poisson

ゆっくりとアルカディアの腹の中を満たしてきた陰茎がとちゅ、と結腸口を突いた。

「ひっ……」

小さく息をのむ。全身をピリピリした快感が押し包む。
アルカディアは片方の拳を口元に押し当て、クラウディオの形に広がった身体を震わせた。
クラウディオが覆い被さり、汗で湿った髪を撫でたり、額に口づけたりする。そのうち、身体のこわばりが溶けて、アルカディアは深く息を吸えるようになる。

「は……ぁ……ぅ……」

クラウディオのものは入れているだけでじんわりと前立腺や精嚢を圧迫する。それが、アルカディアに絶えず柔らかい快楽を与える。
入れられただけでピーピー泣いていたアルカディアではもうないのだ。
クラウディオの調教の賜である。

アルカディアは水気の増した目でクラウディオを見上げ、握りこぶしを開いて、クラウディオの頬を撫でてくれる。顔に張り付いた髪をどかして、そっと耳にかけてくれる。
クラウディオもまた、アルカディアの髪をなで、頬を辿る。どちらかともなく口づける。やわく唇を食んで、舌先をなめ合う。

「んっ、ふふ」

身体の中に男を受け入れているくせに、子供みたいな顔でアルカディアが笑った。口づけをくれる。

「あたたかいな」

「ん…熱い」

アルカディアの手が己を囲い込む男の肩を撫で、背中を撫でる。すべすべで、硬い。
アルカディアが腕を伸ばして、その首にしがみつく。ちゅ、とリップ音を立てる。そろそろ動いていいの合図。
熱塊がお腹に馴染んで、ふわふわと蕩け始めたアルカディアの声がクラウディオの耳朶を擽る。

「…社長の愛人も悪くない、かも」

「……愛人?」

いつものアルカディアならワントーン低くなった声の異常さにすぐに気づいただろうに、アナルでイッて、乳首でイッて、抱きしめられながら繋がって、ちょっと油断が過ぎたのだと言わざるを得ない。相変わらずふわふわ溶けた声で続けてしまった。

「うん。おれは、二号」

「一号など、いた覚えがないが」

「これから作るんでしょ、お嫁さん」

「じゃあ、私は?」

「うん?」

クラウディオの指先ががち、とアルカディアの肩を掴んだ。ちょっと痛いな、と思う間もなく、アルカディアは浮遊感を覚えた。

「ぅ?」

クラウディオに抱き上げられたのだと思った時には、座り込んだクラウディオの腰を跨いでいた。
そのまま、落とされる。

「に゛ゃっ​​──ッッッ♡♡♡」

突如、自重で限界までクラウディオの雄に貫かれたアルカディアは背中と喉を仰け反らせ、精液を噴き出していた。

「ぁ……♡は…ぇ…?」

天井を向いたままの面が事態を飲み込めぬままガタガタ震えた。
​​──え?奥、入って……?
恐る恐る、腹の奥の熱塊を粘膜が締め上げた。
きゅ、む、と。わずかな蠕動だけで、アルカディアのお腹は入ってはいけないところまで一息に貫かれたのだと悟った。

「ぅ、ぁ……あッ♡」

ある程度馴染んだ身体でなければ、こんなことをされたら血を見ただろう。
馴染んだ身体だったからこそ、脳髄を焼き切るような性感を流し込まれた。

「私は、お前の、なんだというんだ」

ここまでできるほど丹念に身体を馴染ませてきた男が、アルカディアの腰骨をがっちり掴んで、稲妻みたいに怒っていた。
さすがにアルカディアだってクラウディオにこんな目を向けられたら下手をうったのだと悟る。
お嫁さんを夢見る少女でもあるまいに、 蕩けた頭が漏らした言葉に、アルカディアはただ、見開いた目からぽってりとひとつ涙を落とした。

