sorbet
仰向いたアルカディアの両腕を、クラウディオが手綱のように掴んでいる。閉じることを許されていない脚の間はローションや二人が零した淫水でしとどに濡れて、ねばついた水音を立てている。
「っ……あ♡ふぁっ……」
クラウディオの陰茎がアナルを前後するたび、アルカディアは甘い吐息を漏らした。
揺さぶられるたび、尿道プジーを埋め込まれたアルカディアの陰茎がぷるん、ぷるん、と揺れて快楽の雫を零している。
そこを揺らすとプジーの先がコリコリと前立腺を揉み込み、腰骨をトロトロと煮溶かすような悦楽を生む。
快楽に呼吸を阻まれるほどではなく、けれど頭を働かせることができないくらいの、絶妙な加減でアルカディアは揺さぶられている。
「ぁ、ぅっ……」
ひくん、とアルカディアのアナルがおののいた。
「いきそうか?」
「ん、ぅ……んっ♡」
アルカディアが頷く。肩をすくめるように痩せた身がこわばり、真っ赤に熟れた三つの突起がそれぞれツン、と勃ちあがる。
「なら、なんて言う?」
「ぃ、……」
羞恥に消え入りそうなアルカディアの声が告げた。顔を隠したいが、クラウディオに両腕を捕らわれて叶わない。
今までだって口走ることはあったけれど、こんなにも熱い視線を注がれ、結合部を見せつけるように脚を開いて言わされることはなかった。
「い、くっ……♡」
でも、アルカディアはクラウディオのご機嫌を取りたい。アナルを甘やかされながら、アルカディアは絶頂を予告するように仕込まれた。
それに、彼の言う通りに報告すると、一番気持ちいいストロークで中を突いてくれるのだ。
「ぁっ♡は、あっぅ、い……ッ♡」
プジーとアナルとで前立腺がサンドされ、握りつぶされた果実からジュースが迸るように、アルカディアの全身へ快楽信号が行き渡る。
「ぁっ、ぅ、いっ……〜〜ぅあッ♡♡」
アルカディアの背中がピン、と反り返った。目を閉じ、喉をそらして、たまらないエクスタシーを体中で味わう。
アナルがきゅう、きゅうといかせてくれた陰茎に抱きつき、甘える。その熱い抱擁をクラウディオはそっとかき回す。
「ぁ…ん…ぅ…」
まるで抱き上げた姫君を横たえるように、ゆっくりと快楽の頂から下ろされる。かといって気持ちよさがすっかり消えてしまうわけではない。
絶頂した直後で、未だ快楽におののくアナルは熱い肉塊でクチュクチュとあやされて、再び新しい快楽を掴み始める。
「んっ、ぅ……ふぁ…」
もう、何度こうしていかされただろう。射精ができないから、終わりが無い。
背中が脱力すると、コンパクトな腰骨がぴくん、ぴくん、と跳ねて新しい刺激に喜び始めてしまう。
出せない苦しみが、アナルでの快楽に上書きされ、アルカディアをとろかせる。
「上手にいけるようになったな」
クラウディオが掴んでいたアルカディアの腕を解放する。促されるままアルカディアは脇を開き、腕を上げた。標本箱の中の蝶々みたいに、アルカディアはクラウディオの腕と陰茎でシーツに留められた。
「ん、う…ぁ、ふっ……♡」
クラウディオの声が低く、掠れている。瞳の色が変わりそうなくらい興奮している。
緩くアルカディアの中を前後するだけだというのに、逸物はドクドクと脈打ちながら時折、大量の先走りをアルカディアのアナルへ注いでいる。
アルカディアの身体がクラウディオを受け入れることを覚えていったように、クラウディオもまた、アルカディアに快楽を注ぎ込む愉悦を覚えている。もはや、ただ射精するだけでは物足りないのだ。身体を重ねて、心まで重なったような錯覚を覚えなければ終われない。
「こっちが疎かだったか」
