「……」
じわりと意識が浮上していき、クラウディオは目を開けた。小さく息を吐いて髪をかき上げる。
そしてゆっくり起き上がり、隣で眠る存在を見下ろした。
そこにいるのはアルカディアだ。
クラウディオがよく知る、アルカディア。
しかし、その容姿は明らかに変化していた。胸には二つの膨らみがあり、腰はくびれていて細い。全体的に丸みを帯びて女性らしい身体つきになっていたのだ。
アルカディアは元々男だ。
確かに顔は綺麗だが、身長は180cmはあったし肩幅もしっかりしていて筋肉もあった。それが今はどうだろう。小柄になった上に柔らかそうな肉がついているではないか。
アルカディアがこうなったのは、魔獣のせいだった。ストレンヴルムに現れた正体不明の魔獣によって、彼は性別が変わった。いや、変えられたという方が正しいか。
その魔獣が発生させる煙を浴びてしまったことが恐らくの原因だ。見たこともない魔獣だったし、調べてみてもどの文献にも載っていなかった。アルカディアの変化が治るのかさえ分からない。
そんな状況だというのに、アルカディア本人は呑気に寝ていた。体の違いに戸惑っていたし、昨日の今日で少し疲れてしまったのかもしれない。
さらりと前髪を払うと、長いまつ毛が見えた。見慣れたアルカディアより幼い印象を受ける。いつもよりぷっくりとした唇は艶めかしくて、思わず手を伸ばしてしまいそうになるほど魅力的だった。
無意識のうちに手が動きそうになったところで、慌てて引っ込める。
起き上がったことで捲れてしまった布団を元に戻してやると、微かに身動ぎしたアルカディアの目が開いた。ぼんやりとしていた瞳が次第にはっきりとしていく様を見て、何故かほっとする。
「おはよう」
声をかけると、視線だけがこちらに向けられた。まだ覚醒しきっていないようだ。それでも何かを感じ取ったらしく、緩慢な動作で上半身を起こす。
「…おはよぉ」
眠そうにしながら挨拶を返すアルカディアの声は、いつもよりも高く柔らかいものだった。
「体調は?」
「ん〜?だいじょうぶ…」
いつもの癖で大きく開けられたシャツから覗く胸元には谷間ができており、白く滑らかな肌が見える。ぺたんと座り込んでいるため太腿まで見えてしまっていた。無防備すぎる姿に眩しさを覚えながら、クラウディオは腕を伸ばしてアルカディアのシャツのボタンを留め始める。
「…ありがとぅ」
されるがままになっているアルカディアが礼を言う。それに軽く返事をして第二ボタンまで止め終えたところでクラウディオは動きをとめた。
「やっぱり着替えようか」
「ん〜……」
一応昨日の間に急いで女性用の下着や服を1着用意はしたのだが、使うかどうか決めかねている様子だ。つまり、今アルカディアはシャツとパンツ以外何も身につけていないということだ。それはそれで目の毒である。
クラウディオは昨日用意した衣服の中から下着を渡す。それを受け取ったアルカディアはじっと見つめてから、クラウディオに返してきた。
「つけて」
「……」
一瞬思考停止してしまったクラウディオだったが、すぐに理解する。着け方を知らないということだろうか。まさかと思いつつ確認すると、やはり知らなかったようで首を傾げられてしまった。
その間にもアルカディアはぷちぷちとボタンを外していく。
「…後ろ、向いてくれ」
言われた通りに背中を向けたアルカディアはシャツを脱いだ。
女性の裸など今まで何度も見てきた。だから別に恥ずかしさはないはずなのだが、相手がアルカディアだと思うと妙に落ち着かない気分になる。
なるべく見ないように気をつけながらブラジャーを着けてやった。
「違和感」
「まぁ…だろうな」
自身の胸を揉みながら呟いたアルカディアの言葉はもっともだと思った。男ならこんなものは邪魔でしかないはずだ。しかし今のアルカディアにとっては必要なものでもある。
「上はいつものやつがいい」
「あぁ、わかった」
アルカディアが普段着ているものを手渡してやる。今のアルカディアには相当大きくワンピースのようになっていた。