「ぁ…ぇ…ご、め…」

クラウディオだって、ちゃんと謝ってくれているのは分かっている。だが、怒りが収まらない。
全然おさまってないってこと、アルカディアだって分かっている。
ガタガタ震える身体を叱咤して膝に力を込める。クラウディオの腰を跨いだまま、身体を持ち上げようとする。眇めた目でクラウディオがそれを見やる。
アルカディアははく、はく、と空気を噛みながら失った身体のコントロールを取り戻そうとする。

「くらでぃお…は…おれ、の、こいびと、…」

クラウディオの首に取りすがる。すりすりして、ご機嫌を取る。

「…ごめ、ん」

クラウディオに眉を寄せて、頬に口づける。

「だいすき」

噛みつかれてもいいくらいの気持ちで唇を重ねるが、リアクションをしてくれない。
アルカディアは濡れた頬をぐしぐしと拭って、再度、腰を揺らそうと頑張る。
なんとか前後に振れるようになって、意を決して腰を上げる。
クラウディオの亀頭がぐっぽり♡と嵌まり込んだ結腸口から引き抜こうと頑張る。

「んぅ……♡ぅ、うっっ♡♡」

プルプル、とアルカディアの腰が揺れる。
ひと突きで射精しちゃうような場所から、最大値ではにせよ、でっぷりと太った亀頭を引き抜くのはアルカディアにはとっても大変だ。
力を抜かなくちゃとは思うものの、貪欲な最奥はこのご馳走に食いついてきゅむきゅむと味わおうとする。
締め付けたら気持ち良くなってしまってくてくてと力が抜ける。それを深呼吸していなして、いなしきれず、吐息を甘く熱くさせながら、アルカディアは頑張った。

「んうっ…あ、ぅっ」

結腸の弁は美味しそうに亀頭を吸っている。引き上げると高いカリで弁が押し広げられる。

「ぅぁっ……」

一番奥がクラウディオの形に押し広げられ、陰茎の一番太いところからゆーっくりと引き剥がされる。
やがて、くぽん、と結腸から陰茎が抜ける。

「ひ、ぁあっ……♡」

初めて自分で引き抜いた結腸の弁は脳髄を殴るような性感を生み、アルカディアの陰茎にぴゅるると大量の先走りをお漏らしさせた。
そんなことしちゃえばもう、自分の身体を支えていることなどできない。
アルカディアは再び、クラウディオの陰茎の上に座り込んでしまった。

「​​──ッッッ♡♡」

再び下からずん、と結腸口を貫かれて、アルカディアは声も出せずにナカイキしてしまった。
きゅうう、とアナルに締め付けられて、クラウディオの眉間が寄った。アルカディアがご機嫌を取ろうと騎乗位しようとしてくれたことはわかってる。
頑張っているのはわかるけど、許してやる気にもまだならない。
お嫁さんだと?
そんなもの、お前がなれという話だ。

「どうした?」

「ぁ、……」

うつむいてプルプルするばかりのアルカディアのおとがいを掴んでこちらを向かせると、思いのほかグチュグチュに泣いていた。
きゅう、とクラウディオの胸がざわつく。同時に、どくり、と脚の間が膨らむ。

「機嫌をとってくれるんじゃないのか?」

「う、ん、……」

ごめんなさいする、とアルカディアは頷く。
今すぐ、ベロベロに甘やかしたい気持ちと、二度と馬鹿なことを口走らないように躾け治したい気持ちがわいてくる。

「しかしこれでは、お前がよくなるばかりじゃないか」

「うわっ」

釣り上げられた魚のように震えるアルカディアの陰茎をクラウディオが掴んだ。ドロドロに溶けたそれを大きな手がちゅこちゅこ扱く。

「ひっ♡いっ、ぁっ、いま、や、めっ……」

ようやく与えられた刺激が、一番与えられたくないタイミングでアルカディアを苛む。
ちんちんを苛められるとアナルがきゅうきゅうと陰茎に抱きつく。
べらり、とクラウディオは乾いた唇を舐めた。

「お前が動かなくとも、ここを弄れば楽しませてくれるな?」

萎えたちんちんの鈴口をクラウディオの親指がグリグリと捏ねる。アルカディアは飛び上がったが深々と刺さった陰茎から逃れられない。
アルカディアはカタカタ震えたが、ぎゅ、と目を瞑って頷いた。



