ♥ぁ゛、ふっ♥♥ん゛、ぅ゛う、うぅう……♥」

ごちゅっっ♥♥ごちゅっ♥♥
ばぢゅんっっっ♥♥♥♥

「​​──っ、うぅッ…♥♥♥はぁっ、んん゛…♥♥​​──…ッッ♥♥♥」

前立腺を穿たれ、亀頭で押し潰され、結腸口をこじ開けられる。暴力的なまでの快楽に、アルカディアは涙を流しながら喘いだ。

「やぁ…っ♥♥それっ、らめ…っ♥♥あっ、んんぅっ♥♥んっ」

クラウディオの大きな掌がするりとアルカディアの頬を滑ると、それだけでびくびくと体を震わせる。

「…随分感じてるな。本当に久しぶりか?」

「ふ、え…っ!?♥♥くら…でぃお…としか、したく、ないぃ♥♥」

「ふふ、冗談だ」

嬉しそうに微笑んだクラウディオに唇を奪われ、口内を舐られる。それと同時に腰の動きが激しくなった。

ぐぽっぐぼっぐぶぶっ♥♥ずぷんっ♥♥ぐっっぷん♥♥

「ん っ♥んむ…っ♥んん〜〜〜ッッ♥♥んっ♥んぅっ♥んっ♥ん〜〜〜ッ♥♥うっ♥」

舌を絡められながら激しくピストンされて頭が真っ白になる。酸欠気味になっているせいか余計に快感が増していた。

ずりゅっ♥ずろぉ〜〜〜〜〜〜……♥どちゅんっっっ♥♥

「〜〜〜〜ッッッッ♥♥♥♥」

キスをしながら最奥を思い切り突かれた瞬間、アルカディアは大きく目を見開き絶頂を迎えた。ぎゅっと後孔が締まり、それにつられて熱い飛沫が胎内を満たす。

どぷどぷどぷっ♥どぷぷっ……♥

「んん〜〜〜ッッッ♥♥♥♥」

びくんびくんっ、とアルカディアの体が跳ね上がった。

「は…ぁ…っ♥あ、あう…♥…ふ…♥」

「アルカディア……」

「あ、ふ……っ♥……ん……」

クラウディオが優しい声で名前を呼んでくれることが心地よくて、甘えるように擦り寄れば、優しく髪を撫でられた。その心地良さにうっとりと目を細める。

「まだ足りない」

「ん……♥おれ……も…♥」

熱の籠った視線を交わし合い、再び深く口付ける。アルカディアの細い足がクラウディオの腰に絡みつき、ぐいっと引き寄せる。

「ん…っ、ん…♥んぅ…♥んん…っ♥」

ぐぽ、と奥に入り込んできた感覚がして再びアルカディアの体がびくんと震えた。

「あ…っ、あ……♥んんぅ…っ♥」

「もっとだ」

「ん……♥うん……♥」

どちゅっどちゅっどちゅっどちゅっ♥♥

動き出したクラウディオは、何度も最奥を突き上げる。

「あ、ぁ…っ!♥くら、…ぁ、あっ!♥…ぃッ♥♥ひ、う♥♥あ゛っ、ひっ♥♥あ、ッ♥いっ……♥♥」

ぐぽぐぽと結腸で亀頭を扱くように抜き差しされ、絶頂を迎え続けているような状態なのに更に追い立てられていく。

「あっ♥やぁ…っ!♥だめ…ぇ♥いって、る…いま、イっ、てぅ……!♥♥んッ!♥んぅう!♥」

「私はまだ一度しか出してないぞ」

「んひぁッ♥♥あっ♥あっ♥あ゛♥♥」

ばちんっばちっばちんっばちんっ♥♥

激しい抽挿に結合部が泡立ち、肌同士がぶつかる音が響く。

「あっ、あっ、ぁッ…♥らめ…ッ、ぁッ♥ぁッ、ぁッ…♥だめだめだめぇえ♥♥♥」

「く……っ」

ごぷっ……♥♥ごぽぽ……♥

「あ゛、あ、う…奥、おぐッ、ぅ♥♥」

……どちゅっっ……♥♥

「あ♥ゃ…ッ♥♥…ぃッ♥♥ひ、い♥♥あ゛っ、あ、や゛らぁ♥♥」

「嫌じゃないだろう?」

「あ ッ、うあぁッ♥♥らめ、そこ、きもち、ぃ♥♥あ、ぁッ、ぁ、また…いく、ぅ、ううぅッ♥♥」

ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅっ♥♥♥
かくっ♥かくっ♥かくんッ♥

「あ…っ…うぁ…♥♥んうぅ……ッ♥♥まって…♥いった♥いった、からぁ♥あ゛っ♥♥あ゛​​──♥♥​​──ッお゛……♥♥」

「駄目だ」

「ぅ ──……ッ♥♥…あ゛、ッッ…♥♥ひ、ぃ゛ッッ♥♥♥あ゛っ♥…っ♥♥ぅ゛…、ッうう゛…♥♥ん゛、ぅうっ…♥♥」

ぐちゅ……っ♥ぐぷっ……♥

がくんがくんと痙攣しっぱなしのアルカディアの体を押さえつけ、クラウディオは執拗に結腸口を責め立てる。

「ひ、うぅ…もう、むりぃ……っ♥♥むり、らか、らぁ…っ♥あ、ぁッ、も、こわれ、ちゃ、ぁ…ッ♥うああッ♥♥」

「壊さないよ」

「ふえ、ぅ……っ?♥」

「お前は私のものだ。一生大切にする」

そう言って微笑んだクラウディオの顔は今まで見たことがないくらい幸せそうだった。
魔力が激しく巡ったのか、ぶわりとアルカディアの体が赤く染まって行く。

「くら、でぃおっ…♥くら、でぃお、すき…っ♥だいす、き…♥」

「あぁ、私も愛している」

「うれし、…っ♥あ、ふ…っ♥ん……っ」

再び唇を重ねられ、舌を絡め合う。それと同時に激しく突き上げられ、意識が飛びそうになる。

「​​──っ、ぅううッ…♥♥♥んぅ♥ん…ッ♥♥…っぐ♥イく、ぅ゛……♥♥」

かくっ♥かくっ♥かくんッ♥

「……っく」

「あ、あ、ぁ…っ!なか、あ、ぅ…ッ!♥♥あっ、あ、ぁ…っ!♥♥」

びゅるびゅるびゅーーっ♥♥びゅーっびゅーっ♥どぷっ……♥♥

熱い飛沫が勢いよく胎内を満たしていく。その感覚に、アルカディアもほぼ同時に達していた。

「あ、あ…♥あ…ぅ…っ♥…あ、つ…♥」

「まだ足りない」

「んぅ……♥もっと…♥」

動かない腕を叱咤して、アルカディアはクラウディオの首に腕を回して抱きつく。それに応えるように、強く抱きしめ返された。

「んぅ…♥」

ちゅっちゅっと軽いキスを繰り返しながら、お互いの存在を確かめあうように触れ合っていた時。
不意にずるりと後孔から性器を引き抜いたクラウディオに、アルカディアはぱちりと目を瞬かせた。

「…?…なに…?」

ぐっと腕を引かれ、向かい合って座るような体勢にされる。

「後ろ、向け」

言われた通りアルカディアはクラウディオに背を向けると、背中を押され少し前のめりになるようにベッドに手をつかされた。

「そのまま動くな」

「……?うん……」

何をするつもりなのかと不思議に思いながらも、大人しくじっとしていると、ぴと、と後ろに何かを当てられた。

「ん…ぇ…?」

「挿れるぞ」

「え…、ま、待って、……ッ」

ぐぷっ……!♥

「あ ──…ッ!♥♥あ、や、ぁ…!♥んうぅ゛う〜〜…ッ♥♥ぅ゛…、ッうう゛…♥♥──〜〜ッッ!!♥」

背面座位のような体勢で、一気に最奥まで貫かれた瞬間、目の前に火花が散った。あまりの衝撃に耐えきれず、アルカディアは大きく目を見開き絶頂を迎えた。

びくっ♥がくっ♥かくっ♥かくっ♥♥

「あ…ぁ ──…ッ♥♥あ、ぇ?あ〜〜〜♥♥あ〜〜〜♥♥っう♥ふ、っ…うう♥♥あッ…いく♥♥まっ、て…いくっ♥♥いくっ♥♥♥ぁ゛ふっ、ひ……♥♥うぁ゛、ッあ…♥♥」

