俺はしがない製造会社の社員である。
今、なんとあの有名な『エスタシオン』のクラウディオ社長がこの都市に訪れているらしい。
数々の会社と商談するらしく、俺が勤める会社にもやって来るという。
この国グレイヴェーラでエスタシオンを知らない人はいないだろう。それほどまでに有名な企業だ。
有難いことに、うちの会社とは何度か取引をしていて、俺は社長とも会ったことがある。
とにかくすごいオーラを放っている人だった。体格の良い長身に、とんでもなく整った顔。そして何より…大人の魅力があった。
年齢は聞いたことがないけれど、恐らく四十代後半くらいだろうか?しかし、とてもそうは見えない若々しさだった。
俺は正直言って一目惚れしたのだ。
だってあの顔、あの体、そしてあの声!全てが最高じゃないか!!だが、俺は所詮ただの会社員。相手は大企業の社長様。俺なんかがお近づきになれるはずもない。
そう思っていたら、なんと俺が!彼が宿泊するホテルの案内係として選ばれたではないか!
これはチャンスだとばかりに、同僚たちに自慢してやった。みんな羨ましがっていたよ。
クラウディオ社長と何度か仕事をしていたことから選ばれたのかもしれない。まぁ、それはいいや。それよりも。
この絶好のチャンス。社長にどうにかして近付きたい。彼の連絡先だったり、プライベートなことを聞いたり。あわよくば食事とか誘えたら…。
そしてそして、あわよくば…あんなことやこんなことを……。
あの社長の体ならきっと素晴らしいものに違いない。抱き着きたい。触ってみたい。舐めてみたりもしたい。あの髪から香る匂いはどんな香りなのだろう?想像すると興奮してきた。
ああ、早く会いたい。会いたくて仕方ない。
──しかし、俺はただホテルを案内するだけだ。
実際ロビーから客室までのほんの数分間しか話すことはできないだろう。
どうする?どうすれば良いんだ!?
…………待てよ。
社長が泊まる部屋はこの都市一の高級ホテル、最上階のスイートルームだ。もうとにかく広いだろう。広すぎるほどだ。
…ということは…つまり…部屋の中にカメラを仕掛けられるんじゃないか?広すぎる部屋の中から、カメラを見つけることなんて不可能に近い。ましてやそれが隠し撮り用の小型カメラとなると尚更だ。
これしかないと思ったね。
俺は大急ぎで大量にある仕事を押し退け、定時になると一目散に帰宅した。そして自宅に戻ると、すぐに準備に取り掛かった。
まずは小型のカメラを購入する。それから盗聴器。後は…いざと言う時のための睡眠薬と催淫剤。
よしよし。完璧だ。
そしてカメラをリアルタイムで映すため、持っているパソコンの他に激安のタブレットも購入。
全部でそれはもう高くついたが、そんなことは関係ない。全ては俺の夢のためなんだ。
そして翌日。
俺はホテルの下見という名目で、クラウディオ社長が泊まる部屋に訪れた。
部屋の中はまさに圧巻だった。天井にはシャンデリアがあり、壁際には立派な暖炉まで備え付けられている。
ベッドは大きく、その周りには天蓋が付いていた。テレビも大きくてまるでシアタールームだ。
「うわぁー……」
俺は思わず声を出してしまった。
しかし、これだけ広ければ大丈夫そうだ。早速仕掛けるとしよう。
俺は部屋の中をくまなく調べて、巧妙にカメラや盗聴器を仕掛けていく。
全て仕掛け終わり、俺は来る日のために自分用の客室を予約することにした。いざと言う時のため、いつでもこの部屋へ突撃できるようにしておくのだ。
そしてカメラとパソコンを同期しておかねば。
さぁ、楽しみになってきたぞ!
「ようこそ、おいでくださいました!」
目の前には、あのクラウディオ社長だ。
心臓がうるさい。今日も素敵だ。格好いい。美しい。最高です。ありがとうございます!
しかし、俺は平静を保つように努力した。ここで不審な態度を取ってしまっては全てが水の泡だからな。
「ではこちらへ…」
俺は社長と一緒にエレベーターに乗り込むと、最上階へと向かった。
最上階はワンフロア丸ごと貸し切りになっている。この階には他に客はいない。つまりあわよくばも有り得るということ…!