「ねえっ、まっ、て、…それ…っ」

えっちなお道具箱から取り出された銀色の細い棒にアルカディアが慌てふためいた。
そうしたプレイがあるのは知っていたが、実物を見たアルカディアが怖じ気づき、結局使ったことがなかったのだ。尿道プジー。
前戯でだって入れたことがないのに、結腸までぐっぽり亀頭を嵌めてそんなの刺されたらダメになるだろう。

「暴れるな。手元が狂う」

でこぼこした銀色の棒にローションが絡みつく。鈴口にあてがわれ、アルカディアはクラウディオに縋り付く。
怖くてたまらないのに、身体がこわばると後ろを締めてしまう。アナルだけがちょっと気持ちいいなんてもう身体がバグってるとしか思えない。

「っぅひっ……!」

つぷ、と冷たい棒が尿道口を広げる。意外と大丈夫かも、なんて思った次の瞬間、熱いのか冷たいのか分からない痛みが急所を駆け抜けた。

「〜〜〜〜っ!」

液体しか通したことのない狭い管が金属の棒によって押し広げられ、おうとつを飲み込むたびに広がっては狭まる。
アルカディアは声も出ない。呼吸もできない。身動きできない。
痛い。
つぷつぷとローションで滑る棒が入り込んでくる。狭い管が内側からコリコリされている。
きゅうう、とアナルが締まって、クラウディオも息を詰めた。
なんで気持ちいいの
アルカディアは声も出せずに愕然としていた。クラウディオの手の中で、金属に刺し貫かれている陰茎がムクムクと血を集めていく。

「はっ…ふ…♡ひ……ぅ♡」

どく、どく、と心臓になってしまったかのように、ちんちんが脈打つ。

「ちゃんと息をしていろ、いいな」

「ぁ……、は……」

まなじりが裂けんばかりに目を見開いたアルカディアがガタガタと震えながら股間を見下ろす。
銀色の棒を飲み込んだ己の陰茎がパンパンに膨らんでいるのを見て、ぽろりと涙を零した。
呼吸のたびにアナルがひくつき、腰骨を蕩かすような性感が沸いてくる。どくどくと脈打つ陰茎は痛みとともに、毒のような快楽を生んでいる。
ポロポロと涙が零れていく。
クラウディオは手の中に捕まえた陰茎から、ゆっくりとプジーを引き上げた。

「ひっっ……♡い、ぁ、あっっ♡」

射精の快感が何倍にも引き延ばされて与えられる。射精なんてあんな一瞬だからこの快感にも耐えられるのだ。
強制的に、こんなに長く、与えられていいものではない。

「や、だっ……♡うご、かさ、な…でぇっ」

暴れたい。怖くて動けない。
代わりに、陰茎を食んだアナルがひくひくとうごめき、さらなる快楽を貪ろうとする。

「は、こんな所でも、感じるのか」

アルカディアを煽るクラウディオの声も、泣きながら感じるアルカディアにあてられて掠れている。

「い、ぁあっ♡あ、ぁあうっ」

つぷ♡ つぷ♡とプジーが出入りして、悲鳴と言うにはずいぶんと甘やかな声が漏れ始めた。

「いっちゃ、かぁっ♡それ、やぇ、えっ」

「安心しろ、出てはいない。お前は出してしまえばすぐ寝てしまう」

ちゅっぷ、ちゅぷ、と尿道口から溢れる雫は精液混じりだが、塞がれていて溢れていかない。
それがまたアルカディアの狂乱に拍車をかける。苦しいほどの射精感があるのに、漏れるばかりで射精できていないのだ。

「あうぅっ……♡やっ、だ…ぁっ……♡」

ガタガタとクラウディオに跨がったアルカディアがクラウディオに抱きつきながら震えている。
アナルはキュンキュンと陰茎を食み、アルカディアの腰骨を内側から溶かすような快楽を貪っている。
苦しくて痛くて気持ち良くて射精してるけど出てなくて時々ナカイキしちゃう。