「下はさすがにいつも履いてるやつだと大きすぎるな」
「ん〜、じゃあこれ」
そう言ってアルカディアが手にしたのは、黒のスキニーパンツだ。
「サイズは合うと思うが、ウエストは大丈夫なのか?」
「多分平気」
不安になりながらも、試しに履かせてみる。予想通りブカブカではあったが、ベルトで締めれば何とかなりそうだ。
「よし、とりあえず遅いが朝ご飯食べようか」
「うん」
朝食は甘いパンケーキにしてやった。アルカディアは嬉しそうな顔をして、フォークを使って口に運ぶ。その仕草はいつもと同じなのに、見た目が違うだけで随分と違和感を覚えるものだ。
「…そういえば、仕事、大丈夫なの?」
本来クラウディオは休みではなかったが、アルカディアのために仕事を休んだ。そのことに対して心配しているらしい。
「あぁ、問題ない。セオドアに何かあったら連絡しろと伝えてある」
「そっかぁ」
安心したように微笑むと、アルカディアは再びパンケーキを食べ始めた。
クラウディオはコーヒーを飲みながら、そんなアルカディアの様子を眺めていた。
「服、買いに行こうか。1着では足りないだろう」
「ん〜」
あまり乗り気ではないらしい。
無理もないとは思うが、いつまでも同じ服を着せるわけにもいかないのだ。
「ついでに何か美味しいものも買おうか」
「!」
ぱっと顔を輝かせたアルカディアはこくりと素直にうなずいた。どうやら食欲はあるようだ。
そうと決まれば早速出掛ける準備を始める。アルカディアもパンケーキを平らげると、髪を整えて身支度を始めた。
そして2人は街へと繰り出した。
まず最初に訪れたのはショッピングモールの中にある比較的高級な女性用衣料品店だ。
店員に案内された個室でアルカディアの採寸をし、いくつか見繕ってもらう。
「この辺りなどいかがですか?どれもとてもお似合いですよ」
「ん〜……」
「こちらは白のレース素材になっておりまして…」
アルカディアは元々服に頓着するようなタイプではないため、こういった場所に慣れておらず、終始居心地悪そうにしている。
助けを求めるようにこちらを見てくる視線がなんとも愛らしく感じた。
「ズボンがいい…」
さすがにスカートは少し抵抗があるのかもしれない。クラウディオはいくつかの候補の中から、白のブラウスと黒のロングパンツを選んだ。
「これで頼む」
「かしこまりました」
店員がてきぱきと商品を用意していく。
会計が終わり店を出ると、アルカディアがくいっとクラウディオの腕を引いた。
「どうした?」
「いつもの服っぽいのもほしい」
先程の店は少しフォーマル寄りだったから、カジュアルなものが欲しいということだろうか。
そう判断したクラウディオはアルカディアを連れて別の店を回る。
今どきの若者向けの店に入ってみると、若い女性客が数人こちらを見てひそひそと話しているのが目に入った。
恐らく2人の容姿が人目を引くのだろう。きゃあきゃあと黄色い声を上げている彼女たちの前を通り過ぎ、適当に服を選ぶ。
「こういうのか?」
「ん」
アルカディアが選んだのは、薄手のカーディガンに細身デニムといったラフな格好だ。
ついでに何着かトップスも選んでいると、ふとアルカディアがこちらに向けられる視線に気が付いた。
視線の先には数人の派手な女性客が立っていて、アルカディア達を見ながらこそこそと話し合っている。
何を話しているのだろうと耳を澄ませてみると、「あの人やばくない」「超かっこいいじゃん」という会話が聞こえてきた。
顔を顰めたアルカディアはきゅ、とクラウディオの手を握りぴったりとくっつく。
「どうした?」
「なんでもない…」
そう言いつつもどこか不機嫌そうな様子に、クラウディオは小さく笑った。
「……妬いてくれたのか」
「…………」
無言は肯定を意味する。それがまた可愛くて、思わず抱きしめてしまいそうになる衝動を抑え、優しく頭を撫でてやった。
何着か購入し、次はランジェリーショップへと向かう。
