drug honey



ばちっ、ばちっと視界の中で火花が散る。勝手に体が跳ねて、頭がぼーっとして、気持ちいいのか苦しいのかもわからない。
目の前にいるのは、クラウディオ。
…クラウディオ?本当に?

「アルカディア」

名前を呼ばれて、頬に手を当てられるとまた電流が流れるような快感が襲ってくる。
あぁ、クラウディオだ。
良かった。この声が大好き。この人が大好き。

「…っく、ぁ♥♥」

名前を呼びたくて、必死で舌を動かすけれどうまく言葉にならない。
そんなアルカディアを見て、彼は楽しそうに微笑んだ。

「気持ちいい?」

「あ♥う、♥」

こくこくとほとんど飛んだ意識の中何度も首を縦に振る。
するとまた頭の中に霞がかかったように思考力が奪われていく。
気持ちよくて、嬉しくて、もっと触って欲しくてたまらない。
するりと彼の長い指が唇に触れたかと思うと、そのまま口をこじ開けられた。そして何か小さなものが喉の奥まで押し込まれる。

「んぐ…♥ふ、ぇ……?♥♥」

思わず嘔吐きそうになるほど奥まで入れられて苦しさに涙が出る。しかしそれすらも心地良い。
もう何度も飲ませられている。
多分薬か何かなのだと思う。飲まされるたびにどんどんおかしくなっている気がした。
喉を撫でられながら小さな錠剤を飲み込むと、やっと口から指を引き抜いてくれた。

「あ゛、う、ぅッ♥♥」

瞬間、全身を貫く快楽に耐えきれずびくん!と大きく腰が浮く。
勝手にめちゃくちゃに痙攣して止まらない。絶頂しているのだと気づいた時には遅かった。
ぐっと腰を押さえつけられてさらに深くまで挿れられてしまう。

「ひぎゅッ♥♥う゛、んぅう♥♥​​──ッあ゛♥」

あまりに強い刺激に逃げようと身を捩るが押さえつけられたまま揺さぶられる。
その度に媚肉がごちゅごちゅと音をたてて犯され、結腸の弁を押しつぶされて脳天にまで響くような強烈な悦楽に襲われる。
気持ち良すぎて辛いくらいなのに身体はそれを甘受してしまう。

ずぷっ♥どぢゅっ♥ぐりっ♥ごつっごつっ♥♥♥

容赦のないピストンに呆気なく絶頂へ押し上げられる。

「ぃっ……〜〜〜〜ッ♥♥♥♥」

びくっびくっ♥と何度も体を震わせて、それでもなお責め立てる動きを止めてくれなくて、悲鳴のような喘ぎ声をあげてしまう。

「はは、本当にすごいなこの薬。こんなにイキまくってもまだ締まる」

「や、あ゛♥うぅ゛う〜〜…ッ♥♥あ゛、ぅあぁッ♥♥♥♥」

「お前でもここまでぐちゃぐちゃになるんだから、人間に使えば死ぬかもしれないな」

そう言って笑う彼の瞳には嗜虐的な色が宿っている。
怖いはずなのにどうしようもなく興奮してしまって、がくがく震える足で必死にしがみつくことしかできない。

「ぁ……っ♥あっ、あうっ♥」

「可愛いよ、アルカディア」

耳元で囁かれる甘い声にぞくぞくと背筋がわなないた。
嬉しい。好き。愛しい。もっと欲しい。
クラウディオ。クラウディオ。くらうでぃお。くらでぃお。
頭の中はもう彼でいっぱいだった。他のことは考えられない。ただ目の前の男だけを、ほとんど見えない目で見つめることだけに集中する。

「はぁっ♥はー……ッ♥はぁ♥」

呼吸をするだけで気持ちいい。ずっとこうしていたい。このまま死んでしまいたい。
もう何度目かもわからない絶頂を迎えても、薬のせいで意識を失うこともできず快楽に苛まれ続けるしかない。
気持ちいい。苦しい。助けて。気持ちいい。苦しい。助けて。

