Fragrance of you. (SS)

·····何気なくぎゅっと琉音ちゃんを抱きしめた時に、ふと嗅いだことのない、いい匂いがした。


「·····なんだか、いい匂いがするね」


そう言って出久がすん、と鼻を鳴らすと、琉音は恥ずかしそうにこう言った。


「ふふ·····いずくん、気付いた?新しいボディコロンをおろしてみたんだ!トップノート(最初の香り)がね、私の大好きなストロベリーなんだよ!」

「そうなの?」


確かにふんわり甘酸っぱくてすごく良い香りだと思ったけれど。それを告げてもう一度すんすんと鼻を鳴らせば、また顔を真っ赤にして照れるだろうから言わないでおくことにした。代わりに別のことを口に出すことにする。


「じゃあ今日はその香りのまま僕に会うために、そのボディコロンをつけてきたってことだよね?」


そう言えば琉音が目を丸くして固まるものだからやっぱり正解だったのかと思うと同時に、ちょっと意地悪をしたくなった。


「ねぇ琉音ちゃん、そうでしょ?」


ちょっと意地悪く囁いて抱きしめたままの琉音ちゃんの鼻先にキスを落とせば、みるみると顔全体を染め上げた彼女は悔しげに口を尖らせたあと観念するように小さく呟いたのだ。


「·····だって、いずくんに最初にこの香りを嗅いで欲しかったたんだもん·····」


そんな可愛いことを言われてしまったら我慢なんて出来るはずがない。僕は琉音ちゃんを引き寄せるとそっと告げた。


「僕の琉音ちゃんは本当に可愛すぎるよ·····大好きだよ、愛してる」


その言葉にまた頬を赤くして、「私もだよ」と言う琉音ちゃんを強く強く抱き締め直しながら、僕らはそのままお互いを求め合うように唇を重ねた。


―――――――
琉音ちゃんのイメージ香水作った記念。
スタッフさんいわく「母性を感じる香り」らしいがまじでバブみを感じる優しく甘い香り。
出久はこんなにいい香りを嗅いでるのか·····最高かよ·····


20211209

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