店内に入ると、アルカディアは途端に身を固くする。繋いだままだった手をぎゅうっと握り締められ、クラウディオは苦笑した。
「下着も何着か買わないとな」
「……う、ん」
「サイズ、測ってもらおう」
「……やだ」
ふるふると首を横に振るアルカディア。
やはり見られるのが嫌なのだろうか。しかしいつまでも同じものを着せておくわけにはいかない。
クラウディオはアルカディアの手を引いて店員の元へ連れて行く。
「いらっしゃいませ。お客様、本日はどのようなものをご所望でしょうか」
「彼女のサイズの計測を頼みたい。あとサイズに合うものを何着か」
「承知致しました。それではこちらへどうぞ」
カーテンの奥へと案内される。アルカディアは不安げにしながらも、渋々付いてきた。
「では、上だけ脱いで頂けますか?」
「……」
恥ずかしそうにしながらシャツを脱ぐアルカディア。
店員はメジャーを取り出してアルカディアのサイズを計り始める。
採寸は手早く終わり、店員はいくつか商品を手に取った。
「お客様のサイズですと、こちらの商品などいかがでしょう」
差し出されたのはシンプルなデザインの上下セットのブラジャーとショーツ。
「レース生地がふんだんに使われていて、清楚な印象を与えるかと思いますよ」
アルカディアはクラウディオを見上げ、意見を求めるような視線を向ける。
「いいんじゃないか?それの色違いをいくつか貰えるか?」
「かしこまりました。他に何かございますか?」
「そうだな……とりあえずはそれだけでいい」
「かしこまりました。お包みしますので少々お待ちください」
「あぁ」
店員が丁寧に商品の入った紙袋を持ってくると、それを受け取って店を出た。
次に向かったのは食料品店だ。
アルカディアにカートを押してもらいながら、必要な食材を次々と入れていく。
途中、アルカディアが興味を示したものはとりあえず買っておいた。
買い物を終え、荷物を車に乗せ家路につく。空は橙色に染まっていた。
「疲れたか?」
「ちょっと」
慣れないことばかりで気を張っていたのだろう。アルカディアは助手席に座ると、すぐに眠ってしまった。
起こさないようにそっとシートベルトを閉め、車を発進させる。
1時間もしないうちに自宅に到着し、駐車場に停めてからアルカディアを起こした。
「ん……」
「着いたぞ」
「んー…」
目を擦って起き上がるアルカディア。まだ少し寝ぼけているようだ。
そんなアルカディアを横目に、荷物を下ろして玄関へと向かう。
「ほら、行くぞ」
「ん」
アルカディアは素直に後をついてくる。鍵を開けて中へ入ると、アルカディアがふわっと欠伸をした。
「お腹空いた…」
「少し早いが夕飯にしようか」
「ん」
まずはリビングのソファに荷物を置き、それからキッチンへ向かう。
クラウディオが料理をしている間、アルカディアはソファーで買ったものを整理していた。
先程買った下着をまじまじと見ているアルカディアを見つけて、クラウディオはくすりと笑う。
「気に入ったか?」
「……別に」
「そうか」
そう言いながらも頬は赤く染まっている。クラウディオはその様子に再び笑みを浮かべた。
出来上がった夕食を食べ終え、食後のデザートとして買ってきたケーキを食べる。
紅茶を飲みつつ他愛のない話をしていると、あっという間に時間は過ぎていった。
「風呂入るか」
「……一緒に入っていい?」
「あぁ」
昨日は別々に入ったが、今日は一緒がいいらしい。
着替えを用意してから浴室へ向かい、服を脱いでいく。
「…?…?」
どうやらアルカディアはブラジャーを外すのに苦戦しているようだった。
見かねたクラウディオが手伝ってやると、アルカディアは顔を真っ赤にして俯いた様子にグッときたのは内緒だ。
服を全て脱ぎ捨て、アルカディアと共に浴槽に浸かる。
アルカディアはクラウディオに背中を預ける形で寄りかかった。
アルカディアは肩まで湯船につかり、ほうっと息をつく。
「あったかいね」
「そうだな」
「気持ちいい……」