「ぁ、あ♥♥♥」

ぼろぼろと涙を流しながら助けを求めるアルカディアに、彼はそっと口づけた。

「大丈夫だよ、アルカディア。私がいる。ここにいる」

「ぁ、あ…♥くらうでぃ、おっ……」

「ほら、ちゃんと息をしろ。できるな?」

「でき、ぅ…♥は、ぁ……っ♥」

言われるままに深呼吸を繰り返す。
浅い呼吸だがようやくまともに酸素を取り込めるようになったアルカディアを見て、彼は満足げに微笑んだ。

「そうだ。いい子だな」

「あ、う♥ん、んぅ♥♥」

もう体はほとんど動かない。それでも褒められたことが嬉しくて、もっと可愛がって欲しくて必死に媚びるように締め付ける。
そんな様子に気をよくしたのか、彼はさらに激しく突き上げてきた。

「んぉ♥♥あ♥♥♥」

ぐぽっ♥と結腸まで嵌め込まれて視界が真っ白に染まった。
そのまま小刻みに腰を動かされると堪らない。過ぎた快感に涙が出るほど感じ入ってしまう。

「ひぐ♥♥ふ、あ♥♥ああ♥♥♥」

どちゅっ♥ぐぷっ♥ごりごりっ♥♥♥

敏感なところを全部擦られて馬鹿みたいにイきまくる。
頭がおかしくなりそうなほどの快楽を与えられ続けて、もう何も考えられなかった。
ただひたすらに与えられる快楽を享受するだけの人形と化す。

「あ♥♥あ♥♥♥いく、また、ぃく……♥♥♥」

「好きなだけイけ」

「ん、ん♥♥あ♥♥♥♥」

びくん!と大きく仰反るとまた絶頂した。
しかし彼が動くのをやめてくれることはなく、むしろ激しさを増していく。

「ぁ……♥♥ぁ♥♥♥」

びくびくと身体が痙攣して止まらない。何度も何度も絶頂に押し上げられ、降りてくることができない。
強すぎる絶頂に身体がついていかずにガクンガクンと壊れたように跳ね回る。

「は、ひゅ…♥♥ん、んぅ……♥♥」

虚ろな目で快楽に悶える姿はとても正気とは思えない。
しかしそれも無理はなかった。
今、彼の手で投与されているのはこの世で最も強力な麻薬の一種なのだから。
常人なら死ぬか廃人と化してもおかしくない量を飲まされ続けているが、アルカディアの体質のおかげでギリギリ耐えられているに過ぎない。
流れ込んでくる薬を打ち消すために魔力が暴走しているせいで、常に身体中に痛みが走っている。
ばちばちと火花のような光が散る様はまるで雷のようだった。

「あ゛♥♥♥♥」

ごちゅっ♥と結腸の弁を突き破られる感覚に背筋がわなないた。
そのままぐっぽりと奥まで嵌められてしまい、あまりの質量に一瞬息が出来なくなる。

「は…♥♥ぁ、ぁ……♥♥♥」

「まだいけるか?」

「ふ……ぁ…?」

クラウディオはまた一つ小さな錠剤を取り出す。そしてそれをアルカディアの口に放り込んだ。

「ん、む……♥」

反射的に飲み込むと、途端にじわっと腹の奥から熱が広がり始めた。
全身にじんわりと染み渡っていくような心地良い温かさ。
それは次第に強烈な快楽へと変わっていき、びくびくと体が震え始める。

「あ、あ……♥♥あ♥♥♥」

「効いてきたな」

ばちんばちんと弾けるような音を立てて体内を暴れ回っていた魔力の流れが変わる。
その変化にアルカディアは戸惑ったが、すぐにそれどころではなくなった。

「あ ♥♥あぁあ゛ッ♥♥♥」

今までとは比べ物にならないくらい激しい絶頂に襲われて、アルカディアは身悶えた。
媚肉がきつく締まり、雄を食いちぎらんばかりに締め上げる。

「……ッ」

さすがに耐えかねたのか、彼は小さく声を漏らすと最奥で射精した。
熱い飛沫をぶち撒けられる感触にアルカディアはびくびくと体を震わせる。
ようやく長い責め苦が終わったことに安堵しかけたが、次の瞬間体が跳ね上がった。
魔力が一気に膨れ上がる。抑えきれない。溢れてしまう。
もう限界。もう駄目。もうやめて。もう許して。もう嫌だ。もう無理だ。もう、もう、もう、もう──
壊れそうなほどに痙攣しながらアルカディアは悲鳴を上げた。

