This
is
better



普段身に纏う上着達は、とうの昔にベッドの下に全て落とされていた。
頸を這う濡れた感覚に、甘く震えた声が零れる。丁寧に触れられ、煮詰められた体は、ベッドの上で今まさに食われていた。細腰を抱く腕に力が入れば、自然と腹部を押される。ずっぷりと咥え込んだ熱を、外から押されることで一層感じてしまう。そう躾けられた、従順な体だ。閉じることを忘れた濡れた唇から、蕩けきった嬌声が漏れる。

「ぁ、あ……♡ん、……ぅ♡」

ぴくん、と足が強張って跳ねる。終わりの見えない快楽に浸された体は、無意識に逃げようとしてシーツを蹴った。だが腰を抱いていた腕に引き寄せられ、奥の気持ちいい所に濡れた亀頭を押し付けられると堪らず、アルカディアは双眸を見開き、何度目かの法悦に咽ぶ。爪を立ててシーツの海を乱し、閉じられない唇から伝う涎がシミを作る。

「あ゛、ぁあ、っ!♡ ひ、ぅ、う〜ッ♡」

ぎゅうっとシーツを握りしめる。色素の薄い指が、必死にシーツに縋る。それに、別の手が重ねられる。倒錯にぐらりと頭が揺れた時、アルカディアの耳に吐息が触れた。

「アルカディア……ちゃんと顔を上げろ」

「や、だ……やにゃ、あ、ぅ♡ ッ♡」

力なく首を横に振るも、甘く咎めるように、弄られ続けてふっくらと主張する前立腺を熱い幹に擦られて、アルカディアの視界が明滅する。
俯せに力なく伏せて鳴くアルカディアの顎に、クラウディオの手が触れる。いや、とまた首を振ったが、喉を優しく撫でられると表現し難い幸福感に頭がじわりと痺れた。
そのまま、顎を持ち上げられて、アルカディアはシーツの海から顔を上げる。柔らかな間接照明の暖色で、室内は仄かに明るい。互いの輪郭を辿るには十分な、室内。その中でアルカディアは、顔を上げた先で映ったそれに、頸まで染め上げながら必死に鳴いた。

「ゃあ、やだ、っぁ……っ♡ あ゛!?♡」

「お前が言ったんだろう?」

「ば、かぁ♡ばか、ちが…ぅ♡ひ、ぅん……う゛あ、ァ゛♡」

腹部を優しく抱えられたまま、ゆっくりと体勢を起こされて、アルカディアは瞠目した。あれだけ縋り付いたシーツが呆気なく離れて、背をクラウディオに預けながら、それと対面することになる。
彼の手により開かれた脚と、ぐっぷりと奥まで咥え込まれたクラウディオの性器に、既に出すものが無くなるまで虐め抜かれくたりとしているアルカディアのそれ。彼に愛され悦楽に溺れて泣き濡れた瞳に、だらしなく開いた唇。きもちいいと、甘く蕩けた表情。
今のアルカディアの全てを映す鏡に、目を逸らしたくなる。だがクラウディオの手がそれを許さず、きゅう♡と締め付ける様まで見てしまい、アルカディアはあまりにも卑しい姿に泣き出しそうだった。そんな姿を見て、クラウディオが何を思うかを想像する余力など、今のアルカディアには無い。

ぐぷ♡ずぷ……♡と雄膣を丁寧に拓かれ、擦られる。雌イキを教え込まれ、覚えてしまった体は、それだけでがくがくと戦慄いた。鏡の中の自分が瞳を蕩けさせる、その浅ましさから逃げるようにアルカディアは目を瞑る。 だが、ぐり♡ぐぢゅ♡と奥を亀頭に撫で擦られて、思考も視界も真白く染められた。

