Claudio is greedy
気持ちが良いと身体が逃げる。強すぎる性感、身体はとっさに弾かれる。
大人しく逃がしてくれるクラウディオではないから、アルカディアはその度に、腕の中に閉じ込められて、腰や腕を掴まれ、うなじに噛みつかれ、背骨が導火線になってしまったような快感をたたき込まれた。
特に、久しぶりにするような時は本当にいけない。
体温に餓えていた身体は僅かな愛撫や腰の動きに降伏してしまう。
「んあ、あっぅ、ぁ、あっ……!♡」
開かれ、濡らされた粘膜に男のものが入ってくる。
ベッドに縫い付けられ、足を開かされていても、それでも腰が跳ね、熱くとろけた粘膜をこそぐように入ってくる熱塊に背筋を震わせる。
馴染む間も与えられず、すぐに律動が始まる。
「ぁっ…まっ…て!♡ッ……ま、…ぁ…!♡」
餓えていたのはクラウディオも同じようで、グルルと喉の奥で唸られた。
いつも以上に制止は無駄ってことだ。
「んぅっ!♡」
ぐちゅん、と奥を貫かれ、キツく瞑った瞼の裏が真っ白になる。
苦しい。熱い。腰が跳ね上がり、はらわたを突く楔に震える。
ふたりの身体の間で上がる摩擦熱にアルカディアは、知らず後孔を締め付けた。
たっぷり濡らしたローションのせいで、にゅるにゅると粘膜が擦れる。
「ふ、っく、うぅ……ぁ♡」
枕を掴む手に力が入る。熱い。気持ちいい。
はらわたを引きずり出されるように抜けていく。その熱を締め上げてしまう。
押し込まれると、腰がくねる。
んく、とクラウディオが息を飲む。ぎりっと眉が寄る。
「逃げるな」
「ひッ、い、ぁ!♡」
耳朶に噛みつかれ、大きな手に肩を押さえつけられる。
それでも、許容量を超えた身体は注ぎ込まれる性感にがくがくと震えて、頼りない腰が揺れてしまう。
奥を貫かれる鋭い快感から逃れるためのゆらゆらは、シーツの上で卑猥なダンスを踊っているよう。
「あ、ぁ…う、んっ…ぅぁ♡」
動いてしまえばそれが新しい悦楽の波になる。
いっぱいまで開いてぬとぬとの性器を受け入れ、受け止めきれない熱に喘ぐ。
前立腺を突かれると、目の前にバチバチ火花が飛んで声が出る。
「やっ、ゃだっ♡だ、ぇっ、そこ♡…だめっ、ぇ♡」
腰が逃げる。逃げたくないけど、逃げずにおれない。
アルカディアの腕がクラウディオの背中に回ってしがみつく。
淫蕩な肉壁がちゅぱちゅぱとクラウディオに吸い付いてくる。
クラウディオの背にも甘い電流が走っていく。
けれど、今、味わいたいのは組み敷いた薄っぺらい身体を我が物にしているという実感だった。
クラウディオはゆったりと腰を揺らしてしとどの蜜壺を甘やかしつつ、うねうねと逃げるアルカディアの腰を掴んだ。
己の肩に縋らせ、短い爪が背を掻くむず痒い痛みに口角を上げる。
「っ、…ふ…、ぅっ、ぁ♡」
サイドの髪を揺らす浅く熱い吐息が心地いい。
汗で湿った皮膚と皮膚がしっとりと吸い付く。
先ほど噛みついた痕を舐めてやりながら、薄い背とシーツの間に片腕を突っ込む。
「そのまま、掴まっていろ」
「ふ、……う?」
熱くってふかふかの弾力があったクラウディオの身体が、一瞬で硬くなる。
アルカディアがぎょっとしたすぐ後に浮遊感がやってきた。
そして、落ちる。
「うぁ……ッッ!?」
ベッドの上に膝立ちになったクラウディオが、アルカディアをシーツから掬い、抱え上げてしまった。
アルカディアの自重がひといきに、繋がった場所へかかる。
「ぁ、あ、ぁあ──ッッ!♡♡」
ずん、と奥の奥まで貫かれた衝撃。それが激しい快感だったと知覚できたのは、噴きこぼれるように精液を吹き上げてからだった。