先程と違った角度でごんごんと中を突かれ、何度も呆気なく達してしまう。休む間もなく激しい抽挿が始まり、快楽漬けになりかけている頭ではもう何も考えられなかった。

「んひぁッ♥♥あ っ♥あ っ♥あ っ♥♥ひぅうッ♥♥いっ、──…ッあ゛♥♥」

ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅっ♥♥

背後から激しく突き込まれ、アルカディアの体はびくびくと震えながら前に倒れ込みそうになる。しかし、クラウディオの手がアルカディアの胸と腹の辺りに回され、がっちりと固定されてしまい倒れることも出来ず、ただ揺さぶられるしかなかった。

「あ♥あ゛ッ♥あうぅっ♥♥ぅっ♥♥…っ♥♥…っ♥♥ひっ、う゛ぅううぅ♥♥」

ビクッ♥♥ビクンッ♥♥ビクンッ♥♥

「う、ッく、ふぅ゛う……♥♥」

がくがくと痙攣しながら再び深い絶頂を迎えている最中も、容赦なく腰を打ち付けられ続け、口からは意味のない声しか出てこない。

「ひ、あ ──…ッ♥♥らめ、いま、いま、あぁ…っ♥あっ♥あっ♥あっ♥ぁっ♥」

「今、なに?」

「い、いま、…いった…ばっか、だからぁ……っ♥♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥」

ずぶっ!どちゅんっどちゅんっどちゅんっ♥♥

「ふふ、知ってる」

クラウディオは乱れるアルカディアに嬉しそうに笑いながらも、更に激しく責め立てる。

「あ゛、ぇ♥♥あ゛っ♥♥♥​​──ッ♥​​──ッッ♥ん゛、ぅうっ…♥♥ひ、ぃ゛ぁあ♥♥むり、も…む、り、…ぃ♥♥」

「お前が可愛いから、いじめたくなる」

「んうぅうッ♥♥んぁっ♥ぁっ♥あ゛っ♥あっ♥」

ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ♥
かくっ♥かくっ♥かくっ♥かくっ♥

再びアルカディアの体が小さく震え始め、中がぎゅうぎゅうと締め付けを増していく。

「またイきそうだな。いいよ、何度でもイかせてやる」

「んああぁッ♥♥あっ♥あ、ぅっ♥あっ♥うぁあっ♥」

アルカディアの体に回した手で乳首を擦ってやれば、面白いくらいに体が跳ね上がった。

「ここ、気持ち良いのか?」

「ん、ん ──〜〜っ♥♥やら、だめぇ…ッ♥♥そこ、や、やぁ…ぅ♥」

くりっくりっと指先で弄ばれ、かたく芯を持ったそれを摘まみ、同時に中を突き上げられるとびくんっと大きく体を震わせながらアルカディアは再び達してしまった。

「あ…ッ♥♥​​──…ッッ♥♥♥ぁ゛、ふっ、♥♥あ、あ…♥♥♥ふっ…♥ぅっ…♥♥ゃ、やあぁ♥♥♥」

「ふふ、そんなに良かったか?…じゃあもっと良くしてやろう」

「ひゃ…ぁ、ま、まって…♥♥♥くら、でぃお…っ♥ぁ、あ──……ッ♥♥」

どちゅんっ!と奥まで一突きされ、目の前に星がちらつく。

「ぁ…あ──〜〜ッ!♥♥うぁ、ぁ──〜〜ッッ!♥♥」

ビクビクッ♥♥ガクッガクッ♥がくっ♥♥

「あ、ぅ…♥♥あ──…っ♥♥」

「もうすっかり私の形を思い出してるな」

かりかりと乳首を掻きながらアルカディアの下腹部を撫でてやる。もうほとんど力の抜けているアルカディアの体は、クラウディオに支えられていなければベッドの上に崩れ落ちていただろうが、クラウディオはそれを許さない。

