The play of love


「んっ、ぅ……」

耳の裏をさりっと指先でなぞり上げれば、組み敷かれた青年はくすぐったそうに身を捩る。その反応を見て、"ああ、ここも弱いんだったな"と思いながらクラウディオは、首筋から耳にかけてのラインをゆっくりと舌で舐め上げた。

「ひ、あっ……」

びくりと震え、アルカディアは身を捩る。それに気を良くしたクラウディオは、左胸へと顔を寄せた。
小さな突起を口に含み、優しく吸い上げる。もう片方の手で反対の乳首をこねるように弄ってやると、アルカディアの口から甘い吐息が漏れ始めた。

「あ、ぁ……う……ッ!」

いつもより少しだけ高い声で喘ぐアルカディアの声に、何とも言い難い心地良さを覚えながら、クラウディオは目の前の小さな飾りにしゃぶりつく。
ぷっくりと勃ち上がったそれを舌で押しつぶすように刺激しながら、時折軽く歯を立ててやるだけで、アルカディアは面白いくらいに反応してくれる。徐々に赤く色づいていく実のようなそれが可愛くて仕方がない。もっと触っていたくなる。
ふと視線を上げれば、耳と胸への刺激だけで瞳を潤ませ、蕩け始めている彼と視線が交わった。

「くら、でぃお……もぅ、いい……っ♡」

早く下の方へ触れて欲しいのか、焦れた様子でアルカディアは腰を揺らし、自身の昂ぶったものを押し当ててくる。その仕草が何ともいじらしくて、つい意地悪をしたくなってしまう。

「こっちはもう良いのか?なら、次は……」

そう言って、クラウディオは先程口で弄んでいた方と反対側の乳首にちゅっと音を立てて吸い付いた。

「あっ!?ゃ、だっ、そこ、じゃな……!ひっ、ん……ぅあ……!♡♡」

じゅるじゅると唾液の音を立てながら、赤子のようにそこに吸い付く。
その間も、空いている手を使いアルカディアの身体中に触れることを忘れない。脇腹をするすると撫でたかと思うと、今度は臍の穴の周りをくるくるとくすぐるように撫で回す。

「ひぁっ、ぁ……♡そ、れ……やぁ……っ♡」

ぴくん、ぴくんと小刻みに跳ね上がる身体を押さえつけられ、執拗く責めてくるものだから、アルカディアとしては堪らない。
その度に敏感になった肌を掠めるクラウディオの髪がくすぐったくて、ぞわりとした感覚に襲われる。そんな些細な刺激にもいちいち感じ入ってしまう自分が恥ずかしかった。

「ふっ、もうここだけで達せるんじゃないか?」

「あ、ひっ♡むりに、きまって……っ♡」

クラウディオは小さく笑いながら、すっかり硬く尖ってしまった両の突起を同時に強く摘まみ上げた。そのままぐりぐりと捏ね回してやれば、「ひぅっ♡」なんていう情けない声と共にアルカディアの背中が大きく仰け反る。

「ああ悪い、痛かったか?」

そんな言葉とは裏腹に、まるで悪いとは思っていないような口調で謝ってくるクラウディオに、アルカディアは思わず眉根を寄せた。しかし、それも一瞬のことで、すぐに快楽に思考を塗り潰されてしまう。

「う、あ……っ♡いた、ぃ……からぁっ♡」

"けど気持ちいい"という本音が喉まで出かかったところで、慌てて口をつぐんだ。こんなことを言おうものなら、この男は調子に乗って更に虐め抜いてくるに違いないからだ。

「詫びも兼ねてこっちも可愛がってやろう」

「あ……ッ♡♡」

そう言うなり、クラウディオはアルカディアの下半身へと手を伸ばす。下着ごとズボンを脱がされ、ふるりと飛び出た性器の先端からは透明な蜜が溢れていた。

「もう随分と感じているな」

蜜を掬い取るようにして指先に絡め取り、そのまま裏筋をなぞるように擦ってやると、それだけでアルカディアは甘く鳴く。

「んぁッ……♡あッ……!?♡♡」

先端から根元にかけてゆっくり何度も扱かれ、絶頂が近づいていく。射精寸前の快感に耐え切れず、アルカディアは大きく背を逸らした。
あと少し、あとほんの少しだけ刺激があれば、簡単に達することができるだろう。なのに、アルカディアのモノは未だ解放されることなく震え続けている。
決定的な悦楽を与えてもらえず焦れったさに腰をくねらせていれば、クラウディオは不意に手の動きを止めてしまった。