クラウディオの腰に足を絡め、肩に縋り、身を丸めて突如、弾けさせられた快感に耐える。
鳥肌だち、震える身体を抱き上げたクラウディオは、熱い精液にお腹を濡らされてご満悦である。
きゅん、きゅん、と縋り付いてくる粘膜を惜しみながら、抱え上げたアルカディアの身体を揺さぶる。
「あっ!?…やっ、…あ!♡ッ…あっ、だめ♡あぅ、いま、だめっ…ぇ…!♡」
射精したばかりの身体の、一番いけない内側をグチャグチャにされて、アルカディアの身体はますます強くしがみつく。
力めばそれだけ、中を蹂躙する男の熱を感じてしまう。
弾けた性感がすぐに次の絶頂への助走になる。
連続絶頂のループに入ったことを直感的に悟っても、膝裏を腕に乗せられ、足をつけられず、腰をがっしりと掴まれたアルカディアにはもう、為す術がない。
「…いぁあっ♡…あ、ひぅ、あ♡だめ…あっんぅぅっ♡あっ…ぁっ、うぁああ!♡♡」
まるで幼児を宥めるように身体を揺さぶられ、爛れてしまいそうに熱くなったお腹の奥を、男のものに貫かれる。
身体が逃げちゃうくらい刺激されたくなかったところなのに、今やもう、明け渡すしかない。
「だ、ぇっ♡いっ、てっ……いって、う、いって、っぅ、から……!♡♡」
ぐちゅ、ぱちゅん、と繋がった所から水音がして、しがみついた身体からも、奥を苛める熱塊からも心音を感じて、犯されてると脳に刻みつけられる。
不安定なベッドのスプリングの上で、大人の男一人抱え上げてバランスのとれちゃうこの男が、こういうときは大っ嫌いだ。
「あ、ぅ、ああっ……!♡ま、た、…おく…いくっ……♡♡」
びくん!と跳ね上がったアルカディアの身体が、クラウディオのをいっぱいに含んで蠕動する。
奥歯を噛んだクラウディオはようやく、欲の満ちる波を感じる。
最奥まで貫かれて、抱え上げられ、揺さぶられて、絶頂し、また快楽に震えるアルカディア。
いやでもだめでも、逃げられない。
触れられてもいない性器から薄くなった精液をぴゅうと噴いて、クラウディオにしがみつく。
「ちゃんといけたな」
猟犬を撫でてご褒美を上げるように、アルカディアの薄い尻を揉む。
「あ、ぅ…♡…も、おろ…して…ぇ…も、や…だぁ…」
「まだ、こっちではいっていないだろう?」
「ぅあッ!?」
強く揺さぶられ、もはやふたつめの性器のように熱くなった粘膜がぐちゃ、といった。
「いあっ……!♡あ、あ、やだっ……やあ!♡あ、あうっ♡そっち、いくの、やっ…だぁ…♡」
アナルで味わう絶頂は、射精の快感よりよほどタチが悪いと、この男が教え込んだのだ。
「こっちで、いかせたい」
「ばかぁっ…!…あぅ、っぉ、あ゛!♡そ、ぇっ、やめっ…やぁっ♡や、だ……やだぁっ♡」
さっきより大きく揺さぶれる。粘膜で感じる快感も大きくなる。
深く、深く、熱く、身体の中にクラウディオの熱を刻まれる。
男に開拓された身体の中は、こんなに貫かれたって痛みよりも悦楽を感じるようになってしまった。
「も、やぁあ…っ♡いきた、っく、…な…いぃ♡…も、いけなっ……♡」
「本当は?」
「い、うぅう……!♡♡」
身体を刺し貫く肉茎は、クラウディオが大きく腰を揺らせばずるんと抜けて、ごちゅんと飲み込む。
「っ、はっ──♡♡あッ!…ぃ、や、それ、いやぁああ…っ…!♡♡」
ストロークが長くて深くて速いのが火花のような快感を連れてくる。
「くら……あ、くら、ぅっ、あぁぅ、っあ!♡♡」
二度、三度と繰り返される。
もういらない。もうこれ以上の快感はいらないと思うのに。
「いきたいか?」
「はっ、あ、っ♡あっ、うぅうう♡♡」