クラウディオが片手でアルカディアの両腕を拘束しながら、あいた手で薄い胸板を撫でる。
きゅん、とアナルが陰茎にしがみついた。
「ぁ……ん……」
アルカディアの吐息が快楽への期待で浅くなり、同時に、同じ物への恐怖で震えていく。
クラウディオがほんのわずか、さり、と突起を指先で転がす。
「んっ、ぁッ……っ!」
全身に稲妻のような快楽が走る。
ほんの小さな突起を撫でられただけなのに、走った快感の大きさにアルカディアは目を見開いた。前立腺を挟み込まれ、アナルを捏ねられながら快楽神経を剥き出しにされた小さな粒を転がされるのは思っていた以上の衝撃だった。
アルカディアはふるふると首を振った。だが、クラウディオは大きな両手でアルカディアの顔を包み込み、汗で張り付いた髪を避けながら鼻先に口づける。
「アルカディア」
駄々っ子をなだめるような声で、受け入れろと命じる。
アルカディアはひっく、と喉を引きつらせて痺れる両腕をおずおずと下げ、クラウディオの腕をぎゅ、と握る。
「さ、わって」
消えていきそうな声で願う。アナルでクラウディオがどくりと跳ねたのが感じられた。脈動にじいんと悦楽が沸いた。
クラウディオは差し出された赤い粒をそっと指先で撫でる。それだけできゅうう、とアナルが締まった。
「っ──ッ」
熱い快楽に脊椎を貫かれ、呼吸を奪われる。クラウディオはアルカディアが震える吐息を吐いてからふたたび、ころり、ころり、と乳首を転がす。
プジーを銜え込んだ尿道まできゅっと締まった気がする。じわりと目玉に水気が増した。クラウディオはゆるやかに腰を使っているだけなのに、アルカディアの身体は嬉しそうに陰茎にじゃれつき、さらなる快楽を求めていく。乳首を弄くられる快楽にアルカディアが陰茎を震わせながら耐えていると、クラウディオが頬に口づけしてくれた。
頑張っているのが、報われた気分だ。
途端、胸に溢れた多幸感にアルカディアの唇からまた紅色の記号が漏れる。
ちゅ、ちゅ、とキスされながら、大きな手の平がふたつ、薄い胸板を覆うように包みこんだ。人肌の暖かさに汗で湿って余計ひんやりしていた皮膚がぬくもる。
「くら…でぃお…」
名前を呼ぶと、甘く煮詰まった琥珀色の目がアルカディアの瞳孔をのぞき込んだ。三日月型に目尻が和らぐ。
何処も彼処も刺し貫いてくる男なのに、柔らかく見つめられると、嬉しくてたまらない。悪い人だ。
「く…らぅ…でぃお」
「ああ。ここにいる。もっと、くれるか?」
鼻先をすり寄せて可愛くおねだりする。アルカディアは拒めない。
小さく頷けばクラウディオが背中を丸めてアルカディアの胸元にかがみ、乳首を唇の間に吸い込んだ。長い指がキュム、と乳首を摘まみ上げた。
「んぁっ♡」
ぷるん♡、と唇や指先を弾く小さな粒の弾力を楽しむように、クラウディオはアルカディアの乳首を吸い、揉み込んだ。
きゅきゅきゅ、とアナルが陰茎にしがみつく。そっと振り払うように腰を揺らすとアナルはふるりと震えて陰茎を柔らかく押し包んだ。
そして、乳首の快楽が臨界に達すると、再びきゅうきゅうと亀頭を吸うのだ。
「っは、ぅあ♡あ、ぁ、んッ!」
アルカディアは胸元に埋まるクラウディオの頭を両手で抱いた。引き剥がしたいのか抱きつきたいのか自分でも判然としない。
小さな粒が白い前歯に挟まれ、こり、こり、と甘噛みされた。
「っひゃう、ぅっ」
小さく、アルカディアの唇から子犬のような嬌声が漏れた。
プジーの隙間からどくどくと先走りが溢れ始める。陰茎を押し包む熱々の粘膜がちゅぱちゅぱと美味しそうに陰茎を吸った。