「あ゛♥♥あ♥♥♥あぁあああッッ♥♥♥♥♥」

びくんッ!と一際強く身体が跳ね、アルカディアから冷気と稲妻のようなものが吹き出した。

「…おお」

感嘆の声を零したのは誰だっただろうか。
膨大な量の魔力を放出しながらアルカディアは泣き叫んだ。

「やぁ♥♥やらあぁッ♥♥♥♥」

がくっ♥がくんっ♥と腰を揺らして絶叫し続ける。
許容量を超えた快楽に意識を失いかけると、強制的に覚醒させられてまた快楽漬けにされる。
瞬く間にベッドは氷で覆われていった。

「やだ、やだあ♥♥♥くらぃお♥」

「ああ、大丈夫だ。ここにいる」

「こわい、こわいよぉ……っ」

ぼろぼろと涙を流しながら懇願するアルカディアに、彼は優しく微笑んでキスをした。
その間にも寝室はどんどん凍りついていく。

「あ、ぅあ♥♥♥あ♥♥♥」

「大丈夫だよ。怖くない。私がいるだろう?」

「くらうでぃ、おっ……♥♥♥」

「そうだ。いい子だな」

「あ♥♥♥あぅ♥♥♥」

ぎゅっと抱きしめられて嬉しくて気持ちよくて幸せで、アルカディアは彼の背中に腕を回す。
するとさらに深くまで嵌め込まれて頭が真っ白になった。

「んぁ゛♥♥♥……ッッ♥♥♥」

「ほら、もっとイってご覧」

「ぁ♥♥♥あぇ……♥♥♥」

どちゅどちゅどちゅどちゅっ♥♥♥と激しくピストンされて、目の前がちかちかする。
絶頂に次ぐ絶頂に身体中が痙攣していた。
ぶわりとアルカディアの髪が広がり、頭に猫のような耳が生え、臀部から二本の尻尾が飛び出した。

「はは、可愛いな。これがお前の本当の姿か」

「んぅ……♥♥♥」

「綺麗だよ、アルカディア」

ぎちぎちと音を立てアルカディアの爪が鋭く伸びていく。
それに気づいたクラウディオはそっと手を取り、指先に口づけた。

「ん…にゃぁう……♥♥」

彼の弟そっくりの甘ったれた鳴き声を上げるアルカディアに、クラウディオは愛おしそうに目を細めた。

「可愛いなぁお前は」

くすりと笑いながら唇を奪う。舌を差し入れられ、ねっとりと絡みつかれるとぞくぞくとした快感が背筋を駆け抜けた。

「ん、ふぅ…♥♥♥」

夢中で吸い付きながら自らも舌を絡めていく。
唾液を流し込まれるとそれを飲み下す度に身体が熱くなった。
身体中の細胞一つ一つにまで彼の魔力が染み込んでいくのを感じる。
それが堪らなく心地良くて、アルカディアはうっとりと瞳を蕩けさせた。

「んぅ…♥♥」

「ふふ、愛らしいな」

「は…♥♥はひゅ……♥♥♥」

びくっ♥びくびく……ッ♥と断続的に絶頂を迎えているアルカディアの瞳が徐々に覆われていく。焦点の合わなくなった目は虚ろに彷徨い、完全に理性を失っていることを示していた。
しかし魔力の暴走は収まったらしい。幾分穏やかに痙攣しながら、アルカディアは無意識のうちに甘い声で媚びるように鳴いていた。

「ん……にゃ……ぁ……♥♥」

「……もう限界かな」

少し残念そうな顔をして、それでも優しい笑みを浮かべると、クラウディオはゆっくりと腰を引いた。
ずる…♥と引き抜かれる感覚にも感じてしまい、アルカディアの口から切なげな声が漏れる。