「ぅ゛…、ッうう゛…♥♥…あ゛ッ…♥♥…ん、ッッ…ん…♥♥」

下腹部を撫でるだけでもアルカディアの体はぴくぴくと跳ねる。その度にきゅううううっ……と後孔を締め付けるせいで、より深くまで性器が入り込んでしまい、アルカディアは余計に快楽を拾ってしまう。

「ひ、…ぅ、うう…ッ♥♥」

「はは、もう意識も飛びかけてるな」

「ひぐ……っ、う──〜〜ッ!♥♥」

「でも、まだ寝るには早いぞ」

再び始まる激しい抽挿に、快楽に蕩けたアルカディアの瞳からぼろりと涙が零れ落ちた。

ずぱんッッ♥♥ずぱんッッ♥♥

「は、あ゛っ、んん゛…ッッ…う♥♥あ♥あ゛♥うぅッ♥♥♥」

結腸に入り込んだ亀頭がぐりぐりと刺激するたび、びくんっと体が反応してしまう。

「ほら、ここ好きだろ」

「んうぅううッ!♥♥んっ♥♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥あっ♥」

ごりゅごりゅごりゅっ♥♥

「あ──……ッ!♥♥ぅ──……ッッ!♥♥あ゛──……ッッ!♥♥」

「ふふ、すごい締め付けだな。食い千切られそうだ」

「ひっ…♥♥ひ、ぁ…♥あ──……ッ♥♥」

どちゅっどちゅっどちゅっどちゅっどちゅっどちゅっ♥♥

「──〜〜ッ!!♥♥」

がくんッッとアルカディアの体が何度も大きく痙攣し絶頂を迎えるも、それでもなお続く責めに口からは悲鳴じみた声しか出てこない。

「やぁああッ…♥♥いっ、て…ぅ…ッ♥いま、いってうぅ…ッ♥♥……ッッ!!!♥♥♥」

「知ってるよ。だからこうして突いてる」

「んあぁッ…!♥♥あ──……ッ♥♥」

ごちゅんっ♥ごりゅごりゅごりゅっ♥♥
びくっびくびくっ♥♥
がくんがくんがくんッッ♥♥

クラウディオの腕の力が緩まると、ぐらりとアルカディアの体が傾いて、ついにはベッドに倒れ込んだ。

「あ──…ッ♥♥あ゛──…ッッ♥♥」

びくびくと震えたまま、投げ出されたアルカディアの両手を撫でてぎゅっと握り込む。そのまま腰を動かせば、それだけでも気持ち良いのか、アルカディアの体が小さく跳ねた。

「んぅううッ……♥♥んっ♥んっ♥んぅ……ッ♥♥」

クラウディオは握ったアルカディアの両手をぐいっと自身の方へ引き寄せ、 激しく突き始めた。

「ふぁっ!?♥ぁっ♥ぁ゛っ♥ぁっ♥あ゛っ♥」

どすんッ!ばちんッ!どつんッ!ごりゅっ!♥♥

両腕を掴まれたままめちゃくちゃに抜き差しされ、肉同士がぶつかる音が部屋に響く。逃げを許さないこの体勢は、まるで獣の交尾のようだった。
枕に突っ伏したまま揺さぶられるアルカディアの視界はバチバチと火花が散っていて、まともに言葉を発する事も出来ない。強すぎる快楽にばたばたと足を動かし、どうにか逃れようとする。そんな事をしても無駄だという事はとうに理解している筈なのに。

「やぁぁあぁあッ…♥♥あ──…ッ!♥♥あ──…ッッ!♥♥あ゛──……ッッ!♥♥」

「お前は本当に可愛いな。愛してる、私のアルカディア」

ごつっごつっごつっごつっごつっごつっごつっごつっ!!

「お゛ッ…♥♥…ッ♥♥ん…ッふ、ぅ……♥♥ッあ゛♥んんッ♥うぅっ…♥」

ごつっごつっごつっごつっごつっごつっごつっごつっ!!