「あ、なん、れ……っ、やだ、ぁ……♡」

中途半端な所で止められてしまい、どうしようもない疼きだけがアルカディアに残る。続きを求めて無意識のうちに強請るような視線を送ってしまえば、クラウディオはふっと笑みを浮かべてこう告げてきた。

「どうした?アルカディア、言ってくれないと分からないな」

「ん、ぅ……♡」

意地悪なことばかり言ってくる恋人に、アルカディアは恨めしげな眼差しを送る。だが、クラウディオはそれを気にする素振りもなく、ただにこにこと笑うだけだった。
こうなったクラウディオがテコでも動かないということを知っているため、アルカディアも観念せざるを得ない。

「……ぃ……せて……」

蚊の鳴くような声でぽつりと呟けば、クラウディオは聞こえないと言わんばかりの態度で首を傾げてくる。その仕草すらも腹立たしいのだが、ここで下手に逆らっても面倒事が増えるだけだと理解しているため、黙っていることにした。

「おねが、だから……いか、せ……て……♡♡」

羞恥に耳元まで真っ赤に染め上げながら、消え入りそうな声でそう懇願すれば、クラウディオは「いい子だ」と優しく微笑んで、アルカディア自身を再度握り直す。そして、そのまま激しく上下に動かし始めた。

「あっ♡あ、あ……っ!♡♡」

待ち望んでいた直接的な快楽を与えられ、アルカディアは歓喜の声を上げる。

「あ、ひぅっ!♡♡も、ぁぅ……っ♡♡♡」

「ああ、好きなだけ出すといい」

「んぁっ、ぁ……っ♡♡ひっ……ぃ♡〜〜〜ッ!!♡♡♡」

びゅくっ、どぴゅっ♡と勢いよく吐き出された白濁液が、クラウディオの手から零れ落ちていく。達したばかりの身体は未だに小刻みに痙攣しており、呼吸をする度に胸が忙しなく上下していた。
再びクラウディオの指先が精液でどろどろになった陰茎に触れる。

「あ゛ッ……!?ま……っ、てぇ……っ♡♡」

「この程度では物足りないだろう?」

「そ…なこと、ない……からぁっ♡♡ひっ……!?♡♡やめ、ぁ、あ゛っ……♡♡」

「遠慮するな。お前が満足するまで付き合ってやる」

アルカディアの制止の言葉など聞かずに、クラウディオは再び手淫を始める。達したばかりで敏感になっているせいか、苦痛に感じる程の快感が襲ってきた。

「んうぅッ、えんりょ、して、ないぃ……ッ♡♡やら……っ♡♡おか、しくな……ぅうう……ッ♡♡」

「大丈夫だ、おかしくなっても構わない」

"私しか見ていない"という囁き声と共に、首筋を甘噛みされる。
そのまま強く吸い付かれ、ちりっとした痛みを感じた。恐らく痕をつけられているのだろうと、ろくに働かない頭で考えていた。

「あ、ぅ゛ッ♡♡ま…た、い…く…ッ♡あ、ひ……!♡♡」

絶頂が近づき、アルカディアの腰が逃げるように大きく跳ね上がる。それを見逃さなかったクラウディオは、強い力で抑え込こんでくる。
逃げ場を失ったアルカディアは、呆気無く二度目の絶頂を迎えてしまった。

「あ゛…う…っ♡♡あ゛、はぁっ……♡♡」

連続した射精のせいで、頭がくらくらする程の強い疲労感に襲われる。もう何も考えられないくらい疲れているはずなのに、クラウディオはまだ許してくれないらしい。

「二度目だというのにまだこんなに残っていたか」

「ぁ、や゛ぁ……っ♡も、さわ…ら…なぁっ!!♡♡だめ、だめ、ぇぁ……!♡♡♡」

「駄目じゃないだろう」

「んぁ゛っ……!?♡♡♡」

尿道口にぐりっと爪を立てられてしまえば、アルカディアは情けない喘ぎを漏らすことしか出来なかった。

「ぁ゛っ……♡あ゛、ひッ、ぅあ゛……っ!!♡♡♡」

「ん」

突如ぷしゃっと透明な液体が噴き出し、クラウディオの頬に掛かる。驚いたような表情を浮かべたクラウディオだったが、すぐに口角を上げて笑みを浮かべた。

「はは、潮まで吹くとは。少し驚いた」

「は、ぇ……?♡♡しお……?いま……なに……」

「ああ、気にするな。お前はそのまま気持ち良くなっていれば良い」

「ぇ、あ゛……ぅッ!?♡♡♡」

そう言ってクラウディオは、アルカディアの後孔につぷりと中指を差し入れた。突然の異物感にアルカディアは困惑した表情を浮かべるが、クラウディオは構わず奥へと進めていく。