そう言ってうとうとし始めるアルカディアの身体を洗ってやり、自分も洗い流してから再び湯船に入る。
しばらく2人でゆったりとした時間を堪能した。
風呂から出て髪を乾かしてやるとドライヤーの熱風で、ふわりと甘い香りが漂った。
朝は少し自身も戸惑っていたがこうしてずっと過ごしていれば、アルカディアの見た目にも慣れてきたようだ。
髪も乾かし終わり、寝室へ向かう。
ベッドの上に座ったアルカディアのシャツから覗く真っ白な細い足。今までと変わらないと言えば変わらないが少しだけ、クラウディオを誘惑してくる。
「今日、楽しかった」
「そうか」
「また行きたい」
「あぁ、行こうか」
「うん」
嬉しそうな表情を見せるアルカディアの頭を撫でてやれば、猫のように目を細める。その手を滑らせ、顎の下を擽るとうっとりと蕩けた顔を見せた。
そんな顔をされると我慢が出来なくなる。
顎を掴みぐっと引き寄せると、そのまま唇を重ねた。
最初は触れるだけの軽いキスだったが次第に深いものへと変わっていき、舌を絡め合う。
いつもより、どこもかしこも柔らかい。
「んっ…」
鼻にかかる声に煽られ、夢中で貪っているうちに、いつの間にかアルカディアを押し倒していた。
自身の下にいるアルカディアの小ささに少し驚いた。はっとして慌てて身を起こす。
「悪い」
「やだ」
アルカディアは首を振る。そしてぐっとクラウディオの腕を引いた。
「もっと」
「……お前は私を試しているのか?」
「なんのこと?」
無垢な瞳に見つめられて、思わずため息が出る。無意識なのかわざとなのか。どちらにせよ質が悪い。
「もっとして」
「……」
「だめ?」
「…誘ってるなら覚悟しろよ」
「え?」
きょとんとするアルカディアに覆い被さるように抱きつき、耳元で囁いた。
「……今夜は寝かせないからな」
「……ん」
一気にアルカディアの顔が真っ赤になる。あわあわと今更慌て出すアルカディアを見て、少しばかり意地悪をしてみたくなった。
「ぅっ…」
ぴくん、とアルカディアの体が小さく跳ねる。クラウディオが胸を鷲掴みにしたのだ。
「ぁ、わ…あ、あの…」
顔を真っ赤にして狼狽するアルカディア。
しかし抵抗はしない。されるがままになっている。
ゆっくりとシャツの上から揉み、時折指先で頂きを掠めていく。
すると徐々に硬度を増していき、存在を主張し始めた。
「ぁ、ん…」
「ここ、硬くなってきたぞ」
「ん……」
恥ずかしいのだろう。アルカディアは両手を口許に当て、必死に堪えている。
その姿はとても可愛らしく、同時に酷く加虐心をそそられた。
「可愛い」
「ん、ゃ…」
優しく摘まんだり押し潰したりしながら刺激を与えていく。
やがてアルカディアの口から漏れ出る吐息が甘く艶やかなものになっていく。
クラウディオはゆっくりシャツのボタンに手をかけた。
ぷち、ぷちんと1つずつ外していくと、白い肌が露になっていく。全てのボタンを外し終え、前を開かせると、そこには白く美しい双丘があった。
そっと手を伸ばし、直接触れてみる。ふにふにと柔らかく、いつまでも触っていたくなるような心地好さだ。
「ふ、ぁ…」
「アルカディア」
名前を呼べば潤む瞳で見上げてくる。
頬を赤く染め、熱に浮かされたようにぼうっとした表情をしている。
そんなアルカディアの額、頬、首筋、鎖骨と順番に唇を落としていった。
「あっ、ん…!」
最後に胸の突起を口に含むと一際大きな声で鳴いた。ころころと飴玉を転がすように舐めてやると、腰を揺らし始めた。
もう片方の手で反対の胸を弄びながら執拗に攻め立てる。
「あっ、ぁ…♥ん、あ…やぁ…♥」
アルカディアの声に甘さが混じる。
ちゅぱ、という音を立てて口を離すと、そこは赤く色付き、ピンと張り詰めていた。
「ぁ、ふ…ぅ♥」
ぴくぴくと体を跳ねさせながら、足を擦り合わせている。ゆっくりと手を移動させ、アルカディアの太ももを撫で上げた。
内腿をするすると通り、足の付け根をなぞる。
「ひ、ぅ…」
