……私が、間違っていたんだろうか?
私は昔から「人の役に立ちたい」と思ってはいたけれど、「人にいいように利用されたかった」わけじゃない。
自分ができるだけのことをやっていただけなのに、あの人たちにとっては、きっとそれは目障りだったのだろう。
私を蹴落とすためだけに罪のない人を五人も事故で殺しておいて、私にその罪を擦り付けるくらいには。
「人殺し、人殺し!」「責任を取れ!」「謝罪しろ!」
私を見つめる白い目。冷たい視線。罵詈雑言。向けられた悪意と軽蔑。
……どうして、どうして。私は何もしていないのに。
私は、私はただ、
「私を蹴落として作った、安全地帯の居心地はどうだった?」
電車に飛び込む数秒前、私は目を瞑ってそう呟いた。
……あぁ、これで楽になれる。そう思っていたのは束の間で。
気づけば私は深い森の中、地面に座り込んでいた。
顔には、貼りついたような笑顔の仮面。今の私にはお似合いね。
足元には1枚の封筒、差出人の名前は無く、唯一書いてある文字は「エウリュディケ荘園」とだけ。
その中には「ゲームに参加して欲しい」そんな旨の手紙と、その荘園への地図が同封されていた。
……怪しさ満載ではあるけれど、私には行く場所も行くあても、もうない。
どうせ一度死んだようなもの、だから私はあえてここに行こう。
顔で笑って心で泣くために、仮面のひもはしっかり締めて。
私はその荘園へと足を運ぶことにした。
book / home