「ゃ、あ♡にゃあ、ああ゛♡やぁ、や、〜ッ♡〜〜……ッ♡んぅぅ♡」

結腸口へ押し付けられた亀頭が、その先へ潜り込んだ時の快楽を、アルカディアの体は知っている。クラウディオの輪郭すら分からなくなるほど強烈な悦楽が、容易くアルカディアを雌に落として、戻れなくしてしまうことも。

「ん、ふふ、締まった。……今、何考えたんだ?」

うるさい、うるさい。クラウディオがこうしたくせに。
愉しげなパートナーの声音が今この時は少しだけ憎たらしくて、鏡越しにアルカディアはクラウディオを睨んだ。だがクラウディオは柔らかく笑うだけだ。
そうして、快楽に溺れて染まる体を褒めるように、剥き出しのアルカディアの肩に柔い口付けが落ちる。唇で優しく食んで、ちゅう、と吸われる。幼気な音が心臓を揺らして、アルカディアは小さく息を吐いた。
肩に唇を滑らせて、今度は首へキスをするクラウディオを見つめる。伏せた双眸が堪らなく愛しくて、また肌を吸われながら、アルカディアは声を漏らす。肩から、首へ。辿る先に期待が募って、心臓が逸る。自然と少しだけ身を捩り、顔を向ける。身を捩ったせいで擦れたナカが気持ちいい。
けれどもっと気持ちいいものをアルカディアは知っていたから、か細くクラウディオを呼んだ。応えるように微笑んだクラウディオが、顔を上げて唇を重ねる。肉欲を凌駕する愛欲が胸を満たして、多幸感に埋め尽くされた。

「ん、ぅ……♡んん♡」

夢中で、互いの吐息を食らうようなキスをする。舌を絡めて奪う強引さが、頭をじんと痺れさせる。クラウディオにされて気持ちよかったそれをやり返すと、綺麗な眉がくっと歪むのが愛しい。

「は……っふ、くらでぃお…かわいい」

「……かわいいことになってるお前に、言われたくないが」

拗ねた子供のような声音が、またアルカディアの胸を擽る。しかしそれ以上の仕返しはできなかった。また奥に擦り付けられ、肩を甘く噛まれる。教え込まれた体は、惨めにもぞくぞくと期待に震えた。それをクラウディオは見逃さず、愚かで愛しい体を追い詰める。ぐち♡ずちゅ♡と淫らな音を立てて突き上げられながら耳を食まれると、アルカディアはたまらず雌イキを味わった。

「あ♡あ♡ひっう、ゔ〜〜〜っ♡♡」

離れ難いと縋るように陰茎を引き絞る雄膣に、クラウディオが息を詰まらせる。そうして腹の奥に熱い飛沫を感じて、アルカディアは彼の髪をくしゃりと撫でた。



「顔が見えないからいや」

口付けを交わしたベッドで、アルカディアは随分とつっけんどんな調子でそう言った。そのくせ、頬は雪に花を散らしたように色付いていたものだから、クラウディオが首を傾げるのも無理はない。

「うつぶせはやだ」

クラウディオの顔が見えない俯せから始まり、そのまま最後までというのは本当に味気なくて寂しいから、アルカディアは嫌だと訴えた。

「たまにはいいだろう」

「やだ」

アルカディアは唇を尖らせる。だが、考えるように腕を組んだ男の思いつくことはろくでもないことなのだと、アルカディアは十分理解していた。

「やだ!」

だから何度もそう主張したのに。



「〜〜っ、ん♡ぁぅ、あ♡ふ、うぅ♡」

嬌声は溢れて止まらないが、クラウディオは決して激しく動いてはいない。ただ、すっかり力の入らなくなったアルカディアの体はクラウディオを奥まで強請り、甘えて離さない。雄に縋り懐く膣は、きゅうきゅうと締め付け続けている。そうして亀頭が結腸口にぐぅっと押し付けられているから、アルカディアは気持ちいいところから降りてこられなかった。彼はまだ一度も、出すために腰を動かしていないのに。ただアルカディアを甘やかすためにゆったりと腰を動かす程度なのに。 これから、もっと気持ちいいところに追い詰められるのだと思うと、アルカディアは感じ入った息を吐く唇をきゅっと噛んだ。だがその姿を正面の鏡で見てしまうと、快楽を噛み締めるかのような姿をしていたから、あまりの羞恥にきつく目を閉じる。