NOだって、言えない。
女の子みたいにいかされちゃったら、ますますこの夜がダメになると思うのに。
「お前にねだられると、弱い。から」
泣きじゃくり、貪られることを望んでしまうとわかっているのに。
「望んでみせろ」
「ぁ…あぅ…い……いか、せて……♡」
「どこで?」
「っん、う、あっ…♡…お、しり、の……おく……♡」
喜んで、とひどく上機嫌な声がした。
「ぁ、あっ♡っひ、ぃ、んぅ♡あ、あぅ…ぅ…♡」
ぎしっとベッドが鳴った。
揺さぶられ、抱えなおされた身体は、もう、クラウディオにしがみつき、揺さぶられて絶頂することしかできない。
ひっぱたかれて落っことされたような悦楽の谷は深く、深く、アルカディアの意識を淫らに染め上げていった。
「いっ、く……っ♡う、ぁ、あ、ん…っっ!♡♡♡」
ずくん、と最奥を貫く陰茎に思考を焼き切られる。
アルカディアはぎゅうっとクラウディオに抱きついた。内側の粘膜もぎゅう、ぎゅう、と美味そうにクラウディオを咀嚼する。
喉の奥で息を詰めたクラウディオがアルカディアの中に熱い飛沫をふきかける。
「ぅあっ…ぁ、ふ…♡」
ガクガクと身体が震え、絶頂する媚肉に白濁が注ぎ込まれるのを感じる。
悦楽は深く、視界が白く染められた。
長い長い絶頂感に汗を搾り取られ、煮込まれた身体はクラウディオの残滓まで搾り取り、ぐったりと弛緩する。
荒い息を吐く身体がようやくベッドに寝かされた。
だがもう、指一本動かせない。
クラウディオが肉茎をゆっくりと引き抜くと、真っ赤に腫れ上がったアナルの縁から白濁がトロトロと零れ出てきた。
快楽の余韻に未だヒクヒクと震える身体がなんとも美味そうで、クラウディオは舌なめずりをした。
左足を抱え上げ、アルカディアの身体を横向きにする。
「も……やだ…ぁ…」
快楽のせいで溜まった涙が落ちてくるのを舐めとり、グズグズになった肉壺へ再び熱を持ち始めた陰茎をゆっくりと押し込む。
「んぅ…ぅ…っ!♡」
びくり、とアルカディアが震えるが、抱え上げられていないほうの脚へクラウディオが体重をかけているため、どこにも逃げられない。
泣きながら大きな熱の塊が再び自分を貫いていくのに感じ入るしかない。
一度、アナルでいかされた身体は、心の限界とは裏腹にクラウディオの陰茎に媚び、その熱を歓待する。
「ふっ…ぅ…、う……♡」
ずるずる、入り込んでくる熱。身体の中で感じる鼓動。
粘膜は意思とは無関係に結腸までクラウディオを銜え込んだ。
「あぅっ……!♡いやっ、あ、あぁ……♡♡」
ぐぽっと音をたててはまったような気がする。
アルカディアは意識さえ焦げ付きそうな熱にすすり泣いた。
クラウディオの大きな手が顔を拭う。わななく唇へ指が差し込まれ、どろどろの口中もゆっくりとかき回される。
お互いの腰骨がくっつく程押し込まれては、中でクラウディオの陰茎が再び太く育っていくのを感じてしまう。
「や、らっ…あう…♡はっ…ぅ、んんっ……♡」
結腸口を張り出したカリがゆっくり前後する。くぷ、くぷ、と頭の中に音が聞こえたような気がして、アルカディアはきつく目を瞑った。
ぐつぐつ煮立つような快感の波が、腰骨の奥から脊椎を痺れさせる。
クラウディオの身体も、しっとりと汗に濡れている。過ぎる快楽に眉をしかめ、しかし、口角があがる。
お互い絶頂したばかりのこの時は、パチパチと泡のはじけるような甘い快楽が身を浸す。
抱えた脚をそうっと折り曲げ、クラウディオはアルカディアに覆い被さる。
真っ赤になった耳朶を食む。ぴくん、と抱き込んだ身体が震える。きゅうっと、粘膜が陰茎を食む。
