honestly





「んっ……う、っ、あ……、あ……っ!♡」

かみ殺したようにくぐもった声が、クラウディオの腰の動きに合わせて漏れる。
まだ陽は高い。
たとえ昼に不自然にきっちりとカーテンを閉めた状態といえ、鮮やかに揺れる赤色の髪も、引き締まった美しい背中のラインも、はっきりと見て取れた。

「声、我慢しなければいいのに」

腰を動かしてぐりぐりと前立腺を突いてやれば、中がクラウディオのものを締め付ける。美しい曲線を描いて背がしなる。肩が震え、陽の光に透けた髪の毛が肌の上を躍る。悲鳴をかろうじて枕で抑え込んだアルカディアが、荒い呼吸のままに、クラウディオをゆっくりと振り返った。

「……防音……」

「この部屋は大丈夫だ」

「…でも…気になる…」

「へぇ」

ちらりとドアを見た視線は、その向こう側の廊下を通るかもしれない誰かを意識しているのだと、わかりやすく伝わった。この社内で誰がどこにいるのかなんてクラウディオは興味がない。見られたって別に構わない。けれど、この男の乱れる姿や、甘い声は、確かに、自分だけのものだと思う。他の人間が知るなんて許せない。
でも。

「気に入らないな」

「?…なに、あっ!♡ひ…♡や……っ、まっ、……っ!」

素っ気ない返答だけして、不意を打って、大きく腰をグラインドさせて奥を穿った。
歓迎するように嬉しそうに震える襞の動きとは裏腹に、アルカディアは慌てたように枕を引き寄せて、口を手で覆って、漏れる嬌声を抑え込む。

「なん、で……っ♡あっ、ゃ、ん……あっ!♡」

「ふ、お前は本当にここが好きだな」

ひと際高い嬌声が、アルカディアの指の合間から漏れて、クラウディオの耳を楽しませる。
逃げる腰を抑えながら、奥を突き上げる。
熱くうねる粘膜をかき分けて、怒張した自身で責めたててやれば、声を抑えようとした指先は力をなくし、口からはずされ、枕をかろうじて掴むだけになる。
溶けそうな快楽を楽しみながら、クラウディオは甘い声を漏らすアルカディアを見下ろし、満足げに笑う。
声を抑える余裕なんて与えてやらない。

「あっ、あ♡だ、ぇ……っ、ぁ、ぅ…い…く…♡」

「いいよ、イっても」

アルカディアの足の合間で、ぶるぶると揺れるそれに手を伸ばせば、蕩けそうな声がだめ、と言う。
嘘つき。
口の中だけで呟いて、ゆっくりと硬く濡れたアルカディアの性器を扱いてやれば、ほら、気持ちよさそうに声が出る。
前と後ろ、両方を犯して、アルカディアを追い詰める。

「く、ぁ…くぁ…ぅでぃお…っ♡も…あ、う……っ、あ♡」

うわごとのように呼ばれる名前に応えるように背中に唇を寄せ、無意識に軽く歯を立てた。

「……んぁっ!♡」

高い声を上げて、びく、とアルカディアの体が硬直する。そうして、クラウディオが奥を突いたのに合わせて、絶頂を迎えた。
同時にクラウディオもアルカディアの中に射精する。
何度かに渡って吐き出される二人の精は、クラウディオの手の中と、アルカディアの体内に出される。受け止めきれなかったそれがぽたぽたとシーツに落ちて、しみを作っていく。

「ひ……、あ……、♡」

がくがくと体を震わせて、枕に顔を埋めたアルカディアが肩で息をする。
長い髪の合間から見える赤く色づいた肩やうなじは艶めかしい色気を放っている。
強すぎる快楽の余韻をやり過ごす様は、まるでもっといじめてくれと言っているようにも見えて、クラウディオを煽る。

「噛まれてイったのか?」

「……っ、」

うっすらとついた赤い痕は歯型というほどでもない。そこを舐め上げてやれば、言い返そうとしたアルカディアが息を呑む。

「お前、痛いの結構好きだな」

「……っ、そ、なわけ…ない……っ」

「そうか?」

舌先で背骨を舐め上げて、うなじを緩く食んでやれば、気持ちよさそうに顎が上がって、クラウディオの鼻先を髪が擽った。
こんな反応をしておいて。
それ以上あえて言わずに、手を性器へと伸ばす。精液で濡れた手が、ほとんど触れていなかった性器を根元から上下に扱えば、射精したばかりのそこはすぐに硬さを取り戻す。

「ん、あ……♡あ、ぅ、まって……♡」

「まだイけるだろう」

「……っあ、♡ひ…ぅ♡」

「もうちょっと、楽しませろ」

しなやかな背中に口付けて、吸い上げれば、赤い痕が残る。その気にさせるように何度も口付けて、快楽を引き出してやる。
ちくりと刺されるような痛みを受け止める様子は、やっぱり、気持ちがよさそうだ。

「…続き、した、い…けど……」

「けど?」

歯切れ悪く口ごもるアルカディアが、クラウディオをそっと振り返る。
背中にたくさんの赤を散りばめたあとに、アルカディアと目を合わせてやれば、なぜか困ったように目を逸らされる。
面白くなくて腰を動かして、知り尽くした性感帯を軽く擦れば、甘ったるい声が慌てたように名前を呼んだ。

「ぁっ、あぅ♡くら…でぃお…」

「何だ?」

「……かお…がみたい…」

「……へえ?」

予想外の可愛らしい発言に、目を丸くしたクラウディオが、楽しそうに口元を歪めてそう呟くのと、アルカディアが後悔したように真っ赤になるのは同時だった。