「こちら部屋の鍵で御座います。ごゆっくりお過ごし下さい」
「ああ、ありがとう」
ここで彼の腕を掴んで部屋に連れ込めたら良かったのだが、流石にそれはできなかった。
俺は名残惜しく思いながらも頭を下げる。社長は優しく微笑みながら鍵を開けると、そのまま室内へと入っていった。
俺はその後ろ姿を見送る。
ああ、あの人の体を堪能したい!あの肌に触れたい!あの髪を撫でてみたい!あの唇を奪ってしまいたい!あの体に抱き着いて、あの匂いに包まれて眠りにつきたい!あの人を俺だけのものにしてしまいたい!!
俺は社長の姿が見えなくなると同時に走り出した。
慌てて自身が取った部屋に駆け込み、カメラの映像を確認してみる。
するとそこには、スーツを脱いで寛いでいる社長の姿が映し出されていた。
ソファーに腰掛け、足を組んでいる。その姿はあまりにも官能的だった。見ているだけで興奮してくる。
ああっ!あの足を舐め回してやりたい!舐めて、舐めて、舐めて!しゃぶりつくしてやりたい!あの綺麗な顔を快楽に歪ませて、俺のモノで滅茶苦茶にしてやりたい!
我慢できずにズボンの前を開くと、既に俺のアレは元気になっていた。
俺は自分の性器を取り出すと上下に扱き始める。
社長が欲しい。社長を抱きたい。社長に愛されたい。社長とセックスがしたい。
社長はジャケットとネクタイを外すと、それをハンガーに掛けた。ベストのボタンを外し、シャツの袖のカフスボタンを取る仕草が色っぽい。
俺は堪らず、右手の動きを早めた。
──社長!俺の、俺のチンコを握ってくれ!!
「んっ…ふぅ……はぁ…はぁ…、社長ぉ……はぁ…好き……好きです……はぁ…はぁ……社長……ぁ…はぁ…イクッ……!!」
手の中に熱い液体が吐き出される。
俺は肩で息をしながら、余韻に浸っていた。
社長…好きだ……。
映像の中の社長はとてもセクシーで、俺の想像を遥かに超える程だった。
これは凄まじいオカズになる。
そう思ったらまた興奮してきた。
彼はルームサービスを頼んだようで、テーブルの上にはワインやグラスが置かれている。
社長はそれらを眺めると、やがて一つを手に取り口を付けた。
そして、そのグラスをゆっくりと傾けていく。
──ゴクリ。
喉仏が動くのが見えた。
俺は思わず生唾を飲み込む。
社長が飲んだ。社長が口に含んだ。
興奮するなという方が無理だ。
興味深げにワインのボトルを眺めている。どうやら銘柄が気になったようだ。
瞬きする度に長いまつ毛が強調される。
俺はその様子に釘付けだった。
暫くすると、社長の端末に着信があった。
『ああ、おつかれ。今どこだ?』
俺は電話に出た社長の声に、つい目を丸くした。ぴたりと自身を扱く手が止まる。
だって、声がまるで違うのだ。
ものすごく、甘い響きを持っていた。
とても色気があって、優しい声音だ。こんな声聞いたことがない。いつもは凛とした力強い声なのに。
『駅から出てすぐのところだよ。一番背の高い建物、わかるか?』
俺は社長の言葉を聞き漏らさないよう、耳を傾ける。
駅からすぐの背の高い建物はどう考えてもこのホテルだ。ということは誰かがこのホテルに向かってきているということか?
『ああ、そこだよ。ゆっくりおいで』
社長はそれだけ言うと通話を終えた。
そしてポケットから煙草を取り出す。
煙草なんて吸うのか。普段の社長からは想像もできない。
でも似合っている。格好いい。
俺は画面に映っている社長の姿を食い入るように見つめた。
「はぁ…はぁ……社長…もっと、声聞かせてください……」
俺は再び自身のものを握り込んだ。
そして激しく扱いていく。
煙を吐くその唇、煙草を持つ長い指。全てがエロくて、魅力的で、最高だった。
すると、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
社長はゆったりと立ち上がり、ドアの方へ向かう。
慌てて映像を切り替え、玄関前の様子を窺った。
『くらでぃお!』
俺はまたもや目を丸くした。
部屋に飛び込んできた赤い長髪の男。とてつもなく、綺麗な顔をしていた。それはもう見たこともないくらい、芸術品のような。
男は社長に飛び付いて、足を絡めて抱き着いた。
──というか、今呼び捨てで呼ばなかったか?
