風呂上がりのクラウディオは妙な色気がある。
彼は今、もうあとは寝るだけという格好でヘッドボードにもたれて本を読んでいる。整えられていない少しうねった前髪が顔にかかっていて、それが余計に彼の魅力を引き立てていた。読書や事務仕事をする時にだけかける眼鏡姿も素敵だ。
サイドテーブルには、ウイスキーの入ったグラスと灰皿が置かれている。彼はベッドから起き上がることなく紫煙をくゆらせながらページをめくっていた。
アルカディアはベッドに寝転びそんな彼の様子を眺めていた。
飽きない。ずっと見ていても飽きない。
寝巻きにしているシャツの襟が随分開いているせいか鎖骨がよく見える。そこに触れたい衝動を抑えてじっと見つめ続けた。
時折煙を吐いて灰皿に灰を落とすその長い指。指に煙草を挟んだままグラスを口に運ぶ仕草。
色っぽい。正直、むらっとくる。
この男の余裕を奪ってやりたい。自分のことでいっぱいにしてやりたい。そう思うようになったのはいつ頃からだったろうか。
もぞりと起き上がり、そろりそろりと四つん這いで近づいていく。そして、彼が手にしている本を取り上げた。
「なんだ?」
「……」
何も言わずに奪い取った本をサイドテーブルに置いて、煙草を揉み消した。
「…くらでぃお」
「うん?」
ぱちりと目を瞬かせた彼に覆い被さってキスをした。
唇を押し付けて、舌先でつついて開けてくれと催促をする。小さく開いた口にねじ込んで絡めていく。
あぁ駄目だ。止まらなくなる。
止められなくなってしまう。
角度を変えて何度も貪るように口づけた。息継ぎのために一度離れると銀糸が伸びてぷつりと切れる。
至近距離で見つめ合うと、クラウディオの瞳の奥に眠気が混じっていることに気付いた。
このままでは寝てしまうかもしれない。それは困る。
再び口を塞いで深く侵入する。強引に口内に侵入して、歯列をなぞっていく。舌をのばして上顎の内側に触れるとクラウディオの身体がぴくりと震えた。そのままそこを攻め続けると鼻から抜けるような声が漏れてくる。
「っふ…ぅ…はッ……」
「ん、ふ…んむ…ちゅ……」
呼吸すら奪うように深い口付けを繰り返す。唾液を流し込むようにして飲ませると喉仏が上下するのがわかった。
こくりと飲み下す音が聞こえてぞくりと背筋が粟立つ。
舌先で上顎を刺激し続けていると、クラウディオの腕がアルカディアの肩を掴んだ。
「…ぁ、るか、でぃあ」
離せということだろう。しかし無視をしてさらに激しく責め立てる。逃げようとする頭を掴んで押さえつけ、執拗に攻め続けた。
好き好き。愛しい。可愛い。もっと欲しい。
思考がぐちゃぐちゃになって、ただ目の前の男のことしか考えられなくなっていく。夢中になっているうちに背中を叩かれてようやく我に返った。
やり過ぎたようだ。慌てて唇を離すとお互いの口からつうと透明な糸を引いた。
「は、ふ……あは、くらでぃお」
「は…苦しい」
「ごめんね、でも、きもちよかった?」
「……ん」
乱れた呼吸を整えながら、濡れた唇を親指で拭う姿にどきりとする。もう一度したい。いや、何度だってしたい。
ちゅう、とクラウディオの首元に吸い付いて痕を残した。
「アルカディア」
咎めるように名前を呼ばれても気にしない。
シャツの上から胸元を撫でる。かり、と突起を引っ掻くと、彼は短く息を漏らした。
それに気を良くして両手を使ってくにくにと弄ぶ。布越しに触られる感覚がもどかしくて身を捩る姿が可愛らしい。
やがてぷっくりと膨らんできて存在を主張し始めるそれを爪で弾くとびくんと大きく身体が跳ねた。