見えないからいやだと言ったのは、こういう意味じゃないのに。

たしかにクラウディオの姿は見えるが、こうなると自分が邪魔で仕方がない。なにより、自分のあられもない姿など誰が見たいと言い出すのだ。快楽の坩堝に押し込められながら、ひとかけらしか理性の残っていない頭でたくさんクラウディオに文句を言う。実際に言えないのは、開いた口から洩れるのが、甘ったるく感じ入った声ばかりの所為だ。気持ちいいと知ってしまった結腸口を何度も亀頭で擦られると、たまらず腰が揺れる。けれどアルカディアの自由を奪うように腰を両手で掴まれて、ゆったりと前後に揺さぶられて、彼に愛され慣れた体ががくがくと震えた。

「あ♡ぁ♡ぁ、〜〜…っ♡にゃ、ぅ♡」

甘えたナカは収縮して、気付けばアルカディアの両腕は甘えてクラウディオの腕に巻き付いている。
気持ちが良すぎると、クラウディオの輪郭が分からなくなる。曖昧になって、気持ちいいことしか分からなくなって、無意識に腕が彼を見つけ出し、またすぐに見つけられるようにと。そうして巻き付いてしまうのだとアルカディア自身が気付いたのは、本当につい最近のことだ。

「……アルカディア。ほら、ちゃんと見ろ」

「や、だぁ♡ちが、ちがうぅ♡」

「なにが違うんだ?はずかしいのだって、お前は好きだろう?」

喉をやさしく撫でられる。指の腹で擽るように撫でられると、アルカディアの喉が本人の意思を無視してきゅう、と鳴る。クラウディオの発言を肯定するようなそれが腹立たしく、けれど言葉にもできないから、アルカディアは必死に首を横に振った。緩慢とした動きを続けたままのクラウディオは、アルカディアの胸を優しく引っ掻く。ぴり、と淡い快楽が走る。彼のせいでどこもかしこもすっかり感じるようになってしまった自分が随分恥ずかしい生き物のようで、泣き出したかった。

「ゃあ、あ♡くら…♡くら、でぃお♡これ、やだ……ゆっくり、や……♡」

むずがるように腰を揺らして、理性が砕ける甚だしい快感を強請る。ゆったりと体を気遣って、ともすれば暴き快楽に突き落とすことを知らしめる動きが、余計にいけない。理性なんてかなぐり捨てて溺れられたならと思うのに、クラウディオはそれすらしてくれない。寄せられた顔に唇を擦り付けて甘えながら、アルカディアは泣き交じりの声で懇願した。

「くらぃお……も、ゆっくり、やめ…て…♡」

「どうしてだ?きもちよくない?」

「きもちい、から……♡あ!?♡や、やだ、うぅ〜〜っ♡」

嫌だという声を無視して、クラウディオはアルカディアの腰を再び両手で掴んで、結腸口に亀頭を押し付ける。何度も押し付けられたそこは、気持ちいいことを教え込まれたせいで既に口を開きかけている。亀頭が引っ掛かって、浅い縁を擦り前立腺を優しく潰される快楽に、アルカディアは首を仰け反らせた。
後頭部をクラウディオの肩に擦り付けて、意識を飲み込みそうな快楽に浸る。それでも溶けきらない理性が、今この時は忌々しい。いっそ奥まで入ってしまえばと思うのに、クラウディオの両手がそれを許してはいない。

