If you care, you'll lose
ふぁ、と大きな欠伸がでる。
「眠いのか?」
「…ん〜」
アルカディアはクラウディオにコクンと頷くと目をこする。
「こら、こするな。なら先に帰るか?」
私はまだ帰れないぞとクラウディオは続ける。アルカディアは今度はイヤイヤと首を横にふりゴロンとクラウディオの膝に寝転んだ。
「寝る?」
「ぅん…」
しばらくすると静かな寝息が聞こえてきた。今は部屋に2人きり。事務仕事をしながらアルカディアの頭を撫でる。
するとそこへ…
「社長、先程先方から…」
ノックとともに扉を開け入って来た社員の男は手に持っていた資料から顔を上げ、クラウディオを見て固まった。
正確に言えばクラウディオの膝の上だが。
「なんだ?」
「えっ!いや、あの…先方からこちらを預かりまして」
クラウディオの膝の上を気にしながらも手に持っていた資料を差し出す。
その後もちらっちらっとクラウディオの膝を気にしながら話を進める。
「じゃあ、これで進めていくか…」
「そうですね。あの…社長、アルカディア様なんですが…」
「そうだな。そろそろ起こさないとな」
「いえ、そうじゃなくて…」
何だ?と言った感じでクラウディオに見られ社員はそれ以上何も言えなかった。
彼のことを気にすることなくアルカディアを起こし始めたクラウディオの声は、今まで聞いたことがない甘い声で。
「で…では私はこれで…」
「ああ、ご苦労」
「失礼します…」
社員は外に出て扉を閉めると大きなため息をつき胃をさすりながら帰っていったのだった。