「ん、ぁ…」
その反応が嬉しくてしつこいくらいにそこばかり苛めていると、彼は弱々しく腕をアルカディアの首に回してきた。
ぐっと引き寄せられて、耳元に彼の熱い吐息がかかる。それだけで腰が疼いた。
「く、らでぃお、」
「ん、」
ちゅ、と頬や額に口付けられる。まるで幼子をあやすかのような仕草だったが、今のアルカディアにはそれさえも興奮材料にしかならなかった。
首筋を舐めて甘噛みをすると、今度は優しく髪を撫でられた。心地良い。
そのまま彼の手が後頭部に回ってぎゅっと抱きしめられ、自然と身体が密着する形になる。
嬉しくて、ついクラウディオの唇に自分のものを重ねた。
先程までの激しい口付けではなく、慈しむような優しいキス。何度も角度を変えて、互いの温度を確かめ合うような、そんな行為だった。
「ふ、ん…ちゅ……はぁ…」
気持ちいい。幸せだ。ずっとこうしていたい。そう思っていたのだが。
しばらくキスに夢中になっていると、ふとクラウディオの舌が絡まってこなくなっていることに気が付いた。不思議に思って顔を離すと、そこには瞼を落として寝落ちしている彼の姿があった。
「え」
嘘でしょ。
そう思ったものの、規則正しい寝息が聞こえてきて、それが本当だとわかる。
驚いた。クラウディオが寝落ちするところを初めて見たのだ。
疲れていたのだろうか。それとも密かに酔っていたのかもしれない。どちらにせよ、この状況で寝てしまうなんてあんまりではないか。
「……くらでぃお〜?」
呼びかけてみるが起きる気配はない。
アルカディアを抱き寄せたまま穏やかに眠っている。
「襲っちゃうよ〜」
そう言ってみても無駄だった。完全に寝入っている。
その時。クラウディオの唇が先程の口付けのせいか少し濡れていることに気が付き、ごくりと生唾を飲み込んだ。
「…………」
そっと手を伸ばして指先で触れる。
「…ん」
ぴくりと眉が動いたが起きない。
次は人差し指を唇に押し当てると、柔らかな感触が伝わってきた。
そのままゆっくりと滑らせて顎の下に触れると、くすぐったかったのか僅かに身じろいだ。
起きるかな?と思ったがやはり起きない。無防備だ。こんなにも近くにいるというのに、この男は自分に対して警戒心というものがないのだろうか。いや、そもそも自分が男だということを忘れられているのかもしれない。
「……ねぇ、くらでぃお」
そろり、と首筋に顔を寄せた。
鼻腔をくすぐるクラウディオの香りに頭がクラリとした。
駄目だ。我慢できない。
「……っ」
ちゅ、とそこに吸い付くと、クラウディオの喉仏が上下するのを感じた。
痕をつけるつもりはなかった。けれど、止められなかったのだ。
唇を離してみると、赤く鬱血した印が刻まれていて、なんだかいけないことをしてしまったような気分になった。
片手でシャツのボタンを外していきながら、首から順に唇を押し付けて吸っていく。
「ん…」
「は…ん……」
ちゅ、ちゅ、と音を立てて吸い付いていく。時折舌を這わせて舐め上げると、クラウディオの口から艶っぽい声が漏れた。
もっと聞きたい。その声が欲しい。
夢中で痕を残していくうちに、いつの間にかシャツを脱がせてしまっていた。
鍛え上げられた肉体美に見惚れてしまう。
引き締まった腹筋を撫でて、胸元へと手を伸ばした。
「ん…」
ぴくりと反応する彼が愛おしくて、乳首を摘んでみると小さく声が上がった。
「あ、ぅ…」
そのままくにくにと刺激を与えると、そこはだんだんと芯を持ち始めて硬くなっていく。