奥までほしい。奥まで挿れて、頭がめちゃくちゃになるほどの快楽に溺れてしまいたい。じわりと肉欲に思考を飲まれながら、唇を戦慄かせる。顔を横に向ければすぐクラウディオの瞳と視線が絡む。宝石のような琥珀色が、アルカディアの瞳を見つめていた。その瞳に押し込められた愛情にもっと浸されたくて、アルカディアはそっと、腰を掴むクラウディオの手に手を重ねた。

「?どうした、アルカディア」

「ん、ん……♡おれ、する、から……くらぃお、まって……♡」

指でクラウディオの手を撫でて、彼の顔にキスを降らせながらお願いする。どうせ気持ちいいことから逃げられやしないと分かりきっていたし、なにより……クラウディオと想い合いながら溺れる快楽がアルカディアは好きだ。
緩やかな、けれど確実な快楽に浸された指は力がうまく入らない。それでも何度か撫でていると、応えるようにクラウディオの手が腰から離れる。またキスを贈った時に目を瞑った、彼にしては珍しく幼気な様子が、優しくアルカディアの胸をきゅうっと締め付けた。

「ん、ぅ♡あ、ぁ……♡」

深呼吸の後、ゆっくりと腰を持ち上げる。ずろ……♡と肉筒を擦る怒張の生々しい熱に堪らず声を漏らしながら、アルカディアは懸命に身を動かした。でっぷりと張った雁首に前立腺を捉えられて息を詰め、きゅうっと唇を噛みしめて、襲う甘い法悦に堪える。互いの気持ちいいところを擦り付け合った奥が、淫らな疼きを抱く。今腰を止めてしまえば、ずっとしこりを押し潰されたままだ。けれどそれでは、いけない。
そうしてようやく性器を抜く頃には、もう本当にアルカディアの理性は限界だった。

「……そんなに嫌だったのか?」

クラウディオが零したのは、少し驚いたような色を帯びた静かな声だった。アルカディアの行動一つでそんなふうに感情が表に出るのがどうにも可愛らしく思えてならず、アルカディアは骨抜きの体をなんとか動かし、彼と向き合って頬を撫でた。
そのまま頭へ指先を滑らせて髪を撫でると、汗ばんでいる。クラウディオの興奮を如実に語るそれに愛情を刺激されて、アルカディアは笑みに頬を緩めた。もちろん、アルカディアが動く間じっと待っていた彼の瞳にどう映るかなど、想像する余裕も無いまま。

「いやじゃなくて、こっちがいい……」

目元に唇をそっと押し当てながら、ゆっくりとクラウディオに跨る。後ろ手に熱い剛直に触れれば、手の内でぴくりと跳ねるのが伝わる。悪戯心でエラの張った亀頭に指を這わせると、つぷ…♡と溢れた先走りが指を濡らす。次いでクラウディオの眉が寄る様が愛しくて、アルカディアは笑いながら、寄せられて生まれた天使の住処に口付けを落とした。 腰を揺らして、濡れた先端に後孔を擦り付ける。さっきまで咥え続けた陰茎をフチで可愛がると、それだけでぴりぴりと頭が痺れる。けれど、すぐ物足りなくなった。クラウディオに貫かれて溺れる気持ちよさを覚えている体は、早く、早くと浅ましく強請るようにひくつく。腹の深いところが、きゅう…♡と甘く疼くのだ。
熱い息を吐いて、クラウディオの首に腕を回して唇を重ねる。アルカディアがすることを理解したクラウディオの片手が、アルカディアの背を支える。触れ合わせたままの唇は、舌を交わさなくても、互いの吐息を食むだけでひどく気持ちがいい。甘い快楽の予感に眩暈すら覚えながら、アルカディアはフチを引っ掻く怒張を咥え込むために、ゆっくりと腰を下ろした。