『迷わなかったか?』
『だいじょぶ』
社長は男の頭を撫でながら優しく微笑んでいる。
俺の手はいつの間にか止まっていた。
そして一瞬で理解する。
二人はそういう関係なのだということを。
恋人同士なのか?それともセフレとか…?
いや、今はそんなことはどうでもいい。それよりも、あの男が邪魔だ。俺は歯軋りをした。
あの男さえ居なければ、社長は俺のものになっていたかもしれないのに!
社長は男を抱きとめたままソファーに腰掛ける。
男は社長の膝の上でぴったりとくっついていた。
『私がいない間、何も無かったか?』
『なかった。暇だった』
『はは、それは悪かったな』
社長の顔は蕩けるような笑みを浮かべていて、俺の心は嫉妬でいっぱいになる。あの笑顔は俺に向けられたものじゃない。俺じゃなくて、あの赤毛の男に向けられたものだ。
あの男は誰なんだ。何故あんなにも親しげにしているんだ。
俺は悔しさに唇を噛み締めた。
あの美しい男を殴りたい衝動に駆られる。
しかし、社長はあの男を愛しそうに見つめていた。
──許せない。
あの人にとってあの男は特別だということがよくわかった。
だからと言って諦めるわけにはいかない。
俺の方があの男より優れているはずだ。
『くらでぃお』
男の両手が、社長の頬を包む。そのまま二人の顔が近付くと、唇が重なった。
ちゅ、と軽いリップ音を響かせて、何度も角度を変えてキスをする。
俺はその様子を食い入るように見ていた。
──羨ましい。俺も、俺もあの人とキスしたい。
俺は自分の唇を触ってみた。
あの人の唇はどんな感触なんだろう。柔らかくて、きっとしっとりとしていて、温かくて、気持ちが良いに違いない。
『夕飯は?』
『まだ。一緒に食べよ』
『ああ、もちろん』
俺は画面の前で頭を抱えた。
食事まで一緒だと!?ふざけるな!俺がどれだけ我慢していると思っている! 俺だって社長と一緒に食事をしたい!
『好きなもの頼むといい。どうする?』
『ハンバーグにする』
『じゃあパンもつけてもらおうか』
『うん!』
俺は怒りのあまり震えた。
どうして、俺ではないんだ。
俺だって社長とご飯を食べたい。
社長は端末を操作し、料理を注文した。
俺はその間も、二人から目が離せなかった。
食事が来ても、ずーーーっといちゃいちゃいちゃいちゃしやがって!甘い、甘すぎる。胸焼けがする。
何が悲しくて好きな人と他人のイチャイチャを見せられなきゃいけないんだ。
社長はワインを飲みながら、時折男の口元を拭ったり、髪を撫でたりして甲斐甲斐しい。
まるで母親みたいだと思ったが、その光景はとても官能的で背徳的だった。俺は堪らず、また自身を扱き始める。
映像の中の社長は、先程よりも更に色気が増していた。
『美味いか?』
『ん、おいしい』
『良かった。ほら、こっちも食べるといい。これも好きだろ?』
社長はフォークに刺さった肉を、男に差し出した。
──は?