可愛い。可愛い可愛い可愛い。もっと感じて欲しい。もっと鳴かせてやりたい。
「は…ぁ……、ん…」
「…はぁ…くらでぃお……」
「…ん…ぁ……」
夢中になって弄っていると、不意にクラウディオの手が伸びてきてアルカディアの手首を緩く掴んだ。
「……やめ、ろ…」
「あ」
しまった。起こしてしまったようだ。
だが彼の顔を見るとどうやらまだ微睡みの中にいるようで、目は閉じたままだった。
「…ちょっと触るだけ」
「んん、」
眠そうな彼を他所に行為を続行させる。
片方を口に含んで舌で転がしながらもう片方も指で挟むようにして擦ってやる。
すると、頭上からくぐもった吐息が聞こえてきた。
ぺち、と弱々しい力で頭を叩かれる。しかしそれは拒絶というよりは制止を求めるようなものだった。
「ん、ん…」
ちゅぱ、とわざとらしく音を立てながら吸い付いたあと、口を離して今度は反対側を舐める。
舌先でぐりぐりと押し潰して、それから軽く歯を立てると、びくんと身体が跳ねた。
「…もぉ、やめ……」
「んー?」
「ぁ……」
ちゅう、と強く吸い付いてからようやく解放した。
唾液で濡れたそこがてらてらと光っていて、とても厭らしい。
相当眠いのか、それとも疲れているのか、クラウディオの反応が鈍くなっている。
今なら何をしても抵抗されないのではないか。そんな考えが浮かんでくる。
するりとズボンの中へ手を入れて下着越しに陰茎に触れた。ゆるゆると揉んでいると、次第に硬度を増してくる。
クラウディオの頬に何度も口付けながら、ゆっくりと彼のものを外へ取り出した。
「くらでぃお、かわいい」
「ん、ぁ……?」
先端を親指の腹で撫でて、滲んできた先走りを広げるように塗り込む。
アルカディアはもぞりと自身の前を寛げて自分のものを取り出した。
そしてそれをクラウディオのものと重ねて握り込む。
「……ぁ…ん…」
「はぁ…」
互いの熱が混ざり合う感覚が気持ちいい。
腰を動かせば、彼のものと自分のものが一緒に擦れて快感を生む。
ごしゅ、ごしゅ、と水音が響いて聴覚まで犯されているような気分になる。
「ん、ふ……は、ぁ……きもちい…」
うっとりと呟きながら、クラウディオの手を取って二人のものに触れさせた。
「……くらでぃお、握って?」
「……」
「ね?」
「…ん……」
寝ぼけ眼で言われた通りにしてくれる彼に興奮する。
ぎゅっと包み込まれるような形になり、それだけでも達してしまいそうだった。二人分の先走りが潤滑油となり、ぬちゃりと卑猥な音を立てた。
気持ちいい。頭が馬鹿になってしまいそうだ。
絶頂が近いことを感じて、動きを早めていく。
もっと、もっと。
そう思って夢中で手を動かすと、クラウディオの指先がカリ首に引っかかった。
「ふぁっ♡♡」
その瞬間、強い衝撃が走って目の前が真っ白になった。
アルカディアはビクビクと痙攣しながら呆気なく果ててしまう。
「〜ッ!♡♡」
声にならない悲鳴を上げて、どぷっと精液が吐き出される。
勢いよく飛び出したものがクラウディオの腹部を汚していく。
「ん、ん…?」
流石に異変に気付いたのか、クラウディオは薄らと目を開けた。
ぼんやりとした表情でこちらを見つめている。
「…ぁ…??」
「は…は……ぁ…」
荒くなった呼吸を整えながら、アルカディアは微笑んだ。
「おはよ、くらでぃお」
「…?……は……?」
状況を理解していない様子で瞬きを繰り返す。
その間にも、ぴゅく、と残滓が溢れて腹筋を伝っていく。