ひたすら結腸を穿たれ続け、アルカディアの体は限界を迎えていた。最早声も出せずにただガクガクと震え、意識が薄れていく感覚に身を任せた。

「あ…う…♥…っ♥…ッ♥…〜ッ♥♥♥」

アルカディアが意識を失ったことに気づいたクラウディオは、握りこんでいた両手を解放しアルカディアに覆いかぶさった。

「はは、気絶したか」

「…っ♥…ッぁ♥…っ♥…っう♥」

「…明日はたくさん甘やかしてやらないと駄目だな」

そう呟きながら、ゆるゆると腰を動かすとびくびくとアルカディアの体が痙攣する。その反応に気をよくしたのか、動きはどんどん激しさを増していった。

「んぅっ♥…っ♥…っ♥…ぅっ♥…〜っ♥♥」

「意識飛ばしてても感じてるのか、凄いな」

ぴくッ……♥♥ぴくッ……♥♥

「ひ…う゛ぅ…う…ッ♥♥」

がくッ♥がくがくッ♥がくんッ♥

「あッ…♥…っ♥♥…っ♥♥♥おッ…♥♥……ッ♥♥あ、ひ…♥♥」

びくッ♥びくんッ♥がくんッ♥がくがくッ……!♥♥

「――……ッッッ♥♥」

がくんッッ!♥♥

「…ッ♥♥…ッッ♥♥♥……ッ♥♥ッッ♥♥♥」

「……ん?ああ、イキっぱなしになってるのか。ふふ、じゃあもっと気持ちよくさせてあげないとな」

「あ゛──…ッ!♥♥──…ッぅ!♥♥──……ッ!♥♥あ゛──…ッ!♥♥」

どちゅんッ!どちゅんッ!どちゅんッ!どちゅんッ!

「……ッ♥♥…ぁッ♥♥…〜〜〜ッ!♥♥…ぅぅ〜〜〜〜〜〜ッ!♥♥♥」

「はぁ…っ、まずいな…」

本人の意識はなくともアルカディアの中は未だうねってクラウディオの性器をぎゅうぎゅうと締め付け歓迎している。
その心地良さに、腰を止めてやる自信がない。

「あ……う…♥…っ♥…っ♥…っ♥…ッ♥♥」

びくッ♥びくびくッ♥♥がくんッ!♥がくんッ!♥♥

「あ──…ッ!♥♥……〜〜ッッ!♥♥あ──……ッ!♥♥あ──……ッ!♥♥」

「くっ……!」

びゅるるるるるッ!びゅーーっ!

「あ──……ッ!♥♥あ゛……ッ♥♥あ──……ッう…♥♥」

「…っ…」

びゅっ……びゅっ……びゅるっ……

「あ──…ッ!♥♥…〜〜ッ!♥♥…〜〜ッ!♥♥♥」

「はぁ…っ、はぁ…っ」

「…ッ♥♥…っ♥…ッ♥…っぅ♥♥」

「……ふっ」

「…ぁッ♥…ッ♥…ッう♥…っ♥」

「はぁ……」

どさりと倒れ込んだクラウディオは、そのままアルカディアの肩口に顔を埋めた。
漸く一息ついてずるり、と引き抜くとごぽっと大量の精液が流れ出る。それを掻き出してやろうと指を差し入れるとそれだけで感じるのか、「んぅ……っ♥」と甘い声を漏らすアルカディアに、また熱が灯りそうになるのを感じて、なんとか欲望を抑え込む。
アルカディアが気絶しているのを良いことに、やりたい放題してしまった。
明日、起きたら怒られるかもしれないな…。
そんな事を考えながらも、とりあえず今は後処理が先だと思考を切り替える。
差し入れた中は未だ暖かく、クラウディオの指を締め付ける。

「ん……っ♥んぅ…っ♥」

「……」

「ん…っ♥ぅ…っ♥」

指を動かす度に反応するアルカディアの体に、一度治まった筈の欲が再び頭をもたげるのを感じる。
中を掻いていくとどろりと白濁が溢れ出し、それと共にアルカディアの口から漏れる吐息に、ぞくぞくと背筋を何かが駆け上がっていく。
これは、駄目だ。

「……っ、」

結局、綺麗にしてあげるつもりが、また興奮して、つい悪戯に動かせば、

「んぅ…っ♥」

「…っ」

「…っ、ぁ…♥」

「……」

「ぁ…んっ♥…んっ♥…っ♥」

「……アルカディア」

「っ……ぁっ……んっ♥」

駄目だ、駄目だ。
そう思いながら、止まらない手。
気づけば、2本の指を抜き差ししていた。

「んっ♥♥…ぅっ♥っ♥」

「……」

「…っ♥…ふ、ぅ♥♥ぁっ♥」

「……」

「んぁ…♥ぁ…♥ぅ♥♥」

「……くそ」

ぐちゅっ!ずぶっ!ぬぷっ!ぶちゅっ!