「〜〜〜……っ♡う、ぁ……〜っ♡♡」

ぱちぱちと頭で快楽の火花が弾けて、堅牢な物が少しずつ焼け千切れていく。重ねた唇が戦慄いて、それでも離れたくなかったからアルカディアは腕に必死に力を込めた。クラウディオがそうしたように、今度はアルカディアが、その体を貪り快感を突き付けるように、腰を落とす。
ぐちゅ…♡と結腸口を亀頭に押し付ける頃には、もう頑丈な理性の鎖はボロボロだった。胸が悪くなるほどの甘ったるい快楽に、酩酊する。
粗野で直情的な熱に裡を満たされながら、アルカディアはクラウディオの下唇を食む。クラウディオはといえば、骨髄まで蕩けるような快楽を堪えるように汗を伝わせて、悦の篭った双眸でアルカディアを見つめていた。ぞくりと胸がざわつく。じわりと焼かれていく。熱で、瞳で、暴かれて、あられもない姿を晒す。アルカディアがそれを見せても構わないと思える、愛しい彼の表情が見える体位がいっとう気持ちいい。
くしゃりと両手で髪を撫でて、クラウディオの顔中に口付けを落とす。亀頭と結腸口が深くキスをして快楽の坩堝に押し込められていくのを感じながら、もうどこも唇が触れていないところはないというほどの口付けを降らせた頃。不意に、腰を両手でがっしりと掴まれた。

「あ゛♡ん゛ぁ〜ッ!♡あ゛♡あ♡」

どちゅ♡と容赦無く腰を引き落とされて、結腸口を抉られる。ゆったりと耕されて、自ら甘く擦り付け続けたそこが容易く開いてしまったのに気付いたのは、もう何も出ないと思っていた性器からぷしゃ♡と惨めにも潮を吹いてからだ。互いの腹を濡らすそれに、だがクラウディオは煽られたのか、下からぐぷ♡どちゅ♡とアルカディアのナカを穿つ。もうすっかり力も入らない身を、しかし襲い来る快感が受け止めきれずに捩ろうとする。両手で掴まれた今、快楽に愚図る愛らしい仕草にしかならないとも知らずに。

「ぁ、お♡…奥、や、ああ゛♡ぁ〜ッ♡♡」

「嫌なのに、自分でシたのか? あんなに欲しいって、顔してただろう」

「して、な♡…ないぃ゛♡」

「はは、うそつき…」

琥珀色の奥で獣が唸っている。きらきらとした中で渦巻く愛欲に飲み込まれる悦楽に、どうすれば抗えるというのだろう。悲鳴に似た喘ぎ声を合間なく溢れさせながら、逃げ場なく受け止め続ける。ちかりと視界が瞬いて、長く深い酩酊に突き落とされる予感に、アルカディアは成すすべなく足を踏み外した。

「ぁ゛、あ、ッ♡〜〜ッ♡〜〜〜〜っ♡♡」

結腸に入り込んだ剛直に幾度も擦られた腹で、快感に沈む。情欲に掠れて声すらも失った息が、その深さに足掻く。全身がピン♡と張り、つま先まで飲み込むような、おそろしい快楽に懲らしめられる。内腿をがくがくと震わせて、肉を溶かす法悦を味わった。そうして落ちかけた瞼を、だが結腸に捻じ込まれた亀頭の抉りが許さなかった。

「いッ゛!?♡は、ひゅ……ひ、ぃ、ぁ?♡や、ああ゛、ぁ〜♡♡」

「……アルカディア、私はまだ一回しかイってないんだが?」

「あ、ぁ゛ぅ♡ご…め、あぅ♡で、も…いま、まっ…て、ぅあぁ♡♡」

「だめだ、待ったらお前は寝るだろう」

「ねな、い…ねにゃ、ああぁ゛♡おく、おく…イ、ぐ♡い、あ゛……〜♡」

パートナーを置いて、自分だけ一番気持ちいいのを味わって寝るだなんてひどい。クラウディオの言い分はアルカディアにも分かるのだが、ごちゅ♡どちゅどちゅ♡と肉悦に沈んだまま戻れない体をこれ以上追い詰めないでほしいのも本当だ。せめて落ち着いてから、少し休んでからちゃんとクラウディオを気持ちよくしてやりたいのに、その動きは止まらない。ぎゅうっと狭い結腸の隘路を容赦なくする剛直に、ぷっくりと膨れて主張するしこりを転がされて、ずっとアルカディアは戻ることができない。
腰をカリカリ♡と引っ掻かれると堪らなくて、追い詰められ過ぎて使い道のないアルカディアの性器は壊れたように潮を吹く。アルカディアの虹彩はもうすっかり蕩けきって、クラウディオを気持ちよくするために腰を振りたくった。