「に、ぁ……♥♥」

ぽっかりと開いたままの穴からはどろり…と大量の精液が流れ落ちていた。
それを見たクラウディオは楽しげに笑う。

「すごいな。こんなに出してしまったのか」

「あ……♥♥」

くぱくぱと収縮を繰り返すそこを撫でられると、それすらも気持ち良いのかアルカディアは小さく喘いだ。
もっと欲しい。もっともっと犯して欲しい。
そんな考えとは裏腹に、意識を保てたのはそこまでだった。
ぷつりと糸が切れたように意識を失うアルカディアを見て、クラウディオは小さく息を吐いた。

「まぁ、仕方ないか」

アルカディアに飲ませた薬は、一度飲み始めれば廃人になるまで止まらないという代物だ。
本来なら正気を保つことすら難しいそれを、アルカディアは今までずっと耐え続けてきたのだ。
限界を超えて我慢した分、反動は大きい。
だが、見たかったものは見れた。
魔人族であるアルカディアの本来の姿。
ふわりと二本の長い尻尾が揺れる。
この姿も美しく愛らしい。
いつ元に戻るかわからないが、しばらくこのままでもいいかもしれない。
そう思いつつ、とりあえず後始末をしなければと、彼は気を失ったアルカディアを優しく抱き上げた。



氷漬けになってしまった寝室は風呂から上がった頃にはほとんど元通りになっていた。
まだ少し寒いために、しばらくはリビングに居ることになりそうだ。
アルカディアの後処理や寝室の片付けを終えた頃には、時刻はとっくに四時を越えていて、もう朝と言っても良いくらいの時間になっている。
今日は休みだから、もう少しゆっくりしても問題ないだろう。
アルカディアはソファーの上でぐったりと丸まって眠っている。
耳も尻尾も生えたまま。どうやら魔力が安定するまではこの状態が続くのかもしれない。
その可愛らしさに思わず頬が緩む。
猫耳をいじると、ぴくぴくと反応があった。

「ん……にゃ…」

「起きたか?」

「ん…くらでぃぉ……?」

「ああ、おはよう」

寝起き特有の舌足らずな喋り方で名前を呼ぶと、アルカディアは嬉しそうに微笑んだ。
そのまますり寄ってくるので頭を撫でてやると、ごろごろと喉が鳴る音が聞こえてきた。

「身体は大丈夫か?」

「んん…にゃう」

にゃむにゃむ言いながら、こくりとアルカディアが首を縦に振る。
やはり猫だ。仕草がいちいち可愛い。
クラウディオに擦り寄って膝に頭を乗せ、アルカディアはそのまま目を閉じた。
すぐに小さな寝息が聞こえる。
相当疲れたのだろう。無理もない。あれだけ激しい行為をした後なのだ。

「……おやすみ」

そう呟き、そっと髪を撫でてやった。



「……」

次にアルカディアが目覚めたのは、それから数時間後のこと。
身体中に残る倦怠感と少しの寒気に違和感を覚えて目を覚ました。

「……んぁ」

枕がいつもより硬い。それに何だか狭い気がする。
ぼんやりとした思考のまま目を開けると、目の前には誰かの腹があった。

「ぁえ」

驚いて顔を上げると、そこには座ったまま眠るクラウディオの姿がある。
しかも何故かクラウディオの膝枕で寝ていたらしい。何故こうなったのか思い出そうとするが、頭が働かない。
とにかく眠くてしょうがないのだ。
猫のように伸びをしながらもぞもぞと動き、眠るクラウディオの膝の上に移動する。
彼の胸板を枕にすると安心する匂いに包まれた。一番安心する場所だ。
すりすりと胸に顔を押し付けると、頭上からくすくすと笑い声が降ってきた。

「甘えん坊め」

「ん〜…おきてたの…」

「今起きたところだよ」

「んん〜…」

ぐりぐりと額を押し付けると、大きな手が優しく背中を撫でてくれる。
それが心地良くてうっとりと瞳を細めた。

「もう少し寝る?」

「……うん」

「じゃあ、おやすみ」

とろんと瞳を蕩けさせ、アルカディアは再び眠りについた。
耳も尻尾も消えている。
魔力も安定したようだ。
すやすやと穏やかな表情で眠るアルカディアの髪に触れながら、クラウディオは優しく微笑んでいた。