宴は続行中。


待ってて、と言われてからちょうど1時間くらいして、お店のドアが開く。

そこには黒髪の背の高いお姉様(と呼ぶのが相応しい)、水色の髪の体のデカい男の人、そして…

「ガイコツ…?」

動いている。誰かが動かしてるとかではなく、歩いている。

「あら〜…これは可愛いお嬢さん…。パンツ見せてもらっても「おいコラブルック!!」

内容よりも喋ったことの方が驚き。
サンジさんが激しい蹴りを浴びせる。

「しゃべっ…!?お化け…!?」

背筋が冷える。なんでみんな普通に受け入れてるんだろう。

「面白ェだろ!?ブルックだ!一度死んで何故か生き返ったんだってよ!」

それはそれは楽しそうに笑うルフィ。

「色々ありましたが、生きてます!ヨホホホ〜!」

このハイテンションな感じ、知ってるお化けとは違う。この人はお化けでも違うのかも。

「よ、よろしくお願いします…」
「麗しいお嬢さんですね〜、私女性に目がないんですよ…本当に目、ないんですけどー!」

ヨホホホと軽快に笑うブルックさんにつられて自然と笑ってしまう。

「アウッ!おれとロビンの自己紹介がまだだぜ!」

水色髪の男の人が吠える。

「私はロビンよ。ニコ・ロビン。貴女がミヤビね?話は聞いてるわ」

その男の人の声など聞こえてないかのように黒髪の美女…ロビンさんが上品な笑みと綺麗な言葉で挨拶をくれる。同性でも緊張してしまう。

「よ、ヨロシクオネガイシマス…」
「ふふっ」

「そして俺がァ!」

水色髪の男の人が腕を斜めに上げ左右の前腕部をくっつける謎のポーズをキメる。あれ?くっつけた瞬間ガキィン!と明らかに金属みたいな音がした。

「フランキーだ!スゥウ〜〜〜パァ〜〜〜っ!」
「よっ!良いぞフランキー!」

ルフィとかウソップの盛り上げる声。正直私はブルックさんの時と同じ戸惑いがある。

「ロボ…?」
「いんや、おれはサイボーグだ」
(違いがわからない…)

そうですか、よろしくお願いします、とでっかい手の平から出てきた小さな手と握手する。何が何だかわからない。もしかして夢?

「「いつ見てもすっっっげぇ〜〜〜!!」」

目をキラキラさせてるのはルフィとウソップ。
でも今2人以外にも声がしたような…。

「おれはチョッパーだ!よろしくな!」

足元に…タヌキ?

「おれはトナカイだ!」

ガーッと怒ってるけど、かわいい。

「男に可愛いとか言うな!」

また怒ってる。くすくす笑ってしまう。

「ごめんなさい、よろしくね、チョッパー」

いろんな人(人?)達がいるんだなぁ。

「皆さん近くに住んでるんですか?」
「私たちはみんな麦わらハイムに住んでるわ」

ロビンさんの言葉に驚く。え、みんな同じところに住んでるの?

「よく集まってますよ〜、是非ミヤビさんにも遊びに来て頂きたいですね〜」
「そういやミヤビ、おめェはどこに住んでンだ?」
「こいつはかもめ荘に住んでる」

飲むことに専念してたゾロが会話に参加してくる。

「そっかァ、ケムリンのところか…」

ケムリン??

「スモーカーよ。まだ会ってない?」
「えっと、隣に住んでるよ…」

ナミに返事をすると一瞬だけ会話がなくなる。

「あいつの隣だったのか…」

ゾロが若干苦い顔してる。どうしたの。

「ミヤビ、施錠は忘れないようにね。何かあったら呼んでちょうだい」

ナミとロビンさんに凄まれる。なんで、

「で、でもスモーカーさんが何かあったら呼べって」
「まー誰でも良いけどよ!ご近所さんをナメてもらっちゃ困る!とりあえずは1人で解決しようとするな!」

ウソップがなんとなくいい感じに締める。
今までご近所付き合いというものをそんなに意識したことは無かったけど、結構良いものかもしれない。
なんだかホッとした。一瞬スモーカーさんが隣に住んでることにより不穏な空気になったのは除いて。

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フランキー…土方の仕事をしている。割といい役職に就いている。
チョッパー…人間だと未成年。何やら自宅とある場所で医療について日々学んでいるらしい。
ロビン…とあるIT系企業のNo.2。
ブルック…世界で活躍する音楽家。最初はインパクトがありすぎたけど腕が認められ、怖がられたりとかはだいぶ減った。





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