「あッ!?♥ぇ、あっ?♥やっ…♥っ!♥」

びくんッ!びくんッ!びくんッ!びくんッ!

激しく痙攣しながら覚醒したアルカディアが、目を白黒させて頭を擡げる。

「〜〜〜〜ッ!!♥♥ぁ、ぇ…?♥」

「おはよう」

「えっ、なんっ、ぇ、あ、ひゃああッ!♥♥」

混乱するアルカディアに構わず、一気に3本入れてばらばらと動かすと、それだけで絶頂したらしいアルカディアが悲鳴を上げた。

「ひぃ、んッ!♥や、やめ…ゃ、おねが…♥まって…いった、イっ…た、からぁ!♥」

「そうだな。まだいけるだろう?」

「むり、も…、無理…だからぁ!♥あ
​​──……ッ!♥♥ひ、ぎゅッ!♥ひ、あ、やぁああッ♥♥」

「ほら、ここ好きだろ」

「あ​​──……ッ!♥そこ、だめ、しない、れ…ッ♥♥いっかい、休ませ…っんん​​──…っ!♥♥」

「さっき休んだだろ」

「あ、ぇっ♥イ、…く♥いま、イッてるのぉ…ッ♥♥ま、って、イった、のに、また、あ、あ、あぁあ〜〜…ッ♥♥」

「はは、可愛い」

「や、あ──……ッ!♥あ゛、あ、あ……〜〜〜ッ!♥♥」

びくッ♥びくんッ♥がくんッ♥がくがくッ……!♥♥

何度も腰を跳ねさせて、指だけで絶頂を迎えるアルカディアの姿に、満足感を覚えつつも、また熱が溜まるのを感じる。

「あ…っ♥あ…っ♥あ ──…っ♥」

ぴくッ……♥ぴくッ……♥がくんッ♥がくんッ♥がくんッ……!♥♥

「はぁ…っ、はは、凄いな。もう4回もイったのか」

「う…っ♥あ、んん…っ♥んぅ…っ♥」

快楽と起き抜けでぼんやりとしているアルカディアに再び後ろから覆いかぶさると、まだ勃起したままの性器を押し付け、耳元へ囁いた。

「じゃあそろそろ私も気持ちよくしてくれ」

「んぇ…っ♥んぅ…まっ…て…♥」

「待てない」

「や、ぁ……ッ♥」

「待たない」

「ぁ……♥」

「お前のせいだ」

「……っ♥」

「責任取って貰おうか」

「…う……うぅ〜…♥」
その後、再びアルカディアが意識を失うまで続けられた行為に、翌日アルカディアが動けなくなるのは言うまでもないだろう。



「ん…んん…」

カーテンの隙間から差し込む光に、ゆっくりと瞼を持ち上げる。ぼーっと天井を見つめていると段々意識がはっきりしてきた。

「〜〜ッ!」

昨日の事を思い出した途端に顔に熱が集まり、思わず布団を頭から被る。

​​──気持ちよかった。
それはもう、とんでもなく。何度気を失ったかわからないくらいに抱き潰され、途中から記憶がない。
けれど、とても幸せな気分だった。
まるで夢の中にいるような心地良さに、ずっと浸っていたかった。
やっと、クラウディオを感じることが出来た。あんなにも愛されているという実感。
それが、どうしようもないほど嬉しい。