男は嬉々としてそれを口に含む。
社長はその様子に満足そうな表情を浮かべると、自分も一口食べた。
羨ましい。羨ましい。羨ましい。
「くそッ!!」
俺は思わず声を上げる。
社長だけを見たいのに。社長のことだけを想っていたいのに。
俺の視界に入ってくるのは、この世で一番憎らしい男の姿だった。
社長は暫くの間、男の相手をしていたが、やがて席を外すとバスルームへ向かった。シャワーを浴びるつもりのようだ。
俺は画面に張り付いて、必死でその姿を追った。
やっと社長が一人になった。しかも、待ちに待ったシャワーシーンだ!これを見逃す手はない。
バスルームで社長は一つ一つ、シャツのボタンを外していく。俺は息を荒げ、食い入るように見つめた。
シャツを脱ぐと、引き締まった肉体が現れる。俺は再び自身のものを握り込む。
「はぁ、はぁ……社長…、はぁ……はぁ…社長ぉ……」
俺はうわ言のように繰り返しながら、激しく扱いた。
そしてついに、社長の手がズボンにかかる。
ベルトを緩め、ジッパーを下げた。
俺は期待で喉を鳴らす。
ゆっくりと、その手が下へ降りていく。
俺は興奮で頭がおかしくなりそうだった。
あと少し、もう少しで社長の秘密の場所が見える。
「──!」
ズボンを下ろし脱ぎ捨てる。下着姿の、社長。それはもう、最高な眺めだ。
そして、遂に見えた───。
社長のそれは、想像通りと言うべきか。でかくて立派なものだった。
「はっ、はぁ……すごい…でかい…はぁ……社長…社長……」
俺は激しく扱いた。早く、早く俺のものになってくれ。そして、めちゃくちゃに犯したい。俺の下で喘いで欲しい。俺だけのものにしたい。
画面の中で社長は、シャワーのコックを捻り、お湯を出し始めた。
「はぁっ、はぁっ、ああ、もう、出るっ!出ますっ!社長っ!うっ、あああっ!イクっ!!イッくうぅっ!!!」
俺は盛大に射精した。
勢いよく飛び出してきた精液が、液晶画面に降りかかる。
俺は肩で大きく呼吸をしながら、慌ててティッシュで拭いとった。
社長は髪を洗っている。社長の裸が見放題だ…。
「はっ、はっ、イクッイクッ」
扱く手が止まらない。俺は夢中でそれを上下させた。
社長、綺麗だ。美しい。もっと、俺に見せてくれ。全部見せて欲しい。隠さないで。俺に、全てを見せて──!
「うあっ!はあ、はあ、はあ、はあ……」
びゅるるるっと音を立てて、三度目の絶頂を迎えた。
俺は放心状態で天井を見上げる。
──気持ちよかった。
でも、足りない。全然満たされない。
俺は重い身体を引き摺って、浴室に向かった。
シャワーを浴びて戻ってくると、男もシャワーを浴び終えたようで、濡れた髪のまま出てきた。
『おいでアルカディア』
あの男はアルカディアという名前らしい。社長は男の手を引いて、ベッドに向かうとそこに座らせた。
そして、男の頭をタオルで優しく拭いてやる。まるで子供のような扱いだったが、男の方はそれが嬉しいのか、されるがままになっていた。
俺は苛立ちを覚える。あの男が邪魔で仕方がない。
ドライヤーを使って、丁寧に乾かしてあげている。その間、男はずっと社長の顔を見てニコニコしていた。
──ああ、イラつく。
俺は画面に向かって舌打ちをした。
あの男さえ居なければ、今頃は社長とセックス出来ていたかもしれないというのに。
『はい終わり』
『ありがとお』
愛おしそうな手つきで、男の髪を撫でる社長。俺も社長の髪を触ってみたい。
俺の手で乱れる姿が見てみたい。
あの男のせいで、全てが台無しになってしまった。
画面内では男が社長に抱き着いて、ベッドに倒れ込んでいる。社長のあの手が、頭を撫でて、頬に触れて。
体の上に乗り上げてぴったりくっついている男の顎を、社長が優しく掻いてやる。まるで猫にするように。するとごろごろと喉が鳴りそうなほど、男はうっとりと目を細めた。
──あれ?なんか…。
『ん〜、ふふ…もっと』
『はいはい』
顎の下を撫でられて、幸せそうに笑う男。
そういえば、社長は猫を飼っているという噂を聞いたことがある。その猫というのは、もしかして…この男のことだったりするのか…?
『ふふ、可愛い』
『ん〜?』
あれあれ?なんか…あれ?
かわ、いい……かも……?