「あ゛♡♡ひぅッ……!♡♡」

「ふふ、お前はここが好きだったな」

「あ゛ぅっ……!♡♡そ…こ、やぁあ゛ッ!!♡♡」

クラウディオは指を二本に増やすと、人差し指と中指で前立腺を挟み込み、ごしゅっと強めに擦り上げる。その瞬間、アルカディアは背中を大きく仰け反らせながら絶叫にも似た悲鳴を上げた。

「あ゛ッ……!!!♡♡♡ひ、ぃ ♡♡らぇ、だ、めぇっ……♡♡♡」

「何が駄目なんだ?」

「いぅ、いっちゃ……っ♡♡♡ま、た…イっちゃ…からあ゛……っ!♡♡♡」

「ああ、構わない」

「や……!♡♡あ゛、あ゛っ♡♡♡あ゛〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!♡♡♡♡」

もはや吐き出すものも無いようで、アルカディアはただひたすらに身体を痙攣させる。収縮を繰り返す内部を楽しむかのように、クラウディオは指を動かし続けた。

「あ゛っ!?♡♡♡や゛、や゛め……っ♡♡♡ゆび、とめ…て…っ♡♡♡」

「ふ、気持ち良いか?」

「ん゛ッ♡う、んんん♡♡♡」

こくこくと必死に首を縦に振る。すると、満足そうな笑顔を見せた後、ようやくクラウディオは手を止めた。

「そうか。なら───」

「……あ゛ひッ!?♡♡♡」

「もっと良くしてやろう」

三本目の指が挿入されたかと思うと、ばらばらとした動きで内壁を掻き回される。時折思い出したようにしこりを押し潰され、アルカディアの口からは濁った喘ぎ声が上がった。

「あ゛ッ♡♡あ゛ッ♡♡あ゛ッ♡♡♡あ゛〜〜〜……ッ!♡♡♡」

「私のアルカディアは本当に可愛い」

クラウディオは慈愛の籠もった眼差しでアルカディアを見つめると、開きっぱなしになっている唇に舌を捩じ込んだ。

「んぅ゛っ♡♡んん、っ……♡♡んぅ♡♡ん、ふ…んぅぅッ!♡♡♡♡」

「ん……ふ、ッ」

クラウディオの長い舌は、アルカディアの喉奥にまでいとも容易く届いてしまう。息苦しさに一瞬嘔吐くが、クラウディオは決して口を離そうとはしなかった。

「んぅ……っ♡♡♡ん゛、んッ……♡♡♡」

その間にも、クラウディオの手は止まることがなく、それぞれがバラバラに動いてアルカディアの内部を隅々まで犯していた。
酸欠になりかけているところに、絶え間無く快楽を与え続けられ、アルカディアはもう限界だった。

「……ん、ぅ゛ッ〜〜〜ッ、ッ……!♡♡♡」

全身が激しく跳ね上がり、きつく閉じた目の奥で閃光が走る。頭が真っ白になるような感覚と共に、アルカディアは意識を手放した。
クラウディオはアルカディアの反応が無くなったことに気づき、ちゅぽんという音を立てて彼を責め立てていた舌と指を引き抜く。

「アルカディア」

クラウディオは、アルカディアの頬を複数回優しく叩く。どうやら気を失っているだけのようだ。クラウディオは小さく溜め息をつく。

「やりすぎたか」

クラウディオは気絶しているアルカディアの頭を優しく撫でる。
アルカディアの顔には幾筋もの涙の跡が出来ており、それを見て再び興奮してしまったのは、きっと仕方の無い事だろう。

「しかし、どうするか……」

クラウディオは熱を帯び、解放を待ち望んでいる自身の股座に視線を落として、苦笑した。
勿論、アルカディアと身体を重ねたい欲はある。だが、意識がない状態のアルカディアを無理矢理抱いてしまうというのは、あまり気が進まなかった。

「ん……ッ、ぅ……?」

しばらく優しくアルカディアの顔や頭を撫で続けていると、気を失っていたアルカディアが小さく声を上げた。どうやら意識を取り戻したようだ。

「おはよう、アルカディア」

「ぁ……くら、でぃお……?」

「ああ、私だ。意識はあるか?」

まだ覚醒しきっていないのか、アルカディアは焦点の合わない瞳でぼんやりとクラウディオを見上げる。
虚ろな目をしている恋人の姿は非常に扇情的で、クラウディオは再び下半身へ熱が集まっていくのを感じた。