「……ぅ」
未だ掴んだままのお互いのものを緩く扱くと、ぴくんとクラウディオの肩が揺れた。
アルカディアは射精したが、彼はまだだ。
「ん」
「ん、ぅ」
困惑する彼を無視して、唇を重ねて舌を絡ませる。
ぐちゅ、ぐちゅ、と淫靡な音を鳴らしながら手を上下させると、くぐもった声が漏れてきた。
「ん、…んッ!」
やがて限界を迎えたのか、びく、と身体が震えたかと思うと、びゅるるる、と熱い飛沫が放たれた。
「ん、…うっ…」
最後の一滴までも搾り取るように、ちゅこちゅこと扱いて残りまで出し切る。唇を離すと、唾液が糸を引いた。
「はぁ…は……」
ぐったりとベッドに身を預けているクラウディオを見て、アルカディアはぞくりと背筋が粟立つのを感じた。
もっと見たい。もっと乱れて欲しい。
「……くらでぃお」
「はぁ…は、…ぁ……?」
耳元で囁くと、焦点の合っていない瞳がこちらを向いた。
アルカディアは彼の手を取り、そそり立った自分のものを握らせる。
「これ、挿れさせて」
「……は、…ちょっ、とまて」
「お願い」
甘えるように言って、そのまま彼の手に自身を擦り付ける。
達したばかりのそこは敏感になっていて、擦れる度にビリリと電流のような快感が走った。
クラウディオは眉根を寄せて顔を歪めた。
どうやらまだ眠気が覚めてはいないらしい。抵抗しようと思えばできるはずなのに、されるがままに受け入れてくれている。
それが嬉しくて、つい調子に乗ってしまう。
「ね?ね?くらでぃお、お願い」
顔を近付けてとびきり可愛い顔でおねだりをすると、彼は困ったようにアルカディアを見上げた。その表情にきゅんとする。
「挿れるのはなしだ」
「えぇ〜…なんで?」
「疲れてる……」
「1回だけ」
「駄目」
「……じゃあ口でして?」
「……」
「舐めて飲んで欲しい。ねぇ、お願い」
「…少しだけだぞ……」
「やったぁ」
渋々といった感じだが許可してくれた。
やはり眠くて思考力が鈍っているらしい。普段の彼なら絶対に駄目な時は駄目と言うはずだ。
そんなことを考えながら、彼の頭を撫でてやる。
「くらでぃおだいすき」
「……知ってる」
クラウディオの腕を引いて体を起こさせる。
そして自分はベッドに膝立ちになると、彼の頭を抱え込んで股間に押し付けた。
「くらでぃお」
「ん…」
促せば、躊躇いがちに口が開かれた。
ぱくりと先端をくわえられる。
温かい口内に包まれて、それだけでも気持ちいい。
「ふ……う…」
「ぁ……♡」
ちろ、と舌先で割れ目をなぞられて腰が跳ねる。
そのままゆっくりと奥まで迎え入れられていく。
根元まで飲み込むと、喉の奥がきゅうと締まった。
「ん、んん…ッ…」
苦しそうな声を上げる彼の後頭部を押さえて、更に深くまで押し込んだ。
ごちゅごちゅと何度も喉を突かれて、彼の目尻に涙が浮かぶ。
「ん、ん…ッ……」
「は……ぁは…♡」
愛しい人の口を犯しているという実感に、思わず笑みが零れた。
腰を動かせば、くぐもった声と共にじゅぶ、と卑猥な音が響く。
時折当たる歯が、また気持ちいい。
クラウディオの手がアルカディアの太腿を掴んで、耐えるようにぎゅっと握り込む。
その仕草に、胸がきゅううんと締め付けられた。
「はっ、すき…くらでぃお♡」
好き好き大好き。可愛い愛してる。
クラウディオの頭を強く抱き寄せて、欲望のままに打ち付けた。
「ふぁ……ッ♡♡ん、ん〜ッ!♡♡」
「ん……ッ!」
びくんッとアルカディアのものが脈打ち、勢いよく精液が吐き出された。