俺は画面に釘付けになった。
男…アルカディアは確かに驚くほど顔が綺麗だ。どちらかと言えば、可愛さより美しさの方が勝るタイプだと思う。
先程、社長がシャワーを浴びる際に映像を切り替える寸前。一人になった瞬間の、あの真顔を思い出す。この世のものとは思えないほど、美しく憂いのある表情。
きっと、こんな甘く蕩けた表情をしているのも、社長の前でだけなのだ。
──ちょっと、可愛いじゃないか。
俺は少しだけ、ほんの少しだけ、この男のことを見直した。
社長の手にじゃれついて甘える仕草は、本当に子猫のようだ。
『んむっ』
瞬間。社長がアルカディアに噛み付くようなキスをした。まるでアルカディアの唇を食べてしまうかのようだ。咀嚼するかのように、何度も角度を変えて口付ける。
俺は無意識のうちに、自分の口を手で覆っていた。
ちゅぱっ、と音をたてて離れると、二人の唾液が糸を引いた。
「うわ…すげ……」
エロすぎる。あんな激しいキスをされたら、誰だって骨抜きになってしまうだろう。俺なんて、すぐに勃起してしまう自信がある。
『んぅっ』
再び社長がアルカディアの唇に噛み付く。今度は、その舌を吸うように絡めた。
アルカディアは夢中でそれに応えている。その姿は、やはり、どう見ても──。
───かわいい。
「……」
俺は言葉を失った。
嘘だろ。信じられない。
『ん、ん…ぅっ!?』
ぴくんっ、とアルカディアの体が跳ねる。社長の手が、アルカディアの尻を揉みしだいていた。
──やばい、これは、想像以上にクるものがある。
離れようとするアルカディアの後頭部を押さえつけて、更に深く貪る社長。時折漏れる吐息が色っぽい。
『ぁ……』
『アルカディア』
社長の手が後頭部からするりと移動して、アルカディアの口元に差し出される。アルカディアはその指をぺろっと舐めると、口に含んでしゃぶり始めた。まるで赤ん坊のように吸い付いて、美味しいものを味わうかのように舌を動かす。
『ん、んっ、ぅっ』
くちゅくちゅと水音が響く。
その間も尻への愛撫は止まらない。割れ目に沿うようにして、ゆっくりと焦らすように撫で回している。
アルカディアは腰を揺らしながら、一心不乱に社長の手を舐め続けた。
『んぅっ!』
社長の手が、尻から胸へと移動する。
服越しに乳首を摘まれて、アルカディアは声を上げた。
『んあっ、あっ、あっ♡んうッ♡』
くりゅ、くにゅ、こりゅ、かりゅ。
ぴくぴく体を跳ねさせながらも懸命に社長の指を舐め続ける姿は健気だ。
俺はいつの間にか、股間を握りしめていた。痛いくらいに勃ち上がっている。
『ぁんっ!?』
ぐるんと社長が体勢を変え、アルカディアに覆い被さった。そして、片手で器用にアルカディアのズボンと下着を下ろす。
露になったアルカディアのものは既に完全に立ち上がっていた。
『あっ…ぅ』
アルカディアの唾液で濡れた社長の指が、彼のアナルに触れる。くるくる縁をなぞるように撫でてから、つぷんと中へ侵入させた。
『あ、あっ、んッ、んん……っ♡』
ずぶ、ぐじゅ、とゆっくり出し入れされる。
最初は苦しそうにしていたアルカディアだったが、次第に甘い喘ぎ声を上げ始める。
「は…すげぇ……マジかよ……えろ…」
俺はもう、興奮を抑えることが出来なかった。
扱きながら画面を見つめる。
『あん、んっ、ん、んっ♡』
社長の太い指が、二本、三本と増えていく。
アルカディアは顔を真っ赤にして震えていた。でも、気持ち良さそうだ。
『そろそろいいか?』
社長の問いに、アルカディアはこくこくと必死になって首を振る。
社長の方も我慢の限界だったようで、性急に衣服を脱いだ。
画面いっぱいに映し出された男の裸体。
「…うっ…」
鍛えられた筋肉質な身体に、俺は思わず生唾を飲み込んだ。
──かっこいい…。
こんなに美しい男を見たことがない。
『ぁ…くら、でぃお…』
『…ん?』
『か、かっ…』
『何だ?言ってごらん』
『……っ…かっこい…』
『ふふ、ありがとう』
──可愛い。
そう思った瞬間、ぞくりと背筋が粟立った。
俺はどうかしてしまったのか? 可愛い、可愛い、可愛い……!