付け根をすりすりと撫でながら足を開かせていく。そして下着越しに秘部に触れてみると、既に湿り気を帯びており、くちゃりと音がした。
「ふ、ぇ……?」
初めての感覚に戸惑うアルカディア。
それでも体は正直で、もっと欲しいと言わんばかりに蜜が溢れ出してくる。
かり、と爪で引っ掻いてやると、「あんっ!♥」と甘い声が上がった。
そのまま布の上からぐりぐりと押し付けたり、円を描くようにして刺激を与える。
「や、やだっ、それやだっ♥」
「嫌か?」
強弱をつけて責め立てれば、面白いくらい反応を示す。
すっかり蕩けきった顔で、もっとして欲しいとねだってくる。
「じゃあ脱ごうか」
「やっ、待って……」
「待たない」
制止の言葉を無視して無理矢理引き下ろすと、透明な糸を引いた。
「凄いな」
「やだっ、やだぁ…」
羞恥心からか、腕を交差させて顔を隠してしまう。そんなことをしても無駄だというのに。
「隠さないで見せてくれないか?」
「やだぁ……」
「仕方がないな…」
そう言ってクラウディオは再び足を開かせ、指で擦り上げた。
「やぁうっ!?♥」
いきなりの強い刺激に驚いたのか、ビクンッと身体を大きく跳ねさせる。
そのままくにゅくにゅと指を動かし、陰核を捏ねる。
閉じようとした足の間に陣取り、膝を押さえて固定する。逃げられないようしっかりと押さえ込み、容赦なく刺激を与え続ける。
「ひっ、ん、んん〜!♥」
びく、びくっと体が震える。
足を大きく開いているせいで、陰核が剥かれてしまっているのだ。そこを直接弄られ続け、快楽を逃がすことも出来ず、ただひたすらにその暴力的なまでの快感を受け入れるしかない。
「ぁッ♥♥う、うぅ〜ッ♥♥」
一際大きく体を震わせ、達したようだ。
荒い呼吸を繰り返し、ぐったりとベッドに沈む。しかし休む暇など与えず、すぐに次の波が襲ってきた。
「んんぁっ!?♥」
「ほら、まだ始まったばかりだろう?頑張れ」
「やぁあああッ!♥」
再び指を動かし始めると、悲鳴のような喘ぎが上がる。
一度絶頂を迎えた体は酷く敏感になっており、少しの愛撫でも過剰に反応した。
「やめへっ♥イってぅ、いまぁ♥イったからぁああっ!♥」
「そうだな」
「やぁああっ♥ぁっ♥あうぅっ♥♥」
ぷしゃぁぁぁっ!と勢いよく潮を吹き出し、2度目の絶頂を迎える。
「は…♥はぁ……♥」
余程強い刺激だったのだろう。アルカディアは荒い息で肩を上下させている。
知らない、こんなおそろしいほどの気持ちよさは。こんなにも深い悦楽は。
初めて知る感覚に恐怖すら覚えていた。
ぐっと顔を隠していた腕を掴まれ、引き剥がされる。
「ぁ……」
「可愛い」
涙と涎で濡れるアルカディアの顔を見て微笑み、優しく口付ける。
舌を差し入れ口内を蹂躙し、唾液を流し込む。
「ん、んく…♥」
こくりと喉が鳴り、嚥下したことを確認してから唇を離す。
「ふ、ぇ……」
「いい子だ」
頭を撫でてから手を下に降ろしていき、秘部に這わせる。
そこはもう大洪水で、触れれば水音が響いた。
「やっ…♥」
「可愛いな」
「やだ、やだ…」
「大丈夫だから」
宥めるように優しく囁き、秘裂に沿ってゆっくりと撫で上げる。
「ぁ…♥」
割れ目を何度も往復し、時折肉芽に触れる。
するとそこは段々と芯を持ち始めてきた。
頃合いを見計らい、皮を捲り上げ直接触れてやる。
こり、と軽く引っ掻くと、びくんと腰が大きく跳ね上がった。
そのままぐりぐりと押し潰したり摘まんだりして可愛がってやると、アルカディアの口から甘い声が次々と漏れ出す。
「あっ、あっ、あっ!♥やぁあっ♥」
「ここが好きなのか?」
「わか、わかんなっ♥ひぅうっ♥♥」
「そうか、ならこれはどうだ?」
指先でカリカリと引っ掻いたり、ぐり、と押し潰して強く揺らしてやる。
途端にアルカディアの声が大きくなり、秘部からは大量の蜜が溢れ出し、シーツに大きな染みを作っていた。
それを掬い取って陰核に塗りつけながら擦ると、アルカディアの背が仰け反る。
「ひゃぅっ!?♥やっ、それやだっ!♥やめてぇっ♥」
「どうして?」