「ゃ、ぁ、あっあ、ぅ♡は、あっ……ぅううっ♡」

「まだ、だろう?」

「ひ、ぃいっ♡」

ちゅるん、とプジー引き抜かれてアルカディアが再び絶頂した。苛められていた尿道はやっと解放されても上手に射精できなかった。また、中だけでいった。
ナカイキしたアナルがひく、ひく、とうごめくなか、アルカディアはクラウディオに抱えられてベッドに横たえられた。
ぱか♡と割り開かれた脚の間で、出せなかったちんちんが震えている。
その先端に、ローションを継ぎ足したプジーが再びあてがわれる。

「も、もう、や、やだ…ごめ、なさ…おねが、やめ、て、…おね…が…っぅああんっ♡」

アルカディアの懇願をやめさせたのは最奥を突いたクラウディオの陰茎だった。
いったばかりの弱々アナルで黙らされて、アルカディアはぷるぷると震えた。
為す術なく、尿道が貫かれていくのを見下ろした。しかし、さっき止まってくれた場所で終わってくれない。

「え、ぁ…そ、な…ふか、い…っ、ちょっ、とまって…っ、だ、めっ…だめっ」

きゅきゅきゅ、とアナルが陰茎を食い締めた。
その奥になにがあるのかなんて、身体のほうがよく知っていた。だめになるほど気持ちいいって、知っていた。

「い゛ぁッ♡♡♡​​​​──〜〜〜〜ッッ!!!」

尿道は前立腺の中央を貫くように膀胱へと繋がっている。そしてクラウディオの手によってプジーはその隘路の奥へ、ツプン♡と挿入されたのだ。
アナルから突き上げられ、揉み込まれ、快楽を得ることを覚えていたそこは、尿道プジーにコツンと突かれただけで、完全降伏してしまった。
アルカディアは限界まで背中を反らせ、声も無く震え上がった。
プジーの隙間からプシュっとわずかばかりの潮を吹いたが、それ以外の発散方法はなかった。身体の内側で弾けた快楽の爆弾は明晰な思考を跡形も無く吹き飛ばした。

「っ、は、は」

アルカディアの腰を片手で支えながら、クラウディオは汗でべたつく髪をかき上げた。堪えきれない愉悦に唇が歪む。
見下ろす身体は柳の葉のように頼りなく見える。しかし、陰茎にもアナルにも本来の用途を思えば考えられぬ容量を詰め込まれ、真っ赤に染まっている。
絶頂し続け、動けないアルカディアの代わりにひくひく、と素直なアナルが陰茎に甘えてくる。どくり、とクラウディオの陰茎も跳ねて熱を貯めた。
クラウディオはなんとなく、アルカディアが年上のように思うことが極稀にある。静かな口調や綺麗な顔の裏に時々、老獪さが滲むのだ。
そんな男でも、ここまで辱められたことはなかろうな、という確信と(あってたまるか)、いずれ、この男を置いて逝くのだろうなという予感が胸に迫る。

「起きろ、アルカディア」

意識を飛ばしたアルカディアの頬を慈しむように撫で、クラウディオは唇を歪める。
再び独りになったこの男の身体が夜泣きする様を思い浮かべたのだ。

「くあ、でぃ…お…?」

残酷な願いだ。クラウディオはアルカディアに、今度こそ悠久の時を、自分を思って泣けと願っている。
クラウディオは乳飲み子を抱くようにアルカディアの背を抱える。薄くて白い背に焼きごてを当てるように、熱い手のひらを押し当て、首筋に顔を埋める。

「寝るのにはまだ早い。私の機嫌をとってくれるのだろう?」

びくん、と腕の中でアルカディアが震える。全身で抱え込む。

「もっと、私を楽しませてみろ、アルカディア」

絶句したアルカディアをよそに、クラウディオを迎え入れた媚肉が、はーい♡と良い子のお返事をした。