「あー……ッ、アルカディア、出して、いいか?」

「あ、ぅ♡も、むり…イって…ぇ♡ぁ、ふ♡♡あ゛♡」

体勢がゆっくりと変わって、アルカディアの背に柔らかなベッドが触れる。清潔なシーツに背を撫でられて、だが両脚を掴まれ後孔を天井に向けるようなあられもない体勢を取らされて、そのまま腰を突き落とされる。自分本位の、出すための動き。怒張に何度も攻め抉られて、淫らな雌の肉悦に溺れる雄膣の収縮に、クラウディオが息を吐く。くる、とアルカディアは意味もなく身を強張らせて、獰猛なパートナーが息を詰めるのに合わせてぎゅうぅ♡と腹に力を込めた。

「ぐ、ぅ、ッ……ァ゛」

「〜〜〜ッ゛!♡ぁ、あ♡♡あ、ふ♡♡」

精液の熱さが、届いてはいけない腹の奥を満たす。互いの輪郭が曖昧になるほど強い悦楽を貪りながら、大きく大好きな彼の体に抱き締め、押さえ込まれて、溺れる。脈打つ剛直が居座る雄膣まで甚だしく濡れていく感覚があって、身震いが止まらない。クラウディオに満たされる多幸感が凄まじく、ぽたぽたと涙と汗が混じってアルカディアの眦を伝い落ちていく。
長く深い愛欲に落ちて、残滓も全てアルカディアのナカへと吐き出すように、そして精液を奥へ擦り付けるように、クラウディオが腰を揺さぶる。たまらなく気持ちよくて、両足はクラウディオの腰にきゅうっと巻き付いていた。

「く、ぁ♡……ん……くぁ、ぃ…ぉ…♡」

「ん……アルカディア、いいこ…」

優しく太腿を撫でる不埒な指に、彼の名を呼ぶ。だが長い余韻のせいで、その声に咎める色すら乗せられない。愛猫を呼ぶ恋人の声にその瞳を見れば、唇が触れ合う。ちゅう、と柔らかく吸い付く甘いキスは、さっきまでの性交に比べればただの戯れだ。けれどそれが本当に気持ちよくて、アルカディアは夢中でクラウディオの唇に甘えた。浅く歯を立てて、唇を擦り付けて、吸い付いて。

──どぢゅっ♡♡♡

「ひッ!?♡♡〜ッぁ!、?♡♡な、で……ぇ♡♡」

たしかにナカに吐き出したはずなのに、肉筒をみっちりと満たす粗野な熱に、アルカディアは瞠目する。怯えるようにへたりと力が抜ける手首にキスをするだけで、クラウディオは何も答えない。怒張を埋め込んだまま、とちゅ♡ぐちゅ♡と腰を揺らして止まらない。ふるふると哀れみを乞うように首を振っても、クラウディオは甘く囁いてアルカディアを愛でるだけだ。

「アルカディア、かわいい……もう少しだけ、な?」

「むり、むぃ、…いにゃあ♡あ♡あ♡あ゛ッ♡」

甚だしい快楽に飲み込まれながら限界を訴えても、クラウディオは動きを止めない。寂しがりな雌を愛し尽くすように快楽で埋め尽くして、我が物顔で居座る熱に犯される。外の景色の見えないこの部屋の夜はひどく長いと、改めて突きつけられるには十分過ぎる、愛欲に満ちた声が散った。