アルカディアは全身でクラウディオの与える快楽を受け止める。頭が快楽の鍋で煮込まれ、くらくらする。
「っぅ、ぁ、あっ♡はぁ、ぁ…うぅ…♡」
指と唇が交代する。唾液で滑った粒が硬い指先にきゅむ、と摘ままれ、指先でさんざん捏ねくられたほうが唾液でトロトロにされる。
アルカディアは目を閉じて快楽に溺れた。アナルを責める陰茎も徐々にストロークを深く、長くして、プジーと一緒に前立腺を揉んだら、結腸口までトチュン♡トチュン♡と突いてくるようになった。どこもかしこも、気持ちが、いい。
アルカディアの脚が震えながらクラウディオの腰を抱いた。腕は胸元にかがみ込む頭をだき、背中に縋った。
まるで、大きな獣がアルカディアにのしかかり、血肉を貪っているかのよう。
「っぅ、ぁ、はぁっ、あっ♡ぁ、あぅっ……♡」
食べられているかわいそうな人からは、甘い、甘い、悲鳴が溢れる。
いっぱい、いっぱいいかされたアナルはすっかりイキ癖がついていて、いくらもしないうちにアルカディアはビックン!と跳ね上がった。
「ぅあッ♡あ、あっ、ん…〜〜〜っっ♡」
ちょうど、結腸口に亀頭が押し当てられ、アナルはそれを美味そうにちゅー♡っと吸った。
お腹の奥までたっぷりクラウディオに満たされた多幸感が絶頂に痙攣するアルカディアの全身を満たす。さざなみのようにエクスタシーが引いていくまで、クラウディオは亀頭をしゃぶらせてくれたし、乳首も摘まんで、舐め転がして、たっぷり気持ち良くしてくれた。
「っふあ、ぁ…ぅ…♡」
かっくん、とアルカディアの全身から力が抜ける。もう指先にさえ力が入らない。
絶頂の余韻に蕩けた顔をさらしながら、ぼんやりと天井を見上げ、自身が乱したクラウディオの髪を無意識に撫でていた。
「いったのか?」
「ん…♡…ぅ…ん…」
とろん、と応えたアルカディアは次の瞬間、肉の無い脚をビン!と突っ張らせた。
「──ッあ゛!?──……ッッッ♡」
真っ白になった意識の中で、お腹の奥の奥で、どくん、どくん、と陰茎が脈打っているのを感じた。
また、ひと突きで結腸口を抜かれたのだと認識する間もなく、今度はぐぽん♡とはめ込まれた亀頭が引き抜かれた。
「ひっ♡」
重たい快楽におののき、引き締まったアナルをごりゅごりゅとこそぎながら陰茎が引き抜かれる。
「ぁ、ぅあ、っあ♡あっ──……ッ!!♡♡」
濡れて火照った媚肉の襞を一枚ずつ弾きながら張り出したカリが抜かれていき、括約筋に引っかかって止まる。そして滾った陰茎は、ズン♡ と重い一撃を前立腺の真裏に与えた。
「…〜〜〜〜〜ッ♡♡」
プジーを銜え込んだ前立腺にそんなことされてしまえば、アルカディアの意識は快楽で真っ白に焼き切れた。
さっきまでの甘ったるい絶頂とは全然違う。イッたんじゃなく、イかされたのだ。
絶頂に震えるばかりのアルカディアの頬を、クラウディオの指の背が愛おしげに撫でる。
「いくならなんて言うんだった?アルカディア」
アルカディアは言葉を紡げない。そんな余裕はない。
クラウディオがわずかに首を傾けて、はにかむように微笑んだ。見開いた目のいっぱいに己が映っていることを心の底から喜んでいる。
「思い出せ」
長い陰茎が再び限界まで引き抜かれ、前立腺をごりごりと突き上げて結腸口を押し上げ、その弁を抜く。
「ぅ──ぁ゛、ぁ、あっ……ッ♡♡」
さっきまでお腹を優しく揺さぶられ、いっぱい甘やかされていたからか、なにも構えることができなかった。
アルカディアはクラウディオの望むがまま、いただきに放り投げられて戻れない。
くぽくぽと結腸で亀頭を扱かされて背筋が感電したかのように震え上がった。