「ん、ぅ……」

クラウディオが再び芯を持たせている間に、アルカディアもようやく状況を思い出し始めたらしい。寝起きのように目を擦るその様子にクラウディオは小さく笑いながらも、逃さないと言わんばかりにアルカディアの腕を掴み、引き寄せた。

「アルカディア、まだ終わってないぞ」

そう言い、クラウディオは未だ困惑気味なアルカディアの脚を開かせると、その身体の上に覆い被さるように密着させた。そして自身の昂りを数回扱くと、ぴたりと秘部へと宛がい挿入していく。

「あっ!?ひ、ぁ……っ!なに……っ、あッ……!んゃ……♡なん、……ぇっ♡♡」

先程散々解した甲斐あって、抵抗なく根元まで入り込んだそれは容赦なく奥を穿つ。その衝撃により漸く正気に戻ったアルカディアだったが、今の彼に、思考する余裕など残されていなかった。

「ん……はぁ……やはり、心地良いな……ッ」

「ひ、ン……ッ!♡や、まって……いま、だめ、おねが……!……ッあ゛……っ!♡♡」

アルカディアの内壁の温かさに酔いしれるような表情を浮かべるクラウディオだが、そんな彼の顔をアルカディアは見ていない。突然襲ってきた強烈な快感に目を大きく開き、喘ぐことだけで精一杯だったからだ。

「はぁ……、可愛い…」

「や……ッ、ぅ、んぅぅ…っ♡♡こ、れ……っ、だめ…、んぁ 、〜〜ッ!!♡♡」

どちゅっ、どちゅっ、どちゅっと規則的に繰り返される抽挿に合わせて、アルカディアは喉仏を晒すように背筋をしならせる。その首筋に誘われるようにクラウディオが噛み付けば、痛みすらも快感として拾ってしまうのか、一層甘い声が上がった。

「ぁ、あッ……♡やだ、も…むり…っ♡ゆる、して、ぁ、う、ぅッ……!♡くら、くら…ぃお…ッ、ひぁ……ッ、もう、や……ッ♡」

「……あと少しだけ、付き合ってくれ……」

「むり、むり…ぃ…ッ、あ……ッ!あうぅ……っ♡」

泣き喚いて懇願しても意味はないと分かっている筈なのに、口から出る言葉を止められない。
アルカディアは必死にクラウディオへと腕を伸ばし助けを求めるが、その手は簡単に絡め取られてしまう。恋人繋ぎの状態で寝台へと縫い付けられ、いよいよ身動きが取れなくなってしまった。

「アルカディア、もっと奥まで入ってもいいか……?」

「や……ッ、なに……っぅあっ、ま、って♡♡や、ゃ、ぁぁう……っ!♡♡」

「いいな」

「よ、くな、いぃぃ……ッ♡♡や、やぁ……っ、は、ぁぅう゛……〜〜〜ッッ!!!♡♡」

ぐりゅっと最奥の壁を貫かれ、アルカディアの視界は真っ白に染まる。同時に陰茎からは二度目の潮が吹き出し、自身の腹部を汚した。

「は……っ、あ……♡♡あ……ッ♡♡」

「ああ、入ってしまったな」

「ひっ、ぅ……ッ♡♡んあ ッ、うごかな、れ……♡♡いま…いっ、た♡♡♡んぅぅ♡♡いっ、てぅ、のに…ぃ…♡♡♡」

クラウディオがゆっくりと腰を動かせば、アルカディアは痙攣しながら喘ぐ。
結腸を抜かれた時点で既に理性を飛ばしているのだろう。先程から呂律が回っていない上に、何度も「いく」「いく」と壊れた人形のように繰り返していた。

「…そろそろ限界だ……っ」

「あっ、んぁ……ッ♡♡あっ、あう、う……ッ♡♡んッ♡♡あ 、〜〜〜ッ!!♡♡」

クラウディオの宣言通り、中に大量の熱が注ぎ込まれる。
その感覚にアルカディアは目をぐるりと回転させながら、ぴゅくりと量の少なくなった潮を吐き出した。

「あ……ぁ、……っ♡♡」

「ふ、ぅ……」

ずるり、とクラウディオのものが引き抜かれる。ぽっかりと開いたまま閉じきらないそこから白濁液が溢れ出す様は、実に淫猥だった。
アルカディアは既に意識を飛ばしており、くたりとその身体を寝台へと沈めている。
彼の顔の汗や涙を手拭で丁寧に拭き取りながら、クラウディオは眉を下げて笑った。

「……猫関係で許してくれるか?」