「おかし、くなるっ♥おかしく、なる、かりゃっ♥♥」
「構わない」
「やあああッ♥♥」
びくびくと身体を痙攣させながら達してしまう。
それでも手を止めずに責め立てると、更に激しく身を捩らせた。
「やだっ♥やだやだやだっ!♥やめっ♥やだぁああっ!♥♥」
4度目の絶頂を迎え、それでも尚責め続ける。
やがて5度目を迎えた時、とうとう耐えきれなくなったのか、ボロボロと泣き出してしまった。
流石にやり過ぎたか、と思い、指の動きを止める。
すると安心したような表情を浮かべた。
「も、ぁふ…や、だぁ……」
「悪かった。虐めすぎたな」
ちゅ、と目尻に溜まった涙を吸い取り、慰めるように額にキスを落とす。
そして頬を包み込み、顔をこちらに向けさせた。
「愛しているよ、アルカディア」
そう言って深く口付け、同時に陰核を強く捻った。
「んんん〜〜〜〜〜ッ!!♥♥♥」
びくびくっと身体を震わせ、6回目の絶頂を迎える。
それと同時に膣から透明な液体が吹き出し、ベッドを濡らした。
「ん、は…はぁっ…♥」
ぐったりとした様子で肩で息をするアルカディアを抱き締め、耳元で甘く囁く。
「私もそろそろ限界なんだが、いいだろうか」
「……」
返事はないが肯定とみなし、ズボンに手をかけ、下着の中から己のものを取り出す。
それは既に張り詰めており、痛々しいほどに大きくなっていた。
その大きさを見て、アルカディアが息を飲む。
「む、無理…そんな、大きいの…入らな……」
「大丈夫だ、いつも入ってる」
「でも…」
「力を抜いていろ」
「ぁっ……♥」
ぴとりと先端を押し当てられ、期待から子宮がきゅんとうずく。
しかしその直後、ずぶりと音を立てて侵入してきたそれに、一瞬にして頭が真っ白になった。
「ぁ…あ…あ……!」
「っく……」
あまりの質量と圧迫感に呼吸が出来なくなる。
はくはくと口を動かし必死に酸素を取り込もうとするが、上手くいかない。
「アルカディア、息を吐け」
「はっ…!はっ…!はぁ……っ」
言われた通りに息を吐き出すと、少しだけ楽になる。
しかしすぐにまた苦しくなり、息を吸うことしか出来なくなってしまった。
「ゆっくりで良いから呼吸をしろ」
「はっ、はっ……」
「そうだ、上手いぞ」
頭を撫でて褒めてやる。
すると少し余裕が出てきたようで、アルカディアは次第に息の仕方を思い出していった。
それを確認してから、ゆっくりと動き始める。
初めは浅く、徐々に奥へと進めていく。
途中何度か止まり、アルカディアが落ち着くまで待った。
ようやく全て収まり、下腹部が膨らんでしまっているのがわかる。
ここまで入っているのだと言うことを自覚させるように、軽くそこを撫で上げた。
「あっ…!♥」
「動くぞ」
「えっ…あっ!♥やっ、まだだめっ!♥」
制止の言葉を無視し、ゆっくりと抽挿を始める。
ギリギリまで引き抜き、ゆるゆると中へ戻していく。
それを何度も繰り返しているうちに、少しずつだが快楽を拾えるようになってきたようだ。
先程までは苦痛の色が強かった声に艶が含まれてくる。
「ぁ…ん……♥」
「気持ち良くなってきたか?」
「わ、かんな…♥ぁうっ♥」
分からないと言いつつも、甘い声を上げ続けている。
恐らく無意識だろうが、アルカディアの腰も揺れ始めていた。
もっと欲しい、とねだられているような気がして、自然と笑みが零れる。
「アルカディア」
「んっ♥な、に……?♥」
「好きだ」
「ぁっ……!♥」
「愛してる」
「やっ♥やだっ♥やだぁっ♥♥」
クラウディオが愛の言葉を囁く度にアルカディアの身体が跳ね上がり、きゅううっと中のものを締め付ける。
それがとても可愛らしくて、つい意地悪をしたくなってしまう。
耳元に唇を寄せ、低く掠れた声で呟いた。
「愛してる」
「〜〜〜〜ッ!!♥♥♥」
瞬間、一際大きく身体が跳ね上がると同時に膣内が激しく収縮する。
どうやら中で達してしまったらしい。
アルカディアはというと、蕩けた表情のまま虚空を見つめていた。
どうやら意識が飛んでしまったようだ。