びゅるるる、と勢いよく出たものが彼の口内に注がれていく。
射精している間もゆるゆると腰を動かすと、くぐもった喘ぎが聞こえてきた。
全て出し切ったあとも抜かずにいると、クラウディオの口の端から白濁液が溢れ出てくる。
「は……飲んで♡」
熱に浮かされたような声で囁くと、クラウディオは眉間に深く皺を寄せた。
それからごくりと喉仏が上下する。
彼が自分の精を飲み込んでいるという事実に、ゾクゾクとした感覚を覚える。
こく、こく、と何度かに分けて嚥下したのを確認してからようやく解放する。
「ん、けほ……っ」
「大丈夫?」
「…ああ」
口元を手で拭いながらクラウディオはゆっくり瞬きしている。彼はむくりと体を起こして、サイドテーブルに置いていたウィスキーを一気に煽った。
「ぼんやりしてるね」
「まぁ…寝起きだからな」
かすれた声がまた色っぽい。
もう何度目か分からないが、好きだなぁと思う。
この人が自分の恋人なんだと思うと、嬉しくて堪らない。
クラウディオは自分の腹に散った二人分の精液をのろのろとした動作で拭っている。本当に眠そうだ、可愛い。
アルカディアは両手を伸ばして、クラウディオを抱え込んだ。彼の頭に頬を乗せて、うっとりと目を細める。
「くらでぃお可愛いね」
「…何度も言うがそんなわけあるか」
「ううん、可愛いよ」
そう言って微笑めば、彼は諦めたようにため息をつく。
そのままアルカディアの背中に手が回されて、ぽんぽんと優しく叩かれた。
まるで子供をあやすかのような手つきだ。
それがなんだかくすぐったくて心地良い。
アルカディアは甘える猫のようにぐりぐりと頭を擦り付けて、クラウディオの首筋にキスをした。
「…眠い」
「珍しいね、酔った?」
「お前のせいで疲れてるんだ」
不機嫌そうな声音とは裏腹に、抱きしめ返してくれる腕は優しい。
そんなところも好きで、アルカディアはくすりと笑みを漏らした。
「寝る?」
「…ん」
クラウディオはアルカディアごとベッドに転がる。まるで抱き枕のように足まで絡めてくるものだから、可愛くて仕方がない。
「おやすみ、くらでぃお」
「ん」
ちゅ、と額に唇を落とすと、すぐに穏やかな寝息が聞こえてきた。
その様子に小さく笑って、アルカディアはそっと瞼を閉じる。
彼の温もりを感じながら眠りにつくのは、とても幸せな時間だった。
「ぐぇぇ、ごえんなひゃい」
翌日。アルカディアはクラウディオに、無理矢理大嫌いなレバーを口の中に突っ込まれていた。
「ごめんってばぁ…」
クラウディオは昨夜のことをしっかり覚えていたらしい。彼がほとんど寝てるのをいいことに好き勝手していたことはちゃんとバレていた。
「…うぎゅ…」
不味い。レバーは嫌いだ。
でも食べないと許してもらえない雰囲気である。仕方なく咀噛して飲み込む。
「んぐ…ぅ……」
「美味いか?」
「おいしくない……」
「だろうな」
くつくつと喉を鳴らして笑うクラウディオを恨めしげに見上げる。
彼は満足げに目を細めて、アルカディアの口端に付いた汚れを指先で拭い取った。
「まぁこれぐらいにしておいてやる」
「う゛〜…」
「反省しろ」
「ごべんなしゃい……」
よしよしと髪を撫でられる。
子供扱いされているようで少し悔しかったが、それでも褒められたことが嬉しかった。
やっぱりこの人には敵わない。
「……口直しして」
アルカディアが拗ねた口調で言うと、彼はふっと口角を上げる。
そしてゆっくりと顔を近づけてきて、その柔らかな感触に心が満たされていくのを感じた。