クラウディオの背を甘い痺れがゾクゾクと駆け上がる。
「お前が感じ入るたび、ここが」
耳朶を唇で愛撫しながら粟だった背を辿り、尻を撫で、ここ、と言いながら粘膜のふちをそっと撫でる。
「私のに、吸い付いてくる」
言いながらも、結腸まで犯された熱い粘膜がおののき、クラウディオに甘い快感を伝えてくる。
涙の膜を崩したアルカディアの目が、切なげにしかめられながらクラウディオを見上げる。
アルカディアに見られると笑いたくなる。けれど、身体の快楽がそれを邪魔して、ひどく獰猛な唸りになる。
「もっと、しても?」
問いかけの答えを待たず、こつ、こつ、と最奥を突くと、がくがくアルカディアが頷く。
恋人のおねだりに弱いのはお互い様だ。
クラウディオは舌なめずりをした。
彼の身体に比べれば少年のようにも見える身を両腕で抱きかかえ、閉じ込める。
「あぅ……っ!」
伸ばした片足の上にクラウディオが陣取り、折りたたんだ脚ごと抱いてしまえば、アルカディアは再び、粘膜を穿つ肉塊から逃れる術がなくなる。
どんなにどんなに快楽を与えられても、身体をくねらすことさえできなくなる。
ゆったりと使われていた腰の動きが速くなる。
「ぅ、あぁぁ…っ♡…は、あっ、あっ♡」
腕の中に嬌声とも悲鳴ともつかない小さく甘い声があふれ出す。
「ひ、ぅっ……!♡」
ぱちゅ、ぱちゅ、と濡れた音が寝室に満ち、アルカディアの喉から喃語が漏れる。
長いストロークで結腸から前立腺まで弱いところをこそぐように前後され、力なく垂れたアルカディアの陰茎から押し出された前立腺液がトロトロと出てくる。
「…んにゃっ…ゃあっ…♡…あ、ぁうぅ♡」
がっしりと抱え込んだので、身体の下でびくつく身体の震えがダイレクトに伝わってくる。
時折、かくかく、と細かく震えるのは甘イキしているからかもしれない。
痛みを感じた時のようにしかめられていた顔は、今や蕩けて、唇が唾液でたっぷりと濡れている。
脳の容量いっぱいまで快楽を詰め込まれたアルカディアの姿は、クラウディオの情欲に油を注ぐ。
「あッ!♡あ、んんっ……!♡」
薄い胸板に咲いた小さな乳首を指先に遊ばせると、肉筒が甘くクラウディオにしがみつく。
硬く尖ったそれを指の先でカリカリする。肉のないお尻がぷるぷると震える。濡れそぼった身体の中を陰茎が前後する。
ふにゃあ、と小さな声が鼓膜に触れて、クラウディオは喉を鳴らす。
全身で気持ちいい、と伝えてくる身体が愛おしくてならない。
まるでアルカディアを手に入れたかのような錯覚は途方もない多幸感をもたらした。
花弁のように色づいた耳朶にアルカディアの名前を注ぐ。
はくはくと短い呼吸をするアルカディアがそれに答え、名前を呼び返す。
「くら、ぃお…」
ぐちゅん、と奥に突き込む。
嬌声がはじけ、火のような快楽に焼かれた舌足らずな声が呼ぶ。
「くらぅでぃお」
そうだ、と言うように素直な粘膜を甘やかしてやると、アルカディアの腕が己を抱くクラウディオの腕にしがみついた。
「…くらうでぃお…♡」
名前を呼ぶことが気持ちの良いことだと教えるように、クラウディオはアルカディアの快楽の源を刺激してやる。
アルカディアの快感はその身の中でクラウディオに跳ね返る。
雛鳥のように震え、熱を貯めた身体に溺れる。
ぎりっとクラウディオの指先に力がこもった。
アルカディアをどこにも逃がさないように抱きかかえ、二度と忘れられないように、その身体の一番奥に熱情を注いだ。
食いでのない身体を食らって気が済むのなら、血の一滴まで残さず腹に収めたいような気分だった。