軽く頬を叩き、覚醒を促す。
「アルカディア」
「ぁ…♥ぅ……♥」
「戻ってこい」
「んっ♥んぅっ!?♥♥」
どちゅん!と強く突き上げられ、強制的に引き戻される。
「あ、あ……♥な、に…?」
「気を失っている暇はないぞ」
「へぁっ!?♥あっ♥あっ♥♥」
そのまま激しい律動が始まり、アルカディアはされるがままになってしまう。
最早喘ぎ声を上げることしか出来ず、ただ揺さぶられるままに身を任せることしか出来なかった。
「んっ♥んぅっ♥んぁっ♥♥」
「可愛いな、アルカディア……」
「やぁああッ!♥」
ごちゅ、と子宮口を突き上げられる。
目の前にチカチカと星が飛び、頭が真っ白になる。
しかし休む間もなく再び子宮口を攻め立てられ、絶頂から降りられなくなってしまう。
もはや自分が何を口走っているのかすら理解していなかった。
「ぁ…♥ぁ、ひっ♥ぃ、く♥まら、い…く♥♥」
「何度でもイケばいい」
「ぁふ…♥らめ…♥きも、ち…よすぎ、て……こわれ、ちゃ……♥♥」
もう呂律も回っていない。
しかしそれでも必死に訴えかけていた。
「くら、ぃぉ…♥も、らめぇ…♥おれ、おかしく、なる…から…♥も、むり…♥」
「安心しろ、私が傍にいる」
「ふぁ…♥ぁ、は……♥」
その言葉を聞いて安堵したのか、アルカディアはふわりと微笑んだ。
そしてその途端に力が抜け、ぐったりとベッドに身を預けてしまう。
「ぁ…♥ぁ…♥」
「限界か」
「ぁ…ゃ……♥」
ずるりと抜けていく感覚に、寂しさを覚えてしまってぎゅうっと締め付けてしまった。
それに気付いたクラウディオが小さく笑うと、優しく頭を撫でてくれる。
「ゴムをしていないから抜くぞ」
「……やら…」
きゅ、とクラウディオの服を掴み、甘えた声を出す。
クラウディオは困ったように眉を下げ、アルカディアの髪を指で弄んでいた。
「さすがに今のお前の中に出す訳にはいかない」
「やぁ…」
いつものアルカディアならまだしも、今の彼は女性の体をしている。この体がどうなるか分からないが、妊娠してしまう可能性だってあるのだ。
それだけは避けたいと思い、なんとか説得を試みる。
だがアルカディアも引かなかった。
涙目で首を横に振り続け、絶対に離れないと言わんばかりにしがみついている。
その姿はとても可愛らしく、思わず抱きしめてしまいそうになるが、グッと堪える。
「なか、だし、て…♥♥」
「駄目だ」
「なんれ…?♥」
「もしお前が孕んでしまったら大変だろう」
「……」
俯いて押し黙ったアルカディアはすぐにまた首を振り始め、今度は泣き出してしまった。
どうしたものかと困惑しながら頭を撫でていると、アルカディアが小さな声で何かを呟いていることに気付く。
耳を澄ませてみると、どうやら先程の言葉を繰り返しているようだった。
「はらむ…?♥こども、つくる…♥♥」
「おい、アルカディア」
「くらでぃお、との、あかちゃん……ほしい……♥♥」
そう言ってすり寄ってくるアルカディアに、クラウディオの理性がぐらついた。
だがここで欲望のままに動いてしまえば取り返しのつかないことになる。
何とか踏みとどまり、冷静さを保とうとするが、アルカディアがそれを許さなかった。
彼の腰に足を絡め、自ら奥へと誘ってきたのである。
これにはさすがのクラウディオも動揺を隠しきれず、珍しく焦った様子を見せた。
「待て、アルカディア」
「くら、でぃ…お…♥すき……♥だい、すき…♥♥」
すっかり顔を蕩かせ、目をハートマークにして愛を告げるアルカディア。
完全に正気を失っている状態だ。
このままでは本当に中出ししてしまいかねない。
それだけは何としても阻止せねば、と必死に言い聞かせる。
しかしそんなことなど知らないアルカディアは、更なる誘惑を仕掛けてきた。
両足を使って腰を抱き込み、更に結合を深めようとしてくる。
最早ここまで来ると無意識の行動なのかもしれない。
アルカディアは快楽によって意識が混濁しており、自分が何を言っているのか分かっていないようだ。