嬉しさと恥ずかしさで真っ赤になった顔を隠すように両手で覆い、悶えていた時だった。

「起きたのか」

「ッ!?」

がちゃりとドアが開く音と共に突然声をかけられてビクッと肩が跳ねる。

「くら…でぃお…」

ごそりと布団から顔を出し、扉の方を見るとそこにはラフな格好をしたクラウディオが立っていた。

「大丈夫か?」

「だ、だいじょぶ……」

「そうか」

クラウディオはベッドの淵に座ってこちらを覗き込んでくる。

「う゛」

「…?」

妙なうめき声をあげたアルカディアに、クラウディオは不思議そうに目を瞬かせる。

クラウディオはいつでもかっこいい。
再会した時だって、あまりにもいい歳の取り方をしてるもんだから見惚れてしまったものだ。

昨日念願が叶ったからだろうか。
今までよりも、さらにかっこよく見える。

「どうした」

黙り込んでしまったアルカディアに、クラウディオが優しく頭を撫でてくれる。
アルカディアはやけにゆっくりと布団の中から両手を出したかと思えば、そのまま自身の顔を隠してしまった。

「あ、あの…こっち、見ないで…」

「……?どうしてだ」

「ど、どうしても…。とにかく、その、えっと……、」

「なんだ。言ってみろ」

「ぁの…」

「うん?」

「か…かっこ、よすぎ、て…目合うの、はずかしい」

アルカディアの言葉にクラウディオはぽかんと口を開け面食らったような顔をした。
そしてすぐに小さく笑う。

「な……なにぃ……」

「いや?」

笑いながら、それでも手を退けようとしないアルカディアの髪を優しく梳いてやる。

「なぁ、見せてくれないか?」

「やだぁ…」

「頼む」

ちらりと見えたアルカディアの耳は、髪と同じくらい真っ赤に染まっていてクラウディオは思わず声を出して笑った。

「なにぃ…笑わないで…」

「ふふ、悪い。可愛すぎてな」

「うぅ〜……」

アルカディアは暫くの間もぞもぞしていたが、やがて観念したのかおずおずと手を下ろした。

「ああ…ほら可愛い」

「うぅ…」

「私の可愛いアルカディア」

「うぅ〜……っ!」

「はははっ」

真っ赤になってそっぽを向いてしまうアルカディアの頬に手を当てて視線を合わせる。

「可愛い」

「う〜……」

「愛している」

「う……お、おれ、も……あいし…てる…だいすき…」

「ああ」

「あぅ……っ」

「好きだ。可愛い。愛してる」

「う、ん……っ…わかっ、わかったからぁ!もういい!」

羞恥に耐えきれず再び布団を被ってしまったアルカディアを見てまた笑ってから、今度は布団越しに抱きしめる。

「……今日は大人しくしてろ」

「…ん」

「お前の願いはいくらでも聞いてやる」

「…うん」

「何かあれば必ず私を頼れ」

「……」

「約束できるか?」

「……うん」

「いい子だ」

ぽんぽんと背中を叩いてやると、しばらくしてからアルカディアは再び顔を見せた。

「ね、くらでぃお…」

「ん?」

「キス…したい」

「もちろん」

「ん…」

ちゅっ、と触れるだけの軽い口付けをして離れると、物足りなさそうな表情を浮かべたアルカディアが追いかけるように唇を寄せてきた。

「もっと…」

「…朝から随分と積極的だな」

「…くらでぃお…」

「はいはい」

「んぅ…」

再び触れ合った唇は直ぐに深くなる。

「ん…っ、んん…んぅ…っ♥んっ…ん…っ♥♥」

舌が絡み合い、唾液が混ざりあう音が響く。
ゆっくりと唇が離れていき、アルカディアは幸せそうな笑顔を浮かべてクラウディオに抱き着いた。

「くらでぃお…くらでぃお」

「ん?」

「好き。大好き。ねぇ、もうどこにも行かないで。俺を置いていったり、しないで」

「…ああ、ずっと一緒に居る」

「俺の事、見つけてくれてありがと」

「お前こそ、私の元に戻ってきてくれてありがとう」

「……ん。んふ、」

「どうした」

「なんでもない」

くふくふと楽しげに笑うアルカディアを見ていると、自然とこちらも穏やかな気持ちになる。
クラウディオはそんなことを感じながら、腕の中の温もりを離さないよう強く抱きしめ返した。