dessert

ヌードの背中に爪を立てられても許せる生き物なんて、アルカディアのほかにはいないのだろうな、とクラウディオは華奢な肩に鼻先を埋めた。

「ぃ、ゃ、あ……や、だっ……」

一息に刺し貫いてしまいたいのを堪えながら、クラウディオはゆっくりとアルカディアの腰を下ろさせ、その下でそそり立つ陰茎の上に座らせていく。
ぎゅうう、とアルカディアがあらん限りの力で首っ玉にしがみついてくる。
ガタガタ震える脚もクラウディオの胴を挟んで、アルカディアが全身で縋ってくれることがわかる。

「お前が、中にほしいと、願ったのだろう?」

恍惚とクラウディオの声が蕩ける。
お互い、汗でベチャベチャの身体を密着させているのに嫌悪感どころか、皮膚さえ邪魔だと思う。

「ち、が……なか、ぁ、あ……ッ!」

ずる、ずる、とクラウディオに押し開かれていく隘路が感じたことのない性感を叩き込んでくる。
絶頂する前の快楽がずっと続く。熱塊を飲み込んで満足しているはずなのに、胃袋がふつふつと沸き立つほどもどかしい。
クラウディオの鼓動が重ねた胸からも飲み込んだ後孔からも感じられる。

「い、ぁああ……ッ♡」

あと少しで前立腺がカリ首に押しつぶされる。
アルカディアは腰骨をガタつかせながらクラウディオにすがりついた。
ひどいイキ方するって思った。

「ぁ、ぅ、いく…いく……ぅ♡」

アルカディアが泣きべそみたいな声で告げた。胃袋の底を絶頂で叩かれるような気がした。
落ちるってわかってるジェットコースターみたいに、ぎゅ、とクラウディオの首を抱いた時、とうとうウィークポイントが怒張で揉みこまれた。

「ぅっ…ぁ…ッん!」

ふわふわと蕩けていた前立腺は、アナルから硬い陰茎に押し上げられ、シュークリームを摘まんだみたいに、ぷにゅ、と潰れた。
そして、内側に仕込まれたプロステートチップを尿道越しに前立腺へ食い込ませた。
外側と内側から敏感な性感帯が圧迫された。

「っひ」

アルカディアが甲高い一瞬の悲鳴を上げ、反射的に飛び上がろうとした。しかし身体はクラウディオにがっちりと抱え込まれ、逃げられなかった。

「あ゛〜〜〜〜ッッ♡♡♡」

一転、アルカディアの声は濁って低く、潰れたシュークリームから溢れたカスタードみたいに、ぼったりとシーツに落ちた。
細い喉が限界までそらされ、ぽっかりと口を開けて声にならない悲鳴を迸らせる。
焼き切れた意識の代わりに、しとどのアナルは待ちに待った大量の悦楽を飲みほさんばかりに陰茎にしゃぶりついた。

「ん゛ッ……ッ!」

クラウディオがぶちまけてしまいそうなのを奥歯を噛んでいなした。
半分溢れたかもしれないが、煙草の煙を肺に入れた時のように、前頭葉からうなじへ快楽の波がぐわりと駆け抜けた。
アルカディアの尻たぶがクラウディオの大きな手の形に歪む。殆ど本能的に、クラウディオは気持ち良くしてくれた熱い身体の中に半身を潜り込ませていく。

「ッ!?っッ​​──ッッ♡ッ​​──ッあ゛、ぅううっっ♡♡」

ぷくぷくに膨らんだ陰茎が肉の輪をプリプリと弾きながら粘膜に押し込まれていく。
きつく瞑ったアルカディアの目尻からじゃば、と涙が溢れた。
凶悪な形の陰茎は今までに無い興奮でパツパツに膨らんでおり、アナルプラグみたいにアルカディアのお腹を押し広げ、声さえ奪う快楽を押し込んでくる。
​​──また……いく……
暴れ回りたいほどの快楽を詰め込まれているのに、身体は間接が抜けたみたいに動かない。代わりにクラウディオの腕がアルカディアの身体を下へ、下へと押し下げていく。
突き上げないのは気遣いかもしれないけれど、こんなにねっとりと陰茎をしゃぶらされたら絶頂から降りてこられない。
​​──なにこれ、なんで。これいや、やなとこばっか。もうイかさないで、おろして、おろして

「〜〜っ♡ぁ゛……ッ♡ふっ…ぅ…ッ!」

焦らされるってこういうことだったのだとアルカディアは悟った。
さっきまであんなに快楽を欲しがったから。脊椎が焦げ付きそうなくらい絶頂を望んだから。
やっと与えられた快楽を身体が貪り食らうのだ。喉が渇いた人が渇望のあまり飲み干す水に溺れるように、アルカディアはじゅるじゅると飲み込んでいく陰茎を味わった。
すっかり飢えきっていたのだから、飲み込むちんちんはこんなにひどい形をしていなくったっていいのに。

「っ……してッ……ッも゛、​​──降ろ、してッッ♡♡」

こりゅ、こりゅ、と陰茎を飲み込んで肉の輪や敏感な浅い場所を弾かれるのもたまらない。
大きく張り出したカリ首が粘膜のヒダを一枚ずつ弾いていくのもたまらない。
さらにでっぷりと太った亀頭が結腸口にとっちゅん♡しそうになってる。
もうこれ以上、絶頂にいるのは辛かった。吐き出しそうな快楽にアルカディアはなんとか声を絞り出した。

「おろして……ぇ゛ッ​​──♡」

​​──もうイかせないで。絶頂の上塗りはもう苦しい。
アルカディアにとってはギブアップだったのだが、クラウディオにとってはおねだりだった。
なんといってもクラウディオは、アルカディアのコンパクトな腰骨をガッチリと掴んで、力の入らないアルカディアの代わりに、少しずつその腰を「引き下ろして」いたのだから。
降ろしてというからには、最奥を貫いてほしいということなのだろうと思った。こんなにいっぱい気持ち良くなってくれて、熱い粘膜でクラウディオを甘噛みしてくる恋人がさらに求めてくれる。抱きついてくれる。抱きしめてくれる。気持ちいいって、教えてくれる。心臓の炉に燃料を注がれたみたい。

「ああ、お前が望むなら」

愉悦と快楽に煮崩れ、シロップみたいに色気を滴らせた声がアルカディアの鼓膜をダメにした途端。

​​──ドチュン……ッ

クラウディオの腕がアルカディアを引き下ろした。

「あ゛​​──……ッッ!?」

裏筋は前立腺をくりゅん、と揉み潰し、亀頭は結腸を押し開け、キツく締まる結腸の弁がぬっぷりと亀頭の丸みに沿って拡張され、カリ首の下に食い込む。
蠕動することになれた肉の筒は最奥に嵌まり込んできた血の熱をむちゅ、と押し包んだ。
アルカディアにとってはギブアップの直後に与えれた追い打ちだ。本気でダメって言ったら、きっと手加減してくれると無意識のうちに思うくらいにはクラウディオを信頼しきっていた。
だのに、一番奥まで割り開かれた。搾られた果汁のようにアルカディアのちんちんから熱いイキ潮が吹き上がっていた。
驚いたアナルは一息にギュン!と陰茎を絞り上げた。
アルカディアが肺の中からすっかり空気を吐き出してしまうまで、媚肉はじゅう、ぢゅう、と熱塊の中に詰まったシロップを吸い上げた。

「っぐ​​──♡」

おねだりにすっかり興奮していたクラウディオは熱い粘膜に促されるまま、真っ白い精液をお腹の奥に噴き上げていた。
どく、どく、と鼓動と同じリズムでアルカディアのお腹を汚している。快楽以外のなにも感じ取れなくなった数十秒。頭の先からつま先まで何度も雷のような快感が駆け抜けていく。
クラウディオでさえ呼吸を奪われていた。

「っ、は……ッ♡♡」

尿道の残滓までちゅーっと吸ってくれていたイきっぱなしのきつきつアナルが急に、ふにゃんと脱力した。

「あ゛、ぁ、あっ……ッ♡♡」

ようやく呼吸を取り戻したアルカディアの喉から蕩けきった嬌声があふれ出した。

「に゛ゃ……ッ♡はっ、あ゛♡っぅうっ♡おなかっ……ッ♡♡んぅ♡おなか…きもち、いのっ、終わ、んな……ッ♡あぅぅッ♡」

アルカディアは何度もおののいた。首を振ったのかもしれない。
アルカディアはカクカクと腰をざわめかせた。これ以上の快楽は毒だとようやく欲張りなアナルも悟って、逃げようとしたのかもしれない。
けれどそれらはともに、全身を震わせながら最奥に放たれた熱々の精液を粘膜にすりこみんで、もっと頂戴と陰茎から揉み出すような動きだった。

「そうか、気持ちよかったのか」

クラウディオが熱い手でアルカディアの頬を挟み、汗と涙が混じった雫を拭ってくれる。
パートナーを絶頂させられた雄だけが感じる多幸感と万能感と、この生き物だけは大事にしよう、と溢れてくる思い。
クラウディオは男にしておくのが惜しいほど滑らかな皮膚をアルカディアにすり寄せる。
焦らされている間に精液をお漏らししてしまったせいで、射精感が得られず、感じたこともない中イキの快楽を受け止めきれずに潮を吹いてしまったちんちんが、すべすべでゴツゴツしたクラウディオのお腹に挟まれ、くちゅくちゅと揉み込まれた。

「ん、ひっぅ♡♡……ッんぅうっ」 

ちんちんを震わせながら中で感じ入る恋人の可愛い顔をこんなに間近で眺めて、口づけずにおれようか。
クラウディオの長い舌がアルカディアの歯列を割り開き、どろどろの唾液で満ちた口中をかき回す。
粘膜をこの人に撫でて貰えるのは嬉しいと学んだ身体はきゅん♡きゅん♡とアナルをヒクつかせて喜び、クラウディオの陰茎を抱きしめた。

「んっ……ぅ……ぁう……」

クラウディオはアルカディアが呼吸を苦しくさせないように、背中を撫で、お尻をさすり、口中を舌先でよしよししながら口づけた。
それはアルカディアにたたきつけた毒のような性感を、いよいよ細い身いっぱいにすり込むような愛撫だった。

「まだ、気持ち良くなっていてくれるか?」

だから唇の間に囁かれた小さくて甘い声に、さして考えもせずに頷いてしまった。
お腹の中でたっぷり出したものが、ちっとも萎えてない意味を深く考えなかった。
クラウディオは僅かに腰を揺らして、アルカディアの身体に再び快楽の甘い波を打ち寄せた。

「ふ、ぁああっ……っ♡」

ちゃむちゃむと陰茎を食んでいたアナルがふんわりと陰茎を包み込み、べったりと張り付かせた粘膜全体をひくつかせた。
アルカディアを気持ち良くさせると、律儀なアナルはクラウディオも気持ち良くしてくれる。
クラウディオはリズミカルに腰を前後させる。

「ぁ!あっ♡あっ、う♡」

同時に、お互いの腰を浮かせ、亀頭を結腸口から引き剥がして、裏筋で前立腺を捏ねる。
結腸口をちゅむちゅむと亀頭で揉む。
アルカディアが甘く吐息を漏らす責め方を、クラウディオはとてもよく知っている。

「きもちいい、な?」

喉を鳴らし、汗の雫が流れる首筋の傷跡を舐めあげて問う。

「あ♡ぃ、ぅ……ッ♡」

ぴくん、ぴくん、と揺さぶられているアルカディアの身体が快楽におののく。

「いってる、……ッ♡ずっと、いって、る……のっ♡」

お腹の中がじくじくと熱い。
アルカディアは促されるまま、クラウディオの首を抱いた。
ひげの生えない子供みたいな頬をクラウディオの肩に預け、気持ち良くなることとしがみつくことしかできない身体をすり寄せる。
男の絶頂を味わえない陰茎はただの快楽のための器官となりはて、クラウディオのお腹に裏筋を擦って貰えて嬉しそうによだれを垂らした。

「おな、か、あつ、…ぃ…ッ♡ぁ、ん♡くら、ぃおっ♡くぁ…ぅ…♡」

もはやその蕩けた声もクラウディオにとっては快楽の源泉となっていることを知らない。
ひとは、セックスしててもわかり合えないことが多すぎる。

「あ、ふ♡くら、ぃお…ッが、……きもち、いッ♡」

だから夢中になるのかも。
クラウディオはぐう、と喉を詰めて、アルカディアを抱く腕に力を込めた。

「もっと」

秀麗な面は快楽に染まり、この世でアルカディアしか見ることができない熱と欲に赤く染まっている。

「もっと、だ、アルカディア」

膝の上に抱え上げられていたアルカディアの身体がゆっくりとシーツに寝かされる。

「ぅ、ぁ、あっ……あ゛ッ♡♡」

膝を揃えて、うつ伏せられ、陰茎はシーツに擦れ、隘路はいっそう締め付けを狭くする。
びりびりと全身に走ったエクスタシーの重さにアルカディアはぴゅるんと新しい潮を吹いて身悶えた。
しかし、クラウディオの身体で作った檻にすぐさま閉じ込められる。
背中にも腰にも、すべすべで熱くて硬い、クラウディオの身体。そして、尻たぶを親指で割り開かれ、とちゅん♡と結腸を開かれる。

「っお゛​​──……あ゛ッッ♡♡」

仰け反るはずの背中が微動だにできず、ただ、ビクン!と震えるにとどまった。
クラウディオはアルカディアの背中に張り付いた長い髪を避け、盆の窪に溜まった汗を舐め、熱い頭皮に鼻先を埋めた。
とちゅ、とちゅ、と連続して結腸を捏ねる。

「ぁ、あっ♡そえっ♡そこ、や、ぅ……ッ♡♡」

閉じ込められた。さっきから快楽しか与えられていないのだ。もうこらえ性なんて跡形も無い。
クラウディオは熱い吐息を吐き、かぱ、と唇を開いた。尖った犬歯がのぞく。

「あ゛、ぁ、あっ……ッ♡」

かぷり、とその牙がアルカディアの首に噛みつく。
悲鳴はどこまでも甘く、クラウディオの鼓膜を浸した。