「くら、でぃ、おっ…♥もっと、おく…♥♥」
「っ……!」
「あっ!♥♥」
あまりに強い締め付けに、ついに我慢の限界を迎えた。
どぷっ!と大量の精液が流れ込んでくる。
アルカディアはその熱さに感じ入ってしまい、背筋を仰け反らせながら絶頂を迎えていた。
「あ、あ…♥ぁっ……♥」
どくん!どくっ!と脈打つ度に熱いものが注がれていき、アルカディアはそれを全て受け止めていた。
子宮の中は満杯になり、入り切らなかった分は逆流して秘部から溢れ出している。
その光景を見て興奮したのか、クラウディオは再び硬度を取り戻していた。
それにアルカディアも気付いたようで、嬉しそうな表情を浮かべて頬擦りをする。
もう止めることは出来なかった。そのまま再び律動が始まり、二人は本能のままに求め合った。
──やってしまった。
先程までの行動を思い出し、頭を抱える。
あの後結局もう一回致し、アルカディアは気絶するように眠ってしまって今に至る。
酷い有様になっていたシーツはなんとか変えたが、あとで布団も洗濯しなければならない。
正気を取り戻したあと、慌てて中に出したものを掻き出したが、随分奥に出してしまったせいで恐らくまだ残っているはずだ。
これでもし妊娠していたら…と考えるだけで恐ろしい。
勿論責任は取るつもりだが、一体どうすればいいものか…。
いっそ腹を括り、結婚するべきか。
いや、そもそもアルカディアは男に戻ることが出来るのだろうか。
仮に戻れなかったとしたら、どうなるのか。
様々な問題が一気に押し寄せてきて頭が痛くなる。
とりあえず頭を冷やそうと部屋を出て洗面所に向かった。
冷たい水を顔に浴びせると少しだけスッキリした気がした。
ふぅ、と一息ついてから寝室に戻るとベッドの上に布団の塊があった。よく見るともぞもぞと動いている。
どうやら目が覚めたらしい。
「アルカディア」
「…………」
返事がない。
ベッドの縁に座って軽く揺すっても反応はなかった。
しばらく眺めていると、布の中から白い腕が伸びてくる。
その腕は、男のものだった。
「…アルカディア」
驚いて布団をひっぺがすと、見慣れた男の体が現れた。
アルカディアは全裸のまま、真っ赤になった顔を両手で覆っている。
その体は元通りになっており、どうやら無事に男に戻ったようだ。
「よかった、戻ったんだな」
「……う゛ぅ〜」
「どうした?」
アルカディアは蹲ったまま何も言わない。
不思議に思って首を傾げていると、ようやく口を開いた。
「こっち、見ないで…」
「何故だ」
「それか、昨日のことは、忘れて」
「それは無理だ」
即答すると、アルカディアはさらに縮こまってしまう。
ほぼ意識は飛んでいたものの、自分の痴態はしっかり覚えているらしい。よほど恥ずかしかったのだろう。耳まで赤く染めて震えている姿が可愛らしくて、思わず笑みが零れた。
手を伸ばして髪を撫でると、ぴくりと肩が跳ね上がる。
「可愛かったよ」
「うるさぃぃ…」
ぼすん、とアルカディアが手元の枕をクラウディオに投げつけた。だが力のない攻撃はあっさり受け止められてしまい、余計に羞恥心を煽る結果となる。
「もうやだ…消えたい……」
「ははは、私との子供が欲しいか」
「うるさいっばかっ!」
わざと蒸し返してやると照れ隠しでぽかぽかと叩いてくるが、全く威力はない。
むしろ可愛らしく思えて仕方がなかった。
ぐいっとその手を引いて抱き寄せると、素直に身を預けてきた。
「愛してるよ」
「んん…」
ちゅっと触れるだけのキスをすると、アルカディアは小さく身じろぎをした。
そしておずおずと上目遣いでこちらを見つめる。
何か言いたいことがあるのだろうと察し、優しく促してやる。
アルカディアは何度か口をぱくつかせたあと、意を決したように言葉を紡いだ。
「俺も…その…」
「うん」
「あい、し……てる、」
消え入りそうな声で告げられた愛の告白に、心臓を撃ち抜かれる。
衝動的に強く抱きしめて何度も唇を重ねた。
それから暫くの間、二人の甘い時間は続いたのだった。