「に゛ゃう、ぁん゛ぅうぅ゛……ッ♡♡」
イッても、イッても終わらない。快楽が去る前に新しい刺激を与えられる。
甘やかされてイキ癖をつけられ、尿道プジーを埋め込まれて前後から弱点を揉み込まれ、太く熱い陰茎にずんずんと裏側から押し上げられる。
「ひぁ゛、ぁ、や゛っ…っ♡うぁっ、あっ、ぁううっ♡」
イキっぱなしのアナルはとっくに降参してて、イかせてくれる肉茎にまとわりつき、吸い付いて、次々に快楽を貪っている。
翻弄されるのは、アルカディアの意識ばかりだ。
「ん、ぅぁう゛っぅ、ぅ、そこ、ぁぅ……ッ♡」
こりゅ♡こりゅ♡と裏側から前立腺がおしあげられ、プジーに挟まれて揉み込まれる。
アルカディアの陰茎は過ぎる快楽に身悶えるように首をふり、根元に埋まったプジーを前立腺のあちこちに押し当ててしまう。
「こっらのほうがいいのか?」
「ふゃっ──……ッ゛ぁああっ……ッ♡」
攻められすぎて熱く蕩けてきた結腸口をとちゅん、とちゅん、と抜かれると、アルカディアはきゅーっと陰茎を絞り上げた。
く、とクラウディオが喉をしめ、眉を寄せる。汗でぐっしょりと濡れたアルカディアの身体を抱き込み、再び胸の頂に唇を寄せる。
「ひゃ、ぁあアっ……ッ♡」
結腸をこね回され、乳首まで吸われて甘噛みされ、あめ玉みたいに舌先で転がされる。
大暴れして苦しいくらいの快楽を発散させたいのに、指一本自由にならない。
「──……ッ♡や゛ぁああっ……ッ♡い、やぁあッ♡♡」
長いストロークでいきっぱなしのアナルが掘削される。
押し包むと押し広げられ、彼を咥える狭い肉筒すべてが性感帯に変えられていく。
「だめ゛、ぇ゛、あっ……ひッっ〜〜、ひぃあ……ッ♡」
クラウディオがアルカディアの乳首を吸いながら、腰の動きを早めた。
くにゅくにゅと熱い粘膜が熱い肉塊にこね回され、前立腺も精嚢も結腸もめためたに揉み込まれる。
「ッ♡はっ……ッ♡」
クラウディオが低く、重たく、快楽にまみれた吐息を落とした。いきっぱなしのふわとろアナルに抱きつかれては先端を吸われ、くにゅくにゅ陰茎をしゃぶられているのだ。
クラウディオの甘い吐息がアルカディアの鼓膜に触れた途端、熱したフライパンの上で水滴が弾けるように、アルカディアの脳裏で快楽が弾けた。
一人で気持ち良くなるよりも、二人で気持ち良くなったほうが、何倍も、何倍も、毒のように、悦楽は深い。
「あ゛、ん…──い…く……ッ♡」
「ああ、わたし、も」
「ひ♡いッ゛……っ〜〜〜♡♡♡♡」
結腸のさらに奥へ、どくどくとクラウディオの精液が注ぎ込まれる。煮えたぎるように熱いアルカディアの身体へさらに熱い雫が吸い込まれていく。
クラウディオは全身を檻のように硬くしてアルカディアを身体の下に抱え込んだ。どくり、どくり、とこめかみで心臓が響き、奥歯をきつく噛んでいなければ体中がバラバラになってしまいそうな快楽に耐える。
アルカディアを絶頂にたたき込んでおきながら、クラウディオだってどぎついエクスタシーに瞼の裏を赤くしていた。
この存在を、どこにもやりたくない。手放すくらいなら血の一滴まで胃の腑の底に隠してしまいたい。
狂ったなあ、とクラウディオの頭の片隅で自分が笑う。
狂わせた原因は、真っ赤に染まった頼りない肢体をすっかりクラウディオの腕に預けて、ぴく、ぴく、と瀕死の獣のように跳ねていた。
クラウディオはその頬をひと舐めする。しょっぱいはずの汗や涙が、甘露と思うほど。
──ああ、狂った。狂ったとも。
「これが愛か」
クラウディオは舌なめずりをした。
悪くない。まだ食える。