バタータルトの不安
「お兄ちゃん!起きて、朝だよ!」
「ん〜・・・眠みぃ・・・昨日でかい奴来て修復大変だったんだよ・・・お前も分かるだろ?・・・だからも少し寝かして・・・」
「駄目!遅刻しちゃうよ!?」
「・・・しょうがねぇな・・・」
「あ、起きた。」
「ふぁああああ・・・」
毎朝良守お兄ちゃんを起こす。
これが私の日課です。
「妖歌はなんでそんなに早く起きられるんだ?」
「んー?何でだろうね。」
「おはよう、妖歌、良守。」
「おはよーお父さん!」
これが、普通の日常。
そして登校。
「おはよう、時音さん!」
「あっ、妖歌。」
「時音さんは今日も綺麗です!うらやましいなぁ・・・。」
「・・・本当に妖歌は可愛いわっ!・・・本当に良守の妹なのか疑うくらい。」
「それどういう意味だよ!」
「言葉通りの意味よ。」
「〜〜〜ッ!」
「け、喧嘩しないで!」
「「・・・妖歌が言うなら・・・」」
いつもこんな調子。
・・・そして授業。
「つまり、ここがこうなるわけだ・・・」
「(はぁ・・・眠い。)」
朝、お兄ちゃんにああ言ったわけだけど
眠いものは眠い。
「(そうだ、こんなときは・・・!)」
教科書を取り出すフリをして、
お気に入りのレシピノートを取り出した。
「(レモンと石榴のパイは昨日作ったし、次あたり和菓子みたいなの作りたいな・・・。あ!黒蜜とか抹茶って豆乳に合いそうな気がする!)」
何か一つスイーツのことを考えると、
すぐまた違うスイーツのことを考えてしまう。
だから、私はいつも成績が悪い。
まぁ、お兄ちゃんも似たようなものだけどね。
「(ブルーベリーソースとか、ライムとか使ったお菓子作りたいなー。)」
そして学校が終わって、
いつも通りにお兄ちゃんと一緒に家に帰った。
そして夕食。そして仮眠。
だけど・・・
そろり、そろり。
「(よしっ、この時間なら・・・!)」
私はなるべく足音を立てないようにして、
お兄ちゃんの部屋に向かった。
「お兄ちゃん!起きて!」
「・・・ん・・・」
「この時間に起こせって言ったのお兄ちゃんじゃん!アレ作るんだから起きてよ!」
「あ、うん・・・」
アレとはもちろん・・・
「フフフ・・・計画はもはや完璧・・・」
「材料も完璧にそろったよ!・・・ところでお兄ちゃん、今回のコンセプトは?」
「あぁ、今回はブルーベリーソースを混ぜた生クリームを使って、可憐かつ美味しいお菓子の城を建てようかと・・・」
「お兄ちゃん凄い!何でいっつも私が作りたいものを思いつくの!?心でも読んでるの!?」
「まぁ、お前の兄貴だからな。」
ダダダダ・・・
そのとき、夜中に似つかわしくない
大きな足音が響いた。
「お兄ちゃん、来たよ」
「・・・来たな!」
ガラッ
「良守ー!妖歌ー!今日こそ、引導渡してくれるわー!」
「ふん!」
「とあー!」
毎日恒例、おじいちゃんとお兄ちゃんの戦いです。(私は和菓子とかも作るので除外)
「こしゃくな・・・!」
「今日こそみっちり、洋菓子の魅力教え込んでやるぜ!」
「いきがるな、粉臭い小僧が!」
そして、おじいちゃんとお兄ちゃんの仁義無き戦いが始まった。
「台所でどたばたするのやめてほしいんだけどなぁ・・・埃散るし・・・。(サクサク」
クッキーの焼け損じをかじりながら
私は二人の戦いを見る。
すると・・・
「狽゙ぅ!?」
「・・・どうしたじじい。」
「城内に侵入者が!」
「「!!」」
急いで装束に着替えて、私達は烏森に向かった。
「おいで、玉藻!」
《あらま、散歩の時間〜?》
相方の玉藻を連れて、私はさっきよりもさらに急いだ。
そして・・・時音さんと合流した。
「あら、妖歌!」
「時音さん!妖は見つかりましたか!?」
「ううん、それが全然見つからないのよ・・・」
「・・・じゃあ手分けして探しましょう!」
「・・・そうね、じゃあ私はプール側を見るわ。良守は校舎側!」
「じゃあ私はグラウンド探します!」
「よろしく頼んだわよ!」
「はいっ!」
《ウフフ〜♪楽しそうね〜》
「行くよ!」
《わかってるわよ〜♪》
「居ないなぁ・・・」
《匂いはこの辺からするんだけどねぇ》
「ん〜?」
《・・・妖歌、居たわよ》
「へ?」
「妖犬ノ癖ニ、ヨクアタシヲ見ツケタワネ」
「狽なたね、烏森に侵入した妖は!」
「エエソウヨ。ココニ居ルダケデ、力ガ手ニ入ルラシイカラネェ。」
「・・・残念ながら、あなたにはココを出て行ってもらうわ」
「嫌・・・ト言ッタラ?」
「無理にでも追い出すわ!」
「餓鬼ガ!」
そう言うと、妖は糸のようなものを出して、
妖歌を捕らえた。
「狽ォゃっ!」
《私の妖歌に何するのさ!許しゃしないよ!?》
玉藻は妖に飛び掛ったが、
同じように捕らえられてしまった。
「フフフ、アタシヲ普通ノ妖ト思ッテイルナラ、ソレハ大間違イヨ。」
《なんだって・・・!?》
「アタシノ名前ハ「時計狂ワシ(タイムパラドックス)」ッテ言ウノサ。ソノ名ノ通リ、時間ヲ、世界ヲ狂ワスノサ・・・」
「世界を、狂わす・・・!?」
「ソウ、世界ヲ狂ワスッテ言ウノハ、ツマリ“ソイツノ居ル世界ヲ変エル”ッテコトサ」
《なんだって・・・!?》
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