めちゃくちゃにしたい。
この男を──アルカディアを滅茶苦茶に犯してしまいたい。
アルカディアを組み敷いて、泣き喚かせてやりたい。
社長も一緒に可愛がってあげよう。
三人でセックスしたら、きっともっと楽しいに違いない。
俺は自分の想像だけで達しそうになる。
社長はアルカディアの細い真っ白な足を肩に担いで、そのまま挿入した。
『んあっ!?♡』
アルカディアが大きく仰け反る。びくん、びくん、と痙攣するように小刻みに震えている。
──挿れた瞬間にイっちゃったんだ。
なんだそれ。可愛すぎるだろう。
社長が腰を動かし始める。
その度に、アルカディアの口から悲鳴のような喘ぎが漏れた。
『ひゃうっ、やぁっ、やらっ♡まだっ、うごくのっ、だめっ♡』
『なんで?嫌なのか?』
『うぅ〜っ、いじわるぅ……っ、ぁんっ、んっ、んっ♡』
『はは、意地悪で結構』
社長が動くたびに、アルカディアの体は激しく揺れた。ベッドのスプリングがギシギシと軋む音を立てる。
アルカディアの細い腰を、社長が両手で鷲掴んで引き寄せる。更に深く繋がったことで、彼は一際大きな声で叫んだ。
『きゃうっ!?♡』
『ほら、ここが好きだろう?』
『あっ♡あっ♡すきっ♡♡』
社長の亀頭が、アルカディアの前立腺をぐりゅっと押し潰すのだろう。
アルカディアは目をハートマークにして善がっている。
──なんて淫乱な奴だ。
──なんて可愛いやつだ。
『あぅ…っ、やぁ…っ♡そこばっか…やだぁ……っ♡』
『どうして?好きなくせに』
『ぁん…っ、好き…だけどぉ…♡』
『けど?』
『ん…っ、ぁ…くらでぃおの……っ♡おっきくて…っ、こわい…』
あー……もうダメだ。無理。
限界。耐えられない。可愛すぎる、エロすぎる。
俺は慌てて鞄の中からオナホを取り出した。
ローションをぶっかけて、ガチガチになったペニスを突っ込む。
「ううっ…」
気持ち良い。
最高に、気持ちが良い。
『はぁ…本当に…可愛いなお前は』
社長は甘い吐息を漏らすと、腰の動きを速めた。パンッ、パチュッ、と肌同士がぶつかる音が響く。
『あぅっ♡あっ♡あんっ♡んっ♡んっ♡』
アルカディアは揺さぶられるままに声を上げた。口の端からは唾液が流れ落ちている。
「はあっ、はあッ」
俺も2人に混ざっているかのような錯覚。アルカディアを犯す社長を後ろから突いているような気分で、めちゃくちゃにオナホに腰を打ち付ける。
『んんっ♡あっ、あっ、くらでぃお♡』
アルカディアは、社長に抱きついて必死にしがみついている。
その姿が、また、たまらない。
『うん?どうした?』
『キスして…』
『ふふ、いいよ。いくらでも』
二人は舌を伸ばして絡め合う濃厚なディープキスをした。
その間も激しいピストンは止まらない。
『ふっ、んっ、ん…っ♡んん……っ♡』
『ん…っ』
社長はアルカディアの頭を優しく撫でると、一旦口を離す。そして、今度は唇ではなく耳元に寄せて囁いた。
『愛しているよ、私のアルカディア』
『……っ!♡♡』
びくんっ、とアルカディアの体が震えたかと思うと、仰け反ってがくがくと激しく痙攣する。彼の性器からも精液が飛び散っていた。絶頂を迎えたのだ。
『〜〜〜〜ッッ♡♡♡♡ぁ♡♡♡♡』
アルカディアは言葉にならない叫びを上げて、社長の背中に爪を立てて引っ掻く。その痛みすらも心地よいのか、社長はくつくつと笑みを浮かべていた。
『……言葉だけでイッたのか』
社長の言葉に、アルカディアは何も答えない。
虚ろな瞳で天井を見つめているだけだ。
──意識が飛んでいる。
そんな状態なのに、痙攣しながら社長の律動に合わせて無意識に腰を動かしてしまうアルカディアが可愛くて仕方がない。
『ぁ…♡ぁ、う…♡』
アルカディアは可愛すぎるし、社長はかっこよすぎるし、俺は二人をオカズにめちゃくちゃにオナニーをしているしで、もう、訳がわからなくなってきた。
2人を、犯しまくっている。
俺は今、2人を犯しているんだ。
「お゛っ…おぉっ……!♡」
どぴゅっ!どぷっ、ごぽごぽごぽ…っ!
勢いよく射精しても、俺は手を止めなかった。
むしろもっと興奮してきた。
『はっ…はぁ…』
アルカディアの頬や首にキスをしながら、社長はラストスパートをかけるように腰を動かした。
アルカディアの細い腰を持ち上げて、下から突き上げるようにして攻め立てる。
ゆらゆらと揺れていたアルカディアの瞳の焦点が戻って来た。意識が戻ってきたようだ。
『んぁっ!?♡』
『おはよ。もう終わるから頑張ってくれ』
『や、やぁっ♡くぁいおっ♡』
ごちゅごちゅと奥まで貫かれて、アルカディアは再び快楽の海へと沈んでいく。
俺も。俺も。
アルカディアの中の奥の奥まで、いっぱいにしてやりたい。社長の奥を、滅茶苦茶に掻き回したい。
可愛い。2人とも、すごく、かわいい。
『あぅっ♡あっ♡んっ♡んん〜〜〜っ!!♡♡』
『んっ、はぁ……』
アルカディアが達すると、少し遅れて社長が中に出したらしい。
熱い白濁が注がれていく感覚に、アルカディアはふるりと身体を震わせていた。
「ふっ…ううっ!お、…ほぉっ!♡♡」
俺も我慢できずに再びオナホの中にぶちまけた。
どろりとした濃い精子が、2人の体内に入っていく。
そう考えると、ゾクゾクして堪らなかった。
「はぁっ……はぁ…っ」
肩で息をする俺とは対照的に、社長は涼しい顔だ。
そのままゆっくりと引き抜くと、アルカディアのアナルからは白い液体が溢れ出てきた。
──あぁ、勿体無い…。
ごくりと生唾を飲み込む。
「あぁ…あぁ……っ」
俺は再び自分のペニスに手をかけた。
──まだ足りない。全然足りない。
もっと、もっともっと、欲しい。
俺は狂ったようにオナホに腰を打ち付けた。
「ううっ…うううっ……!」
ぐちょっ、ぬちっ、ずぼっ、じゅぶっ、ぢゅこっ…!
『は、ぁう…っ♡あ……♡』
『…大丈夫か?』
『う、ん…へいき……』
社長はアルカディアの頭を優しく撫でる。
アルカディアは小さくこくんと頷いて、社長の首筋に甘えるように擦り寄った。
「はぁッ、はぁッ……」
俺はまだ、2人をオカズにオナニーを続けている。
あぁ、可愛い。2人は本当に可愛い。可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い。
「うっ、しゃ、ちょうっ♡社長ッ♡」
──好き、好きだ、大好き。
画面を見つめながら腰を振りたくる。
社長、社長。あなたは最高です。あなたは、美しい。あなたの全てが好きです。
中に入れたい。入れたい。社長の中でイキたい。
ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちょんっ…!
『んん〜…くらでぃお…』
『ここにいるよ』
『すき…』
甘ったるい空気。可愛い。可愛すぎる。
可愛い、アルカディア。お前は本当に可愛い。
『私も愛しているよ』
『んふ…』
「お、俺もっ…!愛してますっ…!!社長…!あ、アルカディアッ♡」
──愛しています。愛しているんです。
犯したい。めちゃくちゃに犯してしまいたい。
俺の下で喘いでください。俺に犯されて乱れてください。
「う、ぐ…っ!で、る…ッ♡イクッイグ
ゥッ♡♡♡」
びゅくっ!びゅくくくくっ!どぷっ、どぷぷぷぷっ!
「おほっ♡♡おおおッッッ!!!♡♡♡♡♡♡」
2人に思いっきり射精する妄想をしながら、俺は盛大に果てた。
大量の精液がモニターに飛び散って、床にもボタボタッと垂れ落ちる。
「はぁーッ♡♡はぁッ♡♡はぁッ♡♡はぁッ♡♡♡♡」
──気持ち良い。
最高に、気持ちが良い。
オナニー後の賢者タイムなんて、もうすっかり忘れてしまった俺は、しばらくの間、2人をオカズにオナニーに耽っていた。
翌日。
会社に出勤した俺の目に飛び込んできたのは、クラウディオ社長だった。
「…ッ!!?」
俺は慌てて顔を背ける。
昨日あんなにオナニーしたというのに、社長を見ただけでまた興奮してしまったのだ。
何故社長がここに。
そう思ったが、今日はうちの会社との商談の日だ。社長が来るのは当然だろう。
駄目だ、昨日のことが頭から離れない。
下半身が熱を帯びていくのを感じる。
「おはよう」
「お、おはよ、ございます…」
社長の瞳が俺を映した。社長からの挨拶に、俺はぎこちなく返事をした。
──やばい、勃起しそう。
「昨日は案内ありがとう」
「い、いえ…とんでもないです…」
目が見れない。心臓がバクバクと音を立てる。
どうしよう。今すぐトイレに行きたい。
しかしそんなこと、口が裂けても言えない。
「あの、く、クラウディオ社長…俺…ぁ、いや…私はこれで…」
足早に社長の元を去ろうとしたが、社長がそれを許さなかった。ぽん、と俺の肩に手を置く。
「ぇ?」
「…随分楽しんだようで何より」
社長はにっこりと微笑んで、俺の耳元で囁いた。
ぞくりと全身に鳥肌が立つ。
「…………え?」
思わず社長を見上げる。
そしてすぐに後悔した。
見るべきではなかった。社長は笑っている。
でもその目は笑ってなどいなかった。
「……私の可愛い恋人をたっぷり堪能してくれたようだね」
「……っ」
その言葉に、俺は全身の血が沸騰するような感覚に陥った。
「な、なんのことですか…」
バレている。完全に、俺のしたことが社長にはバレてしまっている。
何故?カメラを見つけたのか?そうだとしても俺が仕掛けたかどうかなんて、わかるはずがないのに。
冷や汗が止まらない。俺は無意識のうちに後退りしていた。
「はは、逃げるな」
ぐっと肩に置かれた手に力が込められる。
ぼたぼたと額から脂汗が流れ落ちた。
琥珀色の瞳に映る俺は、とても情けない顔をしている。がたがたと身体が震え出す。
薄く笑んでいた社長の口角が、さらにゆっくりと持ち上がった。
まるで、玩具を見つけた子供のように。
まるで、獲物を見つけた獣のように。
「一度は許そう。だが二度目はどうだろう」
「ぁ…あ……あ…」
「君次第だ」
「…ひ、ぁ……っ」
社長はするりと俺の首を撫でて、そのまま踵を返して立ち去った。
残された俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
あの人は、俺を殺す気だった。
首を撫でられた時、ほんの一瞬だけ。喉仏のあたりに力を込められた。あれは間違いなく殺意だ。
俺は、殺されるところだった。
「あ、はは…」
慌てて近くのトイレに駆け込む。
個室に入って鍵をかけると同時に、俺はズボンの前を寛げた。
「う、あぁっ…」
既に完勃ちしているペニスを握る。
──殺そうとした。俺を殺そうとした。
あの人が、俺を!あの美しい手で!美しい声で!美しい笑顔で!美しい顔で!美しい目で!美しい髪で!美しい唇で!美しい舌で!美しい歯で!美しい爪で!美しい腹で!美しい脚で!美しい尻で!
ぽたぽたと精液混じりの先走りが便器の中へと落ちていく。
「はっ、はっ……!」
素敵、だった。
怖かった。恐ろしかった。だけどそれ以上に、興奮した。
俺の手で汚してやりたい。俺のこの手で、ぐちゃぐちゃにして、俺のものにしたい。
「しゃちょ…うっ……♡」
あぁ、欲しい。全部欲しい。あなたの全てが。あなたという存在そのものが。
──狂ってる。
自分の思考回路に吐き気がした。
それでも手の動きは止められなかった。
「うっ…!ぐぅ……っ!!」
びゅるっ!!びゅるるるるるるるるるるるる!!
勢いよく飛び出した白濁は、便器の中に収まりきれずに溢れ出た。