「ひとまず隊長、隊舎に戻ってください」 「えー、せっかく由里果に会いにきたったのになぁ…いけず」 「吉良副隊長が涙目で探してましたよ」 そろそろあの人、胃に穴が開きそうだ。 この銀ギツネが逃げ出すばっかりに。 「イヅルは大丈夫やって。それより、今からボクとどっか」 「行きません」 「由里果の好きなあんみつ、今半額やで」 「…………行きません」 えー、と唇とがらせてもダメです。 あんみつで揺らぎそうな自分もダメだけど。 「そーかー、ならしゃぁないなぁー。奢ろかなーっと思ててんけどなー」 わざとらしい、わざとらしいよキツネ隊長!! というか隊長の給料なら奢りなんか余裕でしょ!! 「あぁぁ…やっと見つけた…!! 市丸隊長!!」 「うぁ、見つかってもた」 うぁ、って。うぁ、って。 吉良副隊長、お